【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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作者「本格的に小説を書くぞ!書き方の本を買ってきたぞ!」

本「カッコの最後の分に句読点は付けません」
作者「ファ?」
本「付 け ま せ ん」
順平「小論を経験せずに社会人になるから駄作SS作者が生まれるんですよ」

割と真面目に小説爆破(削除)するか葛藤した。


【思い出】正義の味方と呪術師について

 

 

「衛宮!図書館に行くから付いて来るのじゃ!」

「分かった、今行くぞ」

 

 

「衛宮!Gじゃ!!Gが出たのじゃー!!」

「おっおっおおお落ち着け。先ずは領域展開をだな....」

「お主が落ち着かんか!!」

 

 

「───どうじゃ!妾の勝ちじゃ、褒め称えるが良い!」

「なあ天内、オフでルイー●の即死キメるのはどうかと思うぞ」

「えっ、折角練習したのに.....」

「さてはトレモにずっと引き篭ってた勢だな?」

 

 

 

衛宮士郎が天内家に来て、今日で一週間目。

 

人間の"慣れ"とは恐ろしいもので、天内家の人間も衛宮も順応していた。まあ黒井さんは言わずもがな、衛宮はシンプルに人格者な上、天内も根は良い子なのだ。これでギスれと言われた方が難しい話である。

そう、難しい話のはずなんだが───

 

 

「衛宮!プールに行って来るから留守番頼むのじゃ!」

「ああ....って、ちょっと待て」

 

 

流石にそれは見過ごせない。ただの女子中学生が外出する分には結構だが、彼女は天元と同化する事が定められている星漿体。もし彼女の身に何かあれば、日本国民全員に被害が及ぶのと何ら変わりはないのだ。

 

 

「むー、上手くいくと思ったのに.....」

「騙されんぞ。黒井さんも連れて行かない気か?」

 

 

当然ながら、天内は衛宮が来る前からも厳重な警護を受けている。通学は必ず乗用車を使い、公共交通機関の使用は出来るだけ避ける。一人での外出は当然禁止。旅行や遠出の外食には申請が必要で、小学校時代の修学旅行は1日しか参加できなかったらしい。

 

 

「ひ、一人じゃ無いもん!クラスの女子でプール行くって話になってるから、妾も混ざって来るだけだもん!」

「なんで(それでいけると思ったの)さ」

「それ何の略語じゃ!?」

 

 

衛宮とて人の子だ、行けるものなら行かせてやりたい。何処ぞの高田ちゃん狂信者が言っているように、青春の不完全燃焼は尾を引くのである。

しかし、もし一人で行かせた事が高専にバレでもしたら──

 

 

『ほう、星漿体を単独でプールに行かせたと。その時の混雑状況は?何、ほぼ満員?馬鹿かお前は、ガッデム!!!』

 

 

確実にマジビンタの刑である。もし問題が起きればビンタどころか首が飛んでいくかもしれない。直喩的な意味で。

 

 

「理子様、流石に一人で行くのは宜しくないかと....」

「なら黒井が来るのじゃ!衛宮とはいえ、男と行ったら絶対噂の種にされるに決まっとるわ!女子中学生の恋愛脳をナメるでない!!」

「そうしたいのは山々ですが、私はこれから高専に書類を出さなければなりませんので.....」

「あー、分かった。プールサイド辺りでブラブラして一切話しかけないから。これで良いだろ?」

「むぅ....分かったのじゃ」

 

 

数十分後、衛宮はこの選択を頭を抱えるレベルで後悔する事になるのだが、今の彼には知る由もない話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄さんコッチ向いてー!!!」

「凄い背が高い!!もしかしてハーフってヤツ!?」

「はっはっは、よしてくれ子猫ちゃん」

 

 

 

医学の進展した現代でも、人間の体には謎が残っている。

 

何故、猿から進化する時に体毛を大幅に失ったのか。何故、心臓の筋肉は疲労せずに動き続けることができるのか。まあ今はソレを置いといて──

 

 

「コッチのお兄さんも格好良い!ニヒルな感じが素敵~!」

「今だけロン毛の事許容しよ、これは別格だわ。」

「ははは、ちょっと通してくれるかな。お嬢さん方.....」

 

 

 

本当は頭良いはずのコイツらが、なんで馬鹿なことをするのか。

フェルマーの最終定理に並ぶ世紀の珍問に違いない。

 

 

「おう衛宮、JKの水着姿だぞ。金払え」

「水着一丁だから持ってないな」

「ならラッシュガード寄越せ。屋外プールだから直射日光がヤバいんだよ」

「カツアゲの次は追い剥ぎかよ。まあ貸すけど、男物だぞ?」

「身長同じくらいだし大丈夫だろ」

 

 

勢いで脳を誤魔化していたが、遂に限界を迎えたようだ。

衛宮の中で何かがキレた、決定的な何かが(JOJOナレーション)

 

 

 

 

「─────なんでお前らがここにいる?」

「何でって....ああ、そういう事?」

「「「プライバシーは俺(私)たちが殺した」」」

「そうか、帰れ」

 

 

オッエー顔で抗議する五条。何を言われたか理解してなさそうな夏油。男が着ていたのを一応気にしているのか、ラッシュガードを一度水につけて洗う家入。ダメだコイツら、頭良いのにこういう時だけ猿になる。天内の世話の方が万倍楽だろう。

 

 

「どうやって見つけた。毛ほども残穢は残さなかったぞ」

「んー、先ず俺の六眼で衛宮の呪力を大まかに解析するだろ?」

「そして、私の呪霊操術で蝿頭と飛行可能な4級呪霊を使って衛宮の呪力を嗅ぎ出す。」

「流石に街全体をカバーするのはキツかったらしいから、私が反転術式で術式が焼き切れるのを防いだ。」

 

 

えっへんと胸を張る三人衆。そんな魚群探知機みたいな調べ方をされていたとは夢にも思わなかった。

確かパパ黒は強化された五感によって呪霊を感知していたはずなので、高度を保ったまま地上を探知する方法であればすり抜けられるのだろう。帰ったらプレ先に報告しなければな。

 

 

「いやぁ、どんな山奥かと思ったら市内だとはね。探し始めて一週間で見つかったよ。」

「それでプールに向かってるのが分かったから、水着買って遊びに来たわけ。」

「どうどう?俺の水着スタイル、似合ってるだろ?」

 

 

 

どうと言われましても.....

 

 

五条はアロハシャツに紺色の海パンという、沖縄かハワイのビーチでしか通用しなさそうなファッションだ。明らかに屋外プールには不向きな恰好だが、このアロハシャツ全く濡れていない。さては無下限使ってるな?

 

夏油は水着というよりウェットスーツだ、それも無地の黒。流石は真面目枠と言ってやりたいところだが、大人びた雰囲気と体格の良さのせいでプールの監視員さんにしか見えない。迷子の子供がお前を見て話しかけたがっているぞ、どうしてくれる。

 

家入はオフショルダーのワンピ....だったが俺のラッシュガードを装着して完全防御態勢に入っている。あれっ、これ彼シャツでは?と他の女子なら考えていただろう。うん、他の女子ならね。

 

 

うん、見れば見るほど残念な奴らだなコイツら。

 

 

「ていうかお前ら全員腹筋割れてんじゃん、ウケる」

「傑の見ろよ、ウェットスーツに腹筋が浮かび上がってるんだけど!!」

「ちょ、こういうのは普通褒められる物だろう!衛宮、私にもラッシュガードを!!」

「二枚持って来てるわけがないだろ」

「何を言っている、投影すればいいだろう!?それでも呪術師か!?」

「いつからロン・ウィー●リーになったんだお前」

 

 

いつもアレだけ非術師がどうたら言っているが、夏油は割とクズな面が有る。非術師を守らなければという考え方も、案外術師とそれ以外を隔絶して認識しているからこそ出来る思考なんじゃないだろうか。まあ今の俺が言ってもしょうがないけど。

 

 

「てか衛宮、折角プール来たんなら遊ぼうぜ!」

「さっきからベンチで座ってるだけだからね、逆に目立ってるよ?」

「言ってやるなよクズ共、水着姿を鑑賞してるムッツリーニなだけかもしれないだろ」

「よし家入、そのラッシュガード返せ。」

「やーん」

 

 

いつも絶対使わない声帯使うのやめろ、事案にしか見えなくなる。

そこの二人も監視員さんを呼ぼうとするんじゃない。

 

 

「分かってる分かってるって。護衛の一環だろ?」

「うっ」

「護衛対象はさっきから見てた子だろ?ほら、ちょっと気の強そうな」

「うぐっ」

「衛宮も五条に比べたら見劣りするけど特級だからね、結構重要人物でしょ。呪術界と繋がってる一般人(パンピー)のお偉いさんのご令嬢か、特級被呪者か。それに匹敵するくらいの激ヤバでしょ?」

「黙秘権を.....」

「いや大丈夫、後は本人(・・)から聞くから」

 

 

アロハシャツを颯爽と脱ぎ、タオルのように肩に引っ掛ける五条。

まさか、まさかとは思うがコイツ───

 

 

「ちょっとナンパして来る」

「待て待て待て待て待て待て待て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんだコイツら」

 

 

 

レジャー系プールから数百メートル離れた高層ビルの屋上で、術師殺しは呟いた。

フィジカルギフテッドは筋肉だけを強化するわけではない。その名の通り、肉体的(フィジカル)な知覚器官の機能まで底上げされているのだ。都会の喧騒の中でも硬貨を落とした音にも気付くし、パチ台の下で輝く銀の卵(おこぼれ)にも敏感に反応できるわけだ。

 

 

「タダ働きは嫌いだが、五条の坊が絡んでんのか。どうすっかねぇ?」

 

 

高専に五条家のバケモンが通っているという話は聞いている。恐らく、高専からの繋がりで手伝いに来たか、はたまた顔を見せに来たか、もしくは単に遊びたいだけなのかの3択。危害を加える気が無いなら自分の出る幕はないし、出るつもりもない。だが──

 

 

「.....うん、アイツの腹筋より俺の方が割れてんな...って、何してんだ俺」

 

 

自尊心(ソレ)は捨てたろ。こんなバカみたいな事を考えるのはやめろ。

ブーメランパンツでプールに堂々乱入し、格の違いを見せてやろうなんて考えてはいけない。

 

 

「まあ放置でいいや、定時まで残り5時間。のんびり仕事させて貰おうかね」

 

 

ふわぁ、と欠伸をしてガラケーを取り出し時間を確認する。

待ち受けには昨日撮ったばかりの、四人の家族写真が鮮やかに飾られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後7時にして漸く帰宅。正直女子中学生の体力をナメていた。プール後に昼食代わりのマックに、街歩きしてデパートで服を購入。これで終わりかと思えば、デパ地下で美味いと評判の弁当屋とパン屋とタピオカ屋巡り。それを追っかけるコッチの身にもなって欲しいものだ。

 

 

「今日は楽しかったのじゃ。偶には外に出んとな!衛宮もそう思うじゃろう?」

「手の掛かる子供のお守りは面倒だなって思った」

「なぬっ!?プールでは何一つ迷惑行為はしておらんぞ!?」

「あー、ごめん。コッチの話だから大丈夫だ」

 

 

あの後は本当に散々だった。

ナンパに走ろうとする五条を全力で阻止したり、監視中に水鉄砲で妨害してくる夏油をプールに蹴り落としたり、家入にパシられて浮き輪を借りに行ったりとマジで大変だった。その後の護衛任務中も何かにつけて邪魔してくるのでウザい事この上ない。精神的な疲労を考えると、高専に入学してから初めてのレベルで摩耗しているかもしれない。

 

しかも最後に「また来るわ」とか言って帰りやがった。

いっその事、任務の内容を話せてしまえばどれ程楽だったろうか。

 

 

「ふむ、随分と疲れておるようじゃな。ここは妾が一肌脱ごうではないか」

「いや結構です」

「最後まで聞いてから判断せい!いつも妾が話しかけてばかりじゃから、偶には衛宮の話も聞いてみたいのじゃ!愚痴でも自慢話でも何でも良いぞ!」

「急に言われてもなぁ.....」

 

 

そういうのは一番苦手な話の振られ方かもしれない。

先ず、自慢話はないな。言ってて嫌になってくるし、なにせ闇堕ち機関車だの糞神父だのとしか戦っていないため白星自体がない。こんなんを嬉々として語ったらドン引きされることは間違いないと思う。愚痴も同様ナシだ。術師ではない天内に日頃の訓練の辛さを伝えてもピンと来ないだろうし、なにより頼りないとは思われたくない。

 

 

「むぅ、主体性が足りんのじゃ主体性が!」

「じゃあ何か聞いてくれよ、そっちの方が俺としても楽だ」

「....それなら、なんで衛宮は呪術師になったんじゃ?」

 

 

それを聞かれると弱る。馬鹿正直に、メロンパンをレンチンするためなんて言えないし。

 

もし自分が呪術師になるとして、その理由は?命を懸けられるモノが有るとするなら?

もし自分が死ぬと分かっていたとして、その命を何の為なら投げ捨てられる?

 

 

 

違和感。

 

 

 

───答えなら、ある。

しかし、これは"衛宮士郎"の答えだ。俺自身の答えじゃない。

 

 

 

「正義の味方になりたいから、かな。」

「なんじゃ?スーパー戦隊とか好きじゃったのか?」

「いや、そういうんじゃないんだけどさ。何が何でもって言いながらハッピーエンドを目指すヤツって、格好いいと思わないか?ただひた向きに夢を追いかけて、どんな苦難に遭っても折れないような主人公みたいなヤツ。それこそゲームの主人公みたいなの」

「あー、分かるぞ。男のロマンってヤツじゃな?」

「男のロマンってこういうのだったか.....?」

 

 

 

違和感。

 

 

 

血が出ているのに気づかなかった傷口を見つけたような、困惑。そして恐怖。

そうだ、当たり前だ。"領域展開"が術者の精神世界と呼ばれるように、この術式を植え付けられた自分の精神が捻じ曲げられるのは当然の事だ。あまりこんな言葉を使うのは気は進まないが、一種の天与呪縛だと考えてもいいかもしれない。恵まれた分の代償だ。

 

 

 

「じゃが妾の方が正義の味方じゃぞ!妾は何せ、天元様と同化する存在じゃからな!!」

「そういうのじゃないんだよなぁ....」

「ええい、拘りが強いんじゃ!細かい男は嫌いじゃ!」

 

 

 

違和感。

 

 

 

正直言って、前世の自分がどうだったかなんて他人事のようにしか思い出せない。

今の自分も誰なのか、誰が自分で誰が他人なのかが分からない───あれっ、これ

 

 

 

「というか主体性が無いって言っとるじゃろうがァァ!!!」

 

 

 

突然の大声で思考がブッ飛んだ。

長考のあまり会話がおざなりになっていたようだ、申し訳ない。

 

 

 

「妾が話したら同じ分だけ返すようにせんか!肯定か否定の一言しか返しておらんではないか!」

「わ、悪い。ちょっと自慢話のくだりで考え事してて....」

「そこで時が止まっておったか。いくら何でも鈍すぎじゃ」

「それは理子様もです。バスタブのお湯が冷めてきていますが?」

 

 

 

うおっ、いつの間にか後ろに回り込まれてた。

代々星漿体に仕えてきた家系とは聞きましたが、伊賀とか甲賀とかの出身だったりします?

 

 

 

「す、すまん衛宮!湯浴みに行く故、そこのコップ片づけておいてくれ!」

「はいはい。ゆっくり入って来な」

 

 

 

やれやれと天内のコップを受け皿に乗せ、食器洗い機へと持っていく。

その水面に浮かんだ波紋から目を逸らしながら。

 

 

 





衛宮「おい作者、急にどうした。シリアスは死んだんじゃなかったのか」
作者「こないだ独自設定タグ付けたじゃん?」
衛宮「おう」
作者「本当は10話くらいでテキトーに失そ...終わらす気で書いてたけど、予想以上に反響が良かったんだよね。だから前々から考えてた設定も入れ込んじゃお☆って思った」
衛宮「お、おう」
作者「だから長期連載にマジカルチェンジしちゃったからね、仕方ないね!」


高評価をすると作者が調子に乗って失踪する確率がぐーんと減ります(ポケモン脳)

懐玉編、いかがでしたか?

  • 原作二巻を五十話とか長すぎるわ!
  • 丁度良いボリュームだったぜ!
  • もっと日常回欲しかった!
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