【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。 作:なんか変な色の翼
アンケでメインよりキャラ交流を望まれたので
またもや小ネタ詰め合わせです。しんみりしてます。
梅雨は嫌いなので次回からは平常運転です。
先輩「エナドリによる集中力の制限解除!」
友人「このカフェイン中毒者め!」
作者「失礼だな、社畜予備軍だよ」
睡眠時間を執筆時間に変換するのは構築術式並にキツい。
日本特有の語彙の中に、ザルという隠語がある。
勿論、金属製で野菜の水を切ったりするのに使う網状のアレではない。どれだけアルコールを摂取しようとも酔わない人間の事。要は五条悟の対義語である。
「全くコイツ酔わねぇ.....つまんねーの」
「はいはい、悪かったな」
「これストレートで飲んだらヤバイ系なんだけど、お前本当に人間か?」
衛宮士郎は想像以上にザルであった。40度を超える焼酎を水や氷で割らずに飲んでいるというのに、全く顔が赤くなる気配が無い。むしろ、無理して同じペースで飲んでいた家入の方が潰れる始末である。肝臓まで剣で出来ているのだろうか?
「これ以上飲んだら死ぬぞ、もう栓するからな?」
「ダメ。焼酎は栓を抜いた日に飲み切る主義」
「えー.....」
渋々と、再度自分のコップに焼酎を注ぎ入れて口にする衛宮。ちなみにアルコール40度の焼酎は飲むと(色んな意味で)死ぬので、自信の無い一般人は水で割って飲むように。
「お前さ、クズじゃないけどバカだよな」
「なんでさ」
「酒飲むの、これが初めてだろ。それなのに酔うだけのキツい酒飲んで、私みたいな不真面目なのに付き合って止めるタイミングも見失ってさ。本当バカだろ」
「まだ家入は真面目な方だろ、あの二人に比べたら」
"今のコイツ、呪術師と同じだな"と心の中で呟く家入。
所詮、非術師と違うのは呪力を使えるか否かだけ。だから、非術師と同じように"力が有れば英雄になれる"だなんて理論は通用しない。呪術師に出来るのは、他人の
「私は生得術式とか持ってないからさ。任務の代わりに怪我人の治療で実習すんだよ」
「あー、だから休み時間にカルテ書いてたのか」
「そん中に新米の田舎モンがいてさ。4級なのに2級任務の補佐を志願したりして、前線に突っ込んで毎回毎回ひでー怪我して帰ってくんの。あんまり何回も来るから顔覚えられて、"いつもありがとうございます"だなんて言われてさ」
「良かったじゃないか、呪術師には珍しい───」
「で、昨日ソイツを検死してきた」
空気が凍る。アルコールで上がった体温すら忘れるほどに。
「この世界はドラマみたいに上手くいかないし、ゲームみたいにやり直しもできない。後先見ずに突っ込んでいく馬鹿よりも、後ろでコソコソやってるようなチキンばかり生き残ってくんだよ。だから上層にはクズばっかの掃き溜めになるし、私は善人の身体ばっか切らなきゃいけなくなる」
「家入、お前飲みすぎじゃ....」
「衛宮には分かる?呪霊でも呪詛師でもない、仲間の身体にメスを入れる感覚。脳に刻まれた術式まで見なきゃいけないからドリルなんて毎回使うし、呪傷でやられてたらエグい傷跡も残っててさ、こんな───」
「おい、家入!!!」
いつもは出さないような大声が出た。ここから先を言わせてはいけない、と頭と心で直感したのだ。そんな衛宮を見て、家入は決まり悪そうに俯いた。
「ごめん、酔ってて頭回ってなかったわ。」
「.....俺も、正直キツい時はあるよ」
「何それ同情?」
「いや、俺もただの愚痴。初めて人を殺した時の」
手持ち無沙汰になった右手で空になったグラスを弾き、チーンと乾いた音を鳴らす。それに呼応するように、目線だけは此方に向けてくれた。
「6月の2週目くらいだったかな。強盗を繰り返す一級呪詛師の討伐に行ったんだよ。術式が危険極まりないから絶対に殺せって補助監督に言われたっけな」
「.....それで?」
「前以て術式が分かってたから、メタを張れる呪具を投影して持って行って。それで捕獲できたところまでは良かったんだけどさ」
やめてくれ!頼む、見逃してくれ!俺たちから金を毟り取った奴らから返して貰っただけじゃねぇか!!分かった、分かったから!もうこんな事はしねぇよ!!だから殺さないでくれ!!弟がいるんだ、呪いでやられちまって死にかけてんだ!!俺の術式で生かしてるから、俺が死んだら弟も死んじまう!!お願いだから殺さないでくれ!それがダメなら、せめて弟だけでも───
「何それ、言ってる事ガキじゃん」
「実際俺よりも子供だったよ。後から分かった話なんだけど、借金取りに追われて親は首吊りして、それが呪霊に転じて子供を呪ったんだってよ。兄貴の方には呪いに耐性があったけど、弟の方はそうでもなかったらしい。」
「で、その子どうしたの?」
「補助監督の人に連絡はしたさ。それで返ってきた返事が────」
──逃走される恐れが有ります。責任は私が取りますので、その場で処刑して下さい──
「非術師一人の命より、一級呪詛師の命の方が重かったらしい。重いって言い方は変だけど」
「.....辛かった?」
「いずれこうなるとは分かってたけど、それでも辛い」
「そっか」
再び机に突っ伏すように俯いてしまった。そうだ、彼女は16歳の少女なのだ。どれだけ反転術式を使えても、身体が強くても、揺るぎない信念が有っても、普通の女子高生のように傷付く事はあるのだ。
「やりたい事とやるべき事が乖離してんだよ」
「そうだな」
「多分1年もすりゃ慣れるけど、慣れるのは嫌だ」
「そうだな」
「衛宮は、正義の味方になれそう?」
「悪の敵になら、もうなってる」
衛宮も、また一人の人間だ。いくら強い術式を持っていても心は守れない。為すべき目標を見据えていても、常識を捨てた世界の中で息が何度も詰まっている。
「まあ、やりたい事とは別にやらなきゃいけない事も有るし。自分に出来る事を精一杯やってみるさ」
「成る程ね、歌姫先輩が気に入るわけだ」
「ん、何か言ったか?」
「別に?」
悟は"停学"になった。
彼が予定していた任務の大半は私に引き継がれた。硝子は元々危険な任務で外に出る事は無いし、衛宮は元々長期の任務が有ったので手伝ってくれる事は無い。
必然的に、私も一人になることが増えた。
夏休み最後の一週間は忙しかった。最近多発している事件事故の影響もあったのだろう。蛆のように呪霊が湧いた。
祓う、取り込む。その繰り返し。
それを繰り返して行くごとに私は強くなる。
祓う、取り込む。
しかし、それでも足りやしない。
あの日から、自分に言い聞かせている。
私が対峙したのは何も珍しくも無い、ただの現実。誰にでも訪れるような、ありふれた挫折。自分はそれを今まで、偶々知らなかっただけ。井の中の蛙になっていただけ。
「猿め.....」
ふと鏡を見て、自己嫌悪を口にする。
あの日から、私の世界は変わった。いつか3人で最強になれると純粋に信じていた日々は、圧倒的な実力差で崩れ去った。
術式反転を覚えたのは、私が一番初めだった。だがしかし、直ぐに肩を並べられて追い抜かされた。
二人と比べて私はどうだ?無限の発散、無下限すら突破し得る爆撃。あんなモノに追いつけるだけの成果を得られたのか?たかが呪霊玉の口当たりが良くなった程度で?
「──ブレるな」
使命を思い出せ。強くなる事じゃない、非術師を守り、弱者生存の在るべき社会を作り出す事。その為に、弱くとも果たすべき事を果たせば良い。
───違う、これは逃避だ。自分の理想をもっともらしい理由にして、自分の無力さから逃げているだけだ。
どうすれば良い?どうすれば強くなれる?
分からない、分からない、分から───
「何か、お困りかな?夏油君」
「──アンデルセン先生」
鏡にアンデルセン先生が映っているのに気づく。どこまで見られていたのだろう?
「何でもありません、大丈夫ですから」
「そんな顔色で"大丈夫です"が通じるわけがないでしょう?何でも話してみなさい、相談でも懺悔でも、何でもね」
「──大丈夫だって言っているでしょう!!」
自分でも信じられないくらいの大声が出た。今まで抑えていた衝動が、腹の底で渦を巻いているのだろう。
「五条と衛宮に抜かされたと思っているのかね?」
「..........はい」
「そうかそうか、君のような優等生がコンプレックスとは。青春とは斯くも美しく残酷なモノよ」
うんうん、と穏やかに頷きながら全く穏やかでは無い
「課外授業だ、付いて来れるか」
「マジですか」
「マジもマジ、大マジだ。強くなりたいのだろう?」
ああ、強くなりたいとも。追いつきたい。いや、それだけじゃ足りない。あの二人すらも追い越せる呪術師になりたい!
「ええ、お願いしまヘブッ」
5分後
家入「落ち着いて聞いて下さい、貴方はずっと昏睡状態でした。ええ、ええ、分かっています。どれくらいの長さか?貴方が眠っていたのは....12年です。五条悟は封印され、衛宮士郎は日サロに行ったり丸刈りしたりとイメチェンを繰り返し、メロンパンは貴方の身体を狙って────」
夏油「ハッハッハッハッハッハッハッハッハ」
家入「マズい!ナースを!」
次回、「【突撃】となりの京都校─壱─」
次回!
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メイン進めろやオラァ!
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もっとイチャつけコラァ!
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戦え.....戦え.....(戦闘回)
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お前も巫女にならないか?ならないなら殺す