【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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『今回は原作キャラしか登場しないよ!』


【懐玉-拾-】御三家定例会

 

 

御三家定例会。

 

冬の仕事始めの節分に行われる、五条、禪院、加茂の三家で行われる定例会議の場である。

 

 

聞いての通り、五条と禪院の仲は最悪。そして加茂はコレと言って特徴がなく、過去にゲロを吐き散らかしただけで....ドブカスに言わせてみれば"パッとしない"ヤツ。三頭政治の問題でよく起きる黒子のバスケ(誰だコイツ)現象を引き起こす役である。もはや素材の時点で最悪だ。

 

 

そんな三人衆が集まり、非呪術界との関わり合いや呪術界の将来を話し合うというもの、は名目上。日本国会の与野党の答弁の如く口汚く罵りあう定期ディスり会がコレである。非御三家の呪術師の皆さんからしたら無意味極まりないと考えるだろうが、"悪しき因習"とはこの事。誰も"やめよう"とは言い出せず、ズルズルと引っ張って現代まで至ったのである。

 

 

 

 

そして舞台は整い、2月3日。禪院家にて定例会が開催。

 

ここからは、可哀そうな被害者こと"加茂憲紀"君の視点でお伝えしていこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(うぅ....緊張するなぁ.....)

 

 

 

次代加茂家当主(偽)、加茂憲紀。会議開始5分前に着席。

 

ついこの間に七五三を迎えたばかりの彼であるが、現当主に"嫡男として迎えるかもしれないから"というクソお節介により渋々参加している。この積み重ねが後に××××野郎とか言わせる原因となるのだが、それに気づく気配はない。ご愁傷様である。

 

 

(五条と禪院の当主と次期当主は....まだ。もう五分前なのに....遅刻?)

 

 

いやいや、あの二陣営にマトモを求めるのは酷だろう。

 

片や気まぐれ暴れん坊将軍こと五条悟率いるワンマン一家、もう片方はゲスの極み一家。厚顔無恥な禪院であれば招いておきながら一番最後に悠々と登場し、フリーダム五条家であれば何時間遅刻して来ようがおかしくない....と思いきや。

 

 

 

(あっ、誰か来────!!?)

 

 

 

痺れるような覇気、威圧感、存在感が会議室を貫く。まるで、玄関の扉を開けて熊か何かと相対していたかのような異質さ。生物としての格が違うと、第六感を含めた感覚全てから感じさせる存在(モノ)

 

五条悟が、来訪したのである。

 

 

 

「....ッ、コレはコレはお久しぶりですな、五条殿!前にお会いしたのは──」

「どうも」

 

 

 

それでもメンツを保とうとした彼の言の葉を、虫を払うが如く一蹴する五条。

誰がどう見てもご機嫌斜めなのは明らかだ。

 

 

「.....オイ、そこのガキんちょ」

「わ、私でしょうか?」

「お前以外に誰がいんだよ。まだ禪院のジジイは来てねーのか?」

「はい、見ておりませんが....」

 

 

ビクリと体を揺らしながらも応対する加茂憲紀。ここで機嫌を損ねてガチギレされようものなら、生涯のトラウマが確定したのである。頑張った、頑張ったぞ加茂憲紀。

 

 

 

「そ、それにしても今回はお早い(・・・)ご到着で。いつもであれば少し遅れ──」

「で、何?」

「いえその、"で?"とは──」

「ンな御託並べて煽るくらいなら実力で煽れよ。だから加茂家ってパッとしないんじゃねーの?あ?」

 

 

不機嫌そうに頭をバリバリと掻く五条に対し、威圧感に引き下がらずを得ない加茂家当主。誰がどう見てもどちらが劣勢なのかは明らか。獣を目の前にした小鹿とも例えられよう。

 

加茂憲紀はこの瞬間、新たな世界を知った。当主という支配者が巣食っていたと思っていた世界には、更にその上の存在がいるという事を知ったのである。

 

 

「にしても、禪院のジジイはまだ来ねーの?客をどんだけ待たせるつもりなんだよ」

『あのジジイは一回アルコールを抜くべきだと思うんだ!ケバブみたいに吊るしてさ!』

「あー、それアリ!アッハッハッハ!」

『アッハッハッハ!!』

「アッハッハッハッ───────.....誰だお前」

 

 

そして次の瞬間、また彼は新たな世界を目撃するのである。

 

五条悟が世界の頂点であるのなら、今度は世界の底の底。地獄の果ての光景を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間前、禪院直哉の自室にて。

 

 

 

『おいおい、幼女暴行なんて信じらんないぜ直哉君。人の心とか無いんか?』

「...........」

『それに直ぐカッカするしさぁ。君の部屋で炊飯器使ったからって何だよ。真希ちゃんと真依ちゃんの笑顔が見れるなら、畳が一枚二枚腐ろうと知ったこっちゃないってのが紳士の構えだろうが。ああ?』

「...........」

『うーん、返事が無い。ただの死体のようだ』

 

 

 

禪院直哉。観測史上2715回目の死亡。

 

 

何者かによって換気扇を回さずに自室で米を5合炊かれており、外に出ざるを得なくなった直哉。憂さ晴らしとばかりに、いつものように真依か真希で蹴鞠をしようとしたのだから大変だ。球磨川禊(アル●ック)が急行し、+螺子でけつあな(ア●ル)確定&拡張術式される始末である。

 

 

ドルルルル、と螺子が掘削機の如く振動する音を聞きながら酢飯を作る球磨川。今日は節分、いつもお腹一杯ご飯を食べられないであろう義妹たちに恵方巻でも食わせてやろうと考えたのだ。なお酢飯の作り方なんぞ知らないので、炊き立てご飯に酢をなみなみと入れるアホな光景を披露している。

 

 

 

『さぁて、お酢も二瓶入れたし完成だ!早速味見を───』

「おい!直哉様は何処に行った!?」

「分かりません!先ほど真希たちに構っていたのを見た者はいるのですが──」

『──んん?』

 

 

頭を捻り、隣に転がっている汚物を見る球磨川。そうか、今日は節分。禪院家で御三家全員が参加する定例会議が行われ、次期当主として名高い直哉も出席するとか何とかいわれていたような気がする。

 

 

『コイツは弱ったぜ。大事な会議の前に、次期当主様をコロコロしちゃうなんて....いやん、球磨川くんったらエッチ!』

 

 

コツン、と自分の頭を叩いてみるが状況は変わらない。この時空はシリアスバトル漫画であり、めだか世界(シュールギャグ)では無いのだ。つい殺しちゃいました!という言い訳は通用しないのである。

 

 

『う──ん、やっぱ自分のケツは自分で拭かなきゃね。よし、僕って偉い!』

 

 

過負荷(いや)らしい笑みを浮かべ、手に持った酢飯を口にする球磨川。

その瞬間、観測史上114514回目の死亡が確認されたそうな。

 

 

『それに....やりたい事もあったしね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『僕は禪院禊、禪院家代表!さ、君らも自己紹介して!』

「禪院真希!コイツの義妹!」

「お、同じく義妹の禪院真依です.....」

 

 

音も無く禪院家の席に座っていた学生服の男に、膝に乗る二人の女児。

 

五条悟の六眼にすら、この男の気配は一切無反応。突然の来訪者に場の緊張が一気に高まる。

 

 

「....禊さんでしたかな。このような場に女を入れるのはどうかと──」

『じゃあ、君のガキから引っ込めなよ。ブーメラン前提で殴って楽しい?』

 

 

加茂家当主に、全く物怖じせず口答えする球磨川禊。

迷言製造機の男に言葉のナイフの試合で勝てる者などいるわけないだろう。

 

 

「何を言うか、此処は代々続く神聖な場ですぞ!?」

『あ、そうかぁ....話変わるけどさ、ここに来る予定だった直哉って人はケツの穴を──』

「話聞いておらんな貴様!?」

 

 

一応、此処は御三家の会議。呪術界の閣議と例えても過言ではない空間なのだ。

そんな中で"けつあな確定"だなんて言葉が飛び出せばたまったものではない。書記のフルダテも目を回すだろう。

 

 

そして─────コイツら、誰かの存在を忘れては無かろうか?

 

 

「......!!」

『おー、五条君だっけ?ウチの子が怖がるからその顔やめて?』

 

 

見るからに不機嫌な男、五条悟。もう少しでブチ切れそうな程のイラつき具合。

この野獣の不快のサインを見て、全ての人間に緊張が走る。

 

 

 

加茂家の人間は"しまった"という面持ちを浮かべた。

 

五条悟の(悪い)噂は常日頃から聞いている。その気になれば禪院家一帯を更地に変える事も出来る事も知っている。虚勢を張って煽る事はできようが、ここまで"事"が起きる寸前となると下手に身動きが取れない。一挙手一投足で更に機嫌を損ねてしまえば、明日は土の下で眠っているやもしれないのだ。

 

 

 

禪院家の人間は怯えた表情を見せた。

 

と言っても真希と真依しかいないのだからしょうがあるまい。大人でもビビり散らかす猛獣に殺気を当てられて泣き出さないだけ大人と言える。それでも真希は真依を庇うように立ち塞がるのを見るに、加茂家当主よりも大人かもしれない。

 

 

そして、我らが球磨川禊は───

 

 

 

『やっだなぁ~、五条きゅん!アイスブレイクは大事だぜ?』

「次言ったらお前の顔面をブレイクすんぞ。駄弁るだけなら帰るけど?」

『そんなわけナイナイ!ちゃんと総監部を〆ようって話、持ってきたんだぜ?』

 

 

 

その言葉に、少しだけ五条の殺気が揺らぐ。それを球磨川は見逃さない。

何を言い出す、と遮ろうとした加茂家当主を遮り、球磨川は話を続ける。

 

 

 

『僕ら御三家って総監部との横の繋がりがどうたら言ってるけど、実質的な支配権はアッチ側にあるよね?呪詛師の処刑権も審議権も向こうにあれば、呪術師の遺品整理だって担当してるんだろ?やんなっちゃうと思わない?』

「.....続けろ」

『だからさぁ、僕らでやっちゃおうってわけさ!総監部!』

 

 

 

過負荷は笑う。虚数は無限すら飲み込み、全ての実数(人間)を嘲笑う。

面白半分に興味本位に、強権すら玩具のように壊して回るのだ。

 

 

 

エリート(老害)が作ったルールで僕らの肩身が狭くなってるんでしょ?』

 

エリート(老害)がいるから現状不公平なんでしょ?』

 

『じゃあ牙を抜いて餌を抜いて皆殺しにしちゃおうよ。パーッとね』

 

 

『呪術総監部を、僕らで死刑執行するのさ』

 

 

 

 





・五条悟


衛宮死亡でストレスMAX。責任感と罪悪感で胃が死にそう。
上層部が衛宮の遺品を回収し、その呪具を私物化してイキってると夏油から聞いて殺意が湧いた。マジでいつか皆殺しにしてやろう、と思っている。

衛宮の遺志を引き継ぎ、天内絶対守るマン




・夏油傑


非術師が友人をほぼ直接的に殺したと知り、マジで心が揺らいでいる。
衛宮の死を深く受け止めると同時に、五条や家入も何処かに行ってしまうのではと心配するようになった。絶対に鳴子用の呪霊無しで天内家の人間の外出は許可してくれない。

理子ちゃんに手を出す者は17分割して樹海に捨てる所存。




・家入硝子


愚痴を吐ける相手がいない。いるけどソイツらも愚痴を吐きたがってる。
衛宮の死体(製造元はwkwk)を解剖した後にトイレに1時間くらい籠って吐いた人。後悔はしていないが、あれっきり彼に会えないと思う度にしんどくなる。

理子ちゃんに手を出す男の顔面は三枚に下ろしていいと本気で思っている。




・天内理子


半年の間、一緒に過ごした人が死んだ。噎せ返るくらい悲しくなった
未体験の感覚で心が痛み、中学に入って初めて風邪以外で学校を休んだ。心の中で"まだ死にたくない"と思っていたのが、彼の死を無意味にしてまで言い出せるかといえばアリよりのナシ。




次回、「【懐玉-拾壱-】聖徳太子とワクワク雛祭り」

懐玉編、いかがでしたか?

  • 原作二巻を五十話とか長すぎるわ!
  • 丁度良いボリュームだったぜ!
  • もっと日常回欲しかった!
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