【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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宿儺の次は夏油が評コメに湧きました。激励のお言葉ありがとうございます。

チョコラータと衛宮とetcの幾魂異性体を送り付けてくれやがった某読者には、吹き出して台無しになったどん兵衛への慰謝料と弁償を請求いたします。

これからも応援、よろしくお願いいたします。


【懐玉-拾壱-】聖徳太子とワクワク雛祭り

 

 

3月3日 ■■県■■市(旧■■村)

 

 

09:10 小野妹子、現着

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッソ....あの太子、折角の非番だってのに呼びつけやがって....雛祭りって絶対そういうガラじゃないだろ。騒ぎたいだけだろ、あのパリピジャージ....」

 

 

呪詛のように愚痴を放ちながら歩くノースリーブジャージ男、小野妹子。奇特な村の住民から奇特なモノを見る目で見られようとお構いなしである。なにせ、"あの"聖徳太子から雛祭りの招待状を届けられたのだ。気分も落ち込むというものである。

 

 

その内容というのが───

 

 

 

 

アホの妹子へ

 

明日、美々子と奈々子と一緒に雛祭りをする事にしました。ざまーみろ

 

お土産を持って来い。良いお土産を人数分持って来い。  聖徳太子

 

P.S  濡れた身体でバスローブを着ると、凄く気持ち悪い

 

 

 

 

 

「ムカつく.....」

 

 

 

「明日暇?」と聞かれて「暇だよ」と返せば何かに誘われるという風習をこれほど恨んだことは無い。補助監督の業務は命懸けではないが、精神を擦り減らす単純業務が多いのである。明日の暇をお前なんかに費やしてたまるか、と返してやりたかったが、作中トップクラスで不憫枠のミミナナを人質に取られては頷くしかなかった。

 

 

 

「もうさっさと済まして帰ろう。太子とは二秒くらい話して帰ろう.....」

 

 

 

お土産の"こどもビール"の瓶の入った袋を揺らしながら枷場家を目指す妹子。無駄に広くて平屋でボロいとか言っていたような気もするが、表札も無い田舎で簡単に見つかるものか───

 

 

「ん?アレは.....」

「待て!お前達落ち着け!私たちには話し合う余地が....ちょっと聞いてェ!いや悪かったって!今日のご飯はちゃんとちらし寿司にするから!オムライスとか言いながらオムカレーにした過去は一回水に流そう、な!?」

「.....何やってんの?」

 

 

柱にロープでグルグル巻きにされた太子と、それを取り囲んで竹槍を突き付ける幼女二人が見えた。

.....いや嘘だ、信じないぞ。呪術廻戦不憫度上位の女の子の幼体が、まさかこんな急成長を遂げるなんて.....

 

 

「みみこぉ、このおじさんムカつかね?あとカレーくさくね?」

「さす?ななこ、さしちゃう?」

「ちょっ...待って!聖徳太子の事は嫌いになってもカレーの事は嫌いにならないで!!」

 

 

うん、これ本人だわ。

一カ月でここまで逞しく成長するとは、単眼猫でも夢にも思うまいて。

 

 

 

「ちょっと待て、前世から槍には因縁が───」

「せめて命乞いはちゃんとやりましょうよ」

 

 

しょうがないので間に割って入ってやると、清々しいほど嬉し気な顔でコッチを向いて来た。

どうやってもムカつくなコイツ。

 

 

「おぉ、よく助けに来たなアホの妹子!しょんぼり妹子シップで彼女らの目を覚まさせてやれ!」

「二人とも、やっぱりコイツ刺してもいいよ」

「「はーい」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、この1か月で何が起きたんですか」

「いや知らん。勝手にああなってしまった.....」

「そんなパソコン壊した時みたいな言い訳しないでください」

 

 

一通り太子を刺し終わってスッキリしたのか、縁側で昼寝をする幼女二人。

それを見守りながら、太子と妹子は茶を啜っていた。

 

 

 

「何か嫌われるようなことしました?アンタ無意識にやってそうで.....」

「そうだなぁ.....この間あげた子供用のジャージが気に入らなかったのかな?」

「まだセーフでしょう。もっとクリティカルなの無いですか?」

「トンカツを食べたいって美々子が言ってたけどカツカレーにしたんだが.....」

「うーん.....まだセーフです。他に何か.....」

「オムライス食べたいって菜々子が言ってたからオムカレーにした事とか...」

「.......」

「『もうカレーを食べたくない』って言うけどカレーの気分だったからドライカレーを....」

「いや何やってんだよ!本音ぶつけられてんのになんでカレーに拘るんだよアンタ!」

 

 

 

そんな毎日カレーばっか食ってたら頭がおかしくなるだろう。

どれだけ好物だろうと料理の腕が凄かろうと、献立が変わらなければ地獄同然である。

 

 

 

「そうか、カレーが嫌だったのか.....なら今晩はビーフシチューだな」

「なんで流動食に拘ってるんですか!アンタ老人!?」

「いや、でも小さい子って煮物やドロドロ系が良いって本に書いてたし.....」

 

 

 

100%善意だったのか、と頭を抱える妹子。そういえば一応仕事はこなす人だった。

 

中国から来た使者に一発芸を披露したり、妹子村を作ろうと本気で画策したりする馬鹿な人だが、一応日本史に載るような偉業は全て果たしてきたのだ。悪意を以って彼女らに接することはないだろうし、途中で投げ出す事もないのだろう。

だから信用(かどうかは微妙だが)されて此処に派遣されたのだ。

 

 

「いいですか、四歳にもなれば乳歯は生え揃うんですよ。離乳食の概念に拘る必要はないんです」

「え、そうなの!?」

「流石に硬い肉は避けるべきでしょうが、もっと別の料理も食べさせて大丈夫だと思います」

 

 

はえー、とアホな顔を浮かべる太子。育児経験なんて皆無だろうし、しょうがないと言えばそうなのだが。

".....まあ、何かあれば自分がサポートすれば大丈夫だろう"と妹子は思った。流石は社畜である。

 

 

「しかし、すまんな妹子。二人がお昼寝タイムに入っては雛祭りが出来ん。雛祭れんぞ」

「変な動詞作らないでください。まあ、太子がちゃんと仕事してるって分かったので十分です」

「え、もう帰っちゃうの?マジ?」

 

 

お土産のこどもビールをトン、と音を立てないよう置いて帰り支度を始める妹子。

ちなみに太子へのお土産は梱包材の藁だそうな。これでも前世よりかはマシである。

 

 

「じゃあコレ、用水路に流しといて。段ボール逆さまにするだけでいいから」

「ああコレ...って重ォ!?何入ってんの!?」

「川に流す雛人形。やっぱコレは外せんだろ」

 

 

ちなみに今回はふざけているわけではない。

 

ウール100%のジャージを着こなしカレーを好む現代かぶれの聖徳太子とはいえ、結局は飛鳥時代の価値観の持ち主。ひな祭りと言えば、桃の節句を祝うため川に雛人形を流すのが普通だと考えていたのだ。

現代日本でやれば普通に不法投棄なので、良い子の皆は真似をしないように

 

 

「いや何個作ってるんですか....って、こけし混ざってますけど!?」

「ああ、ちょっと物足りないから嵩増しするために混ぜた。他にも色々入ってるぞ」

 

 

シュビっと親指を立てて"行ってこい"のサインを出す太子。

傍から見れば犯罪教唆かパワハラの現場である。

 

 

「いや、自分で行ってくださいよ!」

「私は顔が割れてるからな。こんな量を流せば用水路が確実に詰まるだろうし」

「そこまで分かってて用意したのアンタ!?」

 

 

.....そして妹子は思った。"時々来なきゃミミナナが悪い方向にメガシンカするな"、と。

例え転生者となろうとも、前世からの因縁は切っても切れないモノなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、コレ何か分かるか?」

「ん──!!ん───!!!」

「コレな、今からお前を殴る拳」

 

 

ゴッッ!!と呪詛師を殴る小気味良い音が、廃倉庫の中に反響する。

 

伏黒甚爾、現在パパ歴3年。今日も家族を養うために仕事中。

殴る、殺す。蹴る、捕らえる、売り払う。その繰り返しを続けて早半年が経過。

 

 

働けば働くほどに貯まっていく軍資金。外れても明日再チャレンジすれば良いという夢のような毎日。妻と子供、養子には一日三十万かけて機嫌を取っているので問題無し....まあ、たまに文句は言われるが。

 

 

「にしても、あのクソ一家は何考えてんだかねぇ?」

 

 

そんな中、とある一報が彼の元に届いた。

 

それは、"呪詛師の処理を御三家が引き受ける"というもの。生きたまま連行すれば自動的に向こう側で処理され、連行した者は呪術師としての資格が無かろうと報奨金が貰えるというシステム。それも結構な割高である。

 

こんな事をやってしまえば、総監部の秘匿処刑のシステムがぶっ壊れるのは目に見えている。呪術師とて、世の為人の為でなく営利目的でやっている者が大半を占めるのだ。最悪、総監部からの指示よりも御三家からの呪詛師認定の方が重く見られる日が来るかもしれない。

 

 

「ま、俺は稼げればどうでもいいんだが.....んん?」

 

 

不意に、ポケットにしまっていた携帯が振動していた事に気づく。

そうか、今日は桃の節句。今晩は早く帰ると津美紀と約束していたのを失念していた。

 

 

「やっべぇな.....なんて言い訳すりゃいいんだか」

 

 

こればかりは金では解決できやしない問題だ。

 

呪霊に呪詛師を格納しつつ、手に付いた返り血を服の袖で拭う甚爾。

その時、彼は"禪院甚爾(術師殺し)"ではなく、伏黒甚爾(一人の父親)の顔をしていた

 

 

 





・パパ黒


最強のお父さん。自尊心は無いし他人を尊重しない人(自称)
基本給が日給100万に加え、呪詛師は買い取りされるので金が有り余っている。

家族愛なんて無いと主張している。
でも手を出されたらPon!Crash,Crash!PaPaPa!しても大丈夫だと本気で思ってる。




・ママ黒


コミュ力最強の母。定期健診でガンが見つかったが、BJとかいう医師により完治。
ヒモだったはずの旦那が万札を束で渡して来た時は本気でビビった。




・恵


君本当に幼稚園児?ってくらいに賢い。絶賛第一次反抗期中。
この前、父親の体に紫色の芋虫が巻き付いてるのを見て失神した。



・津美紀


パパ黒の知り合いの女がパパ黒に押し付けていった子。
最初は自分が居ていいのか遠慮しがちだったが、ママ黒に懐柔されて家族の一員に。

やはりママ黒、ママ黒は全てを解決する。



次回、「【懐玉-拾弐-】"超"新入生歓迎会」

懐玉編、いかがでしたか?

  • 原作二巻を五十話とか長すぎるわ!
  • 丁度良いボリュームだったぜ!
  • もっと日常回欲しかった!
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