【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。 作:なんか変な色の翼
あ、X始めました。たまに本編書きながらぼやいてるかも。
『───おやおや、また貴方ですか』
『お久しぶりですね。ここに迷い込むのは楽では無いと思うのですが.....いえいえ、ちょうど暇をしていたので大丈夫ですよ。お気遣い頂きありがとうございます』
『さて、前回はどこまで話しましたかね.....そうでした、進化論の話の途中でしたね』
『猿が呪力を手に入れ人間になった、という荒唐無稽な仮説をお披露目していたはず....いやはや、お恥ずかしい。それでも確かめる価値は有ると思うんですがね。動物に呪力は殆ど存在しないんです、ご存じでしたか?』
『ははは、何はともあれ話の続きです。今回の論題も『進化』について』
『もし生物が進化をするとして、それはどのタイミングで進化すると思いますか?』
『外敵から命を狙われ続けたストレスによって進化する事も有るでしょう』
『獲物を効率的に捕食する為に、優れた牙や爪を手に入れる種も有るかもしれません』
『ですが人間はどうでしょう?食物連鎖の最高点に立ち、外敵も無ければ餌にも困りません』
『ならば、人間は進化の最終形態なのでしょうか?もう人間が進化することは無いのでしょうか?』
『答えは無論"否"です。なにせ、今回は反例が存在しますからね』
『─────その名は"天元"。皆さんご存じ、日本一ご長寿の呪術師です』
『詳細は分かりませんが、人間よりも高次の存在へと進化しているとされています』
『ともあれ、彼女のおかげで人間には先が有ると知れました。やりましたね』
『....では、話を戻しましょうか。人間が進化するタイミングですね』
『人間が更に進化をするとすれば"人間自身が進化を望んだ時"か。もしくは────』
『......おおっと、失礼。"先生"から連絡が入る日だったのを忘れていました』
『マナーモードにしていた、などと言って話を続けてもいいのですが....今回は宿題という事にしておきましょうか。私ばかり話すのも何ですからね』
『次に会った時、皆さんと答え合わせが出来るのを楽しみにしていますよ』
呪霊しかいなかったビーチに、一人の人間が帰って来た。
帰ってきたウルトラマン、ではない。帰って来たハードボイルド
呪霊よりも呪霊やってるボンドルドの同類、羂索が帰ってきたのである。
「.....随分と、良い
「ははっ、まあね」
「貴様とマトモに付き合っておると疲れる。何が有ったか結論から言え」
「息子を連れて来た。名前は真人」
「キッショ」
花御の種ボールでサッカーをして遊ぶ人型の呪霊、真人を見ながら気色の悪い事を言い出す羂索。
頭は良いのだから、もう少し言葉を選ぶ努力が出来ないのだろうか?
「いや、嘘は言ってないからね?アレは人が人を恐れた結果生まれた呪霊なんだから」
「それでも言い方が有るだろう。親心とか知らんくせに」
「出産経験は有るんだけどなぁ」
「キッッッッショ!!!」
大地への畏怖の塊であり、火山を原型とした術式を使う漏瑚の顔面が不快感で青くなる。
現実世界でこの現象が起きるとすれば氷河期だな、と確信したそうな。
「まあ、何はともあれ彼のおかげで
「人間を駒扱いするのに同調すべきか、同胞をこき使われている事に苛立つべきか」
「そんな認識はしてないから安心しなよ。どちらかと言うと、彼は
観葉植物扱いじゃねーか、と言いたかったが花御がウンウンと頷いているのでツッコめない。
怒れよ、"サボテンみたい"は誉め言葉ではないぞ、という言葉を漏瑚はギリギリで飲み込んだ。
「それで、話の続きだけど。天元と五条を同時に攻略する方法を思い付いた」
「..........は?」
「ここにいる全員が死力を振り絞れば簡単さ。やるかい?」
海で浮かんでいた陀艮、遊んでいた真人、ヤシの木を愛でていた花御。
その全員が一秒間フリーズし、羂索へと視線を投げた。
「いいじゃないか、やる気だね」
「作戦を話せ。それを聞いてから決める」
そうこなくっちゃ、と砂浜に転がった貝殻を三つ拾い集める羂索。
それを後ろから興味津々で眺める特級呪霊四体。ガタイの良い花御と漏瑚は中腰になった。
「いいかい、あと数ヶ月で星漿体との同化が行われるって話をしたのは覚えているよね?」
「無論。だが、絶対に成功すると言ったのは貴様だぞ?」
「どれだけ妨害しようともアレは運命づけられている。途轍もない力が向こうに味方してんだと思うよ、アレは」
羂索の推論は正しい。六眼、天元、星漿体の三つは因果で縛られているのだ。
過去に羂索は星漿体を生後間もないうちに殺害する事を試みたが、別の星漿体が産まれるだけの鼬ごっこ。直接襲撃すれば六眼を持った人間に撃退され、別の手段を取ろうとも悉く計画は失敗に終わった。好奇心お化けの彼といえ、ここまで計画を頓挫させられれば諦めが付く.....はずだった。
「それなら、同化の直前ギリギリで因果を切ってやればいい。因果がもう一度繋がる前に決着を付ける」
「....殺しても産まれて来るなら、産まれる暇も与えぬ時に殺せば良いと?」
「うん、纏めればそういう事かな」
なら、最後の実験だ。もしも天元と同化する直前で星漿体を殺害すれば、どうなるのだろうか?
天元は高次の存在に進化するのか? それとも何らかの形で同化を果たすのか?
成功すればソレで良し。失敗すれば逃げれば良いだけ。
処女受胎で星漿体を孕み同化、などというオチとなれば傑作だろう。
「だが、そもそもどうやって因果を切る?」
「やだなぁ、陀艮も花御も君も持っているじゃないか。真人は"まだ"だけど」
「.....領域展開か?」
「正ッ解!」
因果や運命と大層な名前は持っているが、所詮は呪術的な現象に過ぎない。所詮は天与呪縛に似た"初めから有ったルール"に近いナニカだ。ならば、ただ切るだけであれば手は有る。
「領域展開は術式の最終段階であり、呪術戦の極致で....と、着目するべき点はそこじゃなくて、"閉じ込める"という機能について右に出る物は無いという事だ。外の世界とは完全に隔絶され、空間は術者によって掌握される」
「つまり?」
「分からない?"外の世界"の法則である因果を、一時的に切り離せるかもしれないってわけさ」
三つの貝殻の内の一つに、上からサラサラと砂をかける羂索。
貝殻は少しずつ砂に埋もれて行き、やがて上からは見えなくなった。
「あくまで一時的だ。外の世界の因果から、要素の一つを隠すってだけに過ぎない」
「だが、それで天元と六眼を潰せるのなら本望よ。天元が暴走すれば、日本中の結界が機能しなくなるのだろう?」
「まあ.....そうだね」
本当は暴走した天元を回収して色々とやるのが目的なのだが、まあそれを言う必要は無いだろう。
「総監部から取り寄せた情報によれば、残った護衛は呪霊操術の使い手と六眼。そして反転術式のアウトプットが可能な非戦闘員だ。最後のは問題外として、呪霊使いは私が相手をしよう。流石に君たちを失うのは痛いからね」
「心にも無い事を言うではないか」
「十分痛手だろう?私の考えた計画がバレるんだし」
阿蘇山の火口にぶち込むぞ、と言ってやりたかったがグッと堪える漏瑚。
一応話の筋が通っていることは理解できたため、呪いとしての本性ではなく理性を優先したのである。
「では、我々が星漿体を領域に入れて殺せば良いのか?」
「六眼がすぐ近くで警護している以上、星漿体だけを領域に入れるのは不可能だ。やるなら、六眼だけを領域に入れて一秒でも長く時間を稼いでほしい。漏瑚と花御が交代で領域を使えば、十分は時間を稼げるはずだ」
「....それで、その間に真人と陀艮が星漿体を殺すと?」
「その通り。不可能ではないと思うけど」
ふむ、と富士山型の頭の中でシミュレーションをしてみる。
六眼を自分と花御で相手し、なるべく被弾を避けて時を稼ぐ。そして、引くときは瞬時に離脱。
戦う姿勢を見せなければ、六眼は星漿体を優先し追ってくる事もあるまい。気にかけるべきは有象無象で───
「おい、あの神父には手を打つのだろうな?よもや儂と花御を捨て駒扱いするわけではあるまいな?」
「当然さ。高専側には、私がセレクションした呪詛師の軍勢を送り込もうとも。息つく暇も無い快適な十分間をお約束するよ」
「.....チッ。考えておく」
「結論は出来るだけ早く頼むよ」
羂索は嗤う。
「それにしても、随分な昔話をしたものさ。あの引き籠りと....."アイツ"は元気かな?」
その中で価値が有るとするなら、それこそ常識の外れに在る存在なのだろう。
原作ルートに沿って書く必要有るの?と評コメで聞かれたので答えましょう。
そ ん な つ も り は 毛 頭 無 い
オリ展開で埋め尽くしてレストインピースまで行きます。作者が。
ネタ7割シリアス3割でこれからも頑張ります。
次回、「【懐玉-拾肆-】名前も無い君に」
そろそろ本編──
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行ってヨシ!
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まだその時ではない.....