【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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・なんで無限の剣製使えないの?


FATEの固有結界と呪術の領域展開の差によるバグ。

領域展開を使用する際は"生得領域"を体外に展開する必要があるのですが、その生得領域がUBWともHFともプリヤとも異なるので、"衛宮"の記憶にある領域の設計図と乖離を引き起こしました。要は、心の形の問題でひたすらにモノを作る領域展開を使えなくなっています。

最後の詠唱文を読めば、どんな剣製に変化したのか分かる筈!



【廻玉】運命の終わり

 

 

 

高専結界の縁。天元の結界へと繋がる、登山道の門にて。

 

 

 

領域展開、蓋棺鉄囲山!!!

 

 

 

広大な樹海の景色から一変し、五条悟の視界は火山の内部のような灼熱の海に包まれる。

領域を保つ呪力を最後の一片まで使い切った花御が撤退すると同時に、漏瑚が領域展開を使ったのだ。

 

 

「灰すら残さんぞ、五条さと───」

「あー、はいはい。そういうのいいから」

 

 

噴出する溶岩、火山弾、岩石。その全てを呪力で叩き壊す五条(鬼神)。火を噴く地面も気にせず歩を進め、"蒼"で強化した拳を漏瑚の顔面に叩き込んだ。

 

 

「ゲバラッ!!!」

「きったね。ナニコレ、唾?それとも血?帰ったら洗濯しねーとな」

 

 

領域の中では全ての攻撃が必中する。そのため、五条の無下限呪術によるバリアは無力。だがしかし、そのハンデを五条悟は圧倒的な呪力コントロールによる迎撃のみで埋め返した。

 

 

「お前らの狙いは全部読めてんだよ。領域展開で俺を殺すフリして、グダグダ時間を稼ごうってんだろ?そうじゃなきゃ雑草(ウド)が退く意味が分からん」

 

 

そのまま顎を掴み、ゴキッと嫌な音を立てて顎を毟り取る。呪霊は人間と違い、呪力で肉体を構築しているため反転術式を用いず再生が可能。しかし、その域にも限度が有る。理不尽としか形容しようのない暴力の嵐が永遠(無下限)に続いては、特級呪霊の中でも上澄みの漏瑚でも無事ではいられない。

 

 

「お前らが何百年生きてきたか知らねぇけど、俺の一秒の方が大事だから」

「───極ノ番、"隕"ッ!!!!

 

 

展開された領域の術式を経由し、祓詞すら省略して最大火力を連続で放出する漏瑚。しかし、それすら通常の呪力の壁に阻まれ、浸食され、灼熱のマグマを思わせる猛撃は線香花火のように萎れていく。

 

 

「......そんな、馬鹿な」

「うぜぇ」

 

 

対して、腕の一振りで弾き飛ばされる漏瑚。今度の攻撃に術式は付与されていない。呪力を極限まで圧縮し、圧倒的な仮想質量を叩きつけただけの一撃。言わば、即席で作った棍棒で殴られた程度。それだけで、領域の循環定義を破壊しかねない勢いで吹き飛ばされたのだ。

 

 

呪霊と人間の能力差。生きてきた月日。重ねた研鑽の数々。

 

その全てを"カス"と言い張れる程に、二人には生物としての格の違いがあった

 

 

 

「やるなら死ぬ気でやれよ。あっけなく潰しちまいそうだ」

 

 

怒れる暴君が、再度その御手を穢れへと振るう。

決着の時は、もう目の前だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──もっと皆と一緒にいたい!──

 

 

 

「夏油様。理子様の事をそこまで.....」

「いいんです。もう済んだ(・・・)話なんですから」

 

 

参道へと歩いて行った天内を見届ける夏油と黒井。星漿体の護衛、お目付け役としての任務はこれにて終了。この偽りの家族関係も綺麗さっぱり解消され、任務の重要性を考えると書類上は全て無かったことにされるのだろう。

 

 

「すいません、黒井さん。私は彼女の生きる理由になれなかった」

「そんな事.....悔しいのは、私もです.....!!」

 

 

肩の荷が降りると同時に、新たな荷(呪い)が二人の背に降りかかる。確かに、二人は最後まで天内理子を守り通したのだろう。しかし、それが何だというのか。呪術師として最善を尽くそうと、彼女の家族としては最悪だ。

 

 

 

──私が生きてたら、今までが全部無駄になっちゃうから──

 

 

 

何が生きる理由になれなかった、だ。むしろ背を押しているだろう。成程、特級呪術師という称号が良く似合う。私は結局、生きる理由(家族)ではなく死ぬ理由(呪術師)として彼女と関わっていたのだから。

 

 

「行きましょう、黒井さん。先程の刺客が潜んでいるかもしれない。私が先行します」

「.....はい、分かりました」

 

 

悟がいなくて良かったかもしれない。きっと怒っていただろうから。いや、むしろ怒った方が良かったのか?彼女の意思を尊重するのではなく、彼女を支える人間として行動すればよかったのか?

 

ああ、一体何が最適解だったのか。それがどうしても分からない。

 

 

 

 

 

 

──..........うん。だから、行くね──

「.....ごめんね」

 

 

 

しかし、これだけは言える。

 

夏油傑は、判断を誤ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天内理子は、道を歩いていた。

 

決められた路線を各駅停車の電車が走行するように。

人間が起きて、寝て、食べるのを繰り返すように、当たり前に。

 

 

導かれるままに、運命のままに歩いていた。

 

 

 

「..........きれい」

 

 

参道を突き抜け、時代劇のような結界の中を進む。中心の大樹を起点として円形に広がった結界は、正に生きた街そのもの。民家のような建築物の中を覗けば、グツグツと煮えた鍋が音を立てるのが聞こえてくる。ほんの数分前まで人が居た、と言われても疑わないような光景だ。

 

 

「.....うん、行かなきゃ。決めたんだから」

 

 

視線を大樹へと戻し、片足を交互に前に進ませるのを繰り返す作業に戻る。その様は、まるで絞首台へと歩かされる死刑囚のよう。

 

夢は無い。そんな安い幸せは望んでいない。

希望も無い。その選択肢は自分で絶った。

 

故に、その目に光は無い。

 

 

 

「.....どうしようもないなぁ、本当」

 

 

本当は、彼女だって救われたいのだ。

明日も明後日も、当たり前のように生きていたいと思っているのだ。

 

しかし、それは彼女のエゴだ。誰かを傷つけてでも自分の命を大事にしたい、などと言えるはずがない。彼女にとって、五条、夏油、士郎、家入はもはや護衛ではない。大事な家族なのだ。

 

そんな人々に向かって、"自分の為に命を懸けろ"などと何故言えようか?

 

 

少女は歩く。日の光の差す事のない、偽りの街を独り歩く。

 

少女は歩く。導かれるままに歩き、導かれるままに終わる。

 

少女は歩く。その歩みに彼女の意思は無くとも、歩き続ける。

 

少女は─────────────

 

 

 

 

「..........え?」

 

 

ガラガラと騒音を奏でながら天蓋が崩れ、赤銅が降ってくる。

此処に光は無い。此処に空は無い。それでも、彼女の瞳に星が写った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事、薨星宮の中心部近くに着弾。斜めに落下していたため、何軒もの家々を瓦礫に変えながら接地する。これ賠償金取られたりしないよな?

 

 

「─────あっぶねぇ!膝抜けるかと思った!!」

 

 

ビリビリと足を突き抜ける痺れが心地良い。ペチペチと膝を叩いて気合を入れ直してみるが、元々ガタが来てるのもあって中々引いてくれない。弱ったな。

 

昇降機で移動する際に待ち伏せされているリスクを考慮して、空性結界の床を切り抜いて薨星宮へと強行突破した結果がコレだよ。ちゃんと頭使ったのに、なんで裏目に出るんだか。

 

呪力で肉体強化しておかなきゃ危なかった.....って

 

 

「そうだ、天内!天内どこ行った!?」

 

 

落下ダメージで震える足を無理やりに叩き起こし、先ほどの一瞬の視界を頼りに歩き出す。さっき落ちている時に、天内の姿を見た。もう大樹の根元に辿り着く寸前だった。

 

それはダメだ、絶対にダメだ。足はまだ動く。

いや、動かなくなったら這ってでも進めばいい。

 

 

急げ。もっと急げ。例え心臓が止まろうとも─────

 

 

「士郎?」

 

 

────そっちから来てくれたのか。ご迷惑をおかけします。

 

 

「なあ、天内。あの日の答えが見つかったよ」

「.....え?」

「俺はさ、"正義の味方"の味方になりたかったんだ。都合の良い神様みたいにされた奴に手を差し伸べられる人間になるために、呪術師になったんだ」

 

 

キョトンとする天内。そりゃそうか、何が何だか分からないよな。まあ、分からないまま話が終わってくれた方が幸せなんだろうな。きっと。

 

 

「ほら、帰るぞ。こんな所じゃ息苦しいだろ?」

「.....帰らないよ。帰ってどうするの?」

「どうするって....そりゃ五条とゲームしたり、料理の練習したり色々───」

「こんな時に茶化さないでよ、そんなボロボロになってるのに....!!」

 

 

ふと自分の身体を見てみると....あちゃ、こりゃダメだ。内側からところどころ破けてボロ雑巾。こんな歩くグロ画像は女子中学生にはキツかろう。

 

当然の事ながらクッソ痛い。脳内麻薬なんて既に完売御礼。打たれすぎたおかげで、筋肉の裏側どころか全身が着火したかのように熱い。

 

でも、護衛対象の前で弱音なんて吐けるわけないだろ?

 

 

「そうだ、花見とかどうだ?夏に戻ってきたから行けなかったもんな。アイツらも連れて、皆で桜を見に行くんだ。結構良さそうじゃないか?」

「─────ッ!!」

 

 

パチン、という軽快な音が響く。天内に頬を張られたのだ。

 

 

「.....嫌いになった?」

「いや全然」

「なってよ!もう放っておいてよ!私が生きたいって言ったら、皆がもっと傷つく事になるんだよ!?それなのに救われたいって.....皆に苦しんでって言えるはずがないよ!!」

 

 

渦巻いていた感情の濁流が、天内の口から溢れる。大粒の涙を流しながら、悲鳴にも似た叫びを上げている。生きていたいという本能と、もう誰にも苦しんでほしくないという理性が彼女を二方向から縛り上げているのだろう。

 

 

「もう、いい。もう、考えたくないよ」

 

 

最強の人間だとしても、救われる準備の無い人間を救う事は出来ない。俺みたいなチンケな脇役なら尚更だ。これにて幕引き、ヒロインは不幸せな涙を流して終了。大根ぞろいの舞台にゃお似合いのエンドだ。

 

 

 

 

 

ナメやがって。

 

 

 

 

 

「何言ってるんだ、天内。いいから帰るぞ」

「....だから、私は」

「しょうがないだろ。俺が、一緒に帰りたいんだから」

 

 

最後の力を込めて、両の足で立ち上がる。筋繊維が何本もブチブチと音を立てて炸裂し、断裂するが知ったことか。こんな場面で壊れたら承知しないからな。

 

 

「俺は絶対に後悔しない。天内が生きている事、これから大人になって幸せになっていく事。その過程で何が有ったとしても、絶対に天内を呪わない」

 

 

詭弁でも擁護できない程にみっともなくなった身体を突き動かして、天内へと足を進める。グチャリ、グチャリと一歩進めるごとに生暖かい足音が響いている。

 

 

「人類全てが片方の天秤に乗っていたとしても、俺はお前を選ぶ。俺達は家族なんだから」

 

 

それでも、前へ。どれだけ泥臭くとも、どれだけ恥に塗れようとも。

 

もうこれから先、彼女と一緒に歩けなくなったとしても。

 

 

「もし天内が自分の事を否定しても、俺はその何倍も天内の事を肯定する」

 

 

差し伸べるだけじゃ、足りない。寄り添うだけでは、足りない。

その手を取るのが罪だと言うのなら、俺がするべきは───

 

 

 

 

「帰ろう。そんなヤツ(運命)とは縁を切れ」

 

 

 

 

手を取る(罪を被る)事だ。全人類を裏切るという罪を、引き受けるという事だ。

なんという大役。三流役者には余り有る功績にして罪状だろう。

 

だけど、これは俺のだ。主人公様に渡してたまるかよ。

 

 

 

「..........うん!」

 

 

大粒の涙を空いた左手で拭い、微笑む天内。

よかった。この一瞬を、ずっと待っていたんだ。

 

きっと、まだ幸せなエンディングにはならない。

この先ずっと、彼女が自分の生を呪わないと限らない。

 

でも、呪われるのは俺一人でいい。

俺以外全員が救われたのなら、それでいいんだよ。

 

 

だから、呪っていいんだ。もし、俺のエゴで産んだこの瞬間を後悔するのなら。

俺の事を、呪っていいから。だから─────

 

 

 

「........ねぇ、衛宮」

「ん、どうした?」

「また、会えるよね?」

 

 

 

薄れて行く意識。消えて逝く魂。声にならない、俺の声。

 

 

ああ、それでも。

 

 

 

「────。───────────」

 

 

 

君の人生に、有らん限りの祝福を。

 

 

 






第一部、完!お疲れサマンサ!!
後始末や玉折編は一+i部で処理するからちょい待ってろ!


今後の予定や投稿については次回でお知らせ!チェケラッチョ!!


次回、「後書き。Fate/Brave light」

特 別 演 出

  • 人の心とかないんか?
  • 生き返れ.....生き返れ.....
  • お前帰れると思うなよ!!!
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