【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。 作:なんか変な色の翼
瞬間 転移者の脳内に浮かび上がった
存 在 し な い 付 属 高 校 編
の、前に!プロローグ的な前章の〆なのじゃ!!
【呪胎戴天-弐-】そして、未来の始まり
「ああ...本当に素晴らしいよ。正しく世界を変える力だ」
頭部の縫い目を更に切開され、脳脊髄液と血液の混合物を顎から滴り落としながらも這いずる羂索。ここまで惨めな姿になろうとも、その顔に屈辱の念は一切無かった。
「生得領域の呪具化....その制限解除。一時の記憶や情報定義のみならず、余すことなく一人の生涯を具現化する事で生まれた極の番。臨死体験を区切りとしているのがエッセンスとなっているのか、これがまたまた.....!」
前頭葉への損傷は言語の喪失を引き起こすケースが多いのだが、そこは流石の執念と言うべきか。脳の機能を他部位に肩代わりさせる事で、自慢のトーク力は守り切ったようだ。
しかし、そこでしか意味を為さないモノはどうしようもない。先の負傷で、羂索は元来持ち合わせていた"肉体を奪う術式"を破壊されてしまっていた。彼岸で衛宮もゲラゲラ笑っていることだろう。
「五条悟の封印と同クラス、もしくはそれ以上の障害。逆に言えば、あの力さえ有れば全てが上手くいく。次こそは─────」
結界の外を目指し、蛆虫や芋虫のように這い回る羂索。腕を使った高尚な匍匐前進などではない。体をくねらせモゾモゾと動くその様は、見苦しい事この上ない。
しかし、たとえ畜生道に落ちようとも羂索が止まることは無い。手を伸ばせば届く場所に、面白いものが有る限り彼は止まらない。悠久の生を刺激するモノを目の前に吊り下げられて、どうして動かずにいられようか。それを拒み惰性の生存を選ぶことは人として生きる事の否定も同義。
欲望を満たせ、己が望むままに食らい尽くせ。
千年の時を
「もう充分だろう。お前はいい加減休め」
「.....遅かったじゃないか。機動力は低いんだね」
地を舐めるようにしていた視線を空に上げると、紙袋を被った男が見下しているのに気付く。
「君で詰みか。外の呪霊はどうしたんだい?」
「多分死んだ。蛸の方は三枚に下ろした。人型の方は死ななかったからな、全身を潰して念入りに焼いた。別に生かす気も殺す気も無かったんだ、運が良ければ生きているかもな」
「ははっ.....随分と優しいじゃないか。前の時より丸くなった?」
二人に面識は一度しかない。そもそも、その一度でさえ五百年以上前の話。そんな昔の人間一人に囚われるなど、宿儺でも無ければ羂索の理念に反する行為だ。
「違うか。ヤリ過ぎで弱くなってるんじゃない?」
「それはお前だろう」
「それ今言う?でも、人間的には絶対に弱くなっているでしょ」
まるで、数年来の旧友と話をしているかのような口振り。その頬は緩み、口角は上がり、笑みすら漏れている。まるで流れ星を見る子供のように輝く瞳が、管理人へと向けられる。
「衛星術式。人間の脳を細胞レベルで分析し、その情報を呪力に刷り込んで共有する秘儀。六眼を持たない無下限呪術の使い手を活用するために、五条家がでっちあげた机上の空論だっけか。その順転と反転を同時使用とは恐れ入る。私でも真似できなかったんだからね」
「...感知出来てたのか。最近はプライバシーという言葉が流行りらしいぞ」
「中身は見れなかったから安心しなよ。もし見られてたら、もっと上手くやったさ」
紙袋がカサリと音を立てて揺れ、蒼を失った瞳が茈色に鈍く煌めいている。羂索とは対照的に、憎悪、殺意、侮蔑、怨念、そして僅かな──を抱いた眼差しが、羂索に突き刺さる。
「まあ、ある意味予想通りだったよ。君が生きてたら絶対に復讐しに来るだろうと思ってたし、そういう意味では私の勝ちかな。オッズは等倍だろうけどね」
「それでこのザマか。笑えないな」
「思ったより游者のノリが悪くてね。本当は裏梅あたりも呼びたかったんだけど、君には会いたくないってさ。セクハラが随分応えたと見える」
「風評被害はやめろ」
自分と対等であり、退屈させない存在。それが羂索から見た管理人。
自分と対等であり、退屈させない存在。それが管理人から見た羂索。
対極の思いを馳せながら、どこか通じるところのある二人。
もし運命が違えば、また別の結末になっていたのだろうか。
「最期に何か、言い残す事は?」
「そうだねぇ....うん。君、被害者面はやめた方がいいよ?」
「は?」
「こっちの台詞ね。君、私を殺すために何人を犠牲にしてきたんだい?」
羂索の視線が、輪廻の瞳から肉体の方へと向けられる。他人の肉体を使い回す者同士なのだ、このような小細工の仕組みなど百も承知なのだろう。
「そりゃ私のせいで酷い人生を送ってきたんだろうけど、それを言い訳にして猪突猛進とか頭が悪いとしか言いようがないよ。君は被害者でありながら、絶対的な加害者でもあるんだ。気に入らない奴を殺すために同じ土俵に上がるとか、笑っちゃうよね」
「全ての元凶が何をほざく」
「そういう所だよ。君と私は、同じ種類の人間なのさ」
こめかみに青筋を浮かべた管理人が、羂索の頭部へと手を差し出す。
輪廻眼の能力の一つ、人間道による"吸魂の術"。その効果、対象の記憶の解析と魂の抜き取り。この世界であれば特級被呪者であろう人間ですら逃れることは敵わず、確実に対象の魂を抜き取る即死技。さしもの羂索とて、この術に抗う事は不可能だろう。
「死なせはしない。退屈な余生を無意味に過ごすと良い」
「それは面白そうだ。楽しかったよ、今までの追いかけっこ」
悪魔の手による天使の裁きが、羂索へと迫る。五百年に渡る怨讐の戦いの果てが見える。月日を重ねる事に風化し、諦観の雨で錆び付いて崩れ落ちそうになりながらも紡ぎに紡いだ殺意が、その存在意義を為す時が来る。
死の足音が聞こえる。終わりの鐘の音が聞こえる。避けられない滅びの声が聞こえる。
だが───────
「そして、これからも楽しもう」
突如、空性結界の中に侵入する未曾有の呪力。管理人を包み込む外界の光。
一瞬の虚を突かれた彼の肉体は、反撃の余地すら許されず
それも当然だ。その光は"対術式"の光。多くの術式の保持を誇る管理人とは相性最悪。
恵まれた才に牙を剝かれ、代用品の肉は焦げ、骨は蒸し焼きとなって砕けていった。
どんなモノであれ、魂の器を変えて永遠を生きるケダモノであれ、いずれ終わりは来る。
だが──────それは、今日ではなかったのだ。
羂索は笑う。自身を追い詰めた"常識外"の力を認め、その意義を嘲笑う。
羂索は謳う。その存在価値を尊び、賛美し、彼の信念を否定する。
「君には期待してるよ。私の息子とも、仲良くしてくれるだろうからね」
作者の脳内のタイマンランキング。
覚醒宿儺>現代五条>羂索(夏油)≧管理人≧夏油
>九十九≧乙骨≧コテハン最上位≧パパ黒≧漏瑚≧覚醒真人
≧受肉上位游者≧羂索(ミゲル)>コテハン上位>花御≧覚醒陀艮
>一級呪術師≧にいに≧覚醒上位游者>名無しの呪術師>準一級呪術師
≧が=の確率は半々くらい。
当然、相性や状況次第で上位の存在に打ち勝つ事もザラとする。
次回からはネタ回に戻るぞ!安心して見るのじゃ!
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次回、「【祝・開校】存在しない高校」
国際信州学院大学、知ってる?
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知ってる!
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えっ、何それは.....