【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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お久し鰤大根。
重体のリアルに鞭打って投稿です。



【輝け】急に全てが嫌になった佐藤カズマ

 

 

 

打ち上げ。

 

それは、物事を終え、一区切りがついたときに開催する会・宴の事であり、飲食を共にする事によるコミュニケーションを深める事を目的としている。

 

 

現在時刻は12月25日の午後7時。昼の活力を使い果たし、世のサラリーマンの多くが退勤の支度を済ませたであろうこの頃。とあるカラオケボックスが奇妙な盛り上がり方を見せていた。

 

 

主犯は当然、この物語の主人公ズたる転移者どもである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..........」

「..........」

「..........」

「..........」

 

 

 

某東京第一カラオケボックス。

ここでは転移者による女子会が行われようとしていた。

 

成人年齢に達した人間は(取り敢えず)酒類を注文し、未成年の人間はコーラやメロンソーダといったソフトドリンクのドリンクバーをオーダー。おつまみにフライドポテトやパフェといったサイドメニューも用意し、準備は万端。後は乾杯の音頭を取るだけなのだが.....

 

 

「..........」

「..........」

「..........」

「..........」

 

 

続く沈黙。積み重なっていく緊張感。耳音響放射....要は無音の状態でしか聞こえないであろう生理的な耳鳴りが四人の聴覚を支配していく。歌でも一つ歌うようなテンションではない。父と母と遠縁の親族二人にペットを同時に亡くしたような通夜状態なのだ。何故こうなっているのかって?それは.....

 

 

 

全員、ドが付くレベルのコミュ障だからである。

 

 

 

 

(ど、どどどどうしよう!?部屋入って十分経ったけど一切会話が無い!オフの女子会でスレ内検索かけたのに思ってたのと違う!どうせ知らない人だらけの学校に通うなら同年代の女子で顔見知りを作って、孤独でも無ければ陽にも成り切らない平穏な学生生活をって思ったのに!!)

 

 

後藤ひとり、陰キャ度91点。

 

二度目の学生デビュー。筋金どころかステンレス鋼の入った陰キャであり、ギターヒーローとして単独での登録者十万人を成し遂げたギタリスト。他バンドメンバーの転移を待ちつつ同年代のバンドマンに声をかけたところ、堕天使を名乗るヴィジュアル系厨二病を初っ端から引き人間不信を加速させた不幸(アンラッキー)少女(ガール)である。

 

 

 

(....これアレです?私が乾杯とかしなきゃいけない系です?えっ、絶対無理無理無理!!もう空気絶対零度超えてるのに!!誰も話さないから一番最初に喋った人が"逆になんで喋ったんだコイツ"みたいな視線で見られるの確定なのに!そんなのされたら絶対に泣く!最年長なのに!!いい大人なのに!!)

 

 

東山コベニ、陰キャ度77点。

 

参加者随一のギャン泣き出力を誇る大砲。前世では車を散々に破壊された挙句、就職先の闇をこれでもかと見せられて殺されかけるという不憫オブ不憫キャラ。転移後もその属性は続いており、駐車場に停めた車の鍵を車内に置き忘れたのに気付くのも遠くない未来の話だろう。

 

 

 

(か、かかかっかえりたい!閉じ籠りたい!今すぐに帰ってセーフルームに引き籠りたい!同年代の女子となら話しやすいだろうし、新学期が始まる前にキヴォトスの外の人と仲良くなるのも悪くないって先生に言われましたけど、もうギブアップしていいですよね!?こんな状況、安西先生でも"諦めたら?"って言ってますよ!)

 

 

花岡ユズ、陰キャ度70点。

 

元ミレニアム学園ゲーム開発部部長であり、「詰」を操る話術を持つ。身長は驚異の150cmであり、他参加者とほぼ同年代のはずなのに異様な幼さを醸し出している。他参加者と違い彼女のコミュ障は後天性であるため、この会に来たのはコミュニケーションのリハビリ代わりでもあったのだろうが....おい先生、ちゃんと参加者の確認はしてやれ。

 

 

 

(よし......これが終わったらアイドル辞めます.....なんの脈絡もないけど辞めます。付属中学に芸能科も有るって聞いたので挨拶だけしようと思ってたんですけど、このメンツからは予想以上にシンパシーを感じました。芸能関係じゃなくて、もっと個人的な性格とかそっち方面で....いや、コミュ障が何人集まっても一人の群体になるだけなのに.....)

 

 

森久保乃々、陰キャ度54点。

 

転移により親戚によるアイドルデビューの支配から外されたコミュ障中学生。他参加者が会話を始めるまで、脳内の思考のベクトルを内側に向けて実質休眠中。職業柄、この四名の中で一番他人と接する事に慣れている彼女だがモチベが湧かないのであればどうしようもない。

 

 

正にテンションの極寒地獄。陰を超えた無下限体質の集まり。

いつまで経っても会話が始まらないため、いつまで経っても会話が完結しない簡易無量空処。

 

絶対的なぼっち。それ故の孤独。

彼女らにコミュニケーションを教えるのは......

 

 

 

「おっ、おおお遅れてすいません!!ミオリネさんから帰りが何時になるか聞かれてて.....あっ、ミオリネさんっていうのは私の友人っていうか親友っていうか婚約者っていう感じの方なんですけど、いや関係ないですね...ええと.....」

「...........」

「..........」

「..........」

「..........」

「じ、自慢話みたいな事してすいません.....?」

 

 

 

スレッタ・マーキュリー、陰キャ度30点。

 

 

転移後三ヵ月で数々の他転移者の地雷を無自覚に踏み抜き

 

 

管理人から直々に一ヵ月のアク禁を喰らった

 

 

現代の、異能

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日本に帰りたい。なんなら異世界でもいい」

「ここも日本だぞ。しかも随分ファンタジーな日本だ」

「......前の世界でも猫が火を吹いてたし、こういうのもアリか」

「猫が火吹き芸って世紀末だな。ペンギンが残業してるのと同じくらい」

 

 

東京第二カラオケボックス。

ここでは、国際信州学院大学建設における功労者による打ち上げが行われていた。

 

 

参加者は三名。

 

おしぼりをアイマスク代わりにして座席にもたれかかる男、佐藤カズマ。大半の事務作業と発注確認をたった一人....いや、一匹でこなした鳥類、ペンギン。そして入室した直後に過労で立ったまま気を失ったイチゴ味の聖帝、サウザー。

 

 

もはやカラオケをする空気ではない。先ほどの現場がお通夜なら、コイツらは棺の中で見送られる側の人間なのだ。深夜にカフェインが回ったノリで打ち上げがどうとか言った自分を現在進行形で呪っている事だろう。

 

 

「どうだった?ゼネコンの現場監督は」

「いや、マジできちーわ。きついの口語くずれじゃなくて、鬼畜のスラングの方で。納期直前でウーパールーパーが暴れたのを除いてもキツかった」

「苦労人系主人公にそこまで言わせるとはな」

「図面担当のサウザーがいなきゃ欠陥工事になってたのは間違い無かった。つーか、現場の人間が多すぎるんだよ。もうちょいブレインに回しても良いだろ」

「無理だろ。他の連中は軒並みダウンかバックレてるし」

 

 

確かに働けそうな人間もいない事はない。IQがカンストした天才的な頭脳を持つ人間であれば設計士の真似事も出来るだろうし、それを本業とする者もいるだろう。

 

しかし、そういった人間の殆どは過労死組かその予備軍。原作より死の淵を彷徨う工場長を筆頭に、頭脳派キャラは転移者の整理やら結界の管理やらで脳を焦がし続けている。デスノートと関わりのある甘党探偵も最近になって転移してきたそうだが、即交信をミュートしたそうな。

 

ペンギンとニート気質な学生に白羽の矢が立つわけである。

 

 

「でも羂索は死んだし....これで終わりじゃないのか?」

「そうだな、粗方目先の目標も達成したし。案外、呪術界に名前を出して進出っていうのも....あっ、悪い。ドリンクバー行って来る」

 

 

入口付近で昇天しかかっている聖帝を押し退けて部屋を出るペンギン。それを片目で追いつつ、カズマは頭を抱えた。

 

 

「......ゴール(勝利条件)が見えないんだよな」

 

 

前世では魔王を倒せば終了だったが、この世界での勝利条件は不明のまま。そもそも、勝ったところで何が有るのか分からない。

 

羂索を倒せば良いのか。宿儺を倒せば良いのか。

そもそも、この物語に"終わり"が存在するのか。

 

 

「管理人って、五百年前から生きてんだよな。あの先生も明治時代には転移してたはずだ。確証は無いけど、俺らは───」

 

 

この世界に存在しないモノには、この世界には存在しない法則が適用される。どこぞのメルヘンな工場長の言う通りなのか。理屈は不明だが、恐らく転移者には"老い"という概念が存在していない。

 

一見メリットだが、全てが終わってしまった後になると邪魔臭い事この上ない。全クリしてからがゲームの本番とは言えど、飽きれば手放せるからゲームなのだ。

 

 

「いや、俺たちの能力が術式に変換(コンバート)されてるなら、これ(不老)も呪術で説明できる範疇のはずだろ。俺のスキルも全部没収されてるし、元の世界に起因する能力はスカ扱いされてんのか?」

 

 

いつまでも不老というのは"縛り"で得る対価として大きすぎる。恐らくは期限付き、そして転移した瞬間に否応なしに与えられる天与呪縛だと考えても良いだろう。

 

羂索が"永続する儀式を終わらせる"縛りを結んで死滅回游を成立させたように、代償の支払いは後払いでも可能なはずだ。となると、誰かの死を以って解放される説が濃厚になってくる。

 

 

「やっぱ宿儺の方か.....いや、それとも.....?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人が人を産むように、人は呪いを産む。

 

 

 

「遺志を継ぐってさぁ、人間らしいよね。呪いらしくもあるけど」

 

 

 

人が人を育てるように、人は呪いを育む。

 

 

 

「まあ、どっちでも良いんじゃない?アイツと俺、向いてる方角は同じだったし」

 

 

 

ならば。親が子を育てるように、(呪い)を込め、(穢れ)を込めたのならば。

 

 

 

「それじゃ、続けようか」

 

 

 

 

──────当然、同じ運命(FATE)を辿るよねって話さ

 

 

 

 

 

 

「これからの、世界の話を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ファンパレを書くかどうか悩む作者。一応....チャートは有るのよね。
ただし向こうのオリキャラを出せるかは怪しかったり.....

というわけでアンケしまーす!!

呪術高専三年生編、必要かどうか答えてちょ!


.....あと、高評価もよろしくね!文付きで面倒なのは申し訳ないけど!

褒められたら!!!!人間は嬉しいんだよ!!!!!

呪術高専三年生編「愛・空夢・チェンソーマン」 要る?

  • うるせぇ!!書こう!!!
  • ゆぅた....どこ....??
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