【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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モジュロ記念です。
嘘です。プロ書き直して再投稿です



【■・下】愛同団結

 

 

 

「.....で、この惨状か」

 

 

福岡県、某所にて。

一人の男がとある廃校を調査していた。

 

ただの廃校ではない。大火事にでも見舞われたのか、木造建築であったであろう建物の大半は焼け落ちてしまっている。お気づきの者もいるだろうが、呪術廻戦の正史には存在しない"あの分校"だ。

 

 

「福岡分校が"存在しない"事の確認.....だった筈だが、何かに引っ掛かったか。俺としちゃ事故を推すが、残穢ってのがある限りはそうもいかんわな」

 

 

気だるげに建物を見渡す男。黒い手袋に黒いスーツ、黒いネクタイに黒髪のツーブロックと、全身黒づくめの不審者だが.....ご安心頂きたい、彼もまた転移者である。

 

彼の名はローラン。黒い沈黙とも呼ばれた伝説の雇われ(フィクサー)だ。専門分野の情報調査に限らず、その実力は他の多種多様な転移者たちにも引けを取ることは無い。

 

性格も温和で、唯一の欠点は.....訳あって魔法少女のコスプレをしたというレッテルを貼られた事程度だろう。

 

 

「エミヤは原因不明の重体で回収、最上位の面々は"アレ"を探しに行ってるし.....だからって俺みたいな最底辺フィクサーを連れまわして楽しいかねぇ、ウチの管理人は?ねじれと呪霊なんて別物だし、ノウハウもザルなんだけどなぁ~?」

 

 

死んだ魚のような目をしつつ愚痴を呟きながら、それでも警戒は微塵も怠らずに。愛用の手袋の調子を確認しつつ、ローランは校舎跡の外周を点検し始める。"福岡県の山間部"という情報だけで走り回り、虱潰しに捜索を続けていたのだ。彼の目元には僅かな疲労すら見られた。

 

 

しかし、勘は依然と働いている。

 

 

「.....臭うな」

 

 

経験豊富(中年おじさん)の勘が、警戒警報を脳内に鳴らす。目立った呪力の反応はないものの、ここで気を抜けば死ぬぞとばかりに囁きが聞こえてくる。しかし....いくら待てども、攻撃が来ることも無い。お互いに姿も見えないまま膠着状態だ。

 

にらめっこを続けて数分。こうなったら衛星からの断頭台でも頼んで、この校舎ごと消し飛ばしてやろうかなどと物騒な考えが彼の脳裏をよぎった時────

 

 

お、お、お、おおお助けェェェェ!!???

「.....なんだ?」

 

 

校舎の壁をすり抜けて出てきたのは、一体の下級呪霊。ウシガエルに玩具の羽がついたようなフォルムをしているが、羽が小さすぎて空を飛ぶどころか滑空すらも出来ていない。危険度は蠅頭と四級呪霊の狭間といったところだろうか?

 

慎重に近づいてみるも、ウシガエルが何かの反応をすることは無い。ホラー映画でお馴染みの、化け物が出たかと思えば子猫だった....という展開だ。期待外れでありながらも、やや安堵で息を抜く。

 

 

た、たた、たたた助、助けて?たたたたた.....

「んだよ、驚かせやがッ────!!??」

 

 

 

瞬間、怒号のような轟音と共にローランの足元が割れる。

 

そこに見えたのは、巨大なミミズのような形をした改造人間の群れ。呪力による探知をしていたとしても、改造人間自体の呪力は一般人とそう変わらない。呪力で肉体が構築された呪霊に気を取られ、完全に不意を突かれた。

 

反射的に跳躍したローランだが、そこに迫り来る無数の怪物。ステンドグラスほどもある巨大な歯を破砕機のように嚙み合わせ、隊列を組んで空中で身動きの取れない無手(・・)のローランへと襲い掛かり────

 

 

 

 

「────あーあ、今回は楽だと思ったんだが

 

 

手に持った(・・・・・)大剣で、脳髄を叩き潰された。

 

.....何を小賢しい勘違いをしていたのだろうか。

 

常識外れのフィクサー(調停者)に、期待通りのお約束が通じる筈も無いだろう。そのまま黒い沈黙は宙にて身を反転し、狙いを定め。被食者へと移り変わった哀れな化け物に一切の容赦無く、車輪仕掛けの巨大剣(ホイール・インダストリー)を振り下ろし────

 

 

 

 

 

 

 

75:名無しの呪術師

ライブ配信でこんなの見れるとか.....

セルマァ.....俺涙が出そうだよ。

 

76:名無しの呪術師

だってよ、セルマ.....皮が!!

 

77:名無しの結界師

混ざってる混ざってる

 

78:名無しの呪術師

>>76 安いもんさ.....皮の1万枚くらい.....

 

79:偽物の先生

生前使っていた武器は呪具に変換(コンバート)されるようで良かったよ。日車さんの領域然り、武器の呪具化然り。呪具と術師には切っても切れない縁があるのかもね。

 

80:工場長

あっ....コイツ、銃使いやがったな!?

口径が特注だからマジの時以外は使うなって....!!

 

81:名無しの呪術師

しゃーない、というか特注は今更だろアンタ....

 

82:名無しの結界師

携帯型レールガンの弾頭とか注文されてるからな。

.....携帯型レールガンってなんぞ?

 

83:名無しの呪術師

知らね。

 

84:名無しの呪具職人

というか潰したら血が出てる....って事は、これ改造人間かよ。渋谷の時のミミズ型がこんなに....

 

85:御辞儀様

真人が何をしでかすか分からんな.....福岡高校の存在は分かっていないだろうに。何が目的だ?

 

86:偽物の先生

.....今は調査を続けるしかないね。

そっちの調子はどう?

 

87:アメリカ大統領

全然だな。杉沢第三高校や八十橋の近辺にも先回りしたが、百葉箱の中には何も入れられていなかったぞ。

 

88:鼻⭐︎塩⭐︎塩

同じくだ。宿儺が受肉していないせいか、呪力探知でも探り出せん。恐らく他の指が目覚めなければ埒があかない。

 

89:無限加速神父

だが"隣に在るようで遠いようでもある"な感触は無い。恐らく真人らに回収された後なんだろうな。

 

90:名無しの呪術師

どこまで仕組んだんだよ、あのメロンパン....

 

91:名無しの結界師

虎杖の出産直後に襲撃かけたのは良いんだけど、そのせいで最初の一本もどっか行ってるんだよな......天使に何本持ってかれたんだっけ?

 

92:名無しの呪術師

>>91 6本。しかも行方不明だから面倒よなー

 

93:名無しの結界師

あと新しいスレ建ってたけど、アレ何?呪術ってスピンオフ出たの?

 

94:名無しの結界師

スピンオフというか正統後継者やぞ

 

95:名無しの呪術師

それも未来編やから俺らはギリ.....いや、有るな。

俺ら老けないし.....

 

96:管理人

天元の【規制済】を【規制済】して【規制済】

 

97:偽物の先生

>>96

!aku

⭐︎管理人がアク禁にされました

 

98:名無しの呪術師

すげぇ、追加した新機能に自分が引っ掛かってら。

 

99:名無しの呪術師

なんだこいつ.....(困惑)

 

100:偽物の先生

まあ、今はそんな事より.....呪霊の行方を探すのが先決だ。

その為にも、先ず──────

 

 

 

 


 

 

 

『───────』

 

 

天空に浮かぶ方舟。転移者たちの本拠地にて。

深くため息を吐くような掠れた声が、とある部屋に響いた。

 

声の主人は、皆のよく知る"先生"であった。

その高潔さ故に、皆を率いる司令塔のような大役を担う者。

否.....今まで、ずっと担い続けているのである。

 

 

── 私達のゴールは、元は羂索の排除だった筈だ ──

── だというのに、私達はまだ存在し続けている ──

 

 

.....仮説を立て、脳内で試行演算(シミュレート)する。

彼がこの世界に降り立ち、既に150年近くが経過しているも。その知略は一切を欠く事なく、未だ健在。むしろ彼の肉体を奮い立たせる責任感が重くなる度に、更に深まっている事だろう。

 

衛宮士郎が星漿体護衛任務を果たしてから、既に五年が経過した。呪霊被害自体は消える事はない。いや、それは良い。更に未来(モジュロ)でも呪霊が消えていないのは把握していたし、予想していた。それはこの世界の定義なのだ、何も特筆すべき事ではない。

 

しかし......

 

 

── .....転移者が、まだ増え続けている ──

── .....それも、急速に。まるで徴兵だ ──

 

 

あってはならない事だ、と。悔しげに呟いた。

彼は管理人や□□らと同じく.....己の存在意義を知っている。

それ故に、手放しには人員補強を喜べないのだ。

 

幻視するは戦争。朧気に聞こえる悲鳴。

近いうちに、また大きな戦いが起きるのだろう。

長年の経験則と、己の直感がそう告げている。

 

 

── .....それでも ──

── 全ては救えなくても。全てに手を伸ばす事 ──

── それが.....私達のやり方だろう?──

 

 

 


 

 

国際信州学院大学付属高等学校にて。

いや長い、省略しよう。

 

例の高校が開校し、暫くの時が経った。春より開校した当校では多くの生徒が通い、新たな人生の拠点としてか、もしくは信用の出来る人間との交流の場としてか、様々な名目で使われている。

 

しかし.....その実、遊びとノリだけで作られた訳ではない。最近にて急速に増えた転移者達が例の巨大方舟(アトラ・ハシース)に収まり切らないのを見越し、寮という形で住める場所を作った訳だ。

 

元より何かを察してコンタクトを避けるような転移者もいる訳だが、これであれば協力する姿勢の有る人間がハブられる事も無く───

 

 

「────あの、すいません」

「ん、なんだ?」

 

.....そんな中に、一人の賓客(生徒)が紛れ込んでいた。

彼に話しかけられたのは橙髪で体格の良い高校生だ。見た目こそ朗らかだが、やや不良っぽくもある。そんな彼を選んで話し掛けるとは、案外勇気の有る性格なのだろうか。

 

 

「1年の1組って何処に有るのか、分かんなくて.....ここの棟に有るのは分かってるんだけど.....」

「.....あー、それなら戻って南口から入り直さなきゃな。こっちは実習室とかのある方だぜ」

「えぇ?それ、本当.....?」

本当(マジ)だよ。まあ、正直に言えば朝礼に遅れてもお咎めは少ないんじゃないか?半年通ってる俺も良く迷うし」

 

 

流石は急ピッチで作られたクソ雑な設計なだけある。

お互いに苦笑いを交わすと、一年を名乗る生徒は気まずそうに頭を掻いた。指元ではキラリと、簡素な指輪の光沢が眩しく光っている。

 

 

「もしかして、アンタ────」

「ああ、名前は覚えて貰わないと。僕は......」

 

 

......橙髪の生徒が何かを言う前に。

キンコーン、とベルの音が廊下に響き渡った。朝礼時間の5分前を告げる予鈴だ。ここから外に出て教室まで戻るのであれば、今から走っても間に合うかギリギリといったところだろう。

 

 

「ああ、ごめん!君まで巻き込んじゃって.....」

「良いんだよ、話せて良かったぜ。またな、乙骨(・・)!」

 

 

両者顔を見合わせてから、急いで走り去っていく。

 

.....そう。ここに現れていたのは、乙骨憂太。未来の特級術師にして、いずれ五条家の当主に据えられる者。

本来であれば翌年、同級生をロッカーに詰め込み、呪術高専に送られる筈だったのだが。どういう訳か、彼はここにいた。

 

 

「.....ん?なんで彼、僕の名前を.....転入前に僕の事、紹介してたのかな」

 

 

首を傾げながらも、足は止めない。名札を付けた覚えはないが、事前に周知されていたのだろうと納得して頷いている。よもや事前周知どころか、何年も前から知っていたと言われたら卒倒するだろうか。

 

 

「────呪いを解くんだ。僕の手で」

 

.....教室の前に立ち。習慣のように、指輪を軽く手に包んだ。どれ程の愛着(呪い)が込められていたのか。先ほどまで纏っていた病人のような頼りなさが抜け、決意に満ちた瞳が浮かぶ。

 

体躯こそ細いが.....その心の奥底には、如何なる主人公にも劣らない芯が入っていた。

 

 

 

「その為に....もっと、強くならないと」

 

 

 

「────待っててね、里香」

 

 





メンタルを復調させたけどリアルが忙しい〜!
次回も遅れそうな気がするぞ〜!(犯行予告)

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