【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。 作:なんか変な色の翼
変わらない事。変われない事。
小学校も残すところ三学期のみの、冬の盛り際。
折角の冬休みなんだからと、彼女に気晴らしにと映画を誘われた、その帰り道の事。僕と彼女は、昔から一緒に遊んでいた公園で駄弁っていた。
天気は曇り。まるで黒ずんだ羊毛みたいな雲が空を覆い尽くして、太陽を隠していた。朝一番に映画館に入ったから、今は昼頃。だというのに、辺りはそこまで明るくはない。
少し遊び疲れたのも相まって眠気が──
「────うた。憂太?」
「あ.....ごめん、里香ちゃん。ちょっと眠ってた」
あはは、と。軽く彼女に──
元々勉強もズバ抜けて得意だという訳でもないが、身体も人並み外れて丈夫、という訳では無い。となれば、努力で点数を稼げる学問の方に注力した方が良い。そう思って、最近は机に齧り付くように頑張っていたのだが....
「.....顔が青いし、ボーっとしてるし。最近眠れてる?」
「それは......」
目に見えるほど疲労が浮かんでいたのだろう。自分でも今朝、目の下の隈に驚いたのだ、彼女が心配するのも無理はない。元は自分を揶揄う同級生を見返して、彼女に心配をかけまいと思っていたのだが。むしろ心配をかけるようじゃ、逆効果もいいとこだ。
何より.....彼女を心配させてしまう自分が、不甲斐ない。彼女の浮かべた微笑みも、何処か気まずそうな苦笑に変わっていた。
「.....無理に私に気を遣わなくて、良いんだよ?」
「え?」
「私は憂太と一緒にいれたら満足だよ。だから.....ありのままで良いんだよ?憂太を苛めるようなヤツは、私が許さないんだから」
それはダメだろう、と言いかけるも....口を噤んだ。
彼女の提案は、自分を慮ったモノだ。それを頭から否定するのは厚意を無碍にするのと同じ。自分の
.....ちゃんと、僕自身の思いを伝えなければ。
「ありがとう。でも、僕は大丈夫だよ」
「.....良いの?憂太、辛そうにしてるけど」
「それは─────」
.....君のため、ではない。
これは、僕の
彼女を理由にして、遠回しに"君のせい"だと言ってしまえば、彼女はもっと気負うに決まっている。だから自分の為にやっていると....君に、もう少しだけ弱い姿を見せても良いかと、許しを貰わないといけない。
だから、僕は────
「正直、大丈夫じゃないかも。だけど.....もう少しだけ、君の隣にいても良いって、思いたいんだ」
「─────」
.....暫くの沈黙が走り、そのまま曖昧に微笑まれた。
好きなようにやってみて、という応援なのか。
君ならできるよ、という期待の表れなのか。
それとも、ただの呆れた笑いだったのか。
その真意を推し量る事は出来なかったが、つられて僕も笑ってしまう。そのくらい、彼女の笑顔は純粋で、朗らかで。そして、何よりも美しかった。
「─────憂太?」
「だから、一緒にいよう。絶対に離さないから」
彼女の手を取り、優しく包む。
我ながら漫画みたいな台詞が口を突いて出たものだ。それでも....歯が浮くような言葉だとしても、伝えるべきだと思った。彼女に対する気持ちは、言葉でしか伝えられないのだから。
守られてばかりじゃいけない。導かれるばかりで、彼女の隣に立つことなんて出来るものか。これまで手を引かれただけ、僕が前に出るんだ。男らしく、彼女を守るんだ。
─────その日。僕は思いもしなかった。
彼女を守ると誓った、この日の暮れ。
僕の街に、一匹の鯨が飛沫をあげながら墜落し。
「真人、準備は良いですか?」
「バッチリさ、花御。福岡で予習はしっかりこなしたからね」
仙台市の某所、人知れぬ山中にて。
二体の呪霊が、密かに"何か"の準備を進めていた。
「────裏梅って奴の言った通りだったよ。幻影の呪霊を誘導するなら、宿儺の指を取り込ませれば良い。呪霊じゃ宿儺の器に足り得ないけど.....意思を持たない魚の指向性を変える程度には、多少変質させられる」
「よくあの者が承諾しましたね?」
「いいや?してる訳ないじゃん.....指の話を聞いて、そうじゃないかなって推察しただけさ。ま、それも的中してたみたいだね」
人を馬鹿にするような笑みを浮かべ、肩をすくめる真人。万物の魂を歪める
これぞ、羂索の遺したモノ。転移者達の発見できていない.....本来であれば眠っていた指達の在処を、彼等は知っている。裏梅も合流した事で死滅回游後に発見される指にも目星は着いた。情報戦で言うなれば、呪霊側が二手先を行っているだろう。
「.....馬鹿だって思うだろう?」
「賢明な行いとは言えませんね」
「そりゃそうだ。陀艮に頼んで取り込ませたので一本、福岡のテストで一本。もう一本は"仕掛け"の為に今使う.....もう三本も使い切った。自由に使えるのは、本番のを除いて残り一本ってとこかな」
......その優位を、湯水のように惜しみなく使う。
ここまで派手に動けば、恐らく高専も窓を通じて感知するだろう。陀艮の領域を用いて足取りは掴めなくとも、確実に狙いは露見する。
だが、それで良い。
動かぬ時は姑息すぎるまでに息を潜め。
舞台に一度出れば、享楽的に全てを棒に振る。
だが、その本質を隠匿させられるのなら必要経費だ。
「でも、
「なら、尚更手の内を明かす訳には.....」
「そこは良いんだ。なにせ、コレの対処は五条悟でもない限り不可能だろうからね」
────上空を見上げると。
山河を枕にし、街一つを覆う程の巨躯を持った半透明の鯨が.....深海へと潜航するように、雲を掻き分けて堕ちて来るのが見えた。変質し、宿儺の指という"味"を知った幻影の呪霊が流星のように墜落する姿。それは何処か神々しくもあり、神秘すら纏っている。
アレは呪霊だ。物質的な質量は持ってはいない。
激突したところで、隕石のような被害を齎す訳ではない。
通常の人間が勘付くような被害は滅多に起こらない。
しかし、強い呪いを身に受ければ人は狂う。
海面に舞い降り、飛沫を上げる代わりに。
鯨は高濃度の呪力を一帯にバラ撒き、悉くを汚染する。
生命が
抵抗のある術師であれば兎も角、一般人は先ず即死。
"窓"や、等級にして3級を下回る有象無象も危険だろう。
「来ますよ、真人」
「ああ、分かってる」
その大厄を歓迎するように、
.....羂索の遺した、最大の障害は真人自身だろう。
五年という月日で、彼は
未成熟だった悪意は、世界を知って知恵を手にしたのだ。
「無為転変」
───嗚呼、呪いと侮る事なかれ。
これより巻き起こる悪事大災の一切は。
人の呼び起こした戦争の末路なのだから。
特級呪霊「幻影の呪霊」が宮城県仙台市──山に墜落。
回遊活動を停止し、地上に降りた理由は不明。
死者は推計50人以上、行方不明者は100人を上回る。
現在3級以上の術師を派遣させ、現場で救助活動を開始。
カバーストーリーは「有毒ガス漏出」を適用中。
至急術師の増援と、呪傷に詳しい人材の派遣を求める。
補遺:派遣された術師より、強力な"生霊"の残穢を確認。付近で目撃報告は無いため、救助活動を優先。付近の術師は、警戒しつつ現場での作業を完遂する事。
メンタル復活してからの朝は早い(経験則)
書けるっちゃ書けるけど次どれ書くかな.....!?
アンケに投げるか......
次に見たいもの〜!
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伏黒家(反抗期只中)
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七海視点の高専組
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2ch民のサブストーリー
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乙骨の断章、その続き