【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。 作:なんか変な色の翼
おまけ第二弾
次回辺りから新章移ろうかな.....?
「────────!!!!!」
「「「うおおおおおおっ!!??」」」
初っ端より煩くて申し訳ない。
前回の惨事より、時を同じくして長野の山間部にて。
2人の転移者らが肩を並べ、一目散に呪霊より逃げていた。
「おい、お前.....言っておくが俺に期待はするなよ!!
あからさまな泣き言を言いながら全力で走っているのは、ライナー・ブラウン。作者の寵愛を受けるという、これ以上無い呪いと大業を背負って原作最終話まで走り切った男。それが呪いの世界に転移するとは、彼の不遇に限りは無いようだ。
我慢強く、そのくせ逃げ足は早いとファンより評されていただけある。叫んで息を切らせつつも、足元の悪い山道でも足を取られる事はまるでない。今からでも教科書にも載れそうな、見事なランニングフォームを見せていた。
「あんな化け物連れて来といて言い訳してんじゃねぇ!お前っ、俺なんてモビルスーツどころか生身なんだぞ!?前に死んだ時に持ってた拳銃すら持ってねぇんだぞ!?止まるんじゃねぇってのはそういう意味じゃねぇんだぞ、お前!」
そのライナーに続いて疾駆する、似通った声帯を持つ彼はオルガ・イツカ。ただ一度死んだだけで無限のネタを生み出し、その生き様は月曜日のたわわならぬ、日曜日のけじめとまで言わせた男である。
進み続ける限り道は続くと豪語していたが、よもや死後すらミームとして道が続いているとは思わなかっただろう。しかしそんな男だからか、ライナーの巻き添えで呪霊に追われる事になるとは.....未だ、矢受けの加護は健在らしい。
「どうすんだ、"コイツ"!皆のとこまで連れてくか!?」
「いや、やめた方が────」
チラリと追ってくる呪霊をチラ見するライナー。
人型で二足歩行をしているが、まるで蜘蛛のような長い手足が伸びており。加えて蝋燭のように硬化した皮膚は、ソレに血液が通っていない怪物と示す警戒色のように見えた。
目は虚で白く濁り、口からは怨嗟のような声を絶え間なくスピーカーのように流し続けている。そう、確かこんな怪談が有った筈だ。顔を見られたら絶対に殺しに来る、特別収容何とやら───に、似た呪霊であった。
「ネット掲示板に書き込んだ怪談が呪霊になるとか、便利な世の中っていうのも考えモンだな.....!!」
「るせぇ!!お前が引き連れて来たせいで、俺も顔見ちまったじゃねぇか.....英雄ダッシュしてねぇで、さっさとなんとかしろっての!!」
あれよあれよと逃げ回る二人。戦略的撤退は後退ではなく未来への前進と言うが、ジーク顔負けの叫び具合では格好も付くまい。同時に足首から太腿にかけて満遍なく筋肉も悲鳴を上げており、もうじき限界を迎えるだろう。
対して追い掛ける怪物、シャイガイ型の呪霊は元気イッパイといったところか。無尽蔵のスタミナと溢れ出んばかりの殺意で二人を追いかけ回しており、もはや追い付くのは時間の問題である。
「どうすんだっ、この......おい、見ろ!!」
「見るって何を────アレは?」
前方に二人の人影、それも見た事のある面々だ。
あの独特な和装は......緋村剣心に相楽左之助。2チャンネルの中でも武闘派の面々であり、星漿体護衛では沖縄に派遣されていた経歴もある手練れ。多少言語野
正に地獄に仏、窮地にキワミ。
縋るような思いで、オルガは二人に助けを求める
「そ、そこの二人!!悪いがコイツを頼んだ!!」
「.....ッ、
それに反応したのはキワミ.....ではなく左之助。即座に状況を把握し、得意の喧嘩屋スタイルで臆する事なく立ち向かって行った。背に刻まれた悪一文字をはためかせ、正に喧嘩一番の名に恥じぬ突貫。
獰猛な
「フタエノキワミ、アーッッッッ!!!!」
ドスン、と重い打撃音が山中に轟く。これぞ二重の極み、剣心に徒手空拳最強と言わせただけある。まるでダンプカーが突っ込んだかのような破壊力。左之助も自慢げに、ライナーらの方を振り返った.....が。
「
「キワミ!!お前後ろ、後ろ!!」
「ん?
.....そこには、左之助の打撃を物ともせず。意気揚々と1m半を超える長腕を振りかぶるシャイガイの姿があった。銃弾は愚か、対戦車ミサイルの類ですら受け止める超常の外皮。それに阻まれ、完全に絶命するには至らなかったのだ。
慌てて防ごうとするも、時既に遅し。凶暴な爪が、彼の首を掻き切らんと迫って来ている。幾ら体力自慢で打たれ強かろうと、急所への攻撃は────
「────
「
そこに割り込んだのは、神速を極めし男こと緋村剣心。ダイナミックに人違いをされているが、その程度で彼の太刀筋は揺らがない。左之助へと振り下ろされていた一撃を逸らし受け切った。
そのまま着地し、知る人ぞ知る構え───前方への強襲、そのための突進の溜めに入る。オルガやライナーは愚か、シャイガイですら危険を感知したのか動きを止める。それだけの気迫が、そして圧が彼には有ったのだ。
「
寸分違わぬ九連撃。
然し、彼の活人剣にて活かすは人のみ。人に害を為す呪霊であれば気兼ねなく倒せるというモノである。加えて、今世で彼の使う逆刃刀は明治よりの名剣として神秘を持ち、呪具と化しているのだ。呪霊への効果はテキメンだろう。
しかし────
「剣心、お前そっちは崖だぞ!?」
「ア───ッ.......アァ!?」
ここにいる誰もが忘れていた。平地での戦いであれば兎も角、ここは険しい山道、その中腹なのだ。そんな曲がりくねり、舗装されてもいない道で暴れ回るとどうなるか?
嵐のように繰り出された九連撃───それによって呪霊は祓われたが。そのまま見事コースアウトし、剣心は千尋の谷へと滑落して行った。
某同人格闘ゲームの動画にて何万回と見た姿に、後に残された三人は涙よりも郷愁に駆られたと語る。
「
「.....惜しい人を亡くした」
どの口で哀悼の意を表するライナー。転移者は基本的に丈夫であり、剣心であれば崖より滑落した程度では死にはしないだろうが。自分で引き連れておいて可哀想と言い放つ辺り、やはり半端なクソ野郎な一面は健在であったようだ。
何はともあれ、唐突に湧いて来た呪霊の始末は終わったのだ。本来であれば呪霊の討伐には給与が与えられる。2チャンネル第二の総本山付近での緊急クエストだったのだ、これを報告すれば多少は手当が出るやもしれない。
「悪かったな、後で何か奢るから勘弁してくれ」
「全くだ。だが、その前に管理人らに報告しとかねぇと.....」
剣心を回収しに行った左之助を横目にしつつ。オルガはスマートフォンを片手に、裏サイトを通じて2チャンネルへとアクセスする。今や呪力を満足に用いれる転移者のみならず、多岐に渡るタイプの者が気軽に扱えるようになっていた。
「あんだけ騒いでたらどっかでスレとか───?」
「.....どうした、オルガ」
.....不思議そうに画面を覗き込むライナー。
そこには大々的にピン留めされていたスレが一つ。
そのタイトルは......
【急報】貴重な現代ネットミーム型の呪霊、脱走
「おー、もうニュースになってたんだな。脱走って事は校舎で預かってた呪霊だったのか?取り扱いに気をつけなきゃな.....」
「........」
怖い怖い、と肝を冷やしたような発言をするライナー。しかし、何処か引っ掛かるような気がしてオルガは口を噤む。山で唐突に発生したのでないなら、何故ライナーを追いかけていたのだろう。
思い出せ、何か妙な発言を耳にしたような─────
「ライナー.....お前、なんで"ネット掲示板に書き込んだ怪談"から生まれたって知ってたんだ?」
.....そうだ。ライナーが漏らしていた言葉、それは初めからシャイガイ型の呪霊について知っていなければ不可解なものだった。となれば、状況はある程度推察できる。
ライナーが追いかけられていたのは不幸な事故ではない、必然だったのだ。偶然ばったり出会したとかではなく、そう、例えばシャイガイの顔写真を間違って盗み見てしまったとか......
「俺がやるべき事は、自分が選択した行いや、選択してきた結果に対し責任を持って。戦士として───」
「お、おい。ライナー?」
......ふと見れば、既にライナーは臨戦状態。
こちらが勘付いた事を察したのか。はたまた騒ぎとなり、言い逃れが出来ないと腹を括ったのか。拳を握り締め、今にも崖から落ちて行った剣心の後を追いそうな程に見える。
それを止めようと、オルガは駆け寄り────
「─────口封じをする事だ」
「......何やってんだァッッッ!!」
握り締めた拳を振り上げ、互いにクロスカウンターが炸裂。逃げ回るネズミから一転し、戦士と火星の王のデスマッチへと舞台は移行した。責任を一ミリも果たせない醜い争いは、まだ始まったばかりである。
Q:結局なんでライナーはシャイガイの顔を見たの?
A:同封してた資料を書いたのがヒストリアだった
最近同人ゲームの製作とかしてて忙しめ.....
次の投稿は本当に遅れそうで申し訳ねぇ....