【悲報】ワイら、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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エンリコ・プッチ

クラス:裁定者(最低者)
筋力:E 耐久:A 敏捷:XEX 魔力:EX 幸運:E 宝具:XEX


聖杯「バグでは?」
抑止力「えっ、何コイツ知らん....怖....」


【PART2】加速チーターに勝てるわけがないだろ

 

「罰を与えるぞ」

 

 

右手を掲げて呪力を練る。先ずは女を殺す。

殺し方は簡単、頭から溶岩を注ぎ悲鳴を上げさせて焼死させる。

 

こういうのは複雑ではなくシンプルな方が演出されるものだ。

練り終えた呪力を指に込め、放出しようとした瞬間───

 

 

 

「────は?」

 

 

 

鋭い痛みが胸部を襲った。

その痛みにつられて胸に目線を向けると·······何者かの腕が背中から身体を貫通していた。

 

無論、その程度の奇襲に対応できぬ儂ではない。

振り上げた右手の呪力の矛先を、身体を貫いている腕に集中して放出させる。呪力操作で襲撃者の腕は固定した、これならどんなスピードで動こうとも抜け出せまい。

 

 

 

「.....いやッ、違う!!この右腕(・・)は!!!」

「そうだ、お前の(・・・)右腕だ。気分はどうかね、特級呪霊」

 

 

 

 

今すぐドン底に落ちるだろうがね、と黒人の襲撃者は続けた。

·······そうか、あの女が言っていた事は、あながち間違いでもなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身体中が痛い。今にも内側から張り裂けそうだ。

圧倒的に戦闘経験が足りなかった。自己研鑽で事足りると考えていたツケだ。

これは当たり前の結果、怠慢の代償、必然の敗北。

 

 

 

でも戦わなければ、先輩達を守らなければ。

自分の責任を果たせ、歯を食いしばって立ち上がれ。

戦え、闘え、闘って護れ─────

 

 

 

 

「いや無理しすぎでしょ、程々を覚えろって」

「.....家入?」

「おっ、意識回復か?おはよ」

 

 

 

目を覚ますと、あの山道で...何故か家入に治療されていた。

なんだ、これは夢か?もしくは走馬灯ってヤツじゃ·······。

 

 

 

「いーのいーの、私だって先生に説明無しで連れて来られたんだから状況ロクに分かってないし」

「先生って...まさか!」

「そのまさか、エンリコの方の神父だよ。夏油も来てるから、もう今日は寝ときな」

 

 

 

優しい+の呪力が身体に流れ込み、破壊された回路が癒されていく。

恐らく家入の反転術式だろう、いや本当に迷惑をおかけします...。

 

 

 

「でもアイツ強いぞ、先生と夏油で何とかなるのか?」

「んー、そうみたいだね。まあ大丈夫でしょ。ウチの教師、最強なんだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────何をされた?

 

 

 

 

「夏油君、君の呪霊操術でコイツを取り込むのは可能かね?」

「...不可能では有りませんが、このレベルだと調伏が必要です」

「そうか、では私がコイツにダメージを与える。生憎と聞きたい事が山のように有るのでな、祓いはしない。だが駒として、手足として、耳や目として再利用させて貰うぞ」

 

 

 

 

理解が追い付かぬ。

感知する事も出来ぬ。

目どころか、呪力感知すらままならぬ。

 

 

 

 

「·······ッ!!もう出し惜しみはせぬ!!領域展か────ゴボォゥエ!!!」

「咽るなよ、汚いな。もっとハッキリと言ってくれ」

 

 

 

喉の奥から猛烈な不快感を感じ、ゲロを吐くように咽る。

口の中から飛び出てきたのは.....儂の指だ。その数20本。

 

今の一瞬で胸部に刺さった右腕を含めた両手両足の指を切断し、口の中に詰め込まれたのか。

 

 

 

 

「夏油、少しこの場を後にする。衛宮達を頼んだ」

「先生もお気を付けて」

「.....誰に言ってるんだ?」

 

 

 

次の瞬間、儂の身体は横っ飛びに林の中へと投げ込まれた。

...しかし、この程度は想定範囲内。

 

禪院家の当主が使うと聞いた"投射呪法"とは比べ物にならん速さだが、それならば攻撃範囲(リーチ)を広げればいいだけの話だ。左腕から熱線を出して林に放火し、轟々と焼け野原を作り上げていく。これでヤツが通るルートは限られる、そこを見極めて薙ぎ払えば────

 

 

 

 

「"反撃は容易い"か?随分とナメてくれる」

「─────馬鹿な」

 

 

 

黒い閃光が頭部を捉え、上半分を縦に切断した。

視界が異様な形に歪んだのを見るに、恐らく眼球まで破壊されたか。

 

 

 

「おのれぇ....おのれおのれおのれおのれッッ!!!認めん、儂は認めんぞォ!!!」

お前(三下)程度に認められてもな」

 

 

 

また投げ飛ばされ...いや、蹴り飛ばされ、無数の追撃が入る。

 

無限のスピードで攻撃される度に肉体が千々になって行く。例えるなら、生え変わり際の子犬の毛を素手で毟るような感覚。圧倒的な手数を前にして領域や攻撃範囲など無力だと、速さとは正に"重さ"である事を嫌でも脳が理解させられる。

 

残った左腕、ガラ空きの胴体、力の入らない両足、その全てが為す術なく破壊されていく。

 

 

「...さて、下準備はこんなモノか。早く夏油に食わせてやらねばな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず凄まじいね。良く逃げ切れたモノだと我ながら誇らしくなるよ」

■■■■■■■■■(昔話とは老いましたね)

「ふふ、あの惨状を見て君からは何も無いのかい?私は正直言って震えが止まらないよ。アレが視界の中に入っている状態で、呪力操作をする勇気なんて無い。それでも助けに行くのかい?」

「.....■■■、■■■■■■■■■■(呪霊は、貴方たち人間とは違いますからね)

「よく言うよ、怖いくせに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...あっ、先生。ご無事で何よりです」

「ほざけ。頭部以外は邪魔だったから切り捨てて来たが、これでも可能か?」

「むしろ好都合です。弱っているほど取り込みやすいので」

 

 

 

乱雑に放り投げられた頭部が、無惨にも地面にボテッと叩きつけられて転がる。

もはや呪力も残っておらず、特級呪霊の成れの果てと言われても信じる者はいないだろう。

 

 

 

「先生、この呪霊はどんな味がすると思いますか?」

「マグマ系だから激辛という線が濃厚·······いや待て。なんで味わおうとしているんだ」

「激辛か、それなら·······先生、高専に豆板醬取りに戻ってくれませんか?」

「美味しく食べようとするな。あと教師をパシるな。早く取り込め」

 

 

はーい、と気の抜けた返事をして右手を漏瑚へと向ける夏油。

これで全て解決だと、この場にいる誰もがそう確信した瞬間であった。

 

 

 

「■■■■■■■■■■!!!!」

 

 

 

林の中から"大樹の津波"が押し寄せる。まるで屋久杉が周りに根を張っていく光景を、ビデオで倍速再生でもしているかのような光景に全員が目を奪われた。全員の気が緩み切った瞬間に行われた完璧な奇襲。そして都合の悪い事に、山側にはブッ倒れた衛宮士郎と治療に意識を回していた家入硝子、この攻撃に対応できない庵歌姫の三人がいる。

 

 

「虹りゅ───」

天国への道程(メイド・イン・ヘブン)ッ!!!」

 

 

 

夏油とプッチはコレに同時に反応、先に術式を展開したのはプッチだった。

半径50mの時間経過を超加速させ、地面から一切の水分を蒸発させて砂塵に変えた。植物が生育できる環境を奪った以上、"根"の津波が押し寄せる事は無い。そして動きの止まった根の中に最高硬度を持つ虹龍が食らいつき、完全に破壊して更なる成長を止めた。

 

 

 

 

「庵、そっちに被害は!?」

「あっ、有りません!!コッチは大丈───先生、呪霊が!!!」

「.....してやられたな」

 

 

 

 

振り返ると、漏瑚の頭部が姿を消していた。

恐らく、先ほどの奇襲を行った仲間によって回収されたのだろう。

 

 

 

「撤収だ。高専に連絡して車を呼んで来る。衛宮と家入は私と来い」

「.....先生、顔色が悪いですよ?」

「気にするな。少し面倒なヤツを思い出しただけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──はじめまして、術師殺しの禪院甚爾さん──

「今は伏黒だ。婿入り前の情報とは、ちと世間から遅れてんな」

 

 

 

某日某所。二人の天与呪縛の持ち主が顔を合わせていた。

 

 

 

一人の名は伏黒甚爾。

天与呪縛により呪力を完全に失った事で、フィジカルギフテッドを手に入れた暴君。天性のゴリラである。金さえ有れば確実に任務を遂行する姿は、呪術界のゴルゴ13とも言えよう。

 

 

 

「世の中は広いな、俺を超えて不幸なヤツもいるのか。その型付きの仮面が無けりゃ、顔面の形を保ってられないんだろ?難儀な身体してんな」

──貴方も、随分とご苦労をされてきたようで──

 

 

 

もう一人は"偽物の先生"。

此方は甚爾と対照的だ。天与呪縛により巨万の呪力を手にした代わりに、体は悲惨な状態になってしまった。常に呪力で身体を強化しなければ立つ事もままならず、自重で肉体は崩れ落ちてしまうだろう。

 

 

 

「で、要件を聞こうか。俺を呼んだってのは"そういう"事だろ?」

──ええ、貴方にしか頼めない任務があります。報酬は言い値で払いましょう──

「ほーう、ソイツは気前がいいな。それで依頼内容は?」

──長期の任務となり、秘密裏に行う事の求められる案件です。その内容は──

 

 

 

 

── 一年後に同化が予定されている"星漿体"、天内理子の護衛です ──

 

 

 






プレ先「これが一番早いと思います。」
メロンパン「あっあっあっ......わぁ....」
鼻塩「泣いちゃった!」

ーーー罰を与えるぞ。

  • そうか、敗者が罪人か。それならばーー
  • 罪人は貴様の方だ、エンポリオ!!
  • 『運命』は此処で終わりだッ!
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