2017/5/3 AM11:23
「……はひー、暑いねぇ」
「……あついぃぃ」
「……うん、疲れた」
私達は『EDEN』のとあるサーバで座り込んでいた。
「もう修行とかいいんじゃない?」
「完全体に進化できるようになったし……、もう充分な気がする」
私とフリルちゃんはシキさんとの修行に疲れ果て、彼女の目から逃げるように隠れてコソコソと座り込んだ。バブモンから進化したアルラウモンはちびちびと水を飲んでいる。
隣では息を荒げながら、チョロモンから進化したポーンチェスモンが槍を杖代わりにしながら立ち上がってて、
「我がパートナー達の癖にこの程度で音を上げるなど軟弱な、……だが、さすがにその意見にはどうーーーー、おい、もっとレベルが上がるみたいだぞっ!?」
ポーンチェスモンが必死な声で私達を呼んだ。
「いやいや、流石にここまで訓練をすれば……」
「うんうん、……こんなにがんばったんだから、むしろ褒められて然るべき」
そんな冗談はよしてちょうだいと日陰でノンビリ座っていると……、
「…………よく見てみろ、教官の顔を」
ギロリと背筋が凍るような視線が向けられていることに気がついた。
『は・や・く・た・て』
「「「イエッサーッ!!!」」」
「ほら、そこ休むなっ! まだ修行は終わってないぞっ!!!」
「「「「イエッサーッ!!!」」」」
彼女の怒鳴り声と共に、私達は修行へと戻っていく。
「「なにやってるんだ(の)、あいつら(あの子達)?」」
その影を見つめる2体のデジモン。
「「ブイモン(ワームモン)も訓練に戻るぞ(よ)」」
そして、その2体を諌める2人のパートナー。
「……午前最後の試合です。せいぜい足掻きなさい」
シキは少年少女へと振り向き、自身の部下と彼女達を『午前は最後』だと叱咤する。
彼らは頷き、部下は火を吹いた。
「「『パイルドラモン』ッ!!!」」
「全力で戦え、パイルドラモンッ!!!」
「今度こそコテンパンにしちゃえっ!!!」
相手はどうやら準備ができたようだ。
「……どうすればいい?」
「『ヴォルクドラモン』*1、叩きのめせ」
「了解」
ならば、こちらもと叩きのめせと声をかける。
「「ウォォオオオオオーーーーッ!!!」」
「ルゥゥオオオオオオーーーーッ!!!」
その日、サーバは火山と荒地が広がった。
デジタルワールドに点在する活火山のマグマ層に生息している火山竜デジモン。ヴォルクドラモンの活動により火山の噴火が起きるといわれており、デジタルワールドの火山研究者は火山活動を調べるのではなく、ヴォルクドラモンの活動を調べて火山の動きを調べている。見た目は恐ろしい姿をしているが性格は穏やかで、争いを好むタイプではない。しかし、一度機嫌を損ねてしまうと、まさしく「烈火」のごとく灼熱攻撃を受けることだろう。必殺技は、超高温のマグマを吹き付ける『ヴォルカニックフォーン』と、近隣にいる者全てを昏倒させる『サークルオブデス』。
2016/5/3 PM03:30
「…………」
「「…………」」
かれこれ、30分ほど彼女の背を追って山道を登り続ける。
「…………」
「「…………」」
その間に会話はなく、私達はどこへ向かうのかわからず、少し、また少しと焦燥感が募っていく。
「…………」
彼女は時折振り向きながら軽々と山を登っていく。私達は役者という仕事柄体力はあると、……そう思っていたのだけれど、思うようには登れなくて、彼女の背を追っていくだけで一苦労だ。
「……ねえ、いつまで着いていけばいいの?」
そんななか、無言の登山に耐えきれなかったのか、かなちゃんは水無瀬ミユキさんにそう声をかけてしまった。
「────かなちゃんっ!?」
末堂マナトの情報を一日中集めていた疲れからか、それともいきなり登山をさせられたいらだちからか、敬語が抜けていたことに驚きのあまり声をあげてしまった。
「もうすぐですよ」
彼女は振り返って微笑み、駄々をこねる子供を諭すような母のように優しげに笑いながらそう言った。
「……そ」
かなちゃんは目を見開いて、口を閉じた。
2017/5/3 PM4:00
「…………」
「「…………」」
あれから30分くらい経った気がする。
歩くペースが落ちてはいた。私達の足が止まった時にはこちらへと振り返って、休憩が終わるのも待っていてくれた。しかし、目的地にはまだ辿り着けていない。
「…………」
「「…………」」
確かに彼女は『もうすぐですよ』と言ったはずだ。しかし、整備のされていない山道を登り続けて1時間が経とうとしている。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
かなちゃんの息が荒い。一日中歩き回って疲れているに違いなかった。
(私も限界が近い)
彼女にとっては登り慣れた山道なのかもしれないが、私達にとってはどこともしれない山道を目的地もわからず登らされているのだ。ただでさえ、登山は入念な準備が必須なのに、こちらは山を登る準備なにも持ってはいないうえ、目的地もわからず焦燥感に駆られている。
(もう限界かな?)
私もかなちゃんも体力の限界だった。
「……あの」
ホテルのチェックインの時間があるので下山させてもらうと声をかけようとした……そのときだった。
「
彼女、水無瀬ミユキはとある方向へと指を差した。
「「────ッ!?」」
そこにあったのは……、
(……なんで、なんでこんなところに?)
(祠? ……ううん、違う。これは遺跡……だよね?)
土着信仰の遺跡……なのかな?
でも、そんな遺跡がある……なんて話、調べた時には『少し』も出てこなかったはず……だ。この山にある寂れて、壊れてしまった神社、『水無瀬神社』の情報は手に入れられた。だけど、ここの『遺跡』だけは情報を見つけられなかったのは確実……だと思う。
(末堂マナトはこの遺跡の情報を隠したかった?)
この遺跡の情報は私が調べた資料には存在していない。少なくとも、末堂マナトがこの遺跡を────、
「遺跡の中へ」
「「────っ!?」」
考え事をしていると、遺跡の中へと彼女は誘導し始める。
「中へ入りましょうか」
トントンと足音が鳴り響いた。
「この遺跡はだいたい飛鳥時代よりも前に作られたと『聞いています』」
水無瀬ミユキはポツポツとそう話し始めた。
「────っ!?」
……って、そうじゃない。今、ものすっごく変な言葉が耳に聞こえてきた気がする。
「……あすか……、えっ、飛鳥時代っ!? 飛鳥時代って、縄文、弥生、古墳、飛鳥の飛鳥時代でしょ? 大化の改新が645年に起きたことだから……、だいたい1400年前じゃないっ!?」
かなちゃんの大声が石でできた壁に反響して、遺跡の中の奥まで響き渡った。
(いや、気にするのはそこじゃないよ、かなちゃん)
今気にするのはそこではない。ううん、確かにそこも気になる。飛鳥時代の遺跡なんて貴重な『遺跡』ネットに載っていないのは明らかにおかしい。おかしいんだけど、私が気になったのは……、
(『聞いています』? ……いったい誰から?)
誰からその情報を得た────、
「
「「────ッ!?」」
その言葉に私達は驚いた。
(マナト? ……末堂マナト? 彼は何を知ってるのっ!?)
私達の考えを見透かすように水無瀬ミユキが……、あれ、違う?
「……彼から何も聞いていないのですか?」
私達の表情から、彼から何も聞いていないのだと、本当に驚いている。
「……っ、────」
────マズイッ!?
「はい、マナトさんからは、『『水無瀬村』について調べて来い』と言われただけで、特に詳しい事情は聞いていないんです」
かなちゃんが何か言おうとしたのを、急いで口を塞いで、私が水無瀬ミユキの質問に答えた。
「水無瀬村を調べていくうちに、2年前にあった50年前の行方不明事件の当事者である貴女がマナトさんが関わってると知り、詳しく話を聞けるんじゃないかと考え、貴女を調べさせていただきました」
もともと水無瀬ミユキが質問をしてきたら、こう答える……というのは、何パターンかは考えていた。しかし、咄嗟に答えたその言葉は私でも思わず、疑問に思ってしまうような歪な返事を返してしまう。
(……どうだ?)
ここを出た後に末堂マナトへと連絡されてしまったら、すぐにわかってしまうような……そんな嘘しかない私の言葉。
「……そうでしたか」
しかし、彼女は沈痛そうな表情を一瞬だけ浮かべ、
「では、詳しく説明するために、もう少し奥までいきましょうか」
微笑んで、私達を遺跡の奥へと誘っていった。
(黒川あかね……あんた、あんなの末堂マナトに連絡されたら、すぐにバレちゃうじゃないっ!?)
(大丈夫、バレないよ)
かなちゃんにそう言われて、大丈夫だと言った……言ったけど、デジヴァイスを取り出してすぐにホーム画面を確認。ホッと胸を撫で下ろし、かなちゃんにホーム画面を見せる。
(ここ、どうやら圏外みたいだから、ネットも繋がらないみたい)
私はこの山に入った後、10分おきにどこで圏外になるのかと、デジヴァイスの電波が届かなくなる位置を確認をしていた。何かあった場合ホテルや警察に連絡ができないかと思っていたんだけど、入って20分ぐらいで電波が届かなくなるのを見て諦めてたんだ。
こんな形で言い訳に使えるとは思ってなかったけど……、
(だとしたって、あんた────)
「……ところで」
かなちゃんが食い下がってきたところで、水無瀬ミユキから突然声をかけられる。
「「────っ!?」」
1時間ほどの登山中でも会話がなかった相手から突然そう声をかけられたことで、何事かと思ってしまった。
「又姪……『不知火フリル』は元気に過ごしていますか?」
……不知火、フリル?
「……また、めい?」
……えっ、又姪って、……でも、……あっ!?
『それ、私の大叔母さん』
1年前の顔合わせの時に……確かにあのとき、フリルちゃんはそんなことを言っていたような気がする。
「かなちゃん、弟の孫って意味だよ……って、不知火フリルちゃん、ですか?」
「
「「────っ!?」」
彼女は私達の質問に頷いた。
(アレ、冗談じゃなかったんだ)
(いやいやいや、確かに長くて綺麗な黒髪はそっくり、そっくりなんだけどさぁっ!?)
(あんな派手な美少女とこの大和撫子って言葉が似合うような和風美人に血のつながりがあるっていうのっ!? びっくりなんですけどっ!?)
(かなちゃん、さすがに失礼だと思う)
(でもでも、この子かなりの美少女だよっ!? いや、不知火フリルも美少女だけどさぁっ!?)
(気持ちはわかるけど……)
気持ちはわかる。気持ちはわかるけれど、……彼女が水無瀬ミユキの親戚? ……その可能性を私は思い出せなかった。いや、冗談だと思って記憶の奥底で忘れかけていた。
(でも、それは思い出せたこと、……だよね)
思い出せていれば、まず最初にフリルちゃんに話をかけていたのに……、ここに来る必要がなかったかもしれないのに……、
「……フリルが何かいたしましたか?」
悔しがってる思考が表情に出ていたのか、彼女は心配そうにこちらを見ていた。
「「いえ、特に何もっ!?」」
「フリルは体調とか悪くしていませんか?」
「元気です。とっても……」
「最近は一緒に番組をやっているメム……ううん、MEMちょにちょっかいをかけて楽しんでいますっ!」
「かなちゃんッ!?」
「だって、実際そうでしょっ!? 現場でメムのこといじりまくってるじゃないっ!」
「……そう、だけど……もう少し、こう、言い方ってものが────」
「……ふふ」
「「……どうかしたんですか?」」
「いえ、元気そうにやってるんだなって、安心してしまって……」
親戚を心配するような表情と言葉に少しだけ安心した。
(この人は、フリルちゃんのことを本当に心配してるんだ)
そんななか、ドタドタと遺跡の奥から走ってくる音が聞こえてきた。
「……なんだなんだ? 大きな声が聞こえて────、って、姉さんっ!?」
60代前半ぐらいの帽子を被った男性が現れたのだ。
「「────ッ!?」」
「ハルもいたんですか?」
水無瀬ミユキの言葉から察するに、この人が水無瀬アキハル……、フリルちゃんのお祖父様なのだろう。
「ああ、少し調べ物をしていてね。そんなことより、そこの君達……君達は……、有馬かなと黒川あかねっ!? いつも孫がお世話になっておりますっ!!!」
この人は私達のことを知っているみたいだ。
「────っ、いえ、こちらこそフリルちゃんには助けてもらってばかりで、むしろこちらがお世話になってるって申しましょうか!!!」
「いえいえ、孫がいつもお世話になって────」
「ハル」
「────姉さんっ!?」
「話が進まないでしょ。奥まで案内して」
「…………はい」
私と水無瀬アキハルとの会話に、水無瀬ミユキが苦言を呈した。
(お姉さんには勝てないんだ)
(いい大人なのにみっともないわね)
落ち込む彼の背中を見て、かなちゃんは辛辣に小声でそう呟いた。
「……ついたよ、姉さん」
しばらく歩いた先、遺跡の部屋の中、
「「……これは」」
私達はその光景に面を食らってしまった。
「うそ、なんで、……これが、ここにっ!?」
「あり得ない……、ありえないわよっ!!! なんで、なんで……っ!?」
ウソだ、なんで、ありえない……、その言葉が頭の中を巡りに巡っていた。
(こんなの絶対にありえない)
ありえない『もの』が目の中に入ってくる。
「ふふふ」
「「────っ!?」」
水無瀬ミユキの笑い声が聞こえてきた。
「姉さん、さすがに笑うのは失礼ですよ」
「ハル……、でも、なんだか懐かしくて」
「……姉さん」
彼女達の『懐かしい』という言葉に、私達も驚きが隠せなかった。
(もしかして、末堂マナトがここに来たときに、彼女達も同じ事ように驚いたってことなの?)
驚いたこと、そう……これを見て私達は驚いたのだ。
「驚かれましたか?」
そう笑いながら話しかける水無瀬ミユキに私は、かなちゃんはその言葉に頷いた。
「水無瀬さん、なんで、……こんなものが、ここに……?」
「そうよ、なんで、なんでこんなところにっ!?」
そう、私達が驚いたものは────、
「「
岩の壁に描かれた『デジタルモンスター』の姿。
「ふふふ」
「ははは」
彼女達は笑う。
「そうですね。そう思いますよね」
「そうだ……、あの時も確かにそうだった」
あのときもそうだったと笑い出した。
「
「────はっ!」
背後から音が聞こえて……っ!?
「……えっ!?」
現実ではありえない黄色の獣人……ううん、違う。なんで、
「なんで、デジモンが現実にいるのよっ!?」
「なんで、デジモンがここにいるのっ!?」
「……フンっ!
レナモンと呼ばれたデジモンが水無瀬ミユキの隣に立って、私達を睨んできた。
(現実世界にデジモンが現れて……ううん、違う)
この部屋の壁には、デジモン達が災害を起こすような絵が描かれていた。
(もしかしてデジモンは
そんな本当にありえない妄想。私が出した
「話を始めましょう」
むかしむかしと昔話を語るように彼女は、1冊の本を懐から取り出した。
「
そして、私達は知る。
ルビーちゃんと寿みなみ……、そして、末堂マナトの戦いを……
2017/5/1 PM02:02
「グルゥゥウウァアアアアアアアアアーーーーッ!!!」
目の前の赤い竜のようなデジモン。
「やれる、みんなっ!!!」
アカウント狩り『メフィストさん』を乗っ取ったデジモンを相手に私は立ち向かう。
「問題ないっ!」/「当然だっ!!!」
「アミを守って見せ……、オレを置いていくなっ!?」
ここまでの戦いで経験を積んだおかげで、事前にデジラボで進化できたルガルモン*1とギンリュウモン*2少し遅れて、ティアルドモン*3が追いかける。
(あのデジモンは?)
急いでデジヴァイスの中にあるマナトくんが追加してくれたプログラムを開くと……、
[グラウモン レベル:成熟期 属性:ウィルス種 必殺技は巨大な炎を口から吐き出す『エキゾーストフレイム』。得意技は両腕のブレイドに雷を纏わせて、相手を切る『プラズマブレイド』]
(成熟期……)
ルガルモン達と同じレベルのデジモン。1体だけだったら、危なかったかもしれない。
(でも、私には……)
3体のデジモンが私の仲間だ。
「『エキゾーストフレイム』ッ!!!」
巨大な火球を口から吐き出し、ルガルモン達へと狙いを向ける。
「「ーーー遅いっ!!!」」
ルガルモンとギンリュウモンはこれを簡単に避ける……あれ?
「「…………」」
様子が……?
「「真似をしないで(するな)っ!!!」」
2体は喧嘩をしながら前へと進む。そして、避けた火球の行方は……、
「ーーーーあいつらはもうっ!?」
直線上にいた私に向かう『エキゾーストフレイム』。その直線上に、彼らを追っていたデジモンが1体、私の前で立ち止まった。
「アミが後ろにいるのがわからないのかっ、『フリスビッカー』ッ!!!」
ルガルモンとギンリュウモンに文句を言いつつもティアルドモンは、自身の体、左腕についている……ぶるーなんとか? みたいな名前の鉱石でできた青色の盾を投げて、『エキゾーストフレイム』を止めて見せた。
「……あはは」
ここまで、何度も見た光景ではあったが、ティアルドモンが私を守ってくれたおかげで、私達はこうやって進んでこられた。
「聞こえてるのかっ!?」
「「聞こえてる(います)っ!!!」」
その怒号にルガルモンとギンリュウモンがこちらを見ずに答える。ティアルドモンのことを信用……、ううん、私のことをティアルドモンに任せられているんだ。
(あのときとは違う)
銀色の化け物に襲われて、身動きが取れなかったあのときとは違うんだ。
「やりますよ、ルガルモンッ!」
「そっちこそ、ついてきてよねっ!」
ティアルドモンが私を守って、2体が前を進んでいく。
「グゥウウ、アカウントアカウントアカウントォッ!!!」
「少し黙ってみてはいかがですか?」
「『プラズマブレイド』ッ!!!」
ギンリュウモンの声にさらに怒りを込めて、グラウモンの『プラズマブレイド』がギンリュウモンを狙う。
「『
「ーーーーグルゥアッ!?」
しかし、『プラズマブレイド』はギンリュウモンの体のにある武士のような甲冑で弾かれ、グラウモンは後ろへとのけぞった。
「ルゥ、ァ!?」
その隙を見逃さないデジモンが1体。
「決めなさいっ、ルガルモンッ!!!」
ギンリュウモンはグラウモンの目の前に立つその1体へと声を上げる。
「トドメだ、『ハウリングバーナー』ッ!!!」
ルガルの『ハウリングバーナー』。
その力が、その『光』が、グラウモンの体を灼熱の『光』で貫き、穴から燃えるような熱で触れている場所から燃え上がっていく。
「グギャァァアアアアアアアアアアーーーーッ!?」
悲鳴と何かが焦げるような匂い。
私の目の前には、私のパートナー達と、黒く焦げたグラウモン何倒れていた。
「やったっ! 勝てたっ!!!」
私達はアカウント狩りを倒すことができた。そして、強そうなデジモンにも勝てーーーー、
「……アカ、ウント」
グラウモンの口からこぼれたその言葉。
「……えっ?」
塵のように消え始めたグラウモンは、消えていく自分の体に向かって大きく手を伸ばす。
「……キラキラ、光ったアカウーー、ト?」
「…………っ!?」
息を呑んだ。
(なに、これ?)
なんだ、これ?
まるで、まるで、デジモンが生きてるみたいに……、あれ、でもデジモンって生きてるんだっけ?
『』
昔、マナトくんがテレビで言っていたことを思い出した。
(私は、生きてるものを殺しーーーー)
ーーーーグイッ!
咄嗟に腕を引っ張られる感覚を感じた。
「……えっ!?」
腕を引っ張……ううん、私の体を引っ張るのは、3体のデジモン。
「「「アミっ!?」」」
『助手くん、早く逃げるんだっ!!!』
「……はっ、はいっ!!!」
杏子さんとデジモン達に引っ張られて、ログアウトができるポイントまで走って逃げる。
「「「メフィストさん、さーーーーんっ!!!」」」
遠くまで走ったのに、仮面をつけたハッカー達の叫び声が、背後から聞こえてきていた。
(杏子さんに言われて逃げたけど……、あれってなんだったんだろ?)
メフィストさんと呼ばれたハッカーと、メフィストさんの意識を乗っ取ったグラウモン。
どちらも『アカウント』を狙っていて、怖い存在だった。
でも、最後にグラウモンは消えてなくなった。
「マナトくんならわかるかな?」
胸に残った罪悪感を抱えて、私は『山科誠』の家に立っていた。
膨大な魔力を体内で生成する魔獣型デジモン。生成する魔力の量が尋常でないため、口から常に炎に変換した魔力を放出している。この炎は咆哮するだけで周囲を焼け野原にするほどの燃焼力と拡散力がある。魔力を源とする炎であるためかなりの長い時間燃え続け、攻撃を喰らったものは予想以上の被害を被ることとなる。額に旧式なインターフェースをもつ為 “プロトタイプデジモン”の進化系ではないかと推測されている。必殺技は口からビーム状に炎を収束させて放つ「ハウリングバーナー」と全身に魔炎を纏い体当たりをする「フレイムブロウ」。
全身に堅固な和風の鎧をまとう獣竜型デジモン。見た目と異なり体は軽く、空中を優雅に漂い、非常に堅く滑らかなその鎧で敵の攻撃を受け流しながら戦う。自らの体で敵の攻撃を受け流す度胸と、敵の攻撃を寸前で見切る眼力を持って、どんな敵デジモンにも怯まない突破力抜群の攻撃を得意とする。額に旧式なインターフェースをもつ為 “プロトタイプデジモン”の進化系ではないかと推測されている。必殺技は鉄の槍を口から放ち敵を射抜く『徹甲刃(てっこうじん)』。 得意技は敵の攻撃を鎧で受け流して突撃する「棒陣破(ぼうじんは)」。
ルドモンがさらに頑丈になり、優れた俊足を得て進化した姿。高速で突っ走り、戦地に取り残された戦うことのできないデジモンの救助を行う。戦地から離脱するために自身を盾に変えて持たせることで、どんな攻撃が向かってきても保護対象を守り抜く。ティアルドモンの盾には氷の結界を張ることができる魔法の盾となっており、敵からの攻撃を凍らせて無力化する。
必殺技は、腕のシールドを投擲する『フリスビッカー』、高速移動から爪で攻撃を加える『アサルトクロー』を持つ。