産まれた推しの子の電脳物語   作:阿後回

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「……弟め、失敗したな」

バグラ城の最奥の玉座の間にて、バグラはダークナイトモンが失敗してのを悟る。

このデジタルワールドを支配しているバグラモンには、ダークナイトモンの現状を完全に理解していた。

欲に目を眩み、殺すタイミングを逃し……あまつさえ、敵の成長まで許したダークナイトモン……その姿は愚かとしか言いようがなかった。


「ーーーーだから、早く殺せと命じたのだ」


ーーーーバリィン

バグラモンの持っていたグラスが割れ、床へとワインが溢れていく。

「…………そういう事か」

デジタルワールドの歪みを理解し……納得した。

「ーーーーくくっ、出来の悪い弟の尻拭いも、兄の仕事のうちだな」

そう笑って、バグラモンは玉座の間から出ていった。




第十三話 聖なる光とともに消えて行く

 

 暗く澱んだ世界を照らす唯一の光。

 

 その中心に生まれた、白い騎士……テトとシンがデジクロスした姿がそこに顕現した。

 

 

「────カオスモン……だと?」

 

 

 ダークナイトモンが驚く。

 

「────貴様がっ……貴様が『あの』カオスモンだと言うのかっ!!!」

 

「────知っているんですか?」

 

 金髪の少年ユウがダークナイトモンへと聞く。

 

「────かつてデジタルワールドにて、兄上…………いや、バグラモンを恐れさせたオメガモンと、対をなしたデジモン。世界のバグと呼ばれ、決して姿を見せず、この世の存在として認められなかったデジモン……それが────」

 

 

 

 

 

「────黙れ」

 

 

 

 

 

「────ッ!?」

 

 カオスモンの言ったその一言で、ダークナイトモンは驚愕する。

 

 

 ────ザン

 

 

 ユウとダークナイトモンの間に音もなく、また衝撃もなく、地面に亀裂が走ったのだ。

 

 

「我は汝らに問う、我が主の為に今のこの世はあるべきか?」

 

 

 カオスモンは剣を向ける。

 

 

「────答えは否」

 

 

 この世界のあり方、この世界の摂理を歪める存在……バグラ軍に向けてその剣を向けた。

 

 

「バグラ軍により、多くのデジモンが苦しみ、もがく世界など我等には不用……主の命によりその元凶を裁断する」

 

 

 そう言って、ユウへと剣を向ける。

 

 

「────故に、世界を滅ぼす要因である汝らを殲滅する」

 

 

「────ユウっ!?」

 

「────うわぁっ!?」

 

 ダークナイトモンがユウを突き飛ばした事により、なんとかカオスモンの一撃を避ける事ができた……しかし、

 

 ────ザン

 

 ユウのいた場所には、大きな亀裂ができていた。

 

「────あそこにいたら……僕は……!?」

 

 ダークナイトモンが咄嗟に庇わなければ、ユウの首は飛んでいただろう。

 

「……ユウ」

 

「……ダークナイトモン」

 

 一人と一体、人間とデジモンが目の前の存在に冷や汗をかく。

 

 

 

「────さあ、終わりを始めよう」

 

 

 

 ……そして、ダークナイトモンとユウにかつてない強敵が現れるのだった。

 

 

 

「────すごい」

 

 軽く撫でるだけで、地面を大きく分割したテト殿とシン殿であった者……カオスモン。

 

『我は貴様等に問う、我が主の為に今のこの世はあるべきか?』

 

 一言一言にプレッシャーを感じる。俺みたいな弱い奴でも、自身とのレベルの差がひしひしと伝わるのは、本当にすごかった。

 

『────答えは否だ』

 

 その姿は……まるで、物語に出てくる主人公の様に見える。

 

(……それに比べて、俺は)

 

 マナト殿の足を引っ張り、腕や足、お腹に3つも4つも穴を開けてしまった俺…………そして、光の中でマナト殿の体を支えながら……ただ見ている事しかできない。

 

「……すごいよね」

 

 マナト殿がそう言った。

 

「俺もテトもシンも……ここに至るまでに沢山の辛い事や悲しい事、喧嘩した事……本当にいろんな事があった」

 

 マナト殿の言葉には、いろんな思いが混ざっていたと思う……それはテト殿やシン殿は仲が本当に悪かった事や過去に何かがあったような俺には知らない事が沢山あるのだ。

 

 

 …………でも、

 

 

『────さあ、終わりを始めよう』

 

 

 テト殿とシン殿があんなふうに、合体して、共に戦うなんて考えたこともなかった。

 

「────()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう笑って言うマナト殿。

 その顔を見て、あの二人のようになれないなって……あの二人のように主人公のような存在になれないって感じてしまった。

 

 カオスモンは俺がそんな事を考えている間に剣を構え、ダークナイトモンへと突撃する。

 

 ……俺は? 

 

 この現場をただ見ている事しかできない俺は、いったいどうすれば────

 

 

「────()()()()()()()()……()()()()()()()()()?」

 

 

 

 俺の心を読むようなマナト殿の言葉……その言葉に心臓がドキッと音を立てたような気がする。

 

「────俺は────っ」

 

 言いたい事があった。

 

 ああやって戦うカオスモンみたいな、主人公みたいなデジモンになりたいって思った。

 

 ────だけど、

 

「────俺は……俺は」

 

 俺は何を考えてるんだと思ってしまった。

 

 マナト殿の体を見る。

 

 酷い傷だ……俺が人質になりさえしなければ、マナト殿はこの傷を……

 

 ────コツン

 

 ……と、体に何かが当たる……マナト殿が頭を揺らして俺の体に頭をぶつけたんだ。

 

「……ぐっ、……────傷の事はいいから」

 

 

「はやく、話せ」

 

 

「…………」

 

 マナト殿が傷ついた体を無視してでも、俺に問いかけてくれた……なら答えは決まってる。

 

 ────空を飛び、敵を切り裂くカオスモンのような

 

 

「────俺もあんなふうになったみたい」

 

 

 遠い昔に何度も聞いたオメガモンのような

 

 

「────強くて、かっこよくて物語の主人公のような」

 

 

 どんな状況でも諦めずに立ち向かったマナト殿のような

 

 

()()()()()()()()()()()()()!!!」

 

 

 それは紛れもない俺の本音だった。

 

 正直に言うと恥ずかしい……こんなに弱い自分が強くなれるなんて思っていない…………だけど、俺は────

 

 

「……わかった」

 

 

 そう言って、マナト殿は俺に微笑んでくれた。

 

 

「────お前の願いをできる限り叶えてやるよ」

 

 

 マナト殿はそう言ってくれた……それが、とてつもなく嬉しかった。

 

 

「────おっ、もうすぐ終わるようだな」

 

 

 マナト殿がそう言う……上空を見れば、カオスモンがボロボロのダークナイトモンへと剣を向けていた。

 

「────そう、もうすぐ終わる」

 

 

 

 

 進化した意思。

 

 善なる力で到達したこの姿。

 

 本当の到達点。

 

 左腕を見れば竜の顎、右腕を見れば獅子の首その二つの中心から湧き上がるこの力。

 

 

 ────そして、(ぼく/オイラ)の背に感じる守るべきもの。

 

 

 それが我自身の勇気へと変わる。

 

 対面するのは許せない……いや、許す事の出来ない2つの害悪────その2体を今ここで終わらせるっ!!! 

 

 

「────では、行くぞっ!!!」

 

 

 我はダークナイトモンへと近づく。

 音速、高速────どちらにも当てはまらない、全てを置き去りにするスピードでダークナイトモンの目の前に移動。

 

「────くっ!?」

 

 ダークナイトモンが槍を突き出して攻撃してくる……だが、

 

 

「────遅いっ!!!」

 

 

 奴の速度は我の体についてくる事は出来ない……少し、この姿を試すか。

 

 我が右腕、『バンチョーアーム』に力を込め、振るう。

 そうすると、バンチョーアームから剣────『BAN-TYOブレイド』が現れた。

 

「────『ツイン────」

 

 ダークナイトモンの必殺を込めた一撃……それに合わせて、

 

 

「『獅子羅王漸(ししらおうざん)』」

 

 

 (オイラ)の究極の力で切り裂く。

 

「────なっ!?」

 

 すると、あれ程強かったあの槍を一瞬で破壊する事ができた。

 

「ではこれでどうだっ!!!」

 

 

「────『ショルダーブレード』ぉっ!!!」

 

 

 奴は槍よりも小さな剣を取り出して、振り下ろしてくる。

 

「────はあっ!!!」

 

 我が左腕を振るい、剣を弾き飛ばす……その勢いで我が左腕、『ダグドラアーム』から我につけられた大砲『ギガスティックキャノン』が姿を現す。

 

 (ぼく)がムゲンドラモンの頃に何千、何万回繰り返した行為……ダークナイトモンへと照準を合わせ、

 

 ────そして、狙いを定め、

 

 

「────『ダークロアー』」

 

 

「────グ、ガアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 砲身に高まった世界を揺るがす程の高熱の紫色の光は────目の前にいるダークナイトモンの右腹部を貫き、右腕ごと剣を掻き消す。

 

「────ダークナイトモンッ!?」

 

 金髪の子供(クソガキ)が声を上げる……耳障りな声だ。

 

 

「────汝ら(おまえら)(タイト/タイトっち)にやった事……(ぼく/オイラ)は絶対には絶対に赦すつもりはない」

 

 

 半身を失って悶えるダークナイトモンを、左腕の砲身で地面へと叩きつける。

 

「────がはっ!?」

 

「────ダークナイトモンっ!?」

 

 1人と1体が横に並ぶ……そして、砲身を敵へと向ける。

 

 

「────これで終わりだ」

 

 

「────まだです!!!」

 

 金髪の子供/クソガキのクロスローダーから白い何かが目の前に立ちはだかる。

 

 

「ミーはユウを守るのです!!!」

 

 

 そう言ってボロボロのデジモンが(ぼく/オイラ)の前に現れた……その姿は────

 

 

「────スカモン?」

 

 

 白いスカモンのようなデジモンが我(ぼく/オイラ)の前に立ちはだかった。そのせいで一瞬だけ、砲身を止めてしまう。

 

 

「ミーはダメモンであります!!!」

 

 

 ……スカモンじゃない? 

 

 似てるだけの別のデジモン……か。

 

「────よくやった、ダメモンっ!!!」

 

 しかし、気づいた時には、ダークナイトモンを回収したユウは動き出していた。

 

「────ユウ!?」

 

「────逃げるよっ!!!」

 

 プテラノモン*1に乗ったユウががダメモンを掴んで、空へと飛んでいく。

 

 

「────プテラノモン、全力であの穴へっ!!!」

 

 

 次元に突如穴が開いた……別の世界へと逃げるのだと確信する。

 

 他のデジモンに比べれば、空戦に特化したプテラノモンは素早く飛んでいる……だけど、

 

「────無駄な事を」

 

 プテラノモンへと照準を合わせる。

 

(今度こそ……今度こそ終わらせてやる。タイト/タイトっちをこんな目に合わせた奴を────)

 

 照準が完全に合い、ダグドラアームに力が完全に溜まった。

 

 

「────『ダークプロミネンス』ッ!!!」

 

 

 全力で放った必殺技。

 

 カオスモンとなったこの体を巡る、デジタルワールドそのものから否定された細胞を弾丸に込め、敵へと放つこの必殺技はプテラノモンへと向かい撃ち放った。

 

 怒り、恨み、憎しみもあるが……それ以上に、

 

 

「────(タイト/タイトっち)の望んだ世界の為に、ここで終われダークナイトモンッ!!!」

 

 

 自分の世界ではなく、見ず知らずのこの世界を守りたいと願ったタイトの為に、この一撃を放つ。

 

 

「────まだだよっ!!!」

 

 

 ユウがクロスローダーを掲げ叫ぶ。

 

 

「────リロード、『ドルビックモン』ッ!!!」

 

「────なっ!?」

 

 

『ダークプロミネンス』の射線上にドルビックモンが召喚される。

 

「────ごめんね、ドルビックモン」

 

 ドルビックモンへと向かって謝るユウ。

 

「────貴様、ふざけ────」

 

 ドルビックモンはユウへと恨み言を話そうとするが……『ダークプロミネンス』によって消滅してしまった。

 

 ……だが、

 

 

「────無駄だ」

 

 

「────なっ!?」

 

『ダークプロミネンス』は止まらない。ドルビックモンを貫通して、ユウ達へと接近していく。

 

 

「────これでっ」

 

「────もう手がない!?」

 

 

 カオスモンは勝ったと思った。

 

 ユウは負けたと思った。

 

 

「────終わりだっ!!!」

 

「────嫌だ、負けたく────っ」

 

 

 

 ────その時、天から大きな右手が現れる。

 

「────っ!?」

 

「────っ!?」

 

 骨でできたその腕は、大きな手のひらで『ダークプロミネンス』を受け止め、ユウ達を守った。

 

 

「────なっ、何を!?」

 

 

 ユウを掴み空へと運ぶ腕。

 

「────まだだっ!!!」

 

 それでも、我は腕へと接近する。

 

「────『覇王両断剣』ッ!!!」

 

『BAN-TYOブレイド』が光を放ち、限界を超えた一撃で腕へと斬りかかる。

 

「────チッ」

 

 バンチョーアームに限界まで力を込めた一撃……しかし、敵の腕を切り裂く事は出来ても、中のユウまでは傷つける事が出来ない。

 

「────これなら、どうだっ!!!」

 

「…………、────っ!?」

 

『ダークプロミネンス』を傷口へと当てる。これにより、腕が驚いたように動く。

 

「まだっ────」

 

 

 

 ────『アストラルスナッチャー』

 

 

 

 カオスモンが追撃をしようとした時、荘厳な声が響き渡る。

 

「────っ!?」

 

 ユウ達を包み込んだ腕の傷から、透き通った腕が何本もカオスモンに襲いかかった。

 

「────まずいっ!? 『覇王両断剣』ッ!!!」

 

『BAN-TYOブレイド』の剣によって、全て切り裂くが……

 

 

「────待てっ!!!」

 

 

 その間に、腕はユウ達を連れ去ってしまった。

 

 

「────くそっ!!!」

 

 

 そうして、ダークナイトモン達との戦いは終了した。

 

 

 

「────タイト、ごめん」

 

「タイトっち、悪い」

 

 クロアグモンとチューモンに戻ったテトとシンが聖なる光の中へと戻ってくる。

 

「────別に、いいさ……それに」

 

 上空に掲げられた赤と青の旗を見る。

 

「────ドラゴンランドはなくなったからな」

 

 クロスハートとブルーフレアの旗が掲げられたこの世界……つまり、バグラ軍の支配から解放された事を表された。

 

「これで、この世界も……────っ!?」

 

 

 少しずつ、体が透けていく。

 

「────タイトっち、いったい!?」

 

「────マナト殿、それは……?」

 

 ここにいる全員の体が透けていく。

 

 テトもシンもムーチョモンも……みんな透けていってる……これは……

 

「……タイト」

 

 クロアグモンが確信したようにこちらを見る……うん、そうだよな。

 

 

「……()()()()()()()()

 

 

「────時間ってっ────」

 

 

 

「────マナトっ!!!」

 

「────マナトくんっ!!!」

 

「────マナト殿っ!!!」

 

 

 

 ムーチョモンが聞こうとしてきた時、キリハやネネ、デジモンのみんなもやって来た。

 

「────テト、シン────っぐっ!?」

 

 テトとシンを呼ぶ。

 

 2体は黙って俺の腕を持って、立たせてくれる。

 

「────マナトっ、その足っ!?」

 

「足だけじゃないわ、腕にも穴が空いている……なんでそんなに酷い怪我を……────っ!?」

 

 キリハもネネも優しいな……でも、少しずつだけど、体が透けていってる。

 

 

「────ちょっと黙ってっ!!!」

 

 

 ちょっと、時間がないから……わざと、強い言葉で2人を止める。

 

「……時間がない、もうすぐ俺は消える」

 

 少しずつ足の方から体が消えて行くのを感じる……あの時と、3歳の時と同じだ。

 

「────っ!?」

 

「────っ!? 

 

 あっ、2人が絶句した。

 

 ……まあ、静かになっ────

 

「────消えるって、どういう事ですかっ!?」

 

 ブラックテイルモン、そういえばいたな……こいつらにも言っとかないとな。

 

 

「────俺は異世界から来た旅人だ……だけど、何かが起こった時、こうやって他の世界のデジタルワールドに連れて行かれるんだ」

 

 

 このデジ────クロスローダーによってどんな条件かはわからないけど、こうやって別のデジタルワールドへ連れて行かれる。

 

「────それって────っ!?」

 

 誰かが声を上げる……だけど、そんな余裕は今は無い。

 

「そんな事よりも大事な事がある」

 

 ……今度はどこに飛ぶかわからないけど……それでも、今はこの世界の為に……やらなきゃいけない事がある。

 

「────そんな事って、貴方っ!?」

 

 

 

「────マナトが黙れって言ってる!!!」

 

 

「────っ!?」

 

 ネネが心配してくれるけど……ありがとう、テト。大きな声を出してもらって悪いな。

 

「いいから、話を聞いてくれ」

 

 この2人には……この2人にだけでも伝えないと……

 

「────…………っ、いいから話せ」

 

 キリハが俺の言う事を聞いてくれた……ありがとう。

 

「────でも、キリハくんっ!!!」

 

「────いいんだっ!!!」

 

 ネネが俺の心配をしてくれるのはわかっただけど、時間がないんだ。

 

 キリハはその事をわかってるのか、ちゃんとネネを止めてくれた……貧乏くじを引かせてごめん。

 

「────2人ともありがとう」

 

 それでも黙っててくれる事には感謝しないといけない……そして、

 

 

「敵に人間……ジェネ ルがいる……金 のガキだ」

 

 

 敵に人間がいる事をを伝える。

 これをすれば、なんの情報がないよりも、対策は打ちやすいだろう。

 

「────っ!?」

 

 ……あれ、ネネが止まった……何かあったのか? 

 

「気をつ てくれ、そいつは の戦争をゲ ム感覚でやって る……だけど、その にはダークナ トモンがいるはずだ」

 

 それでも、少しでも多く伝える。

 

「なんとか倒せそうだった  けど、あと一歩 と  で逃げられた──── い」

 

 ああ、あそこであいつらを倒せれば、こっちが有利になったのに……勿体無い事をしたなあ。

 

 ────そして、みんなに伝えなきゃいけない事がある。

 

 

「キリハ、 の世界を頼 だ」

 

 

 キリハは真面目だからな……きっと、世界を救う為に頑張ってくれるはずだ。

 

 

「ネ 、タイキ んが   来たら、サポー よろし 」

 

 

 ネネをあんな助け方をしたタイキさんは、きっとネネの事が好きだろうからな。じゃなきゃ、お姫様抱っこなんてしないだろ? 

 

 それなら、ネネと一緒にいられるようにフォローしてあげるよ、タイキさん。

 

 

「    テイル ン……お前ら 一緒   て楽しかったよ……そう、ここにいない   に   くれ」

 

 

 なんだかんだ言って、みんなでやった宴が楽しかったっけ……決してうまいとは言えない食事や酒、ジュースなんかを持ち寄って宴をする。

 

 そんななか、俺が備蓄から出したデジモンのエサは、みんな毎回取り合ってたんだよな。

 

 自分は何もしてなかったけど……それを見てるのが好きだったよ。

 

「────マナト」

 

「────マナトくん」

 

「────マナト殿」

 

 あはは、またそんな顔を向けられてる。

 

 

 

 

「────みんな────

 

 

 ありがとう。

 

 

 

 その言葉を言った人間は朝日が顔を見せた時、姿を消した。

 

 

 

 ────見慣れた風景が見える。

 

 白い城が立つ世界……その庭で、1人の少女が待ち受けていた。

 

 

「────おかえりなさい」

 

 

 そう言って微笑んだ少女を見た時、少しだけ力が抜ける。

 

 

 

「ただい────」

 

 

 

 その時、頭が真っ白に染まった。

 

*1
レベル:アーマー体 タイプ:翼竜型 属性:データ 必殺技:『ビークピアス』

 “愛情のデジメンタル”のパワーによって進化した鋼鉄の翼を持つアーマー体の翼竜型デジモン。「蒼い爆撃機」の異名を持ち、空を飛べるデジモンの中で最も高い高度で飛行することができ、姿を見せずに敵をピンポイント爆撃することができる。視力も優れており、高度1万メートル上空からでも、敵の姿を捉えることが可能だ。必殺技の『ビークピアス』は上空から垂直落下し、その鋭い鼻先で敵を射抜く技で、どんなに厚い装甲でも貫き、正確無比に敵のデジコアを破壊する。





ーーーー早く治療を行います。

……何か聞こえる。

ーーーータイトっ、タイトッ!!!

ーーーータイトっち!!!

ーーーーマナト殿っ!!!

俺はどうなったんだろう?

ーーーーどきなさい、今から応急処置をします。

体中から力が抜けていく。

ーーーーくっ、生命力が激減、内部データが次々と破壊されていきます!!!

何か大事な事を忘れている気がする。

ーーーー生きなさいッ、貴方にはやるべき事があるのでしょう!!! その為に、この世界にやってきたのでしょう!!!

生きろって言われたって、体が思う様に動かないんだよ。

ーーーー何の為に戦ってきたんですかっ!!! 

……何の為に?

ーーーー生きなさいっ……生きろ、星野ターフェアイトっ!!!

…………

ーーーー私が貴方を生き残らせます!!!

…………

ーーーーもう、ショウの様な事は……もう二度とっ!!!

…………なんだ、なんで泣いてるんだ?

ーーーー貴方は私が絶対に……っ!!!

……もう少し、頑張ってみよう。

ーーーー脈拍上昇、生命力、気力共に増大……ノルン様っ!!!

俺にはやらなきゃいけない事があった事を思い出せたから。

ーーーーですが、内部データが次々と破損、失われていく状況……どうするつもりですか!?

俺は生きなきゃいけない。

ーーーーそれは……くっ、これを代用します!!!

『……そっか』

ーーーーそれはっ!? 本当に使うのですか!?

『なら、頑張れ』

ーーーーええ、もうこれ以外に方法はありません!!!

……子供の、俺?

ーーーー内部データを確認……適応できるのは……全部!? 

『もう、頑張れるだろ』

ーーーー……ならっ!!!

目の前に太陽が見える。

ーーーーはやく!!!

『お前はそっちに行け』

ーーーー早く!!!

……… お前は?

ーーーー早く、早くっ!!!

『俺はもう少しここに残るよ』

ーーーー早く、早く、早くっ!!!

……わかった。

そして、俺は太陽の方へと向かって行く。

オレンジ色の光はやがて……

ーーーー早く戻って来いっ、星野ターフェアイトっ!!!

俺を包み込んだ。

今後の『あとがき』について(前回忘れていた為)

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