産まれた推しの子の電脳物語   作:阿後回

5 / 130

「…………」

山の中、金髪の少女が1人……、木の上に座り、車を見ていた。

「これはいい」

少女は……、その車の中にいる人間を見てニヤリと笑った。

「目標がこちらにやってくるとは……、」

そう笑う少女の背後には、3つの巨大な影が並ぶ。

「さあ、君達出番だよ」

ガサガサと音を立てて、少女の体を持ち上げ肩に乗せる。



()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



少女を乗せた化け物達。その体の中心には、人の悶え苦しむような顔が刻み込まれていた。


if√手が届く場所だけは……、もう二度と 後編

 

 2011/8/05/10:15

 

 

「ペンションに?」

 

「「ついたぞ────っっ!!!」」

 

 

 タイトママの掛け声に合わせて、ルビーちゃんと一緒に拳を空に突き上げる。うんうん、いいよ。アタシが望んでいたのは、こんな展開だよっ! ……あれ? 

 

「…………」

 

 タイトが車の中でボーッと座ってる。うん、そーだね。私がひっぱつてあげないといけないね。

 

「ほら、いこ?」

 

「……ああ」 

 

 タイトはアタシの手を掴んで車から出る。

 

「何、暗い表情したんだよ? アイがお前の為に作ってきた休みだっ! めいいっぱい遊ぼうぜっ!!!」

 

「……う、うん」

 

 運転手のサングラスおじさんもそう言ってるんだし、楽しくしないといけないよねっ! 

 

「りっ、リナっ!?」

 

「ほら、いくぞ。ペンションの中で今までのこと全部話してもらうからなっ!!!」

 

 おじさんに引っ張られて、ペンションの中にタイトは連れて行かれた。仲がよさそうでなによりである……それより、

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 タイトママがこっちを見てるけど、どゆこと? 

 

「ねえ、リナちゃん?」

 

「なに、タイトママ?」

 

「……タイトはここで調子がよくなるかな?」

 

「わかんない」

 

 タイトのことを聞かれた。タイトママはタイトのことが気になってたのかぁ、……でも、なぁ。アタシにはわかんないしなぁ〜〜、……うん。

 

「タイトは『ここ』に来るまで、自然が多いところで暮らしてきた。でも、タイト自身の病状に回復のけーこーは見られなかった」

 

 タイトがサバイバルしてたのはここよりもずっと、ずーっと静かな森の中だったって、アタシはカイナから聞いた。だから、こんなとこに来たとしても、意味ないんじゃない……って、アタシはそう思ってる。

 

「…………」

 

 ……、でもそんな顔されたら、ちょびぃーっとイヤな気分になるのも、しかたなんだよなぁ〜〜……、さて、どーいおっか。

 

「まっ、せーしん的に楽にはなるんじゃないかなぁ? アタシと一緒に旅してる時が1番っ、楽しそうだったしねっ!」

 

「────そっか」

 

 気休めぐらいしか言えないけど、タイトママは安心したらしい。

 

(…………)

 

 なんとも言えないけど、ちょっとイヤな気分になった。

 医者でもない人間のただの気休めをどーしてそこまで信じられるのか……ううん、そんなことを気にしてる場合じゃない。今は────、

 

(……リナ)

 

 デジヴァイスからブイブイの声が聞こえてくる。

 

(ブイブイ?)

 

 なにかに気がついたような、なにかを警戒する時に言ってくる声とおんなじトーンだ。この森にはなにかいるのかな? 

 

(嫌な予感がする。警戒、緩めないでね)

 

(……りょーかいっ!)

 

 ブイブイの指示に従い、周囲を見渡す。

 

 

「タイトはなに食べたい?」

 

「……カイナが食べたいものがいいかな?」

 

『…………肉』

 

「そっか、……じゃあ、バーベキューにしよっか!」

 

「…………」/『…………』

 

 

 タイトママがタイトにお昼ご飯についてきーてるみたいだ。あの様子なら、気づいてないっぽい。

 

(あっちはまだ気付いてない?)

 

(気づいてないみたいだね)

 

 アタシ達はタイトの様子を見て気づいてないことに気がついた。

 

(じゃあ、いこっか!)

 

 デジヴァイスを一回叩いて、森まで走っていく。

 

 

「おい、四ノ宮、お前どこに行くんだ?」

 

 

 ちっ、おじさんに気づかれたっ!? 

 

「ちょっと、トイレッ!」

 

『リナッ、女の子がそんなこと言うもんじゃないよっ!?』

 

「別にっ、恥ずかしいことなんてないしね〜〜!」

 

 

「……トイレって、森にあるわけないだろうが」

 

「…………」/『…………』

 

 

 

 

「……ここ、だね」

 

 森の中を進んで15分。

 タイト達の場所から少し離れた森の中……、ブイブイに言われたとおり、戦えるような場所を探しながら、走り続けると、太陽の光が少しだけ差し込む広い草原みたいな場所に出た。

 

「…………」

 

 デジヴァイスを取り出して、ブイブイがいつでも出られるように警戒を研ぎ澄ます。

 

「……出てきて、いるんだよね?」

 

 背後から感じるいやーな気配。猛獣が獲物を狙うようなそんな視線を感じて、背後に声をかける。

 

 

()()()()()()

 

 

 金髪の少女と一緒に、3体のデジモンが現れる。

 

(チョ・ハッカイモンにゴクウモン、サゴモン……西遊記に出てくるデジモン達だ)

 

(全員完全体クラス……、気をつけて)

 

 少女と現れた完全体3体に警戒レベルを上げる。ブイブイの力なら倒せるかもしれないけど、敵の目的がわからない以上、バルバルみたいに突っ込んじゃいけないこともわかってる……だから、

 

「なんで、星野アイを見てたの?」

 

 なんで、『タイトママを狙った』のかを聞いてみる。

 

「なんでって、そんなの決まってる」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

「────っ!?」

 

 

 さも当然のように『共食い』発言。それでも、3体……いや、他にもデジモンが現れないか気配を探る。

 

「彼女達にはね、産まれた時から僕のおもちゃとして、特別な力を『貸して』いたんだ。だから、その力を徴収しようと思ったわけさ」

 

 金髪の少女がなんか言ってる。

 

(力を、貸した? 特別って……それってタイトママは……あのよーすだと知らないっぽいし……)

 

「……悪趣味」

 

 金髪の少女の言葉の意味がわかって、悪趣味な本性を理解する。

 

「なんとでも言うがいい」

 

 そんなことなど気にしないとでも言いたげなその顔つきにムカついて、

 

「むしろ言ってくれた方がおもしろい……だって」

 

 悪趣味な笑い方にムカついて、

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()

 

 

 3体を手足のように動かしたことにムカついた。

 

 

「────っ、ブイブイっ!!!」

 

 3体が動き出すのと同時にブイブイを呼ぶ。

 

『オーライっ……って、────っ!?』

 

 デジヴァイスからいつもどーりの『オーライ』の掛け声………… って、どーしたっ!? 

 

 

「なんで出てこないのっ!?」

 

()()()()()()()()()っ!?』

 

 

 焦ったようなブイブイの声。

 

(出れないっ、どーいうこと?)

 

 デジヴァイスの中にいるのは出ようとしてるのに、デジヴァイスから出れなくて焦ってるブイブイの姿だった。

 

「あれ、知らなかったのかい?」

 

「最近のケモノ達は現世から出られない者が増えてきている。君達もその部類だった、それだけのはずだが?」

 

 バカにするようなその言葉が聞こえたけど、そんなのはどーでもいい。

 

『────ッ、リナ、逃げてっ!!!』

 

「言われなくてもっ!!!」

 

 ブイブイの掛け声が聞こえる前に走る。ここに来る前にいくつか逃げれそうな道を探していた。私だけで逃げたとしても、確実に撒けるルートが3つある。

 幸いここは山の中、隠れるような場所はたくさん────、

 

 

「残念だけど、もう遅いよ……だって」

 

 

「────っ!?」

 

 

()()()()()()()()()()()!!!」

 

 

「『疾風迅雷撃(しっぷうじんらいげき)』ッ!!!」

 

「『滝の陣(たきのじん)』ッ!!!」

 

「『 打々々魅飲血(だだだみんち)』ッ!!!」

 

 

 逃げ道の先には、さっきのデジモンの必殺技で土砂が崩れてたり、木の幹が倒れてたり、川が氾濫してる。遠くの道を見たら、ペンションまでの道路も壊されてて、車で逃げることもできない。

 

 

「あ────っはっはっはっっ!!!」

 

 

 ムカつく高笑いが聞こえてくる。

 

「……これは」

 

 どーしょーもない。

 バルバルみたいにアタシ達を舐めてるやつだったら話は別だったんだけど、思ったより頭のいい相手だった。

 

『どうしようっ、とりあえずタイトに連絡……って、圏外だよここっ!?』

 

 ブイブイもタイトに連絡しよーとしてるみたいだけど、通信圏外で助けを呼ぶこともできそーにない。

 

「…………」

 

 

 さて、ここからどー逃げよっか? 

 

 ここでアタシ達が死んだら、間違いなくタイトの心に傷がつく。

 

 でも、逃げることができない。

 

 敵の3体に囲まれて逃げようもない。

 

 でも、アタシが死んだら今度こそタイトが死んじゃう。

 

 

「さあ、まずは君から贄にしてあげるよっ!!!」

 

 

 ああ、マズイ。

 

 3体のデジモンがジリジリとアタシ達に詰め寄ってくる。

 

 逃げないと、……でも、逃げられない。

 

 

「さあやれ、ケモノ共ッ!!! このガキを殺すんだっ!!!」

 

 

「────ッ、ルゥゥウウウウッ!!!」

 

「グルゥゥウウウウッッ!!!」

 

「ぁが、がっっ!!!」

 

 少女の掛け声と一緒に、デジモン達の武器がアタシに向かって振り下ろされる。

 

 

(ああ、こんなことなら)

 

 思い出すのはただ1つ。たった1つの思い残し……、

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

『タイトにまだ本気で告白しなかった』こと……それを思い出して、目を閉じる。

 

 

『リナッ、逃げてっっ!!!』

 

 

 ブイブイのそんな声が聞こえた気がして、……そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────()()()!!! 

 

 

()()()()()()()()()()

 

「……へ?」

 

 そんな音が聞こえて、……目を開けると、

 

 

 がしっ、がしっ、がしっ、……がしっ!!! 

 

 

「なんだ、この腕はっ!?」

 

「るっ、『豚ノ丸焼(ぶたのまるやき)』アアッッ!!!」

 

「『超帯電雷光砲(ちょうたいでんらいこうほう)』、────ッ!?」

 

「『月牙斬(げつがざん)』、『月牙斬(げつがざん)』っ、『月牙斬(げつがざん)』ッッ!!!」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 少女達がもがいても、もがいても取れない触手の触腕からは逃れられない。

 

「貴様だなっっ、この穢らわしい触手を離せっ!!!」

 

 金髪の少女の向く先、そこは、伸びた触手の元となったデジモン。

 

 黒い仮面に黒い体。

 

 黒いマントが風にたなびく。

 

 いつもの12面体の体から、人だけが抜け出してきたようなそんな姿の……、終焉のデジモン『アポカリモン』*1がパートナーと共にそこに立っていた。

 

 

()()()?」/『()()()ッ!!!』

 

 

 タイトとカイナがアタシ達の前までやってくる。

 

「ごめん、遅れた」/「なに敵にやられてるんだ?」

 

「……あはは」/『……ごめん』

 

 タイトの手をとって立ち上がる。そして、カイナの憎まれ口はいつものことだけど、こんな時だけは少しだけ安心する……っ、うわっと!? 

 

「……えっ、なになにっ?」

 

 タイトに突然抱きしめられて、少しだけ顔が赤くなった。

 

「…………」

 

「────っ!?」

 

 でも、タイトの体が震えていることに気づいて、すぐに後悔した。

 

 

「もう黙って行かないでくれ」

 

 

 あと寸前で死ぬとこだった。

 タイトが1番イヤなことを、タイトがいないとこでするかもしれなかった。

 

「…………ごめん」

 

 アタシは色ボケをやめて、すぐにタイトに謝って……、デジモン達は? 敵は、どーなった? 

 

 そんなことを考えて、抱きつかれながら周囲を見ていると……、

 

 

「このっ、このっ、このぉっっ!!!」

 

 

 銀色の鎖のような触手に絡まれ、動けなくなったデジモン達と、それでも暴れる少女。

 

「無駄だ」

 

「────っ!?」

 

 カイナはさらに強く締め上げ始める。

 

「やれ、カイナ」

 

「────っ、あああああっっ!?」

 

 タイトの声を聞いて、カイナはさらに強く触手を締め続ける。

 

(……あの子、悲鳴をあげてる)

 

 ……だけど、

 

 

「アポカリモンの力で、存在そのものを『回帰』させている。お前らが今、どんな状態で、どういう力を持ってたとしても、現状の力を最大値として、『生きているという事実を回帰』させているんだ」

 

 

 カイナの……、アポカリモンの技『デスエボリューション』が、デジモン達を、少女をどんどん、どんどん小さくしていく。

 

「そんなっ、そんなバカなっっ!?」

 

 大きな声で叫ぶ少女……でも、

 

 

()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 タイトにその声は届かないんだ。

 

(…………)

 

 大きな悲鳴をあげるデジモン達。デジモンはカイナの技を受けて、もう成長期のレベルになってしまった。

 

(もう終わりだ)

 

 悲しい……、そんなふうに思った。

 あんなに強くなったデジモン達なのに、たった、たった1人とそのパートナーデジモンに目をつけられるようなことをしたばっかりに、どんどんどんどん弱くなっていく。

 それが、見るに耐えないくらい悲しかったのだ。

 

「……ああ、でもこれだけは言わないといけないな」

 

 うん、でもそれはただのエゴだ。

 

「俺の大事な仲間を殺そうとしたんだ」

 

 タイトは『なにも聞こえてない』し、きっと『なにも感じない』んだろう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 だから、アタシは………… 、

 

 

「握りつぶせ」/「わかってる」

 

「「「っっ、ぁああああ────っっ!!!」」」

 

 

 幼年期まで小さくなったデジモンと、小さくなってしまった、小さな女の子の悲鳴を聞きながら、

 

 

「ゆっくり、いたぶれ」/「苦痛に悶えろ」

 

「「「────っ、つぐかかかかかっっっ!?」」」

 

 

 タイトは最後に一言、

 

「最後に」/「ああ」

 

 一言だけ、カイナと一緒に、

 

「「()()()()()()()()()()()()」」

 

『影』に向かってそう言った。

 

 

「『暗黒(ダークネスゾーン)』ッ!!!」

 

 

 少女だった人達が暗黒で塗りつぶされる。

 

 

「やめっ、やめろっ!!!」

 

 赤ちゃんが叫ぶ。

 

「我を誰だと思っているっ!?」

 

 デジモンが消えた場所から一瞬だけ『女性』達のが現れる。

 

「我はシャカ、この世界の神だぞっっ!!!」

 

 銀色のの触手が握り潰す。

 

「神を殺すというのかっ!?」

 

 次々と、次々と握り潰す。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 でも、やっぱりタイトには聞こえてない。

 

「聞かなくていいよ。生きる価値のない影の言葉なんて」

 

「そうだね、俺の『(カイナ)』」

 

 カイナはバカにするように赤ちゃんを笑う。金髪の少女だった赤ちゃんに向かって、ものすっごく怒りを向けて笑う。

 

「やめろっ!?」

 

 少女だった赤ちゃんはそれに気づかない。

 

「さあ、終わりにしよう」

 

 ようやく最後の、自分の番が来たことに気づいて、目に涙を浮かべる赤ちゃん。

 

 

「何がっ、何がほしいっ!!!」

 

「我の力でなんでも用意してやろう?」

 

「だから、だから、我をっ、私をっっ!!!」

 

 

 本当の赤ちゃんのように、親に向かって叫ぶように、

 

 

「殺すなぁあああああああ────っっ!!!」

 

 

 少女だった赤ちゃんは大きく、おっきく叫んだ。

 

 

「「()()」」

 

 

 だけど、暗黒に呑まれて塵1つ残さず、世界から消えてなくなった。

 

 

 

「ねえ、タイト」

 

「なに?」

 

「……ううん、なんでもない」

 

 

 タイトとのペンションまでの帰り道、アタシはさっきの戦いの最中に見た光景が目から離れなかった。

 

(……あれは?)

 

 3体のデジモンが退化していったとき、幼年期まで小さくなったときに一瞬だけ見えた人のような影。

 

(人だったのかな?)

 

 タイトにはきっと見えなかったはずの人間のよーなそんな影を思い出して、アタシはただ帰り道を歩いていく。

 

(ブイブイはどー思う?)

 

(……わからない、…………でも) 

 

(……でも?)

 

 

(なんで人だったんだろう?)

 

 ブイブイとそんな会話をしてると、

 

 

「おーいっ!」

 

 

 ペンションまでの道で、ようやく見たことのある道が見えてきた。

 

「早くバーベキューにいこ?」

 

 タイトに手を差し出される。アタシを探したときに外したのだろう。金色の瞳がアタシをただ見つめている。

 

『お前かミレイがいないとタイトが食べれないだろ?』

 

 カイナが不貞腐れながら、アタシの手を引っ張る。

 

「────、うんっ、いこう!」

 

 悩み事は後にして、今はとりあえずバーベキューだ。タイトママ達がバーベキューを作ってるのだから、早く戻って食べないと! 

 

「楽しみだねっ!」

 

「……そうだね」

 

 タイトの手を引っ張って走る。バーベキューは目の前だ!!! 

 

*1
レベル:究極体 タイプ:種族不明 属性:不明 必殺技:『暗黒(ダークネスゾーン)』『デスエボリューション』『グランデスビッグバン』

 負の想念が、闇のパワーによって集まって出現した謎のデジモン。その正体を知るものは誰もおらず、この物体がデジモンなのかも解析することはできない。その出現理由は定かではないが、混沌とした電脳世界(デジタルワールド)を粛清し“無”に帰そうとしていると考えられる。一説には太古の予言書にアポカリモンの出現を予言しているものがあると言われている。必殺技は、無限に広がる闇を発生させ、全てを“無”に帰してしまう『暗黒(ダークネスゾーン)』。この闇に包まれたものは、全方位の方向感覚を失い、消滅していくと言われている。




if√企画2回目、アポカリモンルートでした。

本編を読んだ方ならわかるとは思いますが、プラチナヌメモン(本編シン)とゴールドヌメモン(本編死亡)の両者死亡ルートです。心の支えになっていたデジモン2体を目の前で失い、失意と怒り、絶望に呑まれ、タイトの心が折れてしまったルートになります。

分岐点は、『戦う(本編)』か『逃げる(アポカリモン√)』の違いですね。
ヤケクソになって戦った結果、1体しか生き残らなかった本編と戦い(逆境)から逃げてしまった結果、この世界でできた2体の仲間を失ったアポカリモン√……、どちらも、それ以前の物語は同じであり、『最も』本編に近いルートだと考えて私は作りました。

アポカリモンに進化できた理由は、周囲の敵を喰い殺して『ロード』し、暗黒進化のエネルギーに変えた本編(ミレニアモン√)と、『強制デジクロス』でその世界にいたほぼ全てのデジモンを吸収、そこにいた存在そのものを強力なエネルギーとして消化できたアポカリモン√との違いです。
ちなみに、本編時空でもこれらのことはできます……ただ、『覚悟』が足りていないと敵側に乗っ取られる可能性があるので、危険としか言いようがないです(ダークネスバグラモンのようになります)。

[星野タイト] 8歳

見た目 夜空色の目と髪に短髪……、アクアと瓜二つ。星野家の子供らしい容姿をしている。身長は135cm。年齢相応の身長。

服装 青と白のパーカーに、『D-shock』と胸に書かれたT-シャツ、灰色のズボンを着ている。 目には包帯のように長い目隠しを何重にも巻いている。

服装のイメージは、ヒロインである『四ノ宮リナ』とは対照的なデザイン。保守的な色合いの服装とデザイン。

性格 メンタルケアが必要なほど、鬱の傾向がある。精神病がメンタルに多大な影響を及ぼしている。

好きなもの カイナ リナ ミレイ ブイブイ 今世の家族

嫌いなもの 虫 畜生未満の存在 ーー(何者かに消された跡がある)

得意なこと 何もない

苦手なこと 誰かを守ること 何かを選ぶこと

本編『デジモンストーリー』編にて、戦わずに逃げてしまったルート。何も考えずに身勝手な振る舞いをする少年少女達に、仲間を2体殺されていて、メンタルケアが常に必須なほど追い込まれている。

一時期はこの世界に人間なんておらず、目を開けば敵か虫かの判断しかできなかった。しかし、リナとミレイ、ブイブイとの出会いで多少回復の傾向あり。本人の意思を尊重せず、デジタルワールドの精神病院に叩き込んだ方が本人の為である。

[カイナ(本編テト)]レベル99 調査型 素質/才能200

成熟期/ダークティラノモン
完全体/メタルティラノモン
究極体/アポカリモン(ムゲンドラモン)

好きなもの タイト 肉 かつての仲間

嫌いなもの 無力な自分 四ノ宮リナ 御神楽ミレイ ブイブイ

唾棄すべき存在 それ以外

タイトのパートナーデジモン。
かつて無力であった自分が、自らの欲に負けてしまい仲間を全て失った……と、後悔している。
もっと強くなる方法も、もっと賢く立ち回る方法もあったというのに……かつての自分は、なに1つ守ることはできなかった。

強くなることは当たり前、手段を選ぶ必要もない。……ただ、うらやましいのは、タイトの隣で寄り添えないことだけだ。

[四ノ宮 リナ] 11歳

見た目 原作よりだいぶ幼い。第二次性徴が始まっているかいないか……それぐらい。身長142cm

服装 原作(Decode)準拠 

性格 とにかくうざい(時だ場合による)シリアスモードあり

好きなもの タイト 甘いもの ゲーム ブイブイ

嫌いなもの トレーニング 修行 メンドーなこと

得意なこと デジモンバトル 格ゲー

苦手なこと カイナ(トレーニングを強要してくるから)

言わずと知れた追加シナリオ系主人公。
原作ではRe Digitize主人公タイガと一緒にバルバモンと戦ったが、今作ではバルバモンに目をつけられるのが早かったのか、原作よりもだいぶ昔にデジタルワールドへと連れていかれた……が、バルバモンに捕まることなく、次元の狭間に落ちてしまった。なんとか、ブイブイと一緒にデジタルワールドのとある島に漂着する……が、帰る見込みはない。

そんな時に、カイナ(アポカリモン)の必殺技によって次元の狭間へと落ちてしまったタイトが、数日後に砂浜に倒れているのを発見して、2人は出会うことになる。それから、次元の異変に気付いた御神楽ミレイに助けられ、バルバモンとの戦いに身を投じていく。

タイトの食事に関して、メンドーなことではあるが本人は、最初からノリ気だった。
理由は、『タイトに対して一目惚れしていた』から、『タイトが自分の助けがないと生きていけない存在だった』からという2点の理由が挙げられる。

タイトの依存の影響を強く受けているせいか、本人も気づかぬまま精神面が病んできている。ただ、恋愛に関してのみなので、タイトに関してのみシリアスモードに変わるだけ、本人の性質上、さほど日常生活に影響はない。

タイトの病状に関してよく理解しており、精神病院にすぐにぶち込むべきだと考えているが……、ワガママに関して、星野家の家族に対して、見切りをつけている。

なお、ifルートまでに、本気の告白をしたことがなく、好きだと告白しても茶化して逃げられるか、タイトに鈍感ムーブをされて、成功した試しがない。

if√開始時点で、ミレイに嫉妬心を抱いている。


[ブイブイ] レベル99 素早さ型 素質/才能200

成熟期/ブイドラモン
完全体/エアロブイドラモン
究極体/アルフォースブイドラモン 

好きなもの リナ 

嫌いなもの バルバモン

苦手なもの タイト カイナ ミレイ

常備薬 ナノモン印の胃薬

四ノ宮リナのパートナーデジモン。
真面目、苦労人気質、リナのお世話係……と、公式から散々な扱いを受けている彼だが、if√でもそのポジションは変わらない。むしろ、苦労人であり、ツッコミ役のポジションを確立、タイトやリナの荷物の中にナノモンが作った胃薬が常備されている。

タイトやカイナに関しての感情は、戦闘に関しては役にたつけど……、リナの女性としての一面が開花してしまい、年がら年中その恐ろしさに悩まされている。

また、御神楽ミレイが苦手なのは、タイトの世話を率先してやってしまう為、リナとの喧嘩が絶えないことに頭を悩ませている。

また、タイト自身の病状を常に心配しており、ワガママは叶えてあげたいけど、精神病院に入った方がいいんじゃないのかと、日々頭を悩ませ……悩み事多いなこいつ。


[御神楽 ミレイ]

本編、ifルート未登場のこの人だが、作中内でトップクラスのトラブルメーカー。
タイト達が暮らしていたデジラボの管理人であり、年齢不詳の美人なお姉さんである。推定ーーーー、女性の年齢は考えてはいけません……、ハイ、わかりました。

四ノ宮リナがタイトへ依存しているのを理解しているが、それ以上にタイトへの依存度が高く、タイトの身の回りの世話を積極的にやりたがる。

タイトへの依存度が高い理由は、タイト自身の『運命』の状態が、著しく悪化の傾向にあり、なんとか修正しようと必死になっていった結果、共依存の関係へと堕ちていってしまった(ナイチンゲール症候群)。

デジラボへの監禁を画策しており、if√で一切出てこなかったのも、それが原因……と、だいぶ性格を魔改造しています。



リナとの出会いはタイトが4歳、リナが7歳。
この世界の『Decode』は、本編よりもだいぶ早く始まり、リナとブイブイはタイトとカイナと一緒にバルバモン相手に3年かけて戦い、勝利を収めました。

その間、ミレイとエンジェウーモン、レディーデビモンとの親交を深め、バルバモンを倒した報酬として、タイトの元の世界(推しの子世界)を探して旅立つ……という感じで、『Decode』編終了。一年かけて元の世界に辿り着く……で、if√に繋がります。

この世界の味方は四ノ宮リナとブイブイ、ミレイだけなのでタイトのメンタルはだいぶヤバイです。死にます……、というか死んでます。

メンタルケアができるのが2人だけで、カイナは早く人間社会から逃げて、デジタルワールドへと行くつもりでしたし、リナもミレイも同意見なので、タイトの産まれた世界に、家族に会いに行ったのは、タイトのはワガママであり、タイトに残った唯一の願いだと言えます。


リナ達の願いは『タイトに全て忘れてもらう』こと。

タイトの願いは『もう2度失わない』こと。


……相反する願いです。
どちらかが諦めなければいけませんし、リナ達の願いはしばらくしたら叶わなくなります。

『デジモンストーリー サイバースルゥース』が始まるから……、難しいですね。


◯タイトの病気に関して
本編ではあまり描写されていないタイトの精神病は仲間を失ったことをきっかけに、イグドラシルの精神操作を突破して再発しました。

以前にも書いたとおり、イグドラシルはタイトの精神病をタイト自身の戦いに対しての足枷になると思い、脳と精神、魂を操作・改竄して封印していました。

タイトの前世の病気は、再発をきっかけにかなり悪化しています。

・前世では幻視(女性が虫に見える)
・女性恐怖症

だけだったのですが、

・幻覚(例外を除いて、全ての物が虫だと思ってしまう。)。
・吐き気を催すような相手が影に見える(生き物だと認識できなくなる)。

上記の2点に変更しています。

◯幻視→幻覚。

作中内の描写により、星野アイと四ノ宮リナ、御神楽ミレイを除いた人間は全て虫に見え、どんなものを触れてもたくさんのウジムシが這いずっている場所を触っているとしか感じられません。

理由は1つ、本作における重要設定『主人公補正』システムです。

彼女達は世界(作品)に愛されているので、補正値が常人よりも遥かに高いです。
アクアやルビーも主人公であったり、ヒロインではあるものの、その補正値は『推しの子』の作中内の『星野アイ』よりも遥かに低いといっても過言じゃない……と、原作を読んでいる皆様ならわかるとは思います。

逆に、『デジモンシリーズ』の主人公や重要キャラはそれと同等の補正値を手にしている為、ただのモブでなければかなりの補正値は獲得できます。

補正値が一定のラインを超えていれば、人間だと認識できます。
また、人間だと認識した人間と一緒に触れる場合でのみ、目の前の物質がウジムシでないことを理解することができます。だから、タイトが精神に多大な負荷を負わずに栄養を摂取するには、リナの口移しは必須だったというわけです(なお、作中外ではミレイとも同様の行為を繰り返している)。

タイト自身はそのことに気づいておらず、作中内で明確に理解している人物はタイトの中に存在するイグドラシル以外いません。

ただ、虫に関しては最低限基準があります。

・カブトムシやクワガタムシ系列
主人公補正値が一歩足りない。もう少し好意的に見ることができれば、後一歩で人間になれる……はず?

・その他甲虫類(カナブン、コガネムシなど)
少し足りない。好意はあるのは確か……、ただ、それだけではどうしようもない壁がある。

・蝶
見栄えはいい。ギリ許容範囲。

・蛾
一般人。群がられると嫌だ。気持ち悪い。

・蜂・蟻
社畜。信用に値しない。(警察、自衛隊、軍人等)

・トンボ
自由人。身勝手な振る舞いがうっとうしい。

・バッタ、カマドウマ系列
商売人。
(下劣なものになるほど種類が人間が嫌いな虫に変わる。例:カマドウマ(麻薬/赤子・臓器売り))

・ナメクジ
ホストや風俗(性的なことで汚く金を稼ぐ人間)。※タイト自身の多大な偏見が存在します。

・ウジムシ
露悪的な趣味に依存傾向のある人間。
(宗教の信者、麻薬依存者等)

・ハエ・蚊・寄生虫
生活の根本を行政に依存してる人間。
(生活保護、要介護度の高い人間)

・ゴキブリ系列
生きてるだけで不快な存在。

ゴキブリ 例:前世の宗教関係者や教祖、幹部(特に前世の母親) 四宮関係者(本編)

シロアリ 例:宗教によって孕ませた母体(特に、人身売買や麻薬を積極的に売買、使用をしてきた人間)

カマキリ 例:前世の母体の一部、寿みなみ(自身のことを性的に狙う女、利用価値はあるが嫌悪感多大)

・影
ゴキブリと同列の敵。見たくもない。穢れる。 


ゴキブリや影、それ以下になると、敵扱い。もしくは、存在自体認識を拒むようになるので、カイナにとって存在すら許せない判定を喰らいます。


以上を持ちまして、タイトの病気についての説明を終了したいと思います。一部、かわいそうな人が見られたかもしれませんが、本編に登場したら指をさして笑ってあげてください。(「主人公補正が足りません」byイグドラシル)。


最後に、このお話は『バッドエンド』です。どう抗おうが、バッドエンドに繋がるお話だと、覚えていてください。

それでは、アポカリモン√『手が届く場所だけは……、もう二度と』を終了したいと思います。
ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。