その間は、前書きに物語を書く方式と、前書きに書かない方式の2通りを交互に話に出していきます。
二票差が出た時点で投票終了です。よろしくお願いします。
(眠れない)
タイトの質問会が終わり、明日の方針を告げられ、男女と各パートナーでそれぞれの部屋に別れ、眠るようにタイトに促された。
(眠れない)
タイトに言われた通り、布団を敷いて横になった。
(だけど、眠れない)
二日間お風呂に入れず汗ばんだ体に不快感を感じてることも理由のひとつだけど、それが本当の理由じゃないこともわかってる。
(タイトに言われた言葉が耳に残って離れてくれない)
タイトの言った言葉が耳に残り続けている。
『世界の滅びっていつやってくるの?』
私の聞いた言葉、私が聞いた質問。その言葉を聞いたタイトが言った返答があまりにも理解できなかった。
(……私は)
『どうすればよかったのか?』という言葉が頭の中でぐるぐるとまわっている。
「……なあ、みんな起きとるか?」
「……みなみ?」
私の横で目を閉じていたみなみが、声をかけてきた。目を閉じているからもう寝ているかと思ってたけど、みなみも起きてたみたいだ。
「起きてる」
「なあに、ミナミ?」
ブイモンもギルモンも起きている。みんな布団の中から体を起こさないけど、たしかに起きてることはわかった。
「
「────っ!?」
みなみの不意の一言に、私の胸が大きく跳ねた。
「……それって、どういうこと?」
「あの、タイトくんが言った────」
『
その言葉を聞いて、思い出す……あの後の言葉を。
『俺という『
『お前達はわかったはずだ。今回の戦いでいかに『自分達が非力であるか』……を』
『今後の俺は、奴等の幹部連中の相手に戦わなければならない』
『俺が戦っている間に、お前達がファングモンクラスを簡単にいなせるレベルに立たないと、殺されるかもしれない』
『最悪、人質に取られ、足手纏いになり、全滅するのは俺も避けたい』
『ルビーとブイモン、寿とギルモンには更なるレベルアップが必要だ』
『明日は俺達が今住んでいる山の頂上を目指す』
『その中で、戦える相手はできる限りお前達にまわしていく』
『それじゃあ、この話は終わりだ。また、明日な』
タイトの言葉は私の胸に深く、深く響いた。その言葉が今も頭の中に回り続けている。
「……俺は強くなりたい」
布団から体を起こしたブイモンがそう言った。
「タイト達がいなかったら、ファングモンを相手に俺じゃ勝てなかったと思う」
昼間のファングモンとの戦い。
私達はタイトの助けがあって、ようやくファングモン達に勝つことができた。それがきっと悔しかったのだろう。
ブイモンは手を握りしめながら、そう言った。
「だからもっと、もっと強くなって、ルビーを守れるようになりたい」
私を見て、ブイモンは決意する。
「ギルモンもミナミを守る」
「今日は敵が多くてやられちゃったけど、本当ならギルモンは勝つことができた。今度こそミナミを守れるように強くなりたい」
ギルモンも体を起こし、ミナミを見てそう言った。
「……ギルモン」
私は……っと、みなみも私と同様に体を起こして、私達はお互いのパートナーデジモンを見る。
「私もブイモンと一緒に戦う」
「おう!」
「ウチも強くならんといかんな」
「一緒に強くなる!」
私は決意を固める。
「……でも、どうすれば強くなれるんやろか?」
みなみのふとした疑問が溢れた。
「……強くなるってどうすればいいのかな?」
私もその言葉に同意して、一緒になって考える。
「修行するってのはどうだ!」
ブイモンがそう言った。
(修行……たしかに、いいけど)
それは、無理だ。
「ううん、それは無理だと思う」
みなみもブイモンの案を否定した。
「どうして?」
「タイトくんは修行の時間をとらせてくれへん。むしろ、理由はわからんけど、早く……できるだけ早く敵を倒そうと躍起になっとる」
みなみの言うように、タイトはなにかに追われるように、私達を急かしている。
「タイトが……どうしてそう思うんだ?」
「
私はブイモンにそう言った。
「タイトは必要な情報…………デジモンについてや戦い方についてはある程度教えてくれる。だけど、情報を全部くれるわけじゃない。情報の
「それが、どんな意味を持ってるかはわかんないけど、話す機会だってあんまり作ってくれるわけじゃない。そんなタイトに強くなる為の時間が欲しいって頼むことはできない」
自分で言ってて不安になる。
ほぼ確定になった情報しか、私達には話してくれない。
(そんなに私達が信用できないの?)
その少しだけの不安が、タイトを信頼する事への疑念へと繋がっている。だから、私達はタイト無しで強くなる方法を模索しなきゃいけない。
「みなみ、タイトはどうすればデジモンは強くなれるって言ってたかな?」
私はみなみに今までのことを振り返るように言った。
「……えっと」
『アイテムや環境、人の夢や希望などの感情という、他の存在のに影響されて進化する』
『戦って、強くなる』
「……やったかな?」
みなみの言った言葉から考える。
「まず、新しい進化に繋がるようなアイテムはない」
タイトの言う『他の存在の影響』のひとつは私達は持っていない。
「手元にある『聖なるデヴァイスtype proto』? ……『初代デジヴァイス』? が進化をする時光ってたけど、それが進化に関係してるのかはわかんない。アイテムかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
私達の持っているこれが、本当に進化に関わってくるものだとしても、
「でも、すぐに新しい進化できるようになるものは絶対にタイトは渡さない」
タイトは私達により強くなることを求めていた。そんな相手が、安易に進化させるようなものを渡してくるとは思えない。
「環境は……修行もさせてくれないのに、さらにキツいことなんてやらせてくれるわけがない」
さっき言ったことと同じで、そんな環境は私達にはもらえるわけがない。安定した敵、確実に倒せる相手とだけしか戦っても強くなれないことは、今回の戦いで骨身に染みてる。
だけど、強くなる為にはタイトがいないことが一番の近道だと、ここにいる全員が感じている。
「夢や希望……は、既に持ってるけど、それがどう進化に役に立つのか私にはわかんない」
タイトの行った異世界がどんな場所かはわからない。だけど、それがどう影響するのかは、もっと私達にはわかんないから、どうしようもない。
「だから、ひとつ目の案は駄目だと思う」
だから、私はそう結論づけた。
「二つ目は……このままで戦える?」
二つ目の話に移る。
「……無理、やな」
みなみが即座に否定する。
「ミナミ、どうしてそう思う?」
「タイトくんはこの世界で戦う対策をいくつも準備して来た。その過程でできるだけウチらが危険な目に遭うことをできるだけ避けとるんや」
私がさっきおんなじことを考えたように、みなみもそれがわかっていた。
「それのなにがいけないんだ?」
ブイモンがみなみに聞く。
「それは……」
少しだけみなみが考えるそぶりをした。どう言えばいいのかわかんないのか、それとも言葉を選んでるだけなのか、どちらかわからないけど、私がサポートするべきかな。
「それは、タイトのいる間は敵に警戒されて強い相手としか戦えないってことだよ。ブイモン」
「……たしかに」
ブイモンは納得してくれた。
「ルビー……でも、それって逆に考えて、タイトが俺達の近くにいない場合、『雑魚しかいないから、敵には格好の餌』って判断されるんじゃないのか?」
…………そう、だね。
「……そう、やな」
ブイモンに痛いところを突かれてしまう。
「ブイモンの言う通り、だけど……それでも、私達はもっと戦う機会が必要だと思う」
それでも、危険だとわかっていても戦わなければならないと私は説得する。
「ファングモンと戦ってどう思った?」
みんなは考える……今日遭ったことを。
「私には『私達はタイトがいなきゃなにもできないのか』って、思えたよ」
実際にタイトの話を聞いて、そう思った。もっと強くならないと、もっとブイモンを進化させないと、この先守れるものも守れないと思ってしまった。
「ブイモンは……みんなは、それでいいの?」
だから、もう一回ブイモン達に聞く。
「嫌だ、強くなりたい。ルビーをもっと守れるぐらいに強くなりたい」
「……そう、やな。今のままじゃだめやな」
「ギルモン、タイト達がいなくても戦える」
みんなも私に同調して、覚悟を決めてくれる。
「でも、どうやってタイトくんの目を盗んで、戦いに行くことができるんやろか?」
そんななか、みなみがそんなことを言った。
「…………」
みなみは冷や汗をかいた。
「…………」
ブイモンは目を逸らした。
「…………」
ギルモンは眉間に皺を寄せながら、必死になって考えてる。
「…………」
(ああ、もう……仕方ないなぁ)
その様子を見て、タイトに対する『切り札』になってしまったものを思い出した。
「私に『秘策』があるよ」
とっておきの秘策が、私のバッグの中に入っていた。一度きりしか使えないそれは、少しだけ溶けていた。
ちょうど陽の光が窓の外を照らし始める頃、トン、トン、トンとまな板の上で音を鳴らす少年。
「流石にパンは保存食のものは使えないから……これと、これとこれを購入して……うん、サンドイッチができたな」
パカっと缶詰を開け、フライパンに火をかける。
「朝食は缶詰の鯖の味噌煮を温めて……少しだけ味が微妙だな。それに魚臭い。唐辛子で味にパンチを、生姜を入れて臭い消しをして……これぐらいなら、わがままな奴じゃなきゃ食えるだろ」
コト、コト、コトと鍋の煮える音がする。
「味噌汁は……うん、具材はもう煮えてる。あとは味噌を入れるだけだな。米はもう炊けてるし、朝食の前に味噌を入れて、温めれば完成だな」
────たんっと、少女達が眠る部屋から音が鳴った。
「……もう、起きたのか?」
現在の時刻は朝の五時より少し前……自分達が動き始める時間よりもだいぶ早い時間だ。悪意のある気配ではない為、敵ではないのだろう。
「…………」
……ということは、少女達が起きたらしい。
「まだ、体力を温存しておいてほしいからな。寝てくるように促してくるか」
家庭科室のコンロの火を全部消して、蓋を閉める。
「……ご主人様?」
クダモンが半目を開けて、こちらを見た。
「ああ、お前はまだ寝ていてくれ。ちょっと隣の部屋の様子を見に行ってくる」
「……わかりました」
クダモンは再び体を丸めて、眠り始める。
「……っと」
廊下を見れば、少女……ルビーがそこにいた。
「タイト、おはよう」
「ルビー、おはよう……まだ、朝食はできてないぞ」
「ううん、ちょっと目が覚めちゃってね。少し顔を洗いに来たんだ」
あはは、と笑うルビーを睨む。
「あのなぁ、俺には慣れっこだけど、お前はまだこの状況に慣れてないんだ。もう少し体力を温存しろ」
「…………うん、そうだね」
ルビーがそう言ったので、俺は再び家庭科室に戻────むぐっ!?
「────むがっ!?」
カカオマス
カカオバター
砂糖
(────これはっ!?)
急いで吐き出そうとするが、口が塞がれてどうしようもない。口に入れられた時点で、俺の体に力は入らない。
カフェイン
ココア
(────いったい、だ が)
「
聞き慣れた声……そ か お しか いない な
「むぐっ、うぐ、がっ……ごっ、ぎ、や」
頭の中が真っ白になる。
「……ぐっ、あ」
最後に見えたのは、俺の体を支える少女達とそのパートナーの影だけであった。
「うまくいった」
私は手元にある『登山用チョコレート』を掲げ、勝利宣言をする。
「あはは、ちょっと悪いことをしたきがするけどな」
笑いながら、そんなことを言うみなみ。
「いいの、いいの、私達にはもっと強くなる必要があったし……」
(秘密をたくさん隠してるあいつにも、お灸が据えられたしね)
みなみのタイトを心配するような言葉に軽口を叩いて、本心は心の中で呟く。
「これで、俺達が強くなる機会ができた」
「ギルモン戦えるよ」
私達の隣にいる2人もこれからの戦闘に気合を入れてる。
「さあ、山の頂上へレッツゴーっ!!!」
本日の目的である山の頂上へ、私達は出発したのであった。
「ルビーと」
「みなみの」
「「『デジモンコーナー』!!!」」
「……本当にタイトは出ないんだね」
「本編に登場できないキャラは、図鑑には出れへんからな」
「私の時もそうだったしね」
「うん、だからタイトくんは出れへん……そんなことより、今回のデジモンはこれ!」
「「『ファングモン』!!!」」
「……とは言っても、詳しいやつはここにはいないんだよね」
「説明できる人材がおらんとなにを話していいんかわからんなぁ」
「図鑑を見ればなにかわからんじゃない?」
「……えっと、『森の奥深くに住み、迷い込んだものを餌食にする魔獣デジモン。数々の童話に登場する悪しき狼のデータがデジモン化したとも言われ、一度狙いを付けた獲物は決して逃すことなく、時には親しい者の姿にまで化けて近づくことがある。』……陰湿やな」
「でも、私達との戦いで使われてたら、負けてたかもしれない」
「そんな力がある敵が増えるんやろか?」
「わかんない……というか、後半にある『ガルルモン』って、どんなデジモンなんだろう?」
「『犬狼系デジモンの中では異端の存在であり、ガルルモンが光の存在であるとすれば、ファングモンは闇の存在である。』って書かれとるけど、かっこいいデジモンなんかな?」
「それだったらあってみたい……って、『話がズレてるから、コーナーを切れ』……もっと話させてくれてもいいじゃん!」
「あはは、そうやな……ガルルモンの方に気を取られちゃあかんなぁ」
「わかった……じゃあ、今回のコーナーを切らせていただきます」
「またね〜!」
「