産まれた推しの子の電脳物語   作:阿後回

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朝八時、全員で昨日の水路の入り口までやってきた。

「…………」

タイトはやけに眠そうにしてる。
昨日は私の体に寄りかかって寝てしまったのが原因だろうか。それとも、昨日の戦いの疲れが残っているのだろうか……その原因は、知識のない私にはできなかった。

「……それじゃあ、作戦を開始する」

昨日の夕方に説明したように、私達は『二手』に別れた。


私とブイモン、みなみ、ギルモン、教授、レナモン、クダモンのチームと、タイトとユイ……そして、水無瀬ミユキのチームに、だ。

ーーーーこれには、ある理由があった。

昨日の夕方のことだ。


『まず、二手に別れる』


黒板に先程の二チームが書かれる。その内容を見て、私を含めここにいるタイトと話を聞かされていたユイ、気絶しているギルモン以外の全員が驚いている。


『おいっ、これはどういうことだ!?』

『ご主人様、これはどういうことですか!?』


レナモンとクダモンが同時に声をあげた。
理由はすぐにわかった。この二人はお互いのパートナーとは別のチームに入れられているのだ。

『……少し待て』

タイトは少し考える動作をしてから、クダモンのほうを向いた。

『クダモンから……お前には引き続き教授の護衛を頼む』

『イヤですわっ!!!』

タイトの言葉をクダモンはすぐに否定……でも、なんとなく理由はわかる。

『ご主人様と離れる……しかも、倒れた後なんですよ! ご主人様の体調がよろしくなるまで、ここで籠城をしたほうがよいに決まってます!!!』

タイトは先程起きたばかりだ。ただでさえ、タイトのことが大好きなクダモンが、そんなことを許すはずがないのだ。

『理由を聞け』

それでもタイトはいつものように……いつものように、理由を話し始めた。

『レナモンには悪いが、チームを二つに分けたのには理由がある』

『一つ目、最大戦力を分けること』

最大戦力?

『俺とユイ、ルビーとブイモンは『完全体』に進化できる』

ーーーー最大戦力!?

いつのまにか最大戦力までのしあがって……いや、タイトが落ちていってしまったのか。そっか、でもタイトにそこまで言われるなんてうれしーーーー今のタイトを分けるって大丈夫なの!? 変な力を使って倒れて、気絶して、本調子じゃないタイトがユイと一緒に……それも、あんな子を連れていくなんて大丈夫なの!?

『そして、俺とユイなら究極体にも引けを取らないどころか、ユイならある程度の究極体なら圧倒できるので、ルビーのいるチームに戦力を固める為に、こんなふうに分けた』

……ユイ、そこまで強いんだ……じゃなくって、

『二つ目、ユイが最低限守れる戦力にする為だ』

私が疑問を言う前にタイトは二つ目の理由を言ってしまう。

(……ユイが最低限?)

私達と一緒にいることで、敵の戦力をわけることを狙ってるんだ!?

『二人だけなら、両手で俺と水無瀬ミユキを抱きながら飛ぶことができる。空中から敵の基地まで接近することができる』

空中……私とブイモン……と言おうとした時に思い出した。私もブイモンも最大戦力に含まれてるので、わかられていることを。

(……タイトめ)

言おうと立ちあがろうとしてしまい、ガタッと椅子を揺らしてしまったではないか。

『三つ目』


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


…………あっ……ああ!? それも、確かにしなきゃいけないけれど……って、

『……っ!?』

レナモンがタイトの胸ぐらを掴み上げた。

『まあ、待て……話を聞け』

タイトはやけに落ち着いて……ってそんな場合じゃない。タイトはまだ気絶から回復してきたばっかなんだから、止めないと!?

『待て、レナモン……落ち着いてくれ!!!』

ーーーーどたん!

教授がタイトとレナモンの間に入り、レナモンを無理矢理引き剥がした。タイトは倒れちゃったけど、このままよりかは断然いい。

ナイス、教授!

『なぜ止めるっ!!!』

『レナモンも話を聞くべきだ。タイトくんも相手の気持ちを考えて言ってくれ!!!』

教授、よく言ってくれた!

『…………』

その様子にタイトは深くため息をついた……そして、


『今の俺は万全な状態じゃない……それは、お前らもわかってるだろ? そんな状態じゃあ、お前らを守り切る自信がない』


『ーーーーっ!?』

『……もしかして、ウチのせい?』

レナモンとみなみがタイトの言葉に反応する。タイトの体のことは薄々わかってたけど、本人の口から言われると余計嫌な気持ちになる。

『だが、昨日の戦いを見ていた『ピエモン』は違う』

だけど、タイトの見ているとこは違っていた。

『『俺』個人を最大戦力とみなし、味方から離れたところを全力で殺しにかかってくるだろう……そこに、『水無瀬の巫女』がいれば尚更、な』

状況に希望を持って、打開策を考えていた。

『……まさかっ!?』

そして、その発言は一つの答えを導き出した。

『俺と水無瀬ミユキを囮に使い、ルビー達は地上から敵の基地へと接近……本拠地を叩くのが今回の作戦だ』

『そのような危ないこと、させられるわけありません!!!』

クダモンの悲鳴のような叫びが教室内に響き渡る。

『危ないのは、わかってるさ……だけど、今の戦力でこれ以上のことはできない』

タイトはそれをすげなく断る。

『たしかに、封印のあるここには『霧』はやってこない。だけど、デジモンならやってこれる』

デジモン……ドクグモン達を思い出した。今度はピエモンがやってくることを考えると、背筋が凍ってしまう。

まだ、完全体にしかなれない私のブイモンと手負のタイトとユイ。
それに引き換え、相手は完全体よりも一段階上の進化にたどり着いた究極体デジモン。
タイトの体調が悪化したら、ピエモンに太刀打ちできるのかとそんな不安がよぎってしまう。

『ピエモン達が戦力を整え、こちらへと戦争を仕掛けて来た時に真正面から戦って、殲滅できる戦力は今の俺達にはないんだ』

タイトが弱体化した今、その私達の戦力は大幅に弱体化したと言ってもいい。そんななか、ピエモン相手に籠城するのは愚策だとタイトは私達に思い知らしめた。

『…………』

私達にはなんにも言えなかった。それでも、と言えるほどの力が私達の手の内にはないからだ。

『…………っ』

唯一の手段はもう一度みなみが……いや、ギルモン相手にそんなことして、もう一度『主』に干渉されるかもしれないと考えると愚策でしかない。

『そして、万が一『封印』が壊された場合……万が一、水無瀬の巫女が奪われた場合、『主』が更なる力を得ることにつながってしまう』

『主』の戦力は確実に削れていることを確信してるようなタイトの言い回しに、少しずつ私達の中に希望が持ててくる。


『だったら、戦力の整っていない今、全力で叩きのめすしかないんだ!!!』


タイトの説得に、ようやく私は理解することができた。ここで……ここでやらなくちゃいけないってことに……だけど、

『…………わかってる』

レナモンは頭では理解しつつも納得はできないって感じだった……それでも、


『だからこそ、『それ』があるんだろうがっ!!!』


タイトはレナモンの腕に握りしめられている『初代デジヴァイス』を指さしたのだ。

『人が変わっただけで、今日の作戦と同じだ。
俺が敵に『受け渡し』、敵の本拠地を探し、ルビー達が阻止し、レナモンが救う……それだけは一切変わってない』

本当に昨日説明を受けた作戦と一切変わってない。本当に作戦は変わってない。


『だから、頼む。お前らに全てを賭けるんだ』


だからこそ、今ここでやらなければならないという実感が湧いたのだった。


『…………』

『…………』

『…………』

レナモンは深く、深く悩んでいる。
状況は理解できるし、タイトの言い分もわかるけど…………レナモンの気持ちもわかってしまう。


『…………わかった』


それでも、レナモンは納得してくれた。

『待ってくださいっ!!!』

あっ、クダモンがいたんだった。

『私はっ!!!』

クダモンがタイトの目の前にズコズコと歩いていく。

『ーーーー黙れ』

だけど、ユイが目の前に立ち塞がった。今まで、タイトの発言になに一つ身動きすら取らなかったユイが、だ。

『なんのようですか、クソドリ……私はご主人様に話を聞いているのですが?』

『タイト氏の決定に口を挟むな……お前なんか当てにしてないんですぞ、こっちは』

睨み合うユイとクダモン。

『ーーーーなんですって!!!』

ユイの罵倒に怒るクダモン。

『『マナト殿』は『俺』に任せるって言った。お前はあのジジイでも守ってろ』

それに引き換えユイは冷静だった。それでも、こっちでもわかるぐらい怒っている。

(喧嘩が始まる)

そんなことを思いながら、少しずつ前に進む。


『ーーーーなっ……、ふざけるっーーーー


だけど、ユイの発言にワナワナと震えていたクダモンが激昂し、光り輝いたその時、

『まあ、落ち着け』

『……ご主人様?』

喧嘩を止めたのはタイトだった。

『俺はユイに頼んだ……でも、お前にも頼んだよな。教授を守ってくれって』

タイトは諭すような口調で言う。

『……でもっ!?』

だけど、クダモンは納得していない様子。

『…………』

ユイはタイトの様子を静かに見ているだけ……ちょっと、変な感じがした。

『俺は信じてるんだ。教授をもう一度守ってくれるってな』

『…………っ、わかりました』

側から見れば説得できているように見えたけど、外側から見れば、変な……気持ち悪く見えてしまう。

(なんで言えばいいんだろ? ああ、なんというかーーーー


『……ルビー』


『……うぇっ、はい!?』

考えている途中、突然タイトに声をかけられる。

『俺は空から行く。お前は地上から攻めろ』

『……わかった』


あの時の会話はここで終わった。


「じゃあ、俺達はここを離れる」

タイトはカラテンモンの横でクダモンに声をかけている。

「……ご主人様、お気をつけて」

クダモンは心配そうにタイトを見ている。だけど、タイトには他に気になることがあるらしく、周囲を見渡していた。

「早く行くのですぞ、タイト氏」

「わかってるって……寿は」


「ごめんっ!」

「ううん、こっちこそごめんね、ミナミ」


「……あの様子なら大丈夫か」

寿の方を見て安心した表情になったタイト。

(……むぅ)

カラテンモンに担がれていくのを見て、私には一言ないのか……と思ったとき、いいことを思いついた。


「タイトっ!!!」


タイトに思いっきり手を振る。

「ミユキを頼む!!!」

レナモンも一緒に手を振ってくれた。でも、みなみからの視線は最後は私のものになった事で少しだけ、胸が空いた思いだ。

「ーーーーわかった!!!」

タイトと水無瀬ミユキが飛び去って行く。

「……ルビーくん」

「わかってるよ、教授!」

レナモンの隣にいる教授が私達にも出発するように声をかけてくる。

「ブイモンっ!」

「ーーーーおうっ!」

初代デジヴァイスを握りしめ、思いを込める。タイトに守るように言われた。その思いを、自分自身の思いを力にするようにイメージする。


[ブイモン 超進化]


「『エアロブイドラモン』!!!」


ブイモンがエアロブイドラモンに進化した。

「さあ、行くよ!!!」

私達もタイトと同じように、水路へと進んでいく。その先にある敵の『本拠地』を目指して。


第二十二話 作戦決行 ウチとギルモンの戦い

 

 

 ────ぴちゃん、ぴちゃん

 

 

 水滴の落ちる音がする。

 昨日通った道は、いつにも増してひび割れて……まるで、何十年前に造られた建造物のような、老朽化してもうた道へと変わっとった。

 

「……これも、ギルモンがやったんだよね?」

 

「……うん」

 

 メギドラモン……いや、ギルモンによって大幅に老朽化した壁を見る。

 

「力、こんなに……あれ、でも……」

 

「うーん」

 

 なんどもなんども独り言を呟くギルモン。その姿はなにかに悩んでるようやった。

 

「……ギルモン、どうしたんや?」 

 

「……ん?」

 

 ウチはまだギルモンに……その、なんというか、負い目を感じ取るので、ぎこちなく……それでも、悩んどる理由を聞いてみる。

 

「うーん」

 

 こちらを向いてから、再び悩みだし頭を少し抱えとった。

 

「……あのね」

 

 

『ギルモン』

 

『……ん?』

 

『あっ、タイト!!!』

 

『昨日、進化したときってどんな気持ちだった?』

 

『うーんとね、思い出せないっ!!!』

 

『じゃあ、進化する前は?』

 

『…………、うーん……なんか嫌な気持ちになった』

 

『どんな気持ち?』

 

『なにかを好きって気持ちだったり、その相手が別のことに集中してると怒ったり、悲しくなったり……でも、相手してもらえたら嬉しくて……うーんと、いろんな気持ちが混ざって気持ち悪いって感じだった!!!』

 

『…………そっか』

 

『でも、なんでそんなこと聞いたの?』

 

『…………』

 

『…………?』

 

『ギルモンは、さ』

 

『寿……みなみの為にもっと強くなりたい?』

 

『うん、強くなりたい!!!』

 

『……だったら、その気持ちに耐えられるようにならないといけないよ』

 

『……なんで?』

 

『先達からのアドバイスだよ。その『気持ち悪いこと』を耐えられるようになったら、もっと強く、意識して戦えるようになるからね』

 

『…………』

 

『嫌な気持ちもわかるから、進んではオススメはしない』

 

『だけど、寿……みなみには『暗黒進化』の適性があるから……できれば、みなみの苦しい気持ち、辛い気持ちも受け入れて戦えるようになることが、一番の近道だと思っただけだよ』

 

『……わかった。考えてみる』

 

 

「……てことがあった」

 

「…………」

 

 ……ということは、タイトくんの考えやとウチがメギドラモンに進化させたことは、間違っとらんかった。だけど、ギルモンはその進化をしとってええか悩んどる。

 そして、ウチには『暗黒進化』……ギルモンをメギドラモンにさせたあの『嫉妬』の感情を使った進化が適正……と。

 

 うーん、難しい問題やわ。

 でも、これって当の本人の気持ちが一番って言うしな。とりあえずギルモンに聞こか。

 

「ギルモンはどうしたいんや?」

 

「……うーん」

 

 再び悩み出すギルモン。それだけ、あの進化にはなにかがあるんやと思ってまう。

 

「ギルモンはミナミの言うことに従う」

 

 悩み抜いて出した答えがウチに任せるというものやった。

 

「……ホンマにそれでええんか?」

 

 ウチはそれでええんかと思いつつも、ギルモンに再び聞いてみる。

 

「ギルモンはあの気持ちはわかんないし、わかんないものはどうしようもない……だけど、わかんないからといって、『嫌だから』って理由で知らないって言うのはだめだと思った。だから、ミナミに決めて欲しい」

 

 ギルモンはギルモンなりに深く考えとるのはわかった。だけれど、ギルモンの考えは立派だけれど、メギドラモンに進化させたウチに任せても、信用してもええんやろかと考えてまう。

 

「…………」

 

 ウチはもう一度考える。

 

 デメリットをあげれば、

 

 ・ギルモンはメギドラモンに進化したくない。あの進化になるまでの、ウチの感情は理解できないって言った。

 

 ・ギルモンがメギドラモンに進化した場合、あのときみたいに『主』の手下がギルモンに群がる可能性がある。

 

 ・そもそも、ギルモンの意識が残っとらんから、暴走して味方を攻撃する可能性がある。

 

 逆にメリットをあげれば、

 

 ・究極体の力が手に入る。

 

 ・水無瀬ミユキを救ってから進化すればいい。

 

 ・ギルモンがウチの『嫉妬(あくい)』に耐えられれば、メギドラモンは暴走せん。むしろ、この間よりも理性的に戦えるぶん、強くなる可能性がある。

 

 ・戦力が足りとらん今、ギルモンの進化は必須である。

 

 

 デメリットとメリットを比べると、メリットのほうが多いようなきぃする。

 

(どうするべきか?)

 

 ギルモン自身は嫌だけど、強くはなりたいからええみたいな反応やしなぁ? 

 

 できれば、ギルモンの意見も聞きたいところやし、メリットのほうが大きいのもわかっとる。

 

 

「……わかった、じゃあ────っ!?」

 

「────!?」

 

 

 なんとか頭の中でまとまったと思った瞬間、次の廊下の先からケモノのような嫌な気配を感じとった。

 

 

「全員警戒態勢っ!!!」

 

 

 ウチとギルモンの様子から、ウチ達が前衛、ルビーとエアロブイドラモンが殿、レナモンとクダモンが教授を守るといった立ち位置に変わる。

 

「────グルルルル」

 

 ギルモンが牙を剥き続けてることから、警戒に値する相手……初代デジヴァイスを構え、いつでも進化できるように警戒を続ける。

 

 

「……どうやら、気配が読まれたみたいだな」

 

 大きな白い狼が1匹……ううん、

 

 

「────ガルルモン!?」

 

 

 ガルルモンが目の前に現れたのだ。

 

「────ミナミっ!」

 

 ギルモンと共に戦おうとしたとき、

 

 

()()()()()

 

 

 ガルルモンはそう言って背を向けて、廊下の先を歩き出した。

 

「────っ!?」

 

 エアロブイドラモンがガルルモンを追い越して、立ちはだかる。

 

「…………なんのつもりだ?」

 

 私達に挟まれても一切敵対敵対しないガルルモンに、少しだけおかしな様子を感じ取った。

 

「別に罠じゃねえから安心しろ……俺はそこの狐2匹に借りを返しにきただけだ」

 

 ガルルモンはそう言って、クダモンとレナモンのほうを見る。

 

「……借り?」

 

「命を二度も見逃された。命を狙ったのにだぞ? ……これを借りと言わずにどうする?」

 

 ことも投げにそう言ってのけるガルルモン。

 

「…………」

 

 エアロブイドラモンがこっちにやってきて、みんなが集まった。

 

 

(どう思う?)*1

 

(嘘はついとらへんみたいやな)*2

 

(ガブモンは嘘をつくほど、やさぐれてはいない)*3

 

(自分の命を狙った奴にどうしてそんなことが言える!?)*4

 

(…………)*5

 

(……罠だったら返り討ちにすればいい)*6

 

(ギルモン?)*7

 

(それだけの力は、俺達にあるよな)*8

 

(……そう、だね)*9

 

(危険を承知でやって来たんだ。最後まで戦おうぜ!!!)*10

 

(……うん)*11

 

 

「こっちの意見は纏まったよ」

 

 ルビーが代表としてウチ達の前に出る。

 

「……それで、どうするんだ?」

 

 会議の間待っていてくれたガルルモン……会議の間、攻撃してこなかったことから、やっぱり今回は戦うつもりがないみたいや。

 

「ついてく」

 

「わかった、ついてこい」

 

 ガルルモンの背中を追っていく。

 

 

 

「ねえ、ここから先どうするの?」

 

 昨日の壊れた広間までやってくる。ところどころから水が流れとるのか、湖のようになっとって、瓦礫が池に浮いているような場所になっとる。

 

「こっちの道を辿ればいい」

 

 

 ────ぴょんぴょん、ぴょん! 

 

 

 そんな擬音を鳴らすように軽やかに、そして人間が絶対に辿り着けないような瓦礫の上を跳んで向かいの端に移動してみせた。

 

「……それって、無茶って言うんだよね」

 

 ルビーの額には青筋が立っとる。

 

「まっ、ニンゲン風情にはできないか」

 

 それを見て煽るように言ったガルルモン……あっ、ブチンってルビーの青筋が切れたような気がした。

 

 

「……エアロブイドラモン」

 

 首をくいってやって、向こう岸まで飛ぶように命令する。

 

「…………わかった」

 

 エアロブイドラモンがこの広間を飛んでいき……

 

 

 ────バシャアアアアン!!! 

 

 

「────うおっ、てめえっ!!!」

 

 

 ガルルモンの横にあった水溜まりの上に思いっきり着陸したのだった。

 

(……あちゃー)

 

 思わず天を仰ぐ。

 

「できたでしょ?」

 

「────ふんっ!」

 

 ルビー同様エアロブイドラモンもガルルモンに煽ってしまう。

 

「ふざけんなっ!!!」

 

「べつにいいもーん! エアロブイドラモンは頼んだら運んでくれたし……みんなもお願いできる?」

 

「わかった」

 

「くそっ、俺を無視するな!!!」

 

「無視してませーん、あんたが避けられなかっただけですぅ!!!」

 

 ルビーとガルルモン、エアロブイドラモンの喧嘩を見て、呆れてくる。

 

「子供か、あいつは」

 

 レナモンが呆れ、

 

「ギルモンもあれやりたーい!」

 

 ギルモンが楽しみ、

 

「……あはは」

 

 ウチは疲れとった。

 

 

「────フッ」

 

 

 そんななか、ガルルモンを見て楽しそうにする人がここにひとり……

 

「……教授?」

 

 教授は楽しそうにその様子を見つめとった。

 

「……ガブモンもあそこまではしゃげるようになったんだ……と思ってな。感慨深いのさ」

 

 あっ、そういや、命を狙われてとったけど、この人はガルルモンのパートナーやった。

 

「…………」

 

 それを思うところがあるのか、懐かしそうに見つめる瞳に少しだけ過去が気になってしまった。

 

 

「アキハル、早く来い!!!」

 

「みなみも早く来なよ!!!」

 

 

 ガルルモンが怒りながら、ルビーに楽しそうに呼ばれてまう。

 

 

「呼ばれてることだし、行こうか?」

 

「────うんっ!」

 

 

 閑話休題

 

 出口まであともうちょいで、敵もなんも出てこん……なぁーんて、考えるぐらい余裕があるかと思いきや、すぐそこまで嫌な『気配』を感じとることができた。

 

「……ギルモン」

 

「わかった」

 

 ギルモンも気がついとる。みんなはまだ気づいてないようやった。

 

「────止まって」

 

「────グルルルル」

 

 ウチの静止の声とギルモンのうなり声が響く。

 

「────っ!?」

 

 ギルモンの警戒しとることに気づいたみんなが、出口に向かって警戒しはじめた。

 

「……バレた」

 

 黄色い熊の着ぐるみ……いや、巨大なぬいぐるみが歩きながら現れる。

 

「俺の名は『もんざえモン』*12。司祭から任されたこの島の番人だ」

 

 急いで敵のデータを調べる。

 

『完全体』

 

 出て来た情報から、

 

「……エアロブイドラモン」

 

「わかった、ルビー」

 

 ルビーとエアロブイドラモンが真剣な顔で出ていく……だけど、

 

 

「「()()()()()()()」」

 

 

「────っ!?」

 

 ウチが……いや、ウチとギルモンが二人を止める。

 

「ウチとギルモンがやる」

 

「ギルモンとミナミがやる」

 

 どうやら思っとることはおんなじみたいや。

 

「……でも、相手は完全体だよ?」

 

 ルビーが聞いてくるが気持ちは変わらへん。

 

「大丈夫……ギルモンっ!!!」

 

 ギルモンの同意を……

 

「────うん!」

 

 そないなことはわかっとるよな。

 

 初代デジヴァイスに力を込める。

 

 [ギルモン 進化]

 

 いつもと同じように……おんなじように気持ちを込めて、

 

 

「『グラウモン』っ……グキャアオ!!!」

 

 

 ギルモンはグラウモンに進化し……そして、水路の中を疾走、もんざえモンに突撃する。

 

「問題、ない」

 

 ────ガシリ

 

 二人は両手でお互いの手を掴み合い、押し合いはじめる。

 

「ぐっ、きぎっ!」

 

 だけど、グラウモンのほうが劣勢……なのは目に見えとった。

 

「────ふんっ!」

 

 グラウモンはもんざえモンのパワーで思いっきり投げられた。

 

「────グラウモンっ!?」

 

 ルビーの悲鳴が聞こえてくる……だけど、

 

 

「────まだっ!!!」

 

 

 ────ガンっ! 

 

 ────ガギィン! 

 

 ────ドゴシャ! 

 

 ────ドギィン! 

 

 

 なんどもなんども突撃するグラウモン。けれど、そのたびにもんざえモンのぬいぐるみのような腕で弾き飛ばされてまう。

 

「ねえ、みなみ……私達は本当に参加しなくていいのっ!?」

 

 ルビーも……そして背後におるみんなもグラウモンのことを心配してくれとる。だけど、

 

「まだや」

 

 ウチはまだ『決心』がついとらんかった。

 

『暗黒進化』をすればもんざえモンなど敵にならんぐらいの力は得ることができる。だけど、それはグラウモンが『嫌』だと言ってくれたことだ。

 

 

「グラウモン!!!」

 

 

 だから、自分よりも格上の相手になんども突撃させてから、声をかけた。

 

「……う、うん!」

 

 投げ飛ばされ、倒れとるグラウモン。

 

「立てっ……そして、戦うんや!!!」

 

 傷だらけでもウチは変わらずそう言って指示を出す。

 

 

「────グギャァアアアアッ!!!」

 

 

 グラウモンはなんとか立ち上がって、もんざえモンに唸り声をあげてみせる。

 

 ……だけど、その姿を見て、ウチはある確信を得てしまう。

 

 

()()()()()()()?」

 

 

 ────びくぅ!? 

 

 ウチのその言葉にグラウモンが大きく揺れた…………震えたのだ。だけれど、ウチは言葉を選ぶつもりはなかった。

 

 

「グラウモン、ウチはな……『怒ってる』んや」

 

 

 ウチは昨日とおんなじように『嫉妬』で心を揺らす。

 

「ミナミ、なにをっ!?」

 

 グラウモンが驚いてこっちを向いた。だけど、そんなのはもう遅い。

 

「力を望んだ」

 

 あの人に見てほしいと願ったから。

 

「もっと力を、もっと強さを、もっと進化を」

 

 その力さえあれば『タイトくん』に認められるって思ったから、でもできたのは暴走したメギドラモン(ギルモン)やった。

 

「…………っ!?」

 

 いつのまにか意識が呑まれ、いつのまにか気絶し、いつのまにか拠点に戻っとった……起きた時のギルモンの思いはいったいどんな気持ちやったんやろ? 

 

 でも、これだけはわかる。

 

 

「弱いのも、負けるのも……怖いのももう嫌やろ?」

 

 

 ウチの思いを理解できへんって言うた。でも理解したいって言うた……だけど、あのときの『怖い』って気持ちは変わらへんと思う。

 

 それでも、『負ける』ことのほうが怖いってグラウモンは知っとるはずや。

 

「…………」

 

 グラウモンはウチの言葉に黙って聞いとった。

 

「グラウモンはそうじゃないん?」

 

 だから、グラウモンの横に立って、グラウモンの目を見ながら聞いてみた。

 

「…………そう、だね」

 

 グラウモンは目を逸らしながら、ウチにそう言ってのける。

 

「だったら、恐れてちゃだめだよね」

 

 ウチはさらに思いを載せる。 

 

『ルビー』がうらやましい。

 ずっとタイトくんと一緒にいられてうらやましい……しかも、ちょっと黙っとったら、恋敵になっとる。どんだけ、卑しいんや。ふざけるな。

 

「……みなみ?」

 

 でも、そう思いつつも、初代デジヴァイスにかける思いを強くする。

 

「ミナミっ……力をっ!!!」

 

 初代デジヴァイスが闇のように輝き、グラウモンを包み込んだ。

 

「────させないっ!!!」

 

 もんざえモンがその巨体で走りながら、こちらへと突っ込んでくる。

 

 

「『ラブリーアタック』!!!」

 

 

 大きなピンク色の透明なハートがグラウモンに迫ってくる。直撃も避けられへんやろう……だけど、

 

「もっとや、もっと……もっと!!!」

 

 ウチの思い、想い、オモイの全てをここに込める。

 

 

「────がぎゃあああああああっ!!!」

 

 

 闇色の光がグラウモンを完全に包み込み、グラウモンはピンク色のハートを弾き飛ばした。

 

 

「[()()()()() ()()()]」

 

 

 怒りと嫉妬。

 二つの感情が『暗黒進化』を引き起こす。

 

 紅い巨体はさらに大きく、黒く染まっていき、

 

 魔の竜は鋼鉄に覆われ、大きな鎧を身に纏う。

 

 紅蓮の炎が燃え尽きて、まるで灰の中から出て来たようなサイボーグの体には、巨大な刃が敵へと向かう。

 

 …………そして、

 

 

 

「────『()()()()()()()()()()()()*13』!!!」

 

 

 

 魔の竜はより強く、より強大に、より『公正』な瞳を持って敵を見据えた。

 

「────なっ!?」

 

 もんざえモンがその場で止まる。だけど、それよりも大事なことがある。

 

「ブラックメガロ……グラウモン?」

 

 意識があるかどうかや……メギドラモンとおんなじように、意識があらへんかったら、どんなに力を持っとっても暴走してまう。

 

 

「────ミナミ」

 

 

 でも、その一言だけでわかった。

 

「わかっとる」

 

 わからなかったけど、わかったという。それには信頼というか、嫉妬というか……妙な話、いろんな思いがごちゃ混ぜになっててどう言えばいいかわからなかったので、強がりが一番の理由やった。

 

 …………そして、

 

 

「ウチはルビーにだけは絶対に負けたくないんや!!!」

 

「ブラックメガログラウモンもブイモンに絶対負けないっ!!!」

 

 

 二人で『ライバル(絶対に負けたくない相手)』に向かって宣言する。

 

「……あはは」

 

「…………?」

 

 背後で苦笑いとハテナマークを感じとるが、それ以上に力を込める。

 

「なんの話をしてる」

 

 ウチらの言葉にもんざえモン。まあ、こいつにはもう用はないんやけどな。

 

 

「なんの話をしてるんだ……こっちを見ろぉおおおおっ、『ラブリーアタック』っ!!!」

 

 

 ウチらに無関心な目で見られ、必殺技の『ラブリーアタック』で攻撃してくるもんざえモン。

 

「ブラックメガログラウモン」

 

「『ダブルエッジ』」

 

 背後にいるみんなに当たらへんように、両腕についとる大きな刃でハートをシャボン玉のように切り裂いていく。

 

「────くっ!?」

 

 もんざえモンはまだ接近しとる。

 

「まだや、相手をよく見るんや!!!」

 

「────っ!?」

 

 もんざえモンはブラックメガログラウモンに接近し、近距離で必殺技を当てるつもりや。

 

「『ラブリーアタック』」

 

「『ダブルエッジ』」

 

『ラブリーアタック』をさっきとおんなじように切り裂くが、

 

 ────バンっ!!! 

 

「────があっ!?」

 

 もんざえモンの拳はブラックメガログラウモンの胸に命中してもうた!? 

 

「終わりだ」

 

 目の前に大きなピンクのハートが現れる。もんざえモンは言葉通りにトドメを刺すつもりや。

 

「ブラックメガログラウモンはお前になんか負けないっ!!!」

 

 ウチは全力でそう叫んだ。

 

「……その通りっ!!!」

 

 気がつけば、胸にある三角の光が点滅しとることに気がついた。ブラックメガログラウモンも必殺技で倒すつもりや。

 

「────今やっ!!!」

 

『ラブリーアタック』をさらに大きくしようともんざえモンが後ろに下がったとき、ウチは全力で声をあげる。

 

 

 

「『アトミックブラスター』────っ!!!」

 

 

 

 ブラックメガログラウモンの胸から放たれる光線が、まっすぐもんざえモンに向かっていく。

 

「────っ、『ラブリーアタック』っ!!!」

 

 ────バリィン!!! 

 

 もんざえモンが急いで『ラブリーアタック』を飛ばすけど、ブラックメガログラウモンの光線が一瞬で『ラブリーアタック』を貫いた。

 

 

「ぐぉおおおおおおおおおっっ!!!」

 

 もんざえモンが飲み込まれていく。

 

 

「「いけぇえええええええ────っ!!!」」

 

 

 光線が少しずつもんざえモンを削っていき、

 

 

「…………」

 

 

 巨大なぬいぐるみはその場から姿を消した。

 

 

「……ウチらの」

 

「勝ちだ」

 

 

 ────ぱちぃん! 

 

 ブラックメガログラウモンと一緒にハイタッチをする。

 

 

 

 

「さあ、行こう……みなみ」

 

「行こうぜ、ギルモン」

 

 退化したギルモンとウチに背後から声をかけられる。

 

「────うん!」

 

「ああっ!」

 

 二人に答えて、出口の方へと歩いて行く。

 

 

 

(…………タイトくんのほうはだいじょぶやろか?)

 

 

 そんなことを思いながら。

 

*1
ルビー

*2
ウチ

*3
教授

*4
レナモン

*5
ギルモン

*6
ギルモン

*7
ウチ

*8
エアロブイドラモン

*9
ルビー

*10
エアロブイドラモン

*11
ルビー

*12
レベル:完全体 タイプ:パペット型 属性:ワクチン種 必殺技:『ラブリーアタック』

 すべてが謎に包まれているデジモン。見た感じは、そのまま熊のぬいぐるみで、背中の部分にチャックが付いているところから、中に何者かが入っているという噂。この可愛らしい(目が恐い)体から溢れる愛で敵を包み込んで幸せな気持ちにしてくれる。必殺技はハートを飛ばす『ラブリーアタック』。

*13
レベル:完全体 タイプ:サイボーグ型 属性:ウィルス種 必殺技:『ダブルエッジ』 『アトミックブラスター』

「巨大なグラウモン」の名前を持つ、サイボーグ型の完全体デジモン。ブラックと名のつく通り、ウィルス種の性質をより濃く表しており、「黒い破壊竜」とも呼ばれている。その名の通り体は大きく巨大化しており、上半身は超金属“クロンデジゾイド”でメタル化されている。両肩に付いている2基のバーニアで飛行することもでき、対空・対地攻撃の両方が可能である。有り余るパワーで暴走するのを抑えるために、顎の部分にクツワのような拘束具を着けている。また背部の部分から帯のように伸びる「アサルトバランサー」は伸縮自在で、敵を貫き刺すこともできる。得意技は両腕の「ペンデュラムブレイド」で敵を切り裂く『ダブルエッジ』。必殺技は両胸の砲門から原子レベルで敵を破壊する『アトミックブラスター』。






「ふっふっふ」


目の前にいる立つピエモン。その顔には不適な笑みが浮かんでいる。

「……くっそ」

『拙者』は数メートル先の敵に片膝をつき、見上げている。

「まだ……まだだ、ユイっ!!!」

『拙者』の背後で守られているタイト氏(パートナー)はこう言ってくれてるのですが……

「さあ立て、ユイと名付けられたケモノよ。お前の主人の声が聞こえないのか!!!」

(……冗談キツイのですぞ)

ほぼ万全の敵になすすべなく、動きを封じられてしまっている。


敵は複数。

それも狙うのは拙者ではなくタイト氏。

問題のタイト氏は、前回の戦いでまともに動くことすらままならない。


「ーーーーどうした、これでもう終わりか?」


ピエモンの目が怪しく光る。

「……冗談っ……言うな、ですぞっ!!!」

『拙者』の両方の羽には(トランプソード)が突き刺さり、自身の武器は敵に奪われている。

「まだ、『拙者』は負けておりませぬ!!!」

絶対絶命の状況に諦めたくもなる。

(だけど、俺は負けられないんだ!!!)

だけど、目の前の敵から逃げる手段だけでも、考えなければならない。

(あの二人がっ!!!)

思い出すのは『1体』の背中。

自身の目の前に現れた、夜空色の光を吹き飛ばし、闇夜の世界すらも煌々と照らし輝く白き騎士。

その姿に『オメガモン(主人公)』を魅せられたのだ。

(『俺』には物語の『脇役』風情が役にあっている)

鼻からあの二人に対して、タイト氏の隣に立つには『拙者』は役不足だったのだ。

「……立ち上がって来るか」

ピエモンが驚いた顔をする……立ち上がって来いって言ったのは、貴様なのですぞ。

「あの二人がいない以上、このお方を死なせるわけにはいかないのですぞっ!!!」

テト殿とシン殿との辛かった修行の日々……それに比べれば立つことなど、たやすきことの一つでしかない。

「……あの二人が誰かは知らないが……笑止っ、貴様如きに主に力を与えられた『我ら』に敵うわけなかろう!!!」

現れる成熟期のデジモン達。その腕には『拙者』から奪った『伊由太加の剣(いらたかのけん)』が二振り収められている。

(……これは、タイト氏を逃がすべきか?)

背後にいるタイト氏は逃げられる程体力が戻っている訳ではない……それでも、今の『拙者』といるよりかは遥かにーーーー



「さあやれ、(シモベ)達よ。奴らを『主』様へ捧げるのだ!!!」



ピエモンのその号令と共に、デジモン達が押し寄せてくる。

(迷ってる暇なんてない!!!)

すぐに臨戦態勢を整え、自身にできうる限りの時間を稼ぐことを自身のテトとシン(主人公)に誓う。


「タイト氏、逃げろっ!!!」

「ーーーーユイっ!?」


タイト氏の悲鳴が聞こえる。

(……ああ、『拙者』もこれまでか)

自身に向かう伊由太加の剣(いらたかのけん)の鋒が目の前にある。もうすぐ自身の首が切られるというのに、その心は晴れやかであった。

(少しでも時間が稼げたのだろうか?)

『拙者』が死ねば、あの方はすぐに気がつくだろう。タイト氏を守る為にやってくるだろう。


「ーーーーっ!!!」


その瞬間、『紅色』が弾けた。
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