産まれた推しの子の電脳物語   作:阿後回

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……夢を見る。

夢をみる。

夢を()る。


悪夢(ゆめ)知った(みた)


(お◼️)はなにがしたいんだっけ?


第七話 四聖獣 バイフーモンvs聖騎士 デュナスモン 『揺るがぬ忠義』

 

「────デュナスモン」

 

 目の前に立つ白い竜。

 今までのゴツかった見た目とは打って変わって、スマートな竜人へと姿を変えていた。

 

「ルビー」

 

 ただ、その瞳の色だけは変わることはない。

 

「勝つよ」

 

「うん」 

 

 目の前にいる白虎に立ち向かうのであった。

 

 

「……話は済んだか?」

 

 ルビー/デュナスモンを見下ろすバイフーモン。

 

「うん」/「ああ」

 

 私達/俺達は頷く。

 

 

「────ではっ!!!」

 

「行こうっ!!!」/「やるよっ!!!」

 

 

 戦闘を開始する。

 

 

 

「『金剛(こんごう)』」

 

 戦闘の開始を宣言するように、バイフーモンの口から巨大な咆哮が響き渡る。デュナスモンは攻撃だとは思わずそのまま直進……そのときっ、

 

 

「────避けてっ!!!」

 

 

 ルビーの声が響き渡り、デュナスモンは投げつけられた咆哮(音の塊)を右に大きく避ける。

 

「……、────なっ!?」

 

「……やっぱり」

 

 背後の壁が凹んだ後、金属へと変わり果てた。

 

「……ふむ、避けたか」

 

 バイフーモンは一撃でデュナスモンを仕留めるつもりだった。だから、ルビーとデュナスモンには気絶した後(見せていなかった)に出した必殺技で不意打ちをしたのだ。

 

「……あいつっ!?」/「怒ってる場合じゃないよっ!!!」

 

 ルビーは咄嗟にデュナスモンを諫めた。

 

「……ルビー?」

 

 デュナスモンは振り返ると、

 

「周りをよく見て」

 

 ルビーが天井を指さしてるのが見えた。

 

「ガブモンが戦った跡をがあるでしょ、それをよく見て戦ってっ!!!」

 

「────っ、わかったっ!!!」

 

 空を飛んでいくデュナスモンに対して、ルビーはふんぬっと怒ったような、呆れたような表情で見送る。

 

(……あの娘)

 

 最初に戦った時は、『金剛(こんごう)』を出す必要すらなかった相手であった。

 

 手足を振り下ろし、ただ咆哮をあげるだけで体が硬直し、動けないところに体当たりをして気絶させた。

 

 そんな、弱い少女が……

 

 

(それが、周りをよく見ておる)

 

 

 この場において、全ての状況を理解し、相方に指示を出している。ただ、それだけで、デュナスモンがバイフーモンの攻撃を凌げているのだ。

 

(────あの娘が奴の力かっ!?)

 

 バイフーモンは戦慄し、警戒レベルを上げる。

 

 

「ルビーくんっ、あの技に当たると────

 

 

 先程まで戦っていた翁が警告しようとするが、

 

「だいじょぶだよ、教授(きょーじゅ)っ!」

 

 笑顔でその言葉を止め、

 

 

「────ぜったい、勝つから」

 

 

 瞬時に真剣な顔でバイフーモンを睨んだ。

 

(────っ!?)

 

 対策をと体が動く……が、

 

 

()()()()()()()

 

 

 目の前に、白の竜騎士が立ちはだかった。

 

「────っ!?」

 

 バイフーモンは頭が混乱し、状況が飲み込めない。

 

 

「あんたの相手は俺だっ!!!」

 

 

 手の中に溢れる強『風』……それがエネルギーへと変わり、暴風の『弾』へと姿を変化させる。

 

『ドラゴンズロア』

 

ロイヤルナイツ(イグドラシルの聖騎士)』デュナスモンの得意技であり、相手を『(必ず)(殺す)(手段)』。その一撃がバイフーモンの顔面にぶち当たった。

 

 

「────っ、ぐうっ!?」

 

 

 風が毛皮を、皮膚を切り裂き、バイフーモンに傷を与える。

 

(これならっ!? これなら、もしや……っ!?)

 

 バイフーモンは思った。

 

(あやつに勝てるかもしれんっ!?)

 

『主』に勝てるやもしれない……と、

 

 

「────どうした? かかってこいよ」

 

 

 腕を組み宙を飛び、跪くバイフーモンを煽る竜騎士。

 

「ふんっ、若造に言われる筋合いはないわ」

 

 その姿に先ほど思っていた考えを取り消し、バイフーモンは立ち上がる。

 

 第二ラウンドの開始だ。

 

 

「デュナスモンっ!!!」/「わかってるっ!!!」

 

 デュナスモンはバイフーモンとその上に位置する天井へと視線を向けた。

 

(……なんで、あんなところが『固く』なってる?)

 

 天井の至る所に金属の凹みができている。

 

「『金剛(こんごう)』」

 

「────っ!?」

 

 バイフーモンの『金剛(こんごう)』を咄嗟に避け、

 

(……ん?)

 

 気になるものを発見した。

 

「……外したか」

 

 さらさらと音を鳴らしながら、先程『金剛(こんごう)』が当たった場所から金属の破片が落ちていく。

 

(バイフーモンの必殺技が当たった場所が凹み、金属に変わる)

 

 凹んでから、金属に変わっている。

 

(ここはドクグモンと戦った場所ぐらいの大きさしかない)

 

「『金剛(こんごう)』」

 

「────よっ!」

 

 バイフーモンの攻撃を、

 

「『金剛(こんごう)』っ!」

 

「はっ」

 

 デュナスモンデュナすまんが天井に向かって避ける。

 

「『金剛(こんごう)』!!!」

 

「────とうっ!!!」

 

 そして、デュナスモンが天井に近づくたび、『金剛(こんごう)』とデュナスモンとの間にある空間が広がっていく。

 

 

「────くっ!」

 

 

 うまく当たらないことに悔しがるバイフーモン。その姿を見て、デュナスモンはとある事実に気がついた。

 

 

(バイフーモンにとってこの場所は邪魔でしかないんだっ!?)

 

 

 デュナスモンの身長がだいたい3メートル前後なのに対し、バイフーモンはその数十倍の体格を保持している。

 本来であれば、その巨体と巨体に見合わぬ超スピードで接近戦を挑みつつ、『金剛(こんごう)』による音波攻撃で圧倒するのがバイフーモンの戦い方である。

 

 しかし、バイフーモンの巨体が縦横無尽に動ける程、この空間は広くはない。そのうえ、天井とバイフーモンの頭と天井の間は5メートルもないのである。

 

 つまり、天井(バイフーモンの頭の上)は安全地帯なのである。

 

(……ここから一方的に攻撃すれば勝てるんじゃない────

 

 バイフーモンの頭の上にたどり着いたデュナスモン。そんな考えが頭に浮かぶ。

 

「────ならばっ!!!」

 

 だが、デュナスモンの悪どい考えを読んだのか体勢をルビーの方向へと向けるバイフーモン。

 

「────させるかっ!!!」

 

 デュナスモンは咄嗟にバイフーモンの頭の上から降りて、バイフーモンの『金剛(こんごう)』のエネルギーが溜まっている口の目の前に飛び立った。

 

 

「『『金剛(こんごう)』』」/「────っ、『ドラゴンズロア』っ!!!」

 

 

 咄嗟に放った『ドラゴンズロア』。

 バイフーモンの『金剛(こんごう)』と競り合い、押し合い、ぶつかり合う。

 

(力が弱いっ!?)

 

 デュナスモンが咄嗟に放った『ドラゴンズロア』とバイフーモンが十分な力を溜めて放った『金剛(こんごう)』。その力の差は歴然であり、少しずつデュナスモンが押され始める。

 

「────デュナスモンっ!!!」

 

 ルビーがいるのは遥か後方……しかし、バイフーモンの一撃が必殺になりうる位置にいる。

 

(このままだとルビーがっ!?)

 

 腕に力を込める。

 だが、結果は変わらない。少しずつ押され、後方へとずり下がっていく。

 

(どうすればっ……いや、これをどうにかするにはっ!!!)

 

『どうすればいい!?』……そんな言葉が頭の中を駆け巡った、その時であった。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 ふとそんなことが頭の中を巡る。

 

「『ドラゴンズロア』っ!!!」

 

 手の中に溢れる水の気。

 それを操り、『ドラゴンズロア』を変化させる。

 

「なんだとっ!?」

 

 バイフーモンの有利であった力がデュナスモンの優位に変わった。『金剛(こんごう)』を水が侵食し、泥のように溶けて沈んでいく。

 

(……これは!?)

 

 デュナスモンの頭の中を駆け巡る力の知識。

 

 

(『火』・『光』・『雷』・『風』・『氷』・『土』・『水』・『植物』・『鋼』・『闇』)

 

 

 力の根本は違う……だが、それらの力と知恵が自身に『闘』い方を教えてくれる。

 

「『水』の力はやがて『植物』に吸い取られ」

 

金剛(こんごう)』を飲み込んだ水流はやがて樹木となり、バイフーモンの口から順に、頭、前足、胴体、後ろ足、尻尾の順に絡み、拘束していく。

 

「動けんっ!?」

 

 バイフーモンが動けない程の力を得た樹木。

 

「『植物』は『火』に呑まれ、灰となり『土』へと帰る」

 

 それをデュナスモンは『火』の力を使い、バイフーモンを燃やし尽くす。

 

「燃えっ、……ぐっ、まだだっ」

 

 バイフーモンは自身を燃やす炎を振り払おうとするが、樹木が燃えたことで発生した灰は砂のように地面に積み上がり、デュナスモンの一手は完成する。

 

「『土』はやがて『金』となり」

 

 積み上がった灰が泥→鉄→『鋼』へと姿を変え、

 

()()()()

 

「ぐっ、ガァアアアアアア────ッ!!!」

 

 バイフーモンの毛皮に巨大な『鋼』の槍が貫いた。

 

「…………」

 

 デュナスモンが手を振り下ろし、『術』は解け、槍は朽ちて、灰へと戻る。

 

「……どうだ、これでわかっただろう」

 

 デュナスモンは完全に『聖騎士(おのれ)』の力を掌握した。

 

「……うぐっ、ぐぅっ」

 

 反面、バイフーモンは傷だらけになった体で再び立ち上がる。

 

「────まだだっ!!!」

 

 バイフーモンを立たせていたのは意地であった。

 

「まだ、私にも意地がある。

『あやつら』を封印した過去が、『あやつら』を封印してきた今が、これから来る『あやつら』を止めてくれる『誰か』を待つ未来がここにあるのだっ!!!」

 

 辿ってきた過去が、築いてきた今が、望む先にある未来が再びバイフーモンに力を与える。

 

「だからっ、……だから、貴様らには負けられんのだっ!!!」

 

()()()()()()

 バイフーモンの口にした言葉の重みは、果たしてどのような意味があるのかは、今のデュナスモンにはわからない。

 

「…………」

 

 だが、全力で応える為、全霊の力をその身に集める。

 

「トドメだ」

 

 

 

「『ブレス・オブ・ワイバーン』」/「『金剛(こんごう)』っ!!!」

 

 

 

 技と技がぶつかり合う。

 デュナスモンが使ったのは、今まで闘いに使ってきた小手先の技ではなく、デュナスモン本来の力『飛竜』の力そのものであった。

 

(負けられぬっ、負けるものかっ!!!)

 

 バイフーモンも全力で技を放った。

 デュナスモンの『ブレス・オブ・ワイバーン』と拮抗した『金剛(こんごう)』は少しずつ押し潰されていく。

 

「…………」

 

 それは紛れもなく意地であった。

 バイフーモンの中にある意地が、千年ここで『封印』し続けた意地が、未だかつてないほどの力で、デュナスモンの力を抑え続けている。

 

「……終わりだ」

 

 だが、それも時間の問題であった。

 

「ぬぉおおおおおおおおおおお────っ!!!」

 

 バイフーモンは飛竜の力に呑み込まれ、その意地を挫いてしまった。

 

(……そうか、こやつらなら)

 

 だが、その顔は怒りによるものではない。

 

(あやつを止められるかもしれぬな)

 

 晴れやかな顔で、その場に崩れるのであった。

 

 

 

「デュナスモン」

 

 背後からルビーの声が聞こえてくる。

 

「……こいつ、最後に笑ってた」

 

 倒れたバイフーモンを見て、俺はただそう言った。

 

「なんで、なんでこいつは笑ったんだ?」

 

 わからなかった。

 あいつの思いがわからなかった。

 

「あれだけ、『『自分』で『主』を倒したい』って思いがあって、『仲間と共に止めたい』って気持ちがあって……なんで、なんでこんなふうに笑っていられるんだ?」

 

 俺にはわかっていた。

 友達を止めたいって、自分の手でなんとかしたいって……本当にそう思ってるこいつの思いがわかったっていうのに……

 

「俺にはわからないんだ」

 

「…………」

 

 

 

 [()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 背後から鈴のなるような高い子供の声が聞こえてくる。

 

 

「「────っ!?」」

 

 

 ルビーと一緒に後ろを振り返る。

 

 [初めまして、私の名……いえ、それは入りませんね。私はそのケモノの友です]

 

 ルビーとは違う……変な格好。

 手先まで伸びた袖に頭でっかちな帽子、動きづらそうな服で歩く塩顔の少年を見て、また変な格好だと思う。

 

「……昔、……教科書に出てきた貴族の服?」

 

 ルビーのその言葉から、『主』を封じた存在だとわかってしまった。いつでも攻撃できるように、拳を握る。

 

 [ああっ、警戒しないでください。私は貴方方の言い分を承りに来ただけですよ]

 

 その様子を見て、焦る『貴族』? 

 

(……)

 

 だけど、俺には聞きたいことがあった。

 

「……ねえ?」

 

 先にルビーが貴族? に聞く。

 

 [どうかされましたか? ]

 

 貴族? ……は、ルビーに向かって笑顔を向ける。

 

 

「なんでバイフーモンは、いきなり私達を襲ってきたの?」

 

 

(……そういえば)

 

 なんでいきなりバイフーモンは襲ってきたんだろう? 

 

 […………]

 

 貴族? は笑顔で黙ったままだ。

 

「最初から疑問に思ってた」

 

 ルビーは貴族? を睨みつける。

 

「外に出られないはずのバイフーモンが、外にいた『主』の手下みたいに私達を見ていきなり襲ってきた」

 

「おい、ルビーっ!?」

 

 さすがに……それは、暴言……? 

 

 いきなり振り下ろされた前足。

 

 巨体で押しつぶされた体当たり。

 

 ルビーに向かって放った『金剛(こんごう)』。

 

 ……とも、思えなかった。

 むしろ、ドクグモンやアルケニモンの方が楽だったかもしれない。

 

「あなたなんでしよ……バイフーモンをけしかけたのは」

 

 ルビーの確信を持ったその言葉……

 

(……ルビー)

 

 心配になり、貴族? のほうを向くと……

 

 […………]

 

 瞳を閉じた後、

 

 [すごいですね。当たっています]

 

 笑顔で貴族? はそう言った。

 

「────なんでっ!?」

 

 貴族? は静かに語り始める。

 

 

 

 [始めは、『彼』の力が突如世界に現はれたことが原因でした]

 

 [今より少し昔、『彼』は巫女の力を持つ者の『魂』を手にし、力を得ました]

 

 [多くのケモノを従え、人の子を喰らい、力を手にし、世界を支配しました]

 

 [ただ、巫女を完全に手に入れることができなかったのか、中途半端に力を手にしただけで、『我等』に届く爪も牙も存在はしませんでしたがね]

 

 [数日前、突如『彼』は現世に蘇ったのです]

 

 [私達は終わりを悟りました]

 

 [『巫女』の力を手にし、世界の『理』を支配し……やがて、我等を倒し完全な復活を遂げるのだと、理解しました]

 

 [……その考えはすぐに覆されましたが]

 

 [ですが、そのすぐ後に、『彼』の手から巫女の力は離れ、より強固な『封印』に封じられました]

 

 [我等はすぐに理解しました]

 

 

 [『彼』を倒す者/『彼』を知る者が現はれたと]

 

 

 [だから、ここに貴方方が来た時、力を試させていただいたのです]

 

 

 笑顔でそう言った貴族? 

 

「…………」

 

「…………」

 

 全部、全部当たってた。

 タイトが持っていた知識で対策を考え、封印を強固にする為の策を弄し、ルビー達はその作戦で『主』を退けた。

 だからこそ、それをみていなかった目の前の人間に理解されてた事に俺達は唖然としている。

 

 [そのように難しい顔をしないでください。貴方方だから、『私』は『彼』託せるのです]

 

 少し寂しそうに……それでも笑って言う貴族? 

 

「……『彼』って言うのは」

 

 わかっていても、ルビーは聞いた。

 

 [『主』のことです]

 

 [我等は世を憂い、現世を救う為、この世界へと旅立ちました]

 

 懐かしそうに、それでも寂しそうに貴族? は話す。

 

 

 [『彼』もその一人であり……我等の首魁のような立ち位置であったと……いえ、今でも『私』はそう思っています]

 

 [だから、裏切られた時、あんなにも悲しかったのでしょう]

 

 [……結局我等は『彼』を封じることはできても、殺す(止める)ことはできませんでした]

 

 

 昔、昔の『主』の話。

 

「あんたは……あんたは自分の手で倒したくはないのか?」

 

 そこでしか聞けない……と、俺は思った。

 

 [……ないと言ったら嘘になります]

 

 後悔と寂しさと……そして、

 

 [ただ、もう一度『彼』と戦うことはしたくありません]

 

 諦観で貴族派言う。

 

「友達だから?」

 

 そう思った。

 

 [……友だからです]

 

 貴族? も笑ってそう言った。

 俺の知りたいことはそれだけでよかった。

 

 

「私達はあなたの仲間に会うつもり……です」

 

 [はい]

 

 ルビーの言葉に貴族? が頷く。

 

 

「説得して、『彼』の封印を解いてもらうつもりです」

 

 [わかってます]

 

 俺達がここに来た目的も、彼は知っている。

 

 

「最初の……封印がひとつ解けた時に、すぐにここの封印を解いてもらってもよろしいですか?」

 

 イグドラシルが言った作戦。

 

『万全の状態になったら、封印を解いてもらう。

 そうすれば、他の封印してる四聖獣にも状況が伝わるだろう。そこから、すぐに全ての封印を解けば……本物の『主』と戦える』

 

 本物の『主』と戦う為に、貴族? から認められなくちゃいけない。

 

 […………]

 

 貴族? は少し悩んだあと……

 

 

 [後は、託しましたよ]

 

 

 笑顔でそう言った。

 

「ハイっ!!!」/「大丈夫だっ!!!」

 

 そうして、貴族? は霧のように消える。

 

「……話は終わったかな?」

 

 教授が後ろからやってきた。

 

「……うん」

 

「それじゃあ、戻ろうか?」

 

 そう言って、遊園地から出て行ったのであった。

 





「……あーあ、本当に究極体に進化するなんて」

思ってなかった……とは言うつもりはない。
その為にわざわざ手助けをして、その為にわざわざヒントまで与えた……ただ、


()()()()()()()……()


聖騎士の力に覚醒したブイモン。その力は既に千年以上封印を維持してきた四聖獣を凌駕していた。

「……あれが原因か?」

タイトが食べさせていた『ミラクル肉』。
タイトの記憶を読み取ると、デジモンの中に存在する『素質』・『才能』と呼ばれるステータスを底上げする特殊な食べ物として、認識されていた。そして、それをタイトが信じて、

「僕は信じなかった……と」

願掛けに近い妄言だと思っていた。だが、実際には違った。

「……メギドラモンに、デュナスモン」

実際の成功例は目の中に情報として描写される。

「…………」

そして、現実は四聖獣に勝利していた。


「……ハァ、認めるしかないか」


事実として、ルビーとブイモンは四聖獣に勝利した。

「……当の本人は」

タイトとの繋がりを確認する。

「苦しんでるねぇ」

苦しみ、痛み……そして、『精神を削る』。
本来であればひとつひとつがトラウマになり、大きな傷を受けたはずの経験をなんども、なんども繰り返し、タイトの『(データ)』を取り戻させる。

「ーーーーはぁ」

削られたぶんだけ、魂は肉付き、より輝かしい光を放つ。

「……こんなに生き急いでどうするんだろう?」

イグドラシルは悪夢(かこ)を憂う。

人もデジモンも変わらない。

善も悪も、

好きも嫌いも、

罪も罰も、

ただ、出逢った間が悪かっただけなのだ。

出会った相手が悪かったのだ。


ただ、それだけで世界の運命は左右される。


今は二人の少女で、

未来は一人の少年に。
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