産まれた推しの子の電脳物語   作:阿後回

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ピンク色の髪の少女の横に立つのは、漆黒の騎士。

全体的に黒に染まりつつも、灰色の鋼が光を反射して煌めく。宵色のマントが彼女の前ではためいている。

「チンロンモンッ!!!」

騎槍を青の竜へと……主君の敵に向かい、『カオスデュークモン』は狙いを定め、宣言する。

「千年……仲間と共に『主』を封印し続け、この世界を守り続けていたことは認める……」

ギルモンとして思っていた蟠り、聡明になった『()』の姿なら言葉にできる。

「……だがっ!!!」

タイトから話を聞いて、思ったこと……それは、怒りに変わり、力に変わる。

「貴様等は千年間、『主』相手に綻びる可能性のある封印を続けるだけで、他の対策をうたなかったっ!!!」

こいつらは千年間、なにもしてこなかった。

「ひとつ……千年間、この世界に住むデジモン(ケモノガミ)を恐怖に陥れたこと」

この世界に産まれて恐怖して来た者達……誰も彼もが『好きで』『主』に仕えていたわけではない。アルケニモンやメガシードラモンのように、世界を救えると狂信し、付き従っていた者達だって存在した。
『主』の言いなりになるしか、ケモノ(デジモン)達には選択がなかったのだ。それをチンロンモン達は『千年間』封印するだけで、なにも対策を打っていなかった。
それはまさしく『怠惰』としか言いようがない。

「五十年前、とある『少女』を……いや、『主』に喰われ続けた子供達を助けなかったこと」

ケモノの(この)』世界は、この世界に突然連れてこられ、命を狙われ続けたことで生まれた少年少女達の嘆きで、『主』が力を取り戻していた……いくらの子供達とケモノ(デジモン)が犠牲になったのだろう。
こいつらの『怠惰』で多くの者達が犠牲になったのだ。

「……そして、」

『足下』を見る。

巨大な焦げ跡が地面にいくつもの花を咲かせていた……このことから、ギルモンは……カオスデュークモンが思ったことは、


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目の前にいる『敵』へと『闘争心』を向けた。


「このカオスデュークモン。絶対に許すわけにはいかない!!!」


許せるはずのない敵であることがわかった。

「許せないからなんなのだ? 弱者から狙うのも定石だ。それがいったいどうしたのだと言うのだ……その文言派勝ってから言ってほしいものだな」

呆れるように、……または、恨まれるようにチンロンモンは、わざと言葉を発する。


「……所詮ケモノでは、『()』には勝てん」


……そして、

「ミナミ、下がってくれっ!!!」

「わかったっ!!!」



「うぉおおおおおおおおーーーーっ!!!」



暗黒騎士は走り出したのだった。


第十話 宵明かす光、天穿つ 暗黒騎士カオスデュークモン

 

「サクヤモン、ミナミを頼んだっ!!!」

 

「────待てっ!?」

 

 サクヤモンの横を通り過ぎるカオスデュークモン。その速さは既にチンロンモンの真下へと辿り着いている。

 

「待てと言っても待つ奴やないよ」

 

 いつのまにかミユキの隣にいる寿みなみ。手元にある機械? をなにやら弄っているみたいだが……、

 

「……なにをしてるんですか?」

 

 ミユキはその様子が気になったのか、寿みなみの手元を覗き込んだ。

 

「カオスデュークモンが戦ってるんや……なら、やるべきことはやるやろ」

 

 ……たしか、『デジヴァイス』……だったか? 

 タイトからもらった『初代デジヴァイス』と『デジヴァイス』を紐のような物で繋ぎ合わせている。

 

 

()()()()()()()()() ()()()

 

 

 男性の声とともに、カオスデュークモンの名前が聞こえてくる。

 

「おっ、出た出た」

 

「────っ!?」

 

 ……っ、これはっ!? 

 

「ウィルス種、必殺技は右手の魔槍から繰り出す連続攻撃『デモンズディザスター』と左腕の魔盾から相手を腐食させる光を放つ『ジュデッカプリズン』」

 

 カオスデュークモンの詳細な情報が、空に浮かんだ絵? のように半透明に映し出される。

 

(以前、タイトが見せた機能かっ!?)

 

 以前、タイトが初代デジヴァイスの機能を説明したときに、使用した機能のひとつだ。デジモンを指定すれば、詳細を知ることができる。

 

 

「これで相手の情報は丸見えや!」

 

「────すごいっ!?」

 

 

 タイトが使用した機能を寿みなみが現状を打破する為に使用した。

 

(これならいけるっ!!!)

 

『情報を制する者は戦いを制す』……昔の偉い人間が言った言葉だ。敵を知り己を知ることで、戦いを有利にできる。

 

 そして、カオスデュークモンを知った後は……

 

「チンロンモンはどうなんですかっ!?」

 

「調べるでっ!」

 

 チンロンモンの番だ。

 

「チンロンモン 究極体」

 

 チンロンモンを指定し、情報が耳に届いてくる。

 

 

()()()()()

 

 

 ────んっ? 

 

 不穏な言葉が耳に入った。

 そう思いながら、カオスデュークモンとチンロンモンのほうに意識を向けると……

 

 

「────ウリャァアアアアッ!!!」

 

 チンロンモンに向かい全力で跳ぶカオスデュークモン。

 

「────ふんっ!」

 

 それに向かって蒼色の雷が降り落とされ、

 

 

「……ぐっ、グガァアアアアア────ッッ!!!」

 

 

 カオスデュークモンに雷が命中し……地面へと叩きつけられる。

 

 

「────まだだっ!!!」

 

「ふんっ!!!」

 

「ウガァアアアアアッッ!!!」

 

 

 上空からなんどもなんども降り落とされる雷。繰り返される現実……そして、

 

 

「必殺技は天空より激しい雷を落とす、神の怒り『蒼雷(そうらい)』」

 

 

 それを言葉で表す初代デジヴァイス。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

「……これって」

 

「……ああ」

 

「……どうやって、戦えばええんや?」

 

 

 私達三人は顔を見合わせ、頭を悩ませた。

 

 

 カオスデュークモンは焦っていた。

 

「────ウリャァッ!!!」

 

「………… 『蒼雷(そうらい)』」

 

「────ッ、ぐっァ!?」

 

 全力の跳躍……それが、なんどもなんども阻止され、チンロンモンの『蒼雷(そうらい)』によって叩き落とされている現状に。

 

「……どうした、そんなものか?」

 

「……まだだっ!!!」

 

 チンロンモンに呆れられ、見下されている。

 

(……っ、空さえ飛べればッ!!!)

 

 進化前であれば今より遥かに遅く、今より細やかに動くことができなかったとしても、空を『飛ぶ』ことができた。

 

 しかし、今の自分には『跳ぶ』ことはできない。

 

(どうすれば、どうしたらあいつに……チンロンモンにこの槍が届く?)

 

 カオスデュークモンは……自身の、完全体であった頃のメガログラウモンとの身体的なギャップに頭を悩ませていた。

 

(……当たれば、倒せる)

 

 希望はあった。

 

 今のチンロンモンは結界(決められた空間)でしか戦うことはできない。カオスデュークモンが跳ぶだけでも攻撃が当たるぐらい行動が制限されている。

 

 もし、これがなにもない草原のような場所だったら、カオスデュークモン自身の攻撃が当たらないぐらいの高さまで空を飛び、遙か上空から一方的に雷を落とされていただろう。

 

 現状、チンロンモンにとっても戦いやすい戦場ではないことは間違いない。

 

 そして、左手にある盾を…… 魔盾『ゴーゴン』見て、希望があることを自覚している……だが、

 

 

(それをするには『時間』がないっ!!!)

 

 

 チンロンモンによる『蒼雷(そうらい)』は、『今』の自分がなんども受けて耐えられる威力の技ではない……むしろ、最初よりも動きが鈍くなっていることから、まともに受ければ命もないような一撃だ。

 

 そして、『ゴーゴン』の技を放つには時間がかかる。

 

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 

「────くっ!?」

 

 宙空から連続して放たれる『蒼雷(そうらい)』。避けながら当てる術を考えても、一向に思いつかない……むしろ、カオスデュークモンの体力が削られていき、逃げる術が減っていく気がする。

 

 ……それでもっ、

 

 

(────ミナミっ!!!)

 

 

 ミナミに攻撃が当たらないように自身に注意を向けるようチンロンモンの意識を誘導させていた。

 

 ミナミに注意が逸れないように、ミナミから全力で離れるぐらいしかできなかった。

 

 よろける体が地面に倒れようとも立ち上がるんだ。

 

 

「……まだ、……まだ、だ」

 

 

 体力は限界に近い。

 それでも、戦うと……それでも、と、チンロンモンへと槍を向ける為に立ち上がる……そして、

 

「……ふむ」

 

 

 チンロンモンは考え込むようにこちらを見る。

 

 

()()()()()

 

 

「────っ!?」

 

 チンロンモンの呆れるような視線……期待外れだというような視線を向けられた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 そう言って、後ろを……、たしかあそこにはっ!? 

 

 

「────っ、ぁっ!?」

 

 

 黄色のデジモンがいるはずだ。

 

「やめろ」

 

 そこには白の少女がいるはずだ。

 

「やめろ」

 

 ピンクの髪の少女が…………

 

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 

 

「やめろぉおおおおおお────っっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()

 

 

 ぺしん、……と音が鳴った。

 

「……、?」

 

 頭が叩かれた? 

 

 いったい、誰に? 

 

 ……でも、この声はっ!? 

 

 

「────、なぜここにいるっ!?」

 

 

 チンロンモンは驚愕で声を上げる。

 

 

「んなモン、決まっとるやろ」

 

 

 そして、その驚愕の視線を向けられた持ち主は、

 

 

「カオスデュークモンと一緒に」

 

 

 その特徴的なピンクの髪を揺らしながら、

 

 

「お前を倒す為や」

 

 

 チンロンモンへと指を指したのであった。

 

 

 

「……ミナミ、ここは危ない」

 

 カオスデュークモンに当たり前のことを言われる。

 

「わかっとるわ、そんなこと」

 

 んなモンわかっててここにおるに決まってるやろ。

 

「本当に危険なんだっ、早く後ろに下がって────っ」

 

 必死になってそう言うカオスデュークモン……でもな、

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「────っ!?」

 

 

 あんた負けそうになっとるやないか。

 

「────そんなことっ!?」

 

 …………、言い返そうとして、言葉が止まるカオスデュークモン。

 

「……そんなこと?」

 

 ウチは聞く。

 

「…………」

 

 カオスデュークモンは黙って目を逸らした。

 

(…………)

 

 目が合う位置へと歩いて移動する。

 

「ないって言えるか?」

 

 ウチは目を合わせて……今度は目を逸らさないように顔を両手で掴んで離さんようにする。

 

「…………」

 

 カオスデュークモンはそれでも答えない。

 

「────ハァ」

 

 その姿に呆れてもうた。

 

「なぁ、カオスデュークモン」

 

 手を離して、今度は目線がしっかり合うように、その場にしゃがみ込んだ。

 

 

「このままやって、勝てるんやったらなんも言わん……やけどな」

 

「…………」

 

 

「このままやって勝てるんか?」

 

「…………」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……サクヤモン」

 

「強くなったのはわかる……だが、それだけでは奴には勝てない」

 

 

 …………。

 

(余計なこと、言うなや。ウチが今しゃべっとるやろ)

 

 ウチが言いたかったのに……。

 

「…………」

 

 カオスデュークモンの目に光が灯った。

 

「……一緒に戦おう」

 

「わかった」

 

 

 

「貴様等っ、どうやって……あの場から逃れたっ!?」

 

「んなモン、決まっとるやろ」

 

 遠くに見えていたミナミ達が消える。

 

「……偽物?」

 

 炎が揺らめいて、そこに霧散するように消えていった。

 

「サクヤモンが術で光を操って、人がいるようにみせかけたんです」

 

「こんなふうにな」

 

 サクヤモンの手のひらには光が集まって、小さなミナミが出来上がった。

 

「────っ!?」

 

「────なっ!?」

 

 驚愕……そして、

 

「さて、反撃していくでっ!!!」

 

 その声に釣られるように、体を立ち上がらせた。

 

 

 

「奴のする技はわかっとるな!!!」

 

 指示はもう出してある。

 

「────はいっ!!!」

 

 ミユキちゃんはその掛け声とともに、サクヤモンはその声に従うように、

 

 

「サクヤモンはそのまま守りを固めてっ!!!」

 

「『金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)』」

 

 

 黄金の結界をウチらの目の前に貼った。

 

 

「カオスデュークモン」

 

「できる限り補助してやる」

 

「だから、奴に一発かましてこい!!!」

 

 

「────わかった!!!」

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 蒼色の雷が目の前の結界(かべ)に当たる。

 

 

「相手をよく見るんや!」

 

 

 ウチはカオスデュークモンに聞こえるように、

 

 

「サクヤモンっ!」

 

 

 ミユキちゃんはさっき考えた指示通りに、サクヤモンに声をかける。

 

 

「『蒼雷(そうらい)』」

 

 チンロンモンの放った蒼色の雷。

 

「『飯綱(いづな)』っ!」

 

 それをサクヤモンの放った幾つもの『青色の狐』が雷を飲み込み、巨大な龍へと変わる。

 

「『蒼雷(そうらい)』が飲み込まれただとっ!?」

 

 

「『飯綱(いづな)』……その狐は私の術で水の力が宿っている。生半可な『蒼雷()』では私の術は通さない!!!」

 

 

「返すぞ」

 

 

 サクヤモンの指示とともに、チンロンモンに向かって青き龍は迫っていく。

 

「────くっ!?」

 

 チンロンモンは上空へと逃げようとするが、天井に阻まれて思うように動けない……そして、

 

 

「ぐっ、ァアアアアアアアアアアッッ!!!」

 

 

 チンロンモンに『初めて』攻撃が当たったのだった。

 

「……うっ、ぐぅ」

 

 チンロンモンは痛みに唸るように、身を捩る……だから、

 

 

()()()()()()()()()()!!!」

 

 

 その背に乗ろうとする『宵色の影』に気づくことはできない。

 

「よしっ、チンロンモンに乗ったっ!」

 

 チンロンモンの背中の上に乗るカオスデュークモン。そして、その右腕にある魔槍が『バルムンク』が光る。

 

「『デモンズディザスター』っ!!!」

 

「がぁあああああ────っっ!?」

 

 チンロンモンの背中に大きく突き刺さる『バルムンク』。まさしくそれは楔となって、チンロンモンの背にカオスデュークモンを固定していた。

 

 

「────ぐっ、ぅうっっ、舐めるなっ!!!」

 

 

 チンロンモンは大きく身を捩り、カオスデュークモンを振り落とそうとする。

 

「────っっ、まだだっ!!!」

 

 だが、カオスデュークモンも負けてはいない。

 

「……盾が光った!?」

 

 逆転の手段を講じたのだと、ミユキちゃんのその言葉を聞いてウチはわかった。

 

「一つ目」

 

 時計が回るように、

 

「二つ」

 

 魔盾『ゴーゴン』は宵色の光を灯し、

 

「三つ」

 

 揺れる背の上で『存在感』を増していく。

 

「四、五、六、七」

 

 光が灯るごとに、その存在感は『異様な気配』を発していき、

 

「八つ」

 

「……溜まった」

 

 魔盾に光が完全に灯ったとき、空間を宵色で満たしたのをウチ達は見据えていた。

 

 

「『ジュデッカァーーッ、

 

             プリズン』ッ!!!」

 

 

 カオスデュークモンの盾から出る宵の光がチンロンモンに命中する。

 

 

「ギャァッ、アァアアアアアアアアアアッ!?」

 

 

 チンロンモンは大きな悲鳴をあげ、宙空でのたうち回る……その原因は、

 

 

「……皮膚が」

 

「溶けてる」

 

「表面を溶かす光……厄介なものだ」

 

 

 チンロンモンの背中から垂れ流れるグズグズに溶けた水色と黒色のなにかが、地面へと降り注いでいる。

 

「……まだッ、追い討ちだっ、『デモンズディザスター』ッ!!!」

 

「グガァアアアアアッッ!!!」

 

 バルムンクから放たれる連続の槍技。それが傷跡に再び深く突き刺さり、カオスデュークモンに攻撃の隙を与えていた……そして、

 

 

 

 一、ニ、三、四、五、六、七、八、……再び魔盾『ゴーゴン』に光が灯る。

 

「トドメだっ!!!」

 

 

「『ジュデッカ────っ

 

 

 

「────()()()()()()()っ!!!」

 

 トドメを刺そうとしたその時だった。

 

「…………」

 

 平安時代の貴族のような服装をした透明な少年。

 その少年が手を広げながら、チンロンモンとカオスデュークモンの間に挟まって、その身を盾にしている。

 

「……ぐあっ」

 

 チンロンモンは地面へと落ちて、動かない。

 

「…………」

 

「…………」

 

 その少年とウチは、

 

 

「……あんた、何者や?」

 

「私は……昔、この世界の『主』とともに日の本を救う為、旅立った者の一人ですよ」

 

 

 疑念を晴らす為に睨み合った。





「ーーーー」

「ーーーー」


幽霊の少年と少女達が話していた。

「…………」

サクヤモンのサポートがあったとは言え、チンロンモンを倒し、勝利した暗黒騎士『カオスデュークモン』。だが、イグドラシルのカケラの意識はそこにはない。

「……おかしい」

ただ一点、『平凡な筈の少女』に驚愕で目が離さずにいた。


()()()()()()()()()()()()()()()()、……()()()()()()()()()()()()()()()


完全(ほんらい)』の自分であれば、見抜けたであろう事実を見逃していた。
ただ、その事実に(処理能力)が追いついていないのである。

「適正値が高い? ……そんなものではない。もっと、……もっと頭のおかしい『才能』だ」

八神太一(主人公)のような『必然(運命)』もなく、星野アイ(メインヒロイン)のような『魅力(運命)』もない。

あるのは、ただ一つ、ないと思っていたはずの、


「『()()』」


あの場で……タイトよりも、アキハルやミユキよりも、ルビーよりも、……誰よりも才能のない少女のはずだった。

「……それが、」

魂に干渉し、

『揺るがぬ闘志』を呑み込んで、

戦いの場を支配して、


()()()()()()()()()()()()()()


彼女は、『才能』に満ち溢れている(世界に愛されている)

「……運命、なのか?」

「……必然、か?」

結論は、誰に問うてもわからない。

「はは、は」

『イグドラシル』自身のですらわからない。

「……まあ、いい」

「彼女の想い(ねがい)は『僕』の思想(ゆめ)に反するものではない」

タイト自身がハッピーエンドにつながるというのであれば、放置しておいても問題ないだろう。

人類が死滅しようが、世界など滅ぼうが、デジモンが消え去ろうが、『カケラ』である『(ぼく)』には関係ないことだ。

「問題はもうルビーか」

もう一人の少女とデジモンを思い出す。
彼女の目的は『僕』の思想に反するものだ。徹底的に……とは言わないまでも、ある程度の時間稼ぎはしておきたい。

「…………」

現状を考える。

「この世界はもう終わったようなものだ」

究極体が揃い、『デジヴァイス』が存在し、もしもの時の『保険』すら存在している……そして、

「タイトももうすぐ復活する」

彼の件は今回で問題は解決に向かうだろう……ならば、


「……終わったら、少しだけ『修正』をかけるか」
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