そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
恥ずか死した鬱憤を晴らすため、アタシはダンジョンに突撃した。雑魚じゃ釣り合わねぇって言われて恥辱を覚え奮起した原作ベルと比べて更に恥が倍プッシュなんよ。いやまぁ
そもそも59階層はシナリオ上の重要なポイントだろうから迂闊に立ち寄れないし。つーかあの芋虫っつーかキモ虫はロキ派の遠征時に51階層までは確認できて……50階層の本陣襲撃してたか。あれはレヴィスが指揮してたからか? むしろあの辺の動きは
以前58階層まで行ったときは既にアイズの魔法覚醒から数年が経過してたんだし、レヴィスが芋虫けしかけてもおかしくなかったんよな。そうしなかったのは……まぁ、火柱ボンバーしながら高速で走り回る謎の人型物体とか、溶解液が強みなキモ虫や植物っぽい食人花とは相性最悪っぽいか。むしろ接近すると爆発に巻き込まれるのに高速で突っ込んでくるとか誰が相性いいんだ。全身が
極彩色の魔石は確認しておきたいところはあるんだがな。
まーでも、それこそ
そんな考察にもならない雑な思考はさておき、ストレス発散に最適な
「私自らが出る!」
――XEXEXはいいぞ、っす
――じょ、冗談じゃ……
というわけで、実際にやってみた。
で、そいつらを引きずり回して時間を潰したら
そうなると今連れてる闘技場産のモンスターを各所で解放した場合、通常モンスターとも同士討ちするのかも気になるな。極彩色の魔石って改造品の存在を思えば、人間が使う範囲においては影響のない特性が闘技場産のモンスターやその魔石に備わってる可能性はある。闘技場産の魔石から絞り出せる魔力が少ないとしても、魔石自体に個体差があるから怪しまれる可能性は低い。つーかアタシだって今考えて初めて気にしたし。
強化種についても闘技場産魔石で育てたら魔力量の差でより多く食わせる必要があるかもしれんし、闘技場産魔石を食った事で闘技場特性とも言うべき性質を引き継ぐ可能だってある。その意味じゃエイジャたちに食わせる前に鑑定せんとな。
で、最後に景気良く内側に閉じ込めるお仕置き系の結界
で、少しずつ離れてたら
――
――大袈裟なんだよ
モンスターの備える感応性からか、ダンジョンの状態を説明してくれるエイジャたち。今、アタシの脳内ではぶつけた足の小指を保護するように手を添えようとするも片足立ちになった事で崩れたバランスを取ろうと
しかしアタシにも不自然で甲高い音は聞こえていた。ダンジョンが哭いたという事は、凶事の前触れでもある。エイジャとラピスを【
変化はすぐに訪れた。ヒビが入る不吉な音の発生源は……天井。
――エリック! 上田!
『ラピスが喋ったっす!?』
「落ち着け、最初から喋っちゃいンぞ」
細かくツッコミする余裕がないんでコントはさておき、現れたのは、紫色の骨。頭部は角を持ち、鋭い牙が見える。大きさは……インファント・ドラゴンとどっこいか? つーか頭の後ろ側に伸びたその角は何に対する備えなんだ。ビジュアル的な格好良さはあるけどよ。ちょっとダンジョンと話し合わなきゃねぇな?
つーか原作だとジュラ・ハルマーの出したら結論が……あかん忘れた。まぁ階層崩落させる規模だったり、
例えるなら待機状態の電池寿命を見るために耐久試験をしてる最中どこからともなく部外者がやって来て勝手にいじって消費量を変えちゃったからデータが無駄になっ……おえっ、めっちゃ邪悪だなアタシ。だが清々しい気分だ……普段から馬鹿高い出現率や
つーかジュラは一人で条件を割り出したって言ってたが、よく生き延びたな。ダンジョンってそんな甘いもんじゃねぇと思うんだが。まぁどうでもいいか。縁も所縁もない相手、仮に出会って敵対するならその場で殺せばいい。
つーかむしろ原作と違って例の悪夢が小規模だったから確認されてねぇのか。え、じゃあ何か、これ初観測? やっべやらかした感。いえーいウラノス君見てる~? 今からダンジョンの防衛機構ちゃんと濃厚接触しちゃいまーす! てか割とマジで大丈夫? 息してる?
まぁ原作のはそれぞれアストレア派と相討ち、ベルとリューのLv.4コンビに敗北。アストレア派は消耗してたのを除いてもLv.4が三人と3が八人と相討ちでしょ。事前情報なしなせいで魔法反射が刺さった事を踏まえれば……うん。まぁ、なんだ。総合的にはLv.5だけど長所の攻撃と速度はLv.6くらいって見ておけばいいかね。なんなら防御は魔法反射頼りのLv.3程度かもしれんが。
「とりま様子見なしで潰そう」
『了解っす』
――アナトリアの傭兵か。できる、と聞いている
生まれ落ちた骨は威圧感バッチリな咆哮を上げると、左右へ飛び跳ねジグザグの軌道を描きながら突っ込んで来た。
とはいえLv.6の動体視力だと普通に追える範囲。サイズを考えれば素晴らしい速度ではあるんだが、ぶっちゃけ抗争ラストで見たアレン未満でしかない。これだと力の方も抗争ラストのオッタル未満だろう……いやまぁそんだけあったら大体の冒険者を防御の上からでも一方的に殺せるんだが。
「速いってのも考えもンだよなァ」
『盛大な自殺だったっすね』
――無謀だったな、アナトリアの傭兵
はい、ダマ鞭を形状変化させて仕掛けた
小竜サイズがメディシンボールくらいのサイズに圧縮されるのは、こう、前世で見た戦争をテーマにした作品の親が骨壺の形で帰って来たってやつを思い出すな。あれは遺体がなかったから中身が石ころだったっけ。実際に家族や知人の葬儀に参加した経験があるならそっちを思い出したかもしれんが、幸か不幸かアタシが一番最初だったしな。場合によっちゃ高校生の身空でキッズに混ざりながら三途の川のほとりで石積みしてた可能性と考えると転生したのは救いだったかもしれん。
「さて、倒しはした。が、ドロップアイテムはなかったな?」
『っす』
――やはり周回か……いつ回る? 私も同行する
「何院って言えばいいンだよ」
『Let's jo院っすかね?』
「賢い」
と、言うわけで再現です。
……はい、なんかめちゃくちゃ目に見えて分かるスピードで修復されました。やっぱり重要な施設なんですかね。そしてモンスターもわらわら湧いて来ましたが
――上から来るぞ! 気を付けろ!
『下からじゃないっすか!?』
「なンでそこ対応してンだよダンジョン」
二度目はアタシ達の足元から現れた。が、ちょっと横にどけたらエイジャの魔力壁でまず床を砕いて現れた頭部を砕かれ、そのまま床の内部へと侵入した魔力壁により残りの部分も粉砕されて灰に変わった。
本当なら一度敗北したんだし
今更だけど、魔力壁って反射されないんだな。こう、斥力的な感じでぐにゃ~ってなったりパリーンと割れたりする可能性も考えてたんだが。思えば初回の
「なァ、思ったンだが、この倒し方ってドロップアイテムになれなくね?」
『言われてみればそうっすね』
――許しは請わん。恨めよ
ふと浮かんだアタシの疑問だが、ラピスは既に認識していたらしい。ネタ台詞でなければ喋れない縛りの弊害がこんなところに……いや普通に喋れよと思わずにはいられないが、個性は大事だからな。先に思いつかなかったアタシの落ち度だ。
「つーわけで三度目の正直、イクゾー」
『デッデッデデデデ……』
――な! どうなってんだ、おい!
まさかそこで切るとは思ってなかったんだよ言わせんな恥ずかしい。なので言わなかった。
そんなわけで三回戦、気のせいでなければダンジョンの慟哭がどこか力なく諦観を感じさせる哀愁すら漂わせるものになってた気がするんだが……エイジャたちが言及してないからヨシ!
「ふむ、普通にやっても割とあっさりだな?」
『爪以外は脆いんすね』
――できれば、違う形で出会いたかった……
はい、戦闘シーンは変わらずカットです。今回は正道を行くという事で倉庫から爆弾をひたすら射出してみました。赤字覚悟の大盤振る舞いは、しかし確かな効果を発揮。魔法じゃないから反射できず、脆さが仇となって瞬殺だった……やり方間違えた感が半端なく、事実ドロップアイテムは残さなかった。悲しみ。