そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
――去年より腕を上げてるっすね
――冒険者、あるいは
――それ言ってるのネキだけっすよ。それに、そんな拷問シーン見せちゃったらさすがのお客もドン引きするっす
――市民がモンスターに対して同情的になるってンなら一石二鳥じゃねェか
――ネキって定期的に人の心どっかで落っことして来るっすよね
遂に完成した
この
ウラノスたち『
一方で『
冒険者を野蛮だ暴力的だと罵り陰口を叩く市民や商人の実態は自分より弱い者をいたぶる趣味をお持ちのご同類以下でしかない事を自ら証明しているんだが、その辺をどう思っているのだろうか。隣の子供が顔を真っ青にして涙を浮かべながら震えてるのが見えないくらい興奮して夢中になるのはどうなんだ。家族関係にヒビ入るぞ見知らぬおばさん。
つーか、こんな連中でもエイジャの出番では黄色い声を上げる辺りが一層、こう、度しがたいんよね。あとファンクラブの存在を知らなきゃエイジャの人気にほっこりするだけで済んだんだが、今では邪推する部分も出ちゃったんだよなぁ。
そんでエイジャは渋い顔してどうしたん? 毎年見てるし特に含むところはないって言って……え、あの虎ありがとうございますとかご褒美ですとかって叫んでんの? わーお知りたくなかった。後でアーディに教えておこう。直接伝えるのは怖い。
ちなみに今回からラピスも参加させたい旨をガネーシャに伝えたんだが、残念ながら却下されてしまった。理由としては、見た目からして原種から離れすぎてる事。非常に納得できてしまったのが悲しい。
その代わりと言えばいいのか、ガネーシャ自身はラピスとめっちゃ戯れてた。【
ちな、そのラピスは倉庫内の新しい
――あれ、予定と違うっすね?
――モンスターが脱走したみてェだな
――ほへー
原作イベントが始まったようだが、成長著しいという共通点こそあれど原作の駆け出しLv.1ソロ冒険者とは似ても似つかないLv.3トリオに最大Lv.6相当の協力者が加わった面子なんだよなぁ。果たしてフレイヤは何を仕向けたのやら。今回の祭用モンスターには下層種が数種類いたけど、ベルたちにとっては適正でしかないから移動の手間省けてやったぜ程度なんよね。
「【
なんて事を考えてたら、さっきまで舞台に立っていたシャクティがやって来た。どっちに転ぶかね。
「どーぞ。ショーとは別に慌ただしいのと関係あンの?」
「隠せはしないか……モンスターが脱走した。見張りの団員は外傷こそないが、意識がハッキリしないので聞き取りができていない」
「ほォ、ンで、アタシにして欲しい事は?」
「観客に気取られないよう夢中にさせてやってくれ。モンスターは残念だが冒険者に討ち取らせるしかない」
「あい、あい。じゃあ今の
「あぁ、頼む」
モンスター退治じゃなく混乱回避を選んだか。箝口令は敷けないし、【ガネーシャ・ファミリア】の名声に傷が付いたな。来年以降の開催にも響くし、経済効果を考えたら割と損失でかいよな。
どうせモンスター控えさせてる倉庫の監視
まぁ、どうせ来年には『
つーか今やってる
「つーわけだ、少しばかり冒険しようか」
――具体的には何するっすか?
――魔力壁を薄め広めに展開させて害意のある連中を包む。そんでここまで持ってくる。冒険者は途中でポイしていいぞ
――識別はできないっすよ?
――無念
――え、どうするんすか?
――どうせフレイヤの目的はベルたちなんだし、せっかくだから闘技場本来の使い方って事でデビュー戦にするか。フレイヤの望みも叶って一石二鳥だろ
――二鳥ってよりは蝶々な気分っす
そんなわけで出番を待ってたんだが、中々
「最悪は介入するか」
――今の内から薄く魔力壁張っておくっすか?
――よろしく
――了解っす
はい、事故ってピンチになりました。観客の悲鳴が上がる中、エイジャの魔力壁がドーン。平和は守られた。
「行けっ! エイジャ!」
――僕っすか!?
―― いや、冗談。多少はおどけて見せんとな。魔力壁は解除していいぞ
――ほっ、了解っす
いいアイデアと思ったんだけどな。小さいエイジャが大きいドラゴンを従えるのはロマンだし、モンスターがモンスターを
はい、それでは模範的な
念のため手を離し自由にした上で回復薬をあげてみましょう。まれに勘違いしたモンスターが再び戦闘態勢に入る場合もありますが、そんな時はにらみつけてあげましょう。伝説の火の鳥がLV51で覚える技ですので素晴らしい効果を発揮するに違いありません。なんであんな不遇だったんかね初代。
はい、起き上がってすぐにスフィンクス座りして頭を垂れましたね。尻尾も股の間に挟まれてますので成功したと言えるでしょう。
しかし
その意味じゃ原作のシルバーバックくん魅了されてフレイヤに心酔してたしベルとは雌を巡る雄の闘いしたし『
それとも地上で倒れてもモンスターの魂はダンジョン側に還るんだろうか。それなら別にダンジョン内で死んだ人間の魂を流用したんじゃなくても『
でもその論が広まったら来世はつよつよモンスターに、とか言ってダンジョンで集団自殺する宗教団体とか生まれそう。
後は
「前座は終わりだァ! お待ちかねのエイジャがやって来たぞ、声挙げろテメーらァ!」
「「「わあぁぁぁぁぁ!!」」」
この後めちゃくちゃパフォーマンス見せた。
事前に提案した移送も成功したし、そのまま冒険者を説得して拒否する連中にはそのまま帰ってもらって、残った面子に一騎討ちやチーム戦を実践してもらった。一気に血生臭い催しになったが、一応引っ張るだけ引っ張って魔石破壊の流れでお願いしてたんで被害は最小限に食い止められたと思う。案の定と言えばいいのか、観客の大半は沸いたままだったし。民度の低さに感謝ですわー!
これで普通の戦闘が人気になったら
食人花は極彩色の魔石がバレると面倒だから、力加減を間違ったって言い訳でエイジャに圧殺ならぬ圧搾してもらった。灰しか残さんかったけどね。叩き属性に強いとか言われても、ねぇ。魔力壁ギザギザにして振動させれば突も斬も乗ってとってもお得。まぁ、植物の見た目してるのが悪い。
つーか魔力壁で梱包するの便利すぎてやべぇ。フィン辺りが遠征で同行させようとガネーシャに交渉しないか心配になる程度には便利。薄く張ったのに
なお、フレイヤはオッタルにお姫様抱っこで運ばれて来たけど【ガネーシャ・ファミリア】に魅了の件がバレてたからこっそり追われてた模様。やっぱ策ってのは溺れてナンボだよな! まぁベル個人に挑戦させた対集団戦の難易度上げに護衛対象として引っ張って来て、間近で見せてやったらめっちゃ満足して、終了後は大人しく逮捕されてたが。ウケる。