そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
歓迎会としても懇親会としても成功を収めた翌日。アタシはまたしても
しかも正確に言うと今回は
オマケに
ところでアタシの貞操は大丈夫なのかこれ。いや別に後生大事に取っておくもんでもないとは思うし、1号はヘタレで2号は
つーかいい加減に学習しよう、アタシ。今後は夕方以降に利用するのを止めておこう。そうだよ場所も人手もあるんだからホームパーティでいいじゃん。極小規模な付き合いのある派閥だけでする『神の宴』みたいな無礼講でさ……うっ、シルが笑ってない笑顔でものっそい圧力かけて来る未来が見える。
下手するとフレイヤが我慢できなくなって自分が勝ったら傘下に入ってもらう、そっちが勝ったら自分が傘下に入るとか言ってヘスティア派に
それはそれとしてミアさんに言いつけるのは確定だなこれ。性被害に遭って泣き寝入りするのは周囲の処女信仰や性を穢れと見なす宗教由来の感情的な価値観のせいで侮蔑や排斥を容認する対象に貶められるからであって、圧倒的な力で大多数の否定的意見を物理的または社会的に潰してしまえるなら躊躇う必要がないからね。
そもそもが被害者やぞ。モンスターの存在するこの世界じゃ無力な時点で罪と見れちゃうのはさておき。
つーか一夫一妻から多夫多妻までどれを選んだところで所詮はホモサピエンス以前から存在する動物の真似事でしかないのに、当たり前とかおかしいとか判断する自信の根拠はどこからくるんだ。神か。
まぁこの世界に関しちゃ避妊具とか衛生観念がそこまで成熟してないんで、一夫一妻が適した環境ではある。タナトスが嘆いて出稼ぎ無償労働に来ちゃう程度には死者が少ないせいで、人口緩やかにではあっても増える一方だし。
避妊具は
あと暴力や権力が幅をきかせる世界なんで無理矢理な被害なんてのも割とゴロゴロしてて、そのための堕胎薬も開発済。まぁ魂の発生するタイミングとかわからんけど死神から豊穣神、処女神に至るまで多数から苦言を呈されると思うんで完全受注生産だが。結果的に歓楽街のアマゾネスが太客になってるのが実情。
これ娼婦が稼げるようになって売り上げ伸びて
しかしアマゾネスなー、頑丈な肉体を持って闘争心に溢れる女しか生まれない種族とか人口が極端に減った際の緊急用って感じあるよなぁ。平時は解き放っちゃいけないタイプだろ。
つーかそもそも人間様が本気で上等振りたいならせめて自然界に存在しない全く新しい繁殖方法を身につけてからにしてほしいわ。それこそ神話の神を見習えよ。水浴びしたら生まれるわ服脱いだら生まれるわ、なんなのあいつら。いやまぁ結果的に脇から生んだ人間とかもいるけどさ。こっちのひねくれた考えに対応してるとか仏教偉大すぎやせんか?
なんて現実逃避も卑猥な寝言を呟きながら尻を揉む
「ンアーッ!」
「ミギャ!?」
「起きたかアホ猫1号2号」
「ワッニャ!?」
「ニャニャ!?」
何故か驚く猫コンビ略してネコンビ。語呂が悪い。
「「なんでおミャーがいるニャ!?」」
そして互いに相方を指差して疑問をぶつけている。合意じゃなかったんかい。マジどんな流れでこんな状況になってるんだ。
そこから始まった見苦しい言葉の応酬は、本人たちの名誉のためにも多くは語るまい。とりあえず言い争ってるコンビを尻目にアタシは【
後の聞き取り調査から得られた証言をまとめると、まず片付けの最中にシルがヘルメスに飲ませていた神酒の残りをこっそり飲んで酔っ払った1号がこっ恥ずかしい思いの丈を
で、1号の酔った原因を究明しようとした店員たちが探し当てたのが神酒。迷いなく手を出した2号が
日が昇りきる前には準備を終えたので、まかないにモーニングセットを作って食った後は豊穣の女主人を後にした。
今日は飲み会明けだし休日扱いにしてるんで予定に影響がないのは不幸中の幸いか。ルビスの購入した装備のサイズ合わせでも打診しに行くか。ついでに本人と会えるなら
「つーわけなンだか、参加してみる気はあるか?」
「そりゃ魅力的な提案だが……」
バベル8階に向かってサイズ合わせの打診をしてみたらちょうど今日は一日時間的な都合がつけられるってんで、ルビスを連れてヴェルフの工房へ。渡された地図はヴェルフのお手製らしいが……北東区画の市壁近くってことしかわからんかった。
なんで近くまで行ったらルビスのニンジャ第六感を頼ってみた……三軒目で当たりを引いた。
前二件にはお詫びに下層のドロップアイテムセット渡しておいたから穏便に済んだよ。職人の物怖じしない態度はLv.6になろうと怖いっつーか緊張する。まぁ片方は期待の新人に含まれてて、もう片方はファンクラブの会員だったのは、なんつーか、世間って狭いな。
で、無事到着してサイズ調整してもらってたんだが、ただ待ってるのも暇だろって向こうから話を振ってきたんで雑談したついででツアーのお誘いをしてみたわけだ。
「ヘファイストス様に聞いたが派閥内じゃ浮き気味なんだろ? ソロのアタシが言う事じゃねーが、パーティ組まずに潜るのは自殺行為だし、野良パーティは家名バレすると面倒だぞ」
「……アンタは言わないのか? 魔剣を打てって」
うん? 話の流れが……あぁ、家名バレで事情知ってるって話か。クロッゾの魔剣なぁ、仮定でしかねぇが、同じ規模の速攻魔法が撃てるやつからすれば
つーかアタシの場合は【
「あー、嫌な言い方をさせてもらうがな、アタシの認識じゃ魔剣は武器ってーよりも魔法と同じ効果を起こせる使い捨ての道具だ。そンでアタシは
「いや、十分に沿ってるさ。そうなんだ、魔剣は道具で、けど俺は武器を作る鍛冶師なんだ。武器は使い手の半身……そうでなくちゃ、そうしてもらえる物を作らなきゃいけねぇんだ。それに魔剣は使い手を腐らせる……って、これだとあんたの否定になっちまうか」
おっ、まさかのパーフェクトコミュニケーションか? だがまぁ武器に対する考え方の違いはあるなぁ。アタシは感情をそっと脇に置いておくタイプだから、ダンジョンで魔剣があったら助けられたのにって後悔するよりは気に入らないけど有用だから使う方向に走るし。原作のヴェルフも黒ゴライアスだとか、その前の
しかし魔剣否定が流れ弾で道具使いへの否定になると気づいて謝れる辺り、冷静ではあるんだよな。あるいはきっかけになるような理由があれば魔剣を使わなくても打つ事はするんじゃねぇか? ちょっと揺さぶってみるか。
「いいさ、他人の言葉で曲がるようなら第一級冒険者なンざやってねェ……その上であえて言うが、得られる【
「……うん?」
「その背に『
「お、おぉ……あんた、すげぇな」
意外としっかり揺れてるな。ここでヘスティアナイフみたいな例を出して血を混ぜるってヒントを出すのは……まだ早いか。素材揃えて限界まで追い込んで他人のためって目的を意識させんとな。つまり守りたい仲間になれるよう絆を深める必要がある、と。ルビス責任重大な。あとは【タケミカヅチ・ファミリア】の皆さん? 桜花との暑苦しいユウジョウか……うむ。
「まー、可能性でしかねェのが難点だな。ちなみに神秘の段階が上がると視界が開けるっつーか、今まで足りなかったピースが手元に来るような感覚がちょくちょくあるぞ。鍛冶に直接使えるかはわからんが、アイデアが増えるのは間接的には役立つだろうな」
「へぇ……そういうもんか。しかし売る気はねぇし、かといって死蔵するのもな……」
「あくまでも武器作りの参考にしろって【
「あぁ……目に浮かぶな。でもよ、代わりに解析目的で使ったら壊れたんでまた打てとか言って来そうだ」
いい感じに前向きなったな。これは始高シリーズ早期完成あるか? つーかLv.2で完成させちゃうもんな。ベルの成長に合わせてるとしても半年でどんだけ変わるねんって話よな。
まー普通の武器を武器を作り続けてきた下地があってこそかもしれんし、そっちを疎かにさせないようルビスや【タケミカヅチ・ファミリア】に上手く働きかけるか。
バイト代を少し色付けて……そういやヘスティアってヘファイストスから武器打ってもらってたよな。
「……うっわ、めっちゃありそう。ところで魔剣って仕上がりが気に入らないとか言って打ち直したりってできねェの?」
「あー、下手に打ち直そうとすると
「そうか……」
【
「まぁ、そのツアーには参加してみたいな……よし、どうだ? 動きにくいとかは」
『問題ございやせん。正直言って完璧でやんす』
「お、おぅ……キャラ濃いな?」
「パーティメンバー筆頭だ、慣れてくれ。足は引っ張らンはずだから」
「……おぅ」
そんなこんなで無事にサイズ調整が終わり、ヴェルフに代金を支払うと共に、練習用として中層と下層のドロップアイテム詰め合わせを渡しておいた。めっちゃ喜んでたけど、下層のは使いこなせるんかねLv.1で。
まぁゴブニュやヘファイストスに求められてるのは強化種のドロップアイテムだし、ギルドに売るのはアタシの稼ぎに対して端金でしかない上に派閥の評価が上がるんでマイナス要素にしかならず論外。好感度稼ぎにリヴィラの街へ売るにも輸送できる量の問題がある。
というわけで捨てるのが勿体ないからって倉庫に突っ込んでる余剰品だから遠慮なくもらってくれる分には助かるんよね。どっかのポーション無料配布を非難できないな、これ。ヘファイストスに新人用として格安で売るくらいがいいか?