そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
さて、爆弾の威力は確認できたし、真っ当に長巻を使った狩りを始めるとする。
「
「狂気の沙汰よね」
「でも、やれちゃってるのよねぇ」
そう、ここは7階層の
そしてそれはアタシにとっての楽園でもある。下に潜るにはアビリティが足りないし、ここの連中は動きを把握しているから既に作業感が酷い。というわけで同じ動きだけど歯応えが出る冴えた方法、強化種狩りじゃーい!
以前のゲーミングウォーシャドウは体の大きいウォーシャドウとして目撃情報がちょこちょこあったらしく、実は食った魔石が一個二個じゃ済まなかった可能性が高かったらしい。つまり裏を返せばこの場で一個二個食って多少速く頑丈になろうが、手加減ありとはいえLv.2にボコられてるアタシに対処できない理由はない。何せ最近
ラジルカ・アーデ
Lv.1
力:I99→H111 耐久:G253→F396 器用:G291→E441 敏捷:H150→G253 魔力:F333→E450
御覧の通り、濃密な四ヶ月により中々に良い伸びを見せている。力? アタシのログには何もないな。
やはり格上相手は効率が良いらしい。【フレイヤ・ファミリア】のやり方は間違ってないって事だな。栄養の偏り的なもんはあるかもしれんが。
ただ、格上相手でも殺しまで発展しない模擬戦でしかないので上位の
「あ、あっちで魔石食べてるキラーアントがいるわよ」
「あっちのはニードルラビットね。近くにブルー・パピリオがいるんだけど倒しちゃダメかしら」
「むしろあいつの強化種を見てみたいな」
「そうね、蝶とか蛾のモンスターって魔石食べれるのかしら」
どうやら強化種が生まれてきたらしい。というかウォーシャドウの色違いが突っ込んで来た。が、多少速くても単調な動きなので避けながらすれ違いざまに斬る。浅かったのでそのまま回転斬りに繋げてやれば、魔石を斬ってしまい灰と化してしまった。もったいねぇ。
「うわ、出たよ」
「自然に追撃して、しかも単に振り抜くんじゃなく当てながら引いてるのよね」
「当たり前のように傷口を重ねてる……」
外野が何か言ってるけど忙しくなってきたので反応してられない。角のねじくれたニードルラビットと角が二股に分かれたニードルラビットが少しタイミングをずらして別々の方向から突進してきたけど、連携してる? まぁしゃがみこんで脚を切り落として放置。そのまま溜めたバネの勢いで跳ねて、パープル・モスを両断しておく。こっちは通常種。ついでに強化種が引き連れて来た通常角兎の群れにスリンガー閃光球を撃ち込んで、怯ませてる内に追加で爆弾を投げ込み吹き飛ばしておく。これでwave終了かな。インターバルは短いから回収は【アストレア・ファミリア】にも手伝ってもらう……って言ってる内にお代わりが来た。キラーアントが仲間呼んだみてーだな。
その後も狩りを続けて、強化種の魔石やドロップアイテムもそれなりの数を確保できた。【アストレア・ファミリア】の面々はサポーター扱いしてすまんね。でも爆弾の件は説明が面倒だから一度で済ませたかったんだ。売却額の一部はサポーター代として譲るから許して欲しい。そして
この後めちゃくちゃ模擬戦した。
「
「そう。爆弾と
「マジかー。つーか期間が分かってればもう少し我慢してたんだが」
「それ、私達が見逃したって責められて報酬減らされるやつじゃない」
ある日、そんな会話をした。言われてみれば当然すぎる理由なんだが、裏切りの心配が少ないパーティーを組めるならありがたい話でもある。ミノタウロスにリベンジするにはソロじゃ辿り着けないだろうし。
ただ、資金繰りの観点で見れば効率が下がるのは痛いと言えば痛い。ソーマのはっちゃけに対応する形で
アタシとしてはリリの保護をしてもらっている関係からソーマには頭が上がらないので、恩返しの一貫で知識やアイデアを提供している。なので暴走の一端を担ったというか点火した主原因だという自覚がある。個神への恩であり派閥としては仲間意識が皆無なので、後ろめたさや申しわけなさといった罪悪感はおろか負担を分散してくれる感謝すらも持っていないが、巡り巡って自分の負担を増やしてしまった部分は反省だ。趣味神を焚き付けたらあかん。
まぁ最近は【
【ゴブニュ・ファミリア】と言えば、ゲーミングウォーシャドウの腕は無事七色に光らせる事に成功したらしい。光っている最中は強度が上がるらしく、魔石から魔力を供給すれば機能させられるとか。魔石の持ち出しは禁じられているため、ダンジョン内で試験したらしい。戦う鍛冶師はこちらも同じなようだ。
逆にダマスカス鋼は難航気味だとか。鉄鉱石の産地を色々と変えて試しているようだが、辿り着けてはいない。地味にしやなかさを達成していないだけで頑丈さはほぼ達成している配合の合金が開発されたので武器や防具に使い始めたらしいが。単体で見ると魔力の通りはミスリルに劣るが、価格は半額程度に収まるので、新人向けのブランドにすると言っていた。
そんな【ゴブニュ・ファミリア】には先日の
話を戻そう。危険度が増したと言われても、人格の保証は済んでるのでは、と思わなくもない。むしろ第一級を含めた上級冒険者だって一部は人格的に問題あるけど貴重な戦力だからってオラリオの内側で放し飼いにしてんだから、爆弾一つで騒がれると理不尽さを感じる。現物や製造方法の持ち出しが可能な点では脅威度が上って考えなんだろうか。謎だ。
とりあえず危険視される行動ではあるが別に恥じる内容でもないので続ける。階層も少しずつ様子を見ながら下げていって、ひとまず年内で11階層を目標に設定している。
そう伝えたら、会話していたエルフ……せ、セルフィ? じゃねぇセルティは何やら引き攣った笑顔を浮かべていた。まぁLv.2って言っても後衛がLv.1後半相当に囲まれたら死亡フラグだしな。
そこからは日常的に
資金繰りもそこそこ順調。強化種のドロップばっかり持って行くせいで換金所の担当から変な名前で呼ばれるようになったのだけは納得いってない。
あと、初回で担当が強化種のドロップだけこんなに的な事を叫んだせいで目立ってしまい、【アストレア・ファミリア】の監視がいても構わず襲撃してくるアホが現れ始めたので抗議しておいた。襲撃の返り討ちをわざとやってねって疑惑から始まったのに当のギルドが原因で再発させちまったんだから世話ねーわな。おかげで買取担当にも監視が付いて、買取額を誤魔化する馬鹿はやらかす心配が減ったから痛し痒しか。
レアスキル持ちなんじゃないかって探りに来た冒険者が
なんてことを約二ヶ月。冒険者登録一周年記念で更新した【ステイタス】にDを達成した項目が現れた。何なら器用や魔力は一足飛びにBだったが。でもまだ【ランクアップ】は不可能だった。
ここに来て、ついにアタシは