そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱)   作:夜月工房

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158.個別指導続き、終わりました。更新して来て下さい。

ヘファイストス派の本拠にお邪魔して主神様にリストを渡し、金額を記入してもらいつつ雑談を少し。

ゴブニュ派は主に眷族が面白がって強化種素材を欲しがるが、ヘファイストス派は主神が欲しがるんよね。ただ、鍛冶神と言えども身体能力は無力な一般人……深層強化種ともなると加工するのに力が足りなかったり体が持たなかったりで悔しい思いをしているんだそうな。なもんで今回のラインナップにはやや不満気なご様子。代わりに決定まではスムーズだったが。

せっかくなんで、南西区で学区狙いの露天を大人気なく荒らしてから帰宅した。途中で出会った見回り中の【象神の詩(ヴィヤーサ)】と道の譲り合いをしたら物の見事に被ったんで、そのままカバディに発展する場面もあったが些事である。さすがにインド発祥のスポーツだけあってガネーシャ派には勝てなかったよ……なおソーマ派(アタシ)

 

 

「初日にしては上々だ」

「ほー、三日で仕上がりそうか?」

「少し足りんな。それでも昨日の結果と合わせれば、小竜(インファント・ドラゴン)を含め12階層での苦戦はなくなるはずだが」

「魔石の位置とか、座学も必要かなって話も出たんだよね」

『なお実践で失敗しながらの方が覚えるってんで却下されやした』

「まーそこらの匙加減はお任せするわ。とはいえLv.2スタートで一ヶ月あるんだし、四人パーティーで下層まで行けるようになってもらわんとな。とりま、次のゴライアスもらえるか明日リヴィラの街で聞いてくるわ」

 

夕食時の報告を聞く限り、個別指導はおおよそ順調な様子。当の生徒四人はお通夜みたいな空気で飯食ってるが。でもまぁおかわりしてるから心配は不要なんでねーかな。

ニイナとレギは肉が苦手かなーと思ったんで、ひたすら豆類を提供しておいた。食後のデザートとドリンクも、黒蜜きな粉アイスクリームにずんだシェイク。おやつにはおからソフトクッキー……日本人の食に対する拘りがいかに狂ってるかよくわかるよぅ。サラダには湯葉ともやしに醤油ベースのドレッシングで、スープは豆乳で割った味噌汁で具の中には豆腐と油揚げだぞ。さすがに納豆は出さなかったが、学区なら大陸の東を経由してて極東文化もワンチャン入ってるか?

 

まぁ、そんな感じに一日が終わった。第三小隊の疲れが抜けそうにないならマッサージも考えてたんだが、受けてみるか確認してみたらものすごい勢いで首を横に振って来た。振られちゃった……。

 

 

で、次の日も個別指導。アタシはアタシで外出。

向かった先は人造迷宮(クノッソス)で、まずは恒例の超硬金属(アダマンタイト)を納品。土木作業用人形兵(ゴーレム)を融通したら作業ペースが従来の五十倍くらいになったらしく、材料さえ足りるなら30階層くらいまで一年で1階層は完成させられそうな勢いらしい。

一応、ダンジョンに負荷を考慮して超硬金属(アダマンタイト)を採集してるんでペースは配分には気をつけるよう言っておいたが……最近じゃ黒曜石の兵士(オブシディアン・ソルジャー)の体石も足りなくなってきたらしい。チラッチラッじゃねーのよわかってんのかテメー。つーか最近バルカ(こいつ)感情芽生えてきたよな。解呪試してみるか?

とりあえず黒曜石の兵士(オブシディアン・ソルジャー)なら【麗傑(アンティアネイラ)】連れて闘技場(コロシアム)狩りすりゃいいかなぁ。

 

で、1階層からちょっと掘り進めて、教会付近の予定地に繋げておく。例の『異端児(ゼノス)』が自由に使える地上の土地な。

作業中にフェルズへ通信を繋いで、概要の説明をしておく。アタシと『異端児(ゼノス)』の間で交わした約束なんで、本来なら連絡する義理はないが、一応『異端児(ゼノス)』から伝わるよりは直に伝えておいた方が面倒は少なくなるだろうしな。

ついでにフロアの一角をレンタルして工房敷かないかって提案しておいたら、被せ気味に乗って来た。ダンジョンってーのは、奥や端っこに邪悪な雰囲気の研究室(ラボ)があるもんだよ、うん。

 

 

思ったより時間がかかったが、無事に開通。予定地の基礎工事をしっかりしすぎたのが敗因だったな。出入口を作らなきゃないのすっかり忘れてたからなぁ。

しかもここに来てですね、我が【異界信仰(ヴェルト・グラオブ)】がこれ戦闘と関係ありませんよねとか真顔でツッコミ入れてきてまさかのボイコット。人力で掘る羽目になるとは……Lv.7で良かったわ。つーかスキルがフリーダムすぎる。

外は日が傾いて夕陽になってたが、冬が近いんで時刻として見ればそこまでじゃない。陣地形成は戦闘判定だと張り切り始めた【異界信仰(ヴェルト・グラオブ)】でサクッとドームを建設し、内装は……後でいいか。

出入口のないドームとか不審すぎるけど、まぁ今更だ。代わりに教会の地下最深部と繋げるのをやっておかんと……またボイコットされたんで後回しにすんべ。

結局、帰りは人造迷宮(クノッソス)の正規出入口(ルート)からになったんで、ついでに歓楽街で【麗傑(アンティアネイラ)】の予定を確認し、闘技場(コロシアム)の予約を取っておいた。明日でもいいらしいので早速向かおう……レフィーヤいないの言ってないけど、覚悟の上だよな? まぁいいか。

 

 

で、夕食時の報告は順調の一言で終わった。三日で微妙に足りないんじゃなかったのかってツッコミは我慢した。

代わりに雑談で互いの知りたい事を尋ねてたが、ヘスティアの要望(リクエスト)であるオラリオの外に関する情報から竜の谷の封印とか、そこからモンスターが広がって甚大な被害を出している件に話が移っていきまして。空気が、とても重く……!

まぁベルの英雄宣言で持ち直し、各々のモチベに繋げたけど。おかげで第三小隊のしごきが激しくなるぞ! ガンバロ!

 

 

 

そして次の日、朝早く出発して37階層でたっぷり暴れて――【麗傑(アンティアネイラ)】は割と自棄だったが最後まできっちりやり抜いた――から18階層で一泊。ついでにボールスへ次回のゴライアスに関して参加許可をもらった。こちらはあくまでもタイミング次第の早い者勝ちって話ではあったが。

 

「それで地雷源に引き込んで、脚と取り巻きを奪ってから集中攻撃しました」

「敵、遅く……周りが良く見えた」

「あァ、おかげで冷静にモンスターを倒す方向にも気を遣えたぞ!」

「乱戦だし積極的に魔石を狙えたのも大きかっなぁ~。やっぱり手応えがあるのは嬉しいな!」

 

で、帰って来たら個別指導を終えてダンジョンへ挑ませた第三小隊が無事に12階層で小竜(インファント・ドラゴン)の討伐を達成、ドロップアイテムも確保できたんだとか。確保までに三体くらい倒したそうだが。

まぁお祝いに夕飯のメニューをちょっと豪華にしといたよね。こっそり酒も提供しようかとしたけど、そっちはヘスティアの笑顔に負けましたともさ。

 

「明日は休養日だ。好きに過ごしていいぞ。ただまぁ【ステイタス】の更新はしておくのを推奨だな。なんなら今から予約入れとくか?」

「今から……ですか?」

『マスター、ここは某が』

「あ、可愛い」

 

アタシの言葉に首を傾げるリーダーのニイナ。そして百聞は一見にしかずと通信を繋ごうとしたところに待ったをかけたルビスが、カーバンクル型の人形兵(ゴーレム)を取り出す。

 

「えぇと、これでいいんですかね?」

「おぉぉぉぉ!?」

 

通信用人形兵(ゴーレム)が投射する光にバルドルのバストアップが映ると、リアルタイム通信にドワーフの血を騒がせたであろうイグリンが咆哮する。クリスとオッサンが押さえてなかったら、人形兵(ゴーレム)の尻尾ビンタかサマーソルト尻尾で返り討ちに遭ってただろう。命拾いしたな。

 

『ドーモ、バルドル=サン。ルビス・ニンジャです』

「あぁ、これはどうもこんばんは。こちらバルドルです……おや、皆さんお揃いですか」

 

遠距離通信は初めてだと思ったんだが、随分と落ち着いてるな。もしかして魔法大国(アルテナ)辺りと開発済だった系?

 

『ハイ、派閥体験(インターン)の件で報告とお願いでやんす。お預かりしている第三小隊は今日12階層で小竜の牙を自力入手できやした。そして明日は休養日なんザマスが、彼女らの【ステイタス】を更新して頂きたいんでゲス』

「お話は承りました。第三小隊の皆さん、おめでとうございます。明日、直接会って話を聞くのを楽しみに待っていますよ」

「「「「はい!」」」」

 

うーん、神格者。第三小隊も嬉しそうだ。

 

『以上でやんす。突然の連絡で失礼しやした』

「問題ありませんよ。残りの期間もよろしくお願いします」

『ハイヨロコンデー。では、失礼します』

「はい、さようなら」

 

通信を終えると、一瞬の静寂。そしてそれを打ち破ったのは、女神の疑問。

 

「ボクは挨拶しなくて良かったのかい?」

「「「あ」」」

 

その後、誰も思い至らなかった事実にヘスティアが落ち込んでしまったので、元気を出してもらうべくアタシとリリでひたすら接待した。

食後に食休みを挟んでから日頃の感謝を述べながら丹念に卑猥は一切ないマッサージを施したり、そのまま風呂で体を洗ったり、風呂上がりの牛乳に追加でアイスクリームを解禁したり……それこそ【猛者(おうじゃ)】を相手にするのと同じくらい歯応えのある戦いだったと言えよう。

最終的にはヘスティアを真ん中に挟んで川の字で眠った。いやそこは眷族と添い寝しないのかと思ったが、まぁ眷族にぷんぷんしてるって事なんかもな。

ちゃんと何かしら誠意を見せろよベルたち……そんな思いを胸に、アタシはツインテールをほどいたら髪色がピンクになったヘスティアを見なかった事にして目を閉じたのであった。

 

ちな、その日は何かめっちゃ変な夢を見た。詳細は忘れたけど、すげーシリアスな空気で【ヘスティア・ファミリア】空前絶後の大ピンチ! って感じだったのをアタシは【ソーマ・ファミリア】だからってエモいやり取りガン無視して、原因っぽいのがあったから【異界信仰(ヴェルト・グラオブ)】で浄化したら問題が解決して話が終わった事だけは覚えてる。

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