そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
ヘファイストス派の本拠にお邪魔して主神様にリストを渡し、金額を記入してもらいつつ雑談を少し。
ゴブニュ派は主に眷族が面白がって強化種素材を欲しがるが、ヘファイストス派は主神が欲しがるんよね。ただ、鍛冶神と言えども身体能力は無力な一般人……深層強化種ともなると加工するのに力が足りなかったり体が持たなかったりで悔しい思いをしているんだそうな。なもんで今回のラインナップにはやや不満気なご様子。代わりに決定まではスムーズだったが。
せっかくなんで、南西区で学区狙いの露天を大人気なく荒らしてから帰宅した。途中で出会った見回り中の【
「初日にしては上々だ」
「ほー、三日で仕上がりそうか?」
「少し足りんな。それでも昨日の結果と合わせれば、
「魔石の位置とか、座学も必要かなって話も出たんだよね」
『なお実践で失敗しながらの方が覚えるってんで却下されやした』
「まーそこらの匙加減はお任せするわ。とはいえLv.2スタートで一ヶ月あるんだし、四人パーティーで下層まで行けるようになってもらわんとな。とりま、次のゴライアスもらえるか明日リヴィラの街で聞いてくるわ」
夕食時の報告を聞く限り、個別指導はおおよそ順調な様子。当の生徒四人はお通夜みたいな空気で飯食ってるが。でもまぁおかわりしてるから心配は不要なんでねーかな。
ニイナとレギは肉が苦手かなーと思ったんで、ひたすら豆類を提供しておいた。食後のデザートとドリンクも、黒蜜きな粉アイスクリームにずんだシェイク。おやつにはおからソフトクッキー……日本人の食に対する拘りがいかに狂ってるかよくわかるよぅ。サラダには湯葉ともやしに醤油ベースのドレッシングで、スープは豆乳で割った味噌汁で具の中には豆腐と油揚げだぞ。さすがに納豆は出さなかったが、学区なら大陸の東を経由してて極東文化もワンチャン入ってるか?
まぁ、そんな感じに一日が終わった。第三小隊の疲れが抜けそうにないならマッサージも考えてたんだが、受けてみるか確認してみたらものすごい勢いで首を横に振って来た。振られちゃった……。
で、次の日も個別指導。アタシはアタシで外出。
向かった先は
一応、ダンジョンに負荷を考慮して
とりあえず
で、1階層からちょっと掘り進めて、教会付近の予定地に繋げておく。例の『
作業中にフェルズへ通信を繋いで、概要の説明をしておく。アタシと『
ついでにフロアの一角をレンタルして工房敷かないかって提案しておいたら、被せ気味に乗って来た。ダンジョンってーのは、奥や端っこに邪悪な雰囲気の
思ったより時間がかかったが、無事に開通。予定地の基礎工事をしっかりしすぎたのが敗因だったな。出入口を作らなきゃないのすっかり忘れてたからなぁ。
しかもここに来てですね、我が【
外は日が傾いて夕陽になってたが、冬が近いんで時刻として見ればそこまでじゃない。陣地形成は戦闘判定だと張り切り始めた【
出入口のないドームとか不審すぎるけど、まぁ今更だ。代わりに教会の地下最深部と繋げるのをやっておかんと……またボイコットされたんで後回しにすんべ。
結局、帰りは
で、夕食時の報告は順調の一言で終わった。三日で微妙に足りないんじゃなかったのかってツッコミは我慢した。
代わりに雑談で互いの知りたい事を尋ねてたが、ヘスティアの
まぁベルの英雄宣言で持ち直し、各々のモチベに繋げたけど。おかげで第三小隊のしごきが激しくなるぞ! ガンバロ!
そして次の日、朝早く出発して37階層でたっぷり暴れて――【
「それで地雷源に引き込んで、脚と取り巻きを奪ってから集中攻撃しました」
「敵、遅く……周りが良く見えた」
「あァ、おかげで冷静にモンスターを倒す方向にも気を遣えたぞ!」
「乱戦だし積極的に魔石を狙えたのも大きかっなぁ~。やっぱり手応えがあるのは嬉しいな!」
で、帰って来たら個別指導を終えてダンジョンへ挑ませた第三小隊が無事に12階層で
まぁお祝いに夕飯のメニューをちょっと豪華にしといたよね。こっそり酒も提供しようかとしたけど、そっちはヘスティアの笑顔に負けましたともさ。
「明日は休養日だ。好きに過ごしていいぞ。ただまぁ【ステイタス】の更新はしておくのを推奨だな。なんなら今から予約入れとくか?」
「今から……ですか?」
『マスター、ここは某が』
「あ、可愛い」
アタシの言葉に首を傾げるリーダーのニイナ。そして百聞は一見にしかずと通信を繋ごうとしたところに待ったをかけたルビスが、カーバンクル型の
「えぇと、これでいいんですかね?」
「おぉぉぉぉ!?」
通信用
『ドーモ、バルドル=サン。ルビス・ニンジャです』
「あぁ、これはどうもこんばんは。こちらバルドルです……おや、皆さんお揃いですか」
遠距離通信は初めてだと思ったんだが、随分と落ち着いてるな。もしかして
『ハイ、
「お話は承りました。第三小隊の皆さん、おめでとうございます。明日、直接会って話を聞くのを楽しみに待っていますよ」
「「「「はい!」」」」
うーん、神格者。第三小隊も嬉しそうだ。
『以上でやんす。突然の連絡で失礼しやした』
「問題ありませんよ。残りの期間もよろしくお願いします」
『ハイヨロコンデー。では、失礼します』
「はい、さようなら」
通信を終えると、一瞬の静寂。そしてそれを打ち破ったのは、女神の疑問。
「ボクは挨拶しなくて良かったのかい?」
「「「あ」」」
その後、誰も思い至らなかった事実にヘスティアが落ち込んでしまったので、元気を出してもらうべくアタシとリリでひたすら接待した。
食後に食休みを挟んでから日頃の感謝を述べながら丹念に卑猥は一切ないマッサージを施したり、そのまま風呂で体を洗ったり、風呂上がりの牛乳に追加でアイスクリームを解禁したり……それこそ【
最終的にはヘスティアを真ん中に挟んで川の字で眠った。いやそこは眷族と添い寝しないのかと思ったが、まぁ眷族にぷんぷんしてるって事なんかもな。
ちゃんと何かしら誠意を見せろよベルたち……そんな思いを胸に、アタシはツインテールをほどいたら髪色がピンクになったヘスティアを見なかった事にして目を閉じたのであった。
ちな、その日は何かめっちゃ変な夢を見た。詳細は忘れたけど、すげーシリアスな空気で【ヘスティア・ファミリア】空前絶後の大ピンチ! って感じだったのをアタシは【ソーマ・ファミリア】だからってエモいやり取りガン無視して、原因っぽいのがあったから【