そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
参加者が出揃ったんで、細かい内容を決めてから改めて関係各所に正式な依頼を出して、情報屋に宣伝がてら情報を売る。
その時点でようやくイベントを把握したギルドが一枚噛ませろ的な事を言ってたらしいが、
精々相乗りして近くにテナントを出す権利でも売ってればいいと思う。直近の場所は豊穣の女主人やヘスティアが贔屓にしてるジャガ丸くんの屋台が所属してるところ、それと学区の商業学科で埋まってるがな。学区の依頼なんで、そこは優遇させてもらう。
さて、対戦順についてはくじ引きである。ちなみに作ったのはバルドルで、引くのは派閥の団長。まぁその前にLv.6はグループを作る必要があるんだが。
とりあえずフレイヤ派の四兄弟はワンセット。ロキ派もアマゾネス姉妹にアイズとベートのセットでよくねって提案したらあっさり通った。これに関しては勝ち負けよりも【ナイト・オブ・ナイト】が全力を出せる方が重要ってバルドルの意向と、気に入らない神の眷族を倒せる確率が上がるならってロキの意向が噛み合った結果でもある。で、Lv.7は連携に慣れてるわけじゃない事と、本気でぶつかり合える機会って事でタイマン希望。
アタシとリリは登録上Lv.6だし、二人で足りるかって話になったが……まぁボーナスステージも必要だろって事で押し通した。実際にはアタシは現在Lv.7だし、リリも開催日までに仕上げてLv.7になっちゃうのもありかなーとは思ってるが。
で、まぁ順番が決まったんだが……無事ラストが【
で、合計十四試合するわけだが、振り分けとしては初日と最終日を三試合、間二日を四試合ずつ行う事になった。ここまで決定したんで、ようやく賭けを動かせるようになったよね。早速提携してる商人や普段から賭けの胴元やってる連中に情報を流してやった。
で、参加表明がマッハだったおかげで、期日から三日後だった闘技場の予約日まで後五日と微妙な間が空いてしまった。まー会場準備は予約日の最初一日を使って行うんで、祭は予約二日目からなんだが。
日数的には深層まで行っても良かったんだが、リリから仕上げてしまいたいってお願いされたのでそちらに注力した。二日間ひたすら模擬戦して、無事に熟練度が目標値を達成したから【ランクアップ】してもらい、二日かけてズレの修正を行って休養一日とほぼ休養一日。
その間、ヘスティア派は第三小隊が深層旅行を通して感じた不足や問題点を克服するための訓練をしながら、ちょくちょく模擬戦に乱入してきたりした。どうやらベルが閉会後のロスタイムで【
で、迎えた開会式。つつがなく挨拶と諸注意をしたら、そのままエキシビションマッチに移る。
「ニャーッハッハッハ! 母ちゃんの拳骨だって耐えるのは伊達じゃないのニャー!」
「どうして、中々……手強いッ!」
「がら空きだよ!」
「なんの!」
「フギャー!?」
うーん。思った以上に善戦してるな。問題点としては、極一部の実力者を除いて視覚的に全く追いついていけない事か。
一応、スロー再生された動画をガネーシャと喋る火炎魔法君が実況解説頑張ってるんで、観客はそっちに注目してる感じやね。
「い、いつか第二第三のミャーが現れておミャーを……ギニャー!?」
「……は? グハッ!?」
「予想外の出来事があったからってそんなデカい隙を見せるんじゃないよ、ばかたれ」
なんという事でしょう。真面目キャラを貫いていたばっかりに見た目をギャグにガン振りしたアーニャの実力を見誤りペースを乱されまくった【ナイト・オブ・ナイト】は、カウントがゼロになって空中に打ち出され大輪の花を咲かせたアーニャを見届けて呆然としてるところにスコップの一撃を受けてダウンしてしまいました。
どよめく会場に決着を告げる実況の声とロキの馬鹿笑いがとても良く響くが、地味にルビスとの通信を見るとバルドルもニッコニコなんだよなぁ。この辺は割と悪戯好きというか、神なんだな。
まぁ、この結果は興行として考えたらおいしいよね。元より解説に渡した資料にLv.7とLv.6のコンビって記載されてるし、しっかり読み上げたから敗北自体は戦力差で納得してもらえる。
で、次の兄猫はLv.7同士でドシリアスに戦ったけど、魔法なしだと一撃が軽いって事で不利になりジリ貧のまま順当に削り負けてた。会場としてはこういう戦い見たかったんですよありがとうございますって空気だったけど。
まぁ、次はそんな熱い闘いを期待する空気をぶち壊すアタシとリリが相手なんだが。
「始める前に、【
「礼ならバルドル様に言っとけ。向こうから提案がなけりゃ実現しなかったンだ」
「それでも、です。ここまでの期間でこれだけの顔ぶれを集めるのは貴女でなくてはできなかった事でしょう」
うーん、真面目! いやまぁ言ってる内容自体は謙遜なく受け取るが。フレイヤ派を呼ぶ時点で難易度激高で、ロキ派だって校長を学区ごと敵視する主神の気分一つで門前払いもありえた。ヘスティア派なんて結成一年目の新興派閥だから歴史と規模のある学区が相手にしたら格を疑われても仕方ないんよ。もちろんアタシとリリも相手としちゃ不足なはずだし声をかけるのは微妙なんだが。
「そういう肩肘張ったのを解したくてバルドル様も依頼したンだろうに」
「……性分なもので。さあ、では始めましょう」
「あい、あい。行こうか、愛しいリリ」
「はい、頑張ります! ふんす!」
開始の合図が告げられた瞬間に、アタシはダマ鞭を地面に突き刺した。形態変化で途中から何本にも枝分かれした鞭に地中を掘り進ませながら【ナイト・オブ・ナイト】を狙う。リリは真っ直ぐ突撃して、最短距離で相手の胸を狙って槍を突き出していた。
とはいえ妹猫、兄猫、リリと三連続で槍を相手にした【ナイト・オブ・ナイト】は、すっかり慣れた様子でリリの槍を捌いていく。技術的に見れば段々と使い手の扱いが巧みになってるはずなんで、都度修正が必要な範囲だとは思うんだが……あっさり反応されたな。
で、リリが時間を稼いでくれている内にアタシは大量のネズミ花火を着火してからぶん投げる。それが終わったら時限爆弾つき魔剣もぶん投げておく。
「~ッ!? また
「余所見はいけませんよ?」
「ク、ッ!」
「色んな妨害の中で
「簡単に言ってくれま、す、ねッ!」
おー粘る粘る。しかし精神には結構いいダメージ入ってるんでねーかな。
地面からダマ鞭がウダイオスの杭みたいに生えたと思ったら触手っぽくウネウネペチーンみたいな動きして【ナイト・オブ・ナイト】の行動に選択を強いてるし。
しかもリリの槍は