そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「邪魔すンぞーっと、いたいた。アイズー」
「あ、先生……」
ロキ派
「ちょっと、主催が放り出していいの?」
「いいに決まってンだろ。アタシはバルドル様の依頼で【ナイト・オブ・ナイト】との模擬戦を持ちかけられたからこうやって
中にはメンバーが勢揃い。レフィーヤがいなかったのは幸いか。いやまぁ
「だけって言えちゃう辺りが大物だよねー」
「アタシが大物なンじゃなく、周りが小粒なンだよ。ゼウス・ヘラ時代の記憶はほとんどねーが、今回のこれに殺しまで入れて時間も場所も問わねぇクソ迷惑な抗争が頻発してたらしいのにそれで最高がLv.9だぞ?」
ゼウスとかヘラとか、他もエジプト主神クラスでバチバチにやり合ってたらしいが、なまじ神の格が高かったせいで盲信したんかね。
人間の強みである欲望が、知識欲からの解析や調査が余りにも進んでなさすぎるんだよこの世界。いやまぁ前世の感じからしても発展の速度は指数関数的な部分があるから、開始時の水準次第で成長幅がアホみたいな差になるとは思うが。
で、神時代始まって千年だよ。日本で考えたら弥生時代から平安時代、または平安時代から西暦2000年代って考えたらどんだけ文明が発達するかの具合はわかるわな。その前だとギリ弥生時代って説もある縄文時代か。長いな弥生時代。
アルゴノゥト時代から神時代開始までは大穴の存在から文明の発達が難しいとして、だ。神々の降臨とダンジョンと結ばれた古の契約だったかがあって、そこから千年かけて今も中世ヨーロッパにちょい足しで魔石と『
「その言い方……アンタ、もしかして偉業とか――『
「確定とは言えねェが、それなりに結果は出してるつもりだ。芯のねェ生っちょろいプライドばっかの連中にゃ不可能な方法だがな」
「へー、それって具体的にはどんな?」
「
短い言葉から要点を抜き出して推測できる辺り、アマゾネスらしくない賢さしてるんだよなぁこの姉は。そんでもってよくもまぁ恥ずかしげもなく切り込めるよ妹の方は。素質としては妹の方があるんだが、
「何それー、もっとわかるように言ってよー」
「
「うっさーい! ベートの癖に!」
「んだとテメェ!?」
ふむ、アタシが妹属性に弱いってのを知らんせいか【
「とりあえず、ほれ。今日のために開発された新味もあるぞ」
「! おぉ……ジャガ丸くんが、こんなに」
ほぼ無表情ながらも目を輝かせ声を弾ませるアイズ。貴重なシーンを【
「ありがとう、先生」
「まー落ち込んでそうだったからな。せめて向こうの【ランクアップ】前に当たってたら胸を借りると言わずに挑めたンだろーし、多少の罪悪感も込みだ」
「……?」
コテン、と首を傾げる仕草は愛らしいが、高校生相当って考えたらあざとすぎるんだよなぁ。天真爛漫から復讐者を経て行き着く先が無表情系幼女ってどんな遍歴してんだコイツの精神。
しかも黒ワイヴァーン後から大して成長してなくて、ありがちな概念干渉系能力みたいな精神を凍らせてる疑惑まであるぞアタシん中じゃ。鑑定すればはっきりする? ごもっとも。
「……うまいか?」
「……(コクコク)」
もっきゅもっきゅとジャガ丸くんを頬張る様は小動物を感じさせる。その瞳はしいたけであった。これには口論を止めた二人を含めた全員がほっこり。本人は全く気にせず食事してるが、一応四人分のつもりだったんだよなぁ。まぁいいか。
「とりあえず用事も済ンだし、アタシは行くわ。ジャガ丸くんは好きに分けて食えよ、じゃーなー」
「ばいばーい!」
全員に対して言ったつもりだが、挨拶を返してくれたのは【
なお、控え室を出て適当にぶらつこうと通路を歩いてたらレフィーヤ大明神がお見えになられたので、端に寄って土下座し続けた。レフィーヤは泣き、
途中で試合に臨むべく控え室から出て来た白エルフにめっちゃ怪訝な顔されたけど、声はかけられなかったのでこっちも無反応を貫いた。白エルフの激励に現れたらしい黒エルフはアタシを見て悲鳴を上げていたが。
で、その後の試合はほとんど見てません! 後から聞い話では、それぞれ一矢報いる形で意地を見せたものの、結果は【ナイト・オブ・ナイト】の全勝だったとか。
双方とも多少の怪我はあっても後遺症はなく復帰できてたらしいんで問題はない。
じゃあ何をしてたかってーと、まずイシュタルのところに先触れじゃねーけど予約取って、午後一で
スリケンの実演と可能性について説明してたら超テンション上げてた。
で、解散の合図は必要なんで闘技場に戻ると、ちょうど黒エルフが負けるところだった。中二台詞と共に斬りかかったけどそれより速く【ナイト・オブ・ナイト】の一撃が入って無念の一言を残して倒れましたとさ。
試合の最中はスロー映像が必要だが、決着については実況解説がちゃんと盛り上げてくれるの助かるわ。スロー映像に夢中で勝敗が決まったのに反応ないとか多分めっちゃ悲しいと思うし。
で、両選手が下がったらいかにも最初からちゃんといましたみたいな体でアタシが解散宣言。三日目の終了。
明日が最後って宣言に不満を訴える声が揃ったが、どうにも予備日を予約してるのが漏れてたらしい。ギルドの情報セキュリティ終わってんな、おい。最初から信用なんざねぇし、漏れて困るもんはギルド通す前に終わらせて事後報告が基本だからいいけどさ、別に。
つーわけでロスタイムを協議の上で考えとくって答えたら大歓声。なんかよくわからんがノリがいいぞコイツら。まー
さて、チーム戦にするか『
学区ってタイミング的に前回の帰港一年半で二回までしか
学区はモンスター被害の最前線を巡っててトラウマや敵視が当たり前で、喋ろうが感情を持とうがモンスターに変わりない存在との融和はめっちゃ悪感情を刺激する事になるだろうが……まぁ、融和とは別に古代のモンスターですらない強化種を通して、黒竜を討つというオラリオの意義を――都市外に目を向ける余裕の有無を知ってもらおうじゃねーの。ぶっちゃけLv.3未満はある程度なら放流してもいいと思う。
つーか、学区のお利口さんならベヒーモスとリヴァイアサンを倒したのに黒竜には負けたって事の
とはいえ連中の真実は大多数のオラリオに引きこもってる破落戸こそが冒険者で、世界を救って回ってるのは冒険者ですらない自分たちって理不尽を強く感じてるだろうからなぁ。なお人間同士の下らない争いにも巻き込まれてる模様。いやまぁ難民とかモンスターの襲撃に端を発してる問題が絡んだ結果も多いんだろうが。
その意味じゃ多感な時期に外を巡って世間の荒波に揉まれる学区の生徒は、オラリオで過ごす連中よりも精神的な成長を遂げててもおかしくない。逆に
つーか、そのリヴェリアが証明した魔力壁の強さからすると、エイジャのが黒竜より強い疑惑を抱いてるんよね。あれ【ナイト・オブ・ナイト】も切り札を使わない本気かつ全力の一太刀を防がれて驚いたって言ってたし。その一撃で魔道具が完全に沈黙したのはさておき。
とりあえず、【