そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
突発的な素材集めでダンジョンに舞い戻って来たわけだが、
道中、アタシの作業部屋で起きたらしい大爆発の件に言及されたんだが、どちらかと言えば内容は【
それはそれとして保管方法への駄目出しはされたが。金庫とかそういういかにも力業で開けなきゃない場所に入れて下手に手出しできないようにしとけって真っ当なお叱りには唖然としたわ。一応ちゃんとそれなりの――中層で採掘した
「よ~し、あたしらは28階層で待ってるから早めに辿り着けよな~あんまり遅えと捨ててくぜえ」
「え、ちょ」
「うふふ! そういうことだから頑張ってね!」
「その先はちゃんとエスコートしてあげるから安心していいわよ!」
「ま、まさか」
「さぁ、ヴェナ! そうと決まれば追いかけっこの時間よ!」
「もうディナお姉様ったら! 遊びじゃないのよ! もちろん参加するけど!」
「「じゃあね! 余り待たせるようなら
「そ、そんな~!」
残されたのはアタシ以外だと情けない声を上げたサポーター役として連れて来られた
「んじゃ、連携できる戦い方じゃねェから単独行動するわ」
「はぁ!? 調子乗るんじゃねぇぞチビが!」
「それくらいの啖呵切れるんなら幹部にも凄んでみろよ。アタシがダンジョンいると毎回どこからともなく
「なにいってだこいつ」
「だが貴様は正式な構成員ではないのだろう? 監視が必要だ」
「人質取られてンだから心配すンなって。それにテメーらはまず自分の身を心配してろよ。28階層は下層、ギルドの適正基準はLv.3なんだし……したらな!」
「あ、おい、待て!」
「えっ、速っ!? 本当に同じLv.2か!?」
隠れLv.4とかいないか心配したけど、そんな事はなかったらしい。あるいは真っ当な構成員のお守りを全うしようとしたか。まぁ、それで正解よな。
そんなわけでまずは18階層。さすがにゴライアスはまだ生まれていなかった。
アタシは何食わぬ顔でリヴィラの街に赴き、損壊した装備品を買い漁ってから馴染みの宿屋を借りる。先日代金だって言ってカウンターに爆弾乗せたらめちゃくちゃビビったらしくて白目剥いて気絶してたんだよな。くそウケる。
そして例の如く侵入者撃退トラップを仕掛けたら、そのまま【
数時間後に目を覚まし、完成しているのと出来の良さを確認したら、今度は魔法のテスト。
「【呑め】」
詠唱式と読んでいいのか分からない超が付く短文。魔法名を唱える前に対象としてイメージしていたダマ鋼の矢が消えたんだが。無詠唱魔法のファイアボルトでさえも魔法名は叫んでたのに、いいのかこれ。せっかく斬魄刀の始解っぽいのに。しかも野晒とだだ被りやぞ。更木剣八やぞ。名前負けすぎて申し訳ないわ。ごめんよやっちー。
まぁ【
「【吐け】」
続けて収納した物を取り出す。第二詠唱式とやらを紡ぐと……特に何も起きなかった。失敗? まさか
「……【吐け】」
なので条件を変えて再挑戦。今度は取り出したい物――消えたダマ鋼ダートをイメージしながら唱える。
すると、先ほど消えたダートが軽い光の演出と共に現れ、目の前でふよふよと浮いている。念のためそのまま移動してみると……あら不思議、健気に後を追って来るではありませんか。軽くホラーでは? でもこれ浮いてるダートの向きや高さを少しずつこっちの意思で操作できるから、ハンマーとかで殴って打ち出す系の技とか再現できそう。力ないからやらんけど。協力技としてならあり、か?
そのまま手を伸ばして掴むと、ダートは浮力を失って手の中で大人しくされるがままになっている。特に唾液や胃液が垂れてるとか付着してるとかはないっぽかったので一安心だ。
ふと、これ念じたらどこぞの金ぴか慢心王みたいに打ち出したりできるんだろうか、なんて。どれどれ、一つ試して……とんでもない威力が出て宿屋が吹き飛ぶ未来が見えたから止めておこう。リヴィラの街を出禁になるのはまずい。ダートのロストも怖いし。
でもまぁ今回は一応人を待たせてるわけだし、ここまででいいだろう。到達階層を一気に更新するのでエリクサーモドキを大量に収納したくはあるが、在庫ないからなぁ。ハイポは買って突っ込んでおくけど。
そういえば、新型スリンガーは今まで通りの射撃ができるだけじゃなく、下部にワイヤーを仕込めるようにしている。せっかくの
中層以降はモンスターも頑丈になるし、今回製作したダマ鋼線にも耐えるはずなので、ワイヤーアクションの対象にもできるはずだ。まぁ、きっかけはゴライアスの頭部に直接爆弾の置き土産をデリバリーしたいからなんだが。格下でソロ討伐の再現性確認したいし。
元ネタみたいに小型飛竜――ここだとこの先に出て来るハーピーとかへ捕まるみたいな事をしてみたくはあるが、暴れるモンスターに振り回されて壁や樹木なり水晶なりの地形に激突する未来しか見えないのが難点だな。
宿屋を出て買い物を済ませたら、リヴィラの街から出ていよいよ19階層へ。未到達階層ではあるが地図は頭に入っているのでサクサク……進めない。
モンスターの強さはそこそこ止まりだが、一撃で済まないのは余りよろしくない。数が数だし。一回のエンカウントで二十体近いとかSRPGのソロ縛りか何かでいらっしゃる? もちろん途中で
つーか
「武器、よし。ポーション、よし。ワクチン、よし」
姿隠し、なし。まぁいいけど。
声出し確認も済ませし、準備は完了。サポーター軍団も先に進んだだろうし、追いつけ追い越せ。ってなわけでラジルカ、いきまーす!
『――オオオオオオオオオッ!!』
「知ってた」
現在26階層。目的地の28階層まであと少しの所で、戦闘中に滝から飛び出して乱入して来たのはゴライアス以上に巨大なモンスター。
落ち着きのない階層主ランキング堂々の第一位(アタシ調べ)双頭竜『アンフィス・バエナ』入りまーす。
道中の様子? まぁ下層入ったら格段にキツくなったけどLv.1の頃にダマ鋼製品封印して戦ってた頃のがよっぽど辛かったしなぁ。
確かに状態異常攻撃や遠距離攻撃のバリエーションが追加されてるけど、前者は予防薬に弾かれたり弱められたりで解毒剤が間に合うし後者は近くに肉盾がいたりあったりするので大きな問題にはならない。
森を抜けて地形が水辺になってからも不意打ちされる数が増えただけでそんなに……
まぁ、そんな回想になってない回想を済ませたが、
……ちなみになんですけど