そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
魔道具を作りながら
そんなわけで
まず最初にしたのは情報収集。具体的には【大和竜胆】と【
とはいえ、その辺の
その後は酒場の店主にお代として試験的に造った蒸留酒――今回はウォッカ――を渡しておいた。火気厳禁の貼り紙と一緒に。
オラリオで嗜まれる酒類は主にエールや蜂蜜酒、ワインといった醸造酒で、蒸留酒はコスト的な問題もあってかほとんど流通していない。つまりは狙い目ってわけだ。
【
なお、おいしい酒としてイメージしながら元の穀物なり果物なりの材料に【
つーかどうやら武器扱いらしい。シル謹製のオムライスじゃなねーぞ、酒の話に戻れ。で、酒が武器――正確には戦闘用だと判断されるっぽい件。火炎瓶にでもすればいいんだろうか。【
一部のドワーフは当たり前に蒸留酒を作っているらしいが、自分や親しい者だけで消費してしまう事がほとんどだそうな。これは
んで、『
なんかの間違いで21階層から出現するはずのマンモス・フールがいたから最後まで残して、力と耐久を伸ばすべく真っ向勝負してみたんだが、まぁ質量差ってどうにもならんよね。普通にぶちかましで吹き飛ばされたわ。あんまりにも吹き飛ばされまくったから途中でキレまして、えぇ。背中の毛皮削いで焼いて生きたままマルカジリしてみたんだけど、野性味あふれるお味でした。
ちゃうねん。腹壊す心配はないって【
そんな一幕があったわけだが、途中からリド達にガッツリ見られてたよね。今回来たのはリドと……
『よ、よう、ネキっち』
やけに腰の引けた様子で声をかけてくるリド。めっちゃドン引きされてんじゃんウケる。いや笑えねぇんだわ。恥ずか死んでしまいます。表には出さんが。アタシはクールな少女なのだ。自分で言っててどこがだよとツッコミが入る程度には無理筋だなオイ。
この感じだと自分や仲間が食われないか心配してるとかだろうか。そういや魔物食うのって禁忌扱いなんだっけ? ドロップアイテムから飲む回復アイテムとか作ってるんだし今更感パねぇけど。外国が生魚食わないみたいな理由付きの風習だろうな、多分。
「おぅ。会えるかは賭けだったが、どーやら無事に勝てたみてーだァな」
『そりゃ良かった。それで、わざわざ来るって事は何かあったのか?』
爽やかな笑みと共に気にしてませんと言わんばかりの平常運転で返す。おかげで緊張が和らいだのか、態度が普通っぽくなった。単刀直入に要件の確認へ切り込んできたのは逃げたいからじゃないはずだ……信じてるぞリド。
「あるぞ。けどまァ、その前にそちらの美人を紹介してくれると嬉しいンだが?」
『え、あぁ、わかった。こいつはレイだ。オレっち達の中じゃ三番目に偉くて強い』
女性の紹介に
『レイ、ト申します。よろしクお願いします』
「ラジルカ・アーデだ。前回はロクに挨拶できなくて悪かったな」
『いえ、お気ニなさらず』
うむ、直前でリドに対して思うところができたからか、アタシへの態度は軟化した感。美人評価で気を良くした可能性もあるか。しかしメインディッシュが残っているのをアタシは把握してるんだよなぁ。
「そう言ってもらえると助かるわ。それでリドっちや、もう一人も頼むわ」
『『……!』』
おぉ、驚いてる。表情豊かだねぇ。
「……驚いたな。参考までに何故わかったのか聞いても?」
透明化を解除したらしく、性別不詳な黒ローブが姿を現す。この声って魔道具使ってるんだろうなー。肺も喉もないし。いやまぁ脳がない時点でアレではあるんだが。魂の記憶している骨伝導音の再現だとすれば女性だよなぁ。
喉仏の発達具合とか骨盤の形とかで性別わかるって話なんだけど、あいにくと見分ける訓練とかしてないからわからん。そもそもローブの中身が見えんし。前世の友人ならローブ剥ぎ取って確認するんだろうが、アタシはそこまで礼儀を捨ててねぇしな。
と、まずは質問の答えだな。
「いや、普通に地面の灰に足跡残ってるし」
「…………」
『『…………』』
空気が、凍った。錆び付いてギギギと効果音のなりそうな動きで足元を見る皆の衆。ちなみにリドとレイの足跡もくっきりだ。特にレイは完全に鳥の足跡なんよ。本気で正体を隠す気がございまして?
「……ドンマイ」
「うおおおおおん! せっかくいい感じに「敵か 味方か 謎の人物現る――!」 みたいな第一印象を抱かせるための介入タイミングをうかがっていたのにィィィ!!」
『フェルズ……』
『これハ……恥ずかしイですね』
おかしいな。フェルズってこんなキャラだったか?
「まァ、なンだ。今度からはちゃんとした
アタシの忠告を聞いた三名は一斉にその場に崩れ落ちた。最後の一撃は、せつない。つーか地面灰だらけなんだってば。
この後、三名――特にどこに出しても恥ずかしい残念系正体不明ことフェルズが落ち着くまでに結構な時間がかかった。フェルズが愉快な事になっている間にアタシは作ってきた