そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「通信用の
「信用も信頼もねェからまだ早ェって考えは分かるがよ、お仲間っぽいのは保護した方がいいんだろ? だがアタシは単独の冒険者に過ぎねェのよ。長々と連れて歩くだけでも相当なリスクだし匿う場所なンぞねェぞ。それとも見つけたら見逃すだけでいいのか?」
「そこを突かれると弱いな。しかし見たところ君も
復帰したフェルズから自己紹介してもらった際に噂の『ギルドの幽霊』かってカマかけして、ついでに
一応、スパイ契約は持ち帰りで前向きに検討って事になったし、顔合わせが済んだ時点で最低限の目標は達成できちゃいるんだ。最低評価でしかないが。
前向きに検討って聞くと普通なら後で今回はご縁がなかったとお祈りメールされる流れだが、この先いつ現れるか不明な『
「ふぅン? まぁ、それならそれで仕方ねェな。リド、野生のお仲間を見つけたら
『いいのか? けど、下層や深層で見付けちまったら……』
「そいつの気性とサイズ次第だが、輸送だけなら手間はかかンねェのよ……コイツみてェに」
「はあぁぁぁぁぁ!?」
あくまでも『
で、それを見たフェルズが今日一番の驚愕を見せた。
「い、今のは!? 何が、いや、どうやった!?」
「テンションたっけェなオイ」
『まーた悪い癖が出たよ』
『仕方ない事かモしれませン。私モ新しい歌ヲ前ニしたら……』
『あー、そう言われたらオレっちも人間の作った珍しい道具とか見たら気になるけどなー』
800年生きてこれって、やっぱりポンコツなのではなかろうか。逆に800年生きたからこれの可能性もあるか。精神は人間のままだろうから耐久限界を迎えててもおかしくないんだよなぁ。でも不老不死になった原因が不変とか再生とかの効果なら壊れたくても壊れなくなったとかありそう。だからって別に
それに比べてリドとレイの落ち着き具合よ。つーかみんな
「それこそ自分で考えてくれや大先輩。自分で試みるいい機会なんだろ?」
「ぐぬぬ」
実際に
まぁそれは『
いずれにしろ足りないのは理論、その前段階の発想やそれを生み出す知識か。要は教育が大事って結論だな。神は教えちゃくれないが。全知零能だもんなー情報を持ってたとしても誰かに教えるのは能力の方だからしゃーない。零能と無能の違いに思いを馳せる今日この頃。コンプラ問題?
ヘカテーとか地上にいねぇのかな。ギリシャ系列ならいそうにも思えるが、冥界関係の神だとすれば真面目に仕事してる可能性も高いか。
団長と言えばヘカテー関連にはガランティスとかいう強そうな名前した、ヘラクレスの母の侍女やってた経歴を持つ、イタチ系侍女もいるな。実装されるなら獣人なんかね。オッタルみたいに獣化スキル持ってそう。もしくはイザナミだ。
「まーリド達に護身用の
未だに惰眠を貪ってるようにしか見えないエイジャをリュックに詰めて、その場を去る準備は完了だ。
『おう! サンキューな。』
『ご武運ヲ』
「ま、待て! せめてヒントを……何をする、リド!? HA☆NA☆SE!!」
この骨はもうダメだ。ウラノスから恩赦の確約取ったら関係を断とう。いやまぁどう足掻いたって『
『んじゃーなネキっち! 今度はダンジョンのウマイもん用意しておくからな!』
「あー、それならアレだ。リド達の生え変わる鱗とか羽根とか、加工できそうなもんで余るのがあったらそいつくれ」
『ん? そんなんでいいのか?』
「強化種のドロップアイテム相当だからな。それこそわざわざ魔石食わせてから落ちるのを祈って狩るのは地味に面倒なンだわ」
『へぇ、わかった。みんなにも伝えて協力してもらうわ』
うひょーい市場に流せば十万百万単位のヴァリスが動く品々をもらえるとか素敵やん? 強化種自体が言ってみれば全身異常発達したようなもんだし『
なんせカーバンクルの秘晶を核にした装飾品である。素材だけで億動くよね。しかも小さいのも破片じゃなく凝縮した一個ままだからな。ちな、単純な装飾品として見た場合で最低数億だぞ。そこに魔力壁も張れますとかなったら大国の国宝に指定されるわそんなん。深夜テンションに任せて作っちまった王冠なんて無駄に23個も使ってるからかなり深い階層のジャガーノート相手でも耐えれる気がするわ。でも誰が被るんだこんなもん。ナックルガードにしてピンポイントバリアパンチさせればいいのか? とりま『
「強化種を作り出してから狩る……? 思い付いても実行はしないぞ普通」
「あいにくと普通じゃねーのよ。一年ちょっとで【ランクアップ】する程度には色々と乗り越えてっし、そっから一年ちょっと同じようなトラブルに遭い続けてるしな」
「なん……だと……」
フェルズが若干あたおか見る系の視線を向けてくるんだが、骨を折ってもよろしくて?
まぁ我慢してチラッと【ランクアップ】間近ですよって匂わせておいたけどな。向こうからすれば二年半少し前、前回とほぼ同じ早さでの
「そンじゃなー。他の連中によろしくー。神ウラノスにもよろー」
こうしてアタシは自由の身となった。つまり
「エイジャー起きれー」
『すやすや。あいにーどもあぱぅわー。むにゃむにゃ』
下手に冒険者が近くいるタイミングで目を覚まして騒がれないよう、今の内に起こしておかねーとな。というわけでリュックを前側に背負い直し、リュックに手を突っ込んで額から伸びた角――秘晶をカリカリ爪で軽く引っ掻く。字面的にも音的にエロいよな秘晶。秘とか言っといて常に露出してる部位だけど。植物だっていずれ実になり種になる花をモロ出しだからヨシ! 何の話だっけ。
『んぉう!? ふふ、んふふふ、ちょ、やめ、止めるっす!』
「おはよう
『うえぇ、よだ……りょ、了解っす。え~と、ここは……
しっかり意識は覚醒したようだ。涎云々は時候の挨拶なので事実と異なってもいい。古事記にも書いてある。
「おう、今日こそ雄のカーバンクルを見つけて捕獲して
『えぇ~、諦めた方がいいっすよ~。ネキには僕がいるじゃないですか』
「だからこそ、だろ。お前の番探しでもあるンだからな」
『ぼ、僕的にはまだ早いって言うか~』
その後も無駄話をしながら26階層の