そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
そんなわけで建物構えてる商店から露店まで眺めて雑多に買って来た品々がこちら。持ち運べる量の都合で北西しか巡ってないが、リリへのお土産は確保したので自分を許してやりたい。
さっきダンジョンで武器の状態を把握できたんで先っちょだけの
さて、鍛冶系【ファミリア】の商品は、当然ながら金額の大半は人件費……もっと言えば技術料が大半である。あとは材料費と設備費。つまり素材だけを揃えるなら割と安上がりなんだが、あくまで割とでしかないのも事実だ。
例えば原作でベルがエイナさんとデートしてプレゼントまで貰ったあの場所。新人が打った製品の数々はネームバリューの無さから人件費は大して乗せられてないはずだし、材料も一般的な鉄鉱石や精製された塊だろうから仕入れ量の多さもあって材料費も押さえられている……はずだ。
仮に製作でスキルが不発するようなら、お世話になる第一候補である。スキルで目利きできるのが分かったし青田買いできそう。その縁でパーティー組める可能性もあるし、その場合は無名の自分を見出だしてくれたって恩から裏切りの心配が少なくなるのもグッド。まぁパルゥムで女って地雷案件な自覚はあるんで過度な期待はしない。
つーか、それ以前にだよ、まだまだ知らない隠し効果がありそうな【
「ただいまーリリー良い子にしてたかー?」
「おねーちゃん!」
駆け寄って来る愛しい妹のタックルを受け止めて抱き締めながらクルクル回ってから下ろすジブリっぽい再会(約四時間)ムーブを決めて、マントの裏ポケットから買って来た飴とクッキーを渡す。
「ほーれお土産だぞー」
「わぁ! あいあとーおねーちゃん!」
「ンッッッッッッ!!」
守りたい、この笑顔。
それ単体でも致死量なのに改めて抱き着いてくるとか、もうさ……そんな隙を生じぬ二段構えでハートを撃ち抜かれた衝撃に思わず叫びたい衝動が湧き上がったが、
「帰ったか」
「ソーマ様。今日もありがとうございます」
「良い。アーデは大人しく賢いからな」
「きょーははたけをてつだいました!」
いつもの格好に麦わら帽子を追加した姿のソーマが顔を出す。どうやら畑仕事をしている最中だったらしく、わざわざ中断して来たらしい。誠実すぎんかこいつ。本当に神か?
そんな思いでご足労頂いたソーマに子守りの礼を言えば、返ってくるのは謙遜とリリへのフォロー。貴方が神か。
そしてリリはいっぱいがんばりました、と抱き着きながら上目遣いにドヤ顔で報告してくる。可愛い。
「そっかー偉いぞリリ」
「えへへ……」
頭を撫でながら褒めると嬉しそうにはにかみながら抱き着く力を強くする。ここが天国か。
そういやダンまち世界って天界はあるけど輪廻転生もあって死生観的には相当チャンポンされてんだよな。最高神はいても唯一神はいない多神教に出展を持つ連中だから互いに牽制し合って過度な介入を防いでる辺り、ひどいレベルでバランスが取れている状態なのだろう。
そこから近くのテーブルに買って来たお菓子を広げて、飲み物にラッシーを作って振る舞っておいた。これにはソーマもニッコリ。酒以外も飲むんですねとか言ったら「え、何言ってんのこいつ」みたいな顔された。解せぬ。
ついでに畑仕事の内容を確認したら、天界と違って栽培にもそこそこ苦戦してるらしい話を聞いた。ほならね、ということでまずは地上の技術で辿り着ける最高峰を知る必要があるんじゃないかと伝えておいた。具体的には農耕神への依頼という手段。
そしたらソーマから天界でも趣味に没頭して引き篭りがちなボッチ神だったとの
まぁ、前向きになってはくれたので良しとしよう。交渉材料として現代知識……元素の概念は無いと思うし、具体的な肥料の名前を上げたりとかして気を引けば良いんだろうか。そういやダンジョンから持って帰った土とか泥とか、魔石を砕いて粉にして撒くとか、その辺は試してるんだろうか? してるよなぁきっと。
さて、リリを無事に寝かし付けたのでいよいよ本命、スキル検証の時間だ。
鎌槍がそれなり以上の業物なのは確認できたので期待しつつ、まずは売らずにおいたドロップ品の加工から試そうと思う。
想定は投擲武器だ。さすがにゴブリンの牙とコボルトの爪で格上相手に打ち合う武器とか遠慮したい。ドロップアイテムがそれを備えていた個体の異常発達した部位らしい事を含めてなお、だ。
仮にそれが出来るなら資金的に助かるなーと考えたらスキルがめっちゃ速く首を横に振るような否定、拒絶してくるイメージが浮かんだので、うん、添え物扱いが精一杯。原作リリのクロスボウ……有名狩猟ゲーのスリンガーみたいなアレの弾に使う感じで。
いっそダンジョン内の環境アイテム拾ったその場で貫通弾とかになったら便利だよな。ドロップアイテム換金したいから勝手になられたら困るが。それ以前に迷宮内でドロップアイテムから
ごっそり
目の前で素材が光ったと思ったらシルエットが滑らかな動きで変化して、光が収まったらドロップアイテムを
「えぇ……えぇぇぇ……」
いくらなんでも劇物過ぎる。異なるアプローチといっても限度というか加減というか、なんでゲームの錬金術みたいなエフェクト出してポンってお前さぁ。
バレルとシャフトが金属製なのはまぁインゴット削れてるから理解するとして、フライトがリアルな鳥の羽根なんだが。どっから出て来た。
「嘘だろ、おま、これ……怖……」
精製されたダーツは12本。隣には謎革製の腕に巻けると思われる専用ホルダー、というか更にその隣にはチラッと想像したスリンガーと思われる小型クロスボウが初回に限りこちらが付いて断然お得みたいな顔してる。
こんなフレーズが出て来る時点で察してはもらえるかも知れないが、今ならもうワンセット付いてきますと言わんばかりにホルダーに収まった状態のダーツがスリンガーの陰にひっそりと存在していた。
「あ、やば」
推定スリンガーの性能を気にした途端、急に時間の流れがゆっくりになって、視界が狭まっていく。気が遠くなる感覚の中、スキルが発動したんだなとか、今から意識を失うんだなーとか、どこか他人事の様な気分のまま、アタシは落ちた。スイーツ(笑)
後日ダンジョンで使ってみたら装着や発射に必要な力は少なく済むし反動も少なくて大変有用だった。
威力もトカゲまでならドロップ加工矢を急所に当たれば一撃も夢じゃなく、そうでなくても数発当てれば息の根を止められるので武器扱いできるし、本家の閃光弾や投げナイフも使えた。投げナイフは体感で加工矢に近いが届かず。
本家で考えても下位の小型モンスター相手ならこれだけでも結構やれるんだし、人間止めてるハンターの相手でそれなんだ。こっちの『
問題点としては、もう少しアビリティの力が成長したら自分で投げた方が威力は高くなりそうなんだよな! 大団長みたいに!! まぁ、いつになるかは知らんが。