そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「よォ、リドっちー」
『お、おぅ。今回も用事があるって事でいいんだよな?』
「まァな。早速だが紹介すンぞ。【吐け】」
『しゅたっ! っす!』
『……(ぎゅるるるる)』
『え、なんかすげー警戒されてね?』
『ウーズ、ですか? それニしてハ……』
挨拶もそこそこに、本題であるラピスのお披露目に入る。が、しかし何故か当のラピスはその粘体を円錐形に変えて高速回転していた。これには『
――ラピスさん?
――言葉は不要か
――人見知り発動中っす
――マジか
――管制室、すぐに援護しろ!
「すまん、どうやら人見知りらしい」
『マジか』
「アタシも初めて知った新事実だわ……とりま、ご覧の通り同類を見つけたから保護した。人語は喋れねェからエイジャが気づいてくれンかったら今頃ここにゃいねェろうな。あと、最初は普通の色と質感だったんだが魔石与え続けたら……あー、なんか、変異した」
『マジか』
『ラピス、怖くないっすよー』
『……(ぎゅるん、パカァ)』
『……花ガ咲きましたね』
「あー、友好の証かな?」
ELSじゃねーかと脳内突っ込みを入れたアタシは悪くない。裏側で念話繋いでたからエイジャには驚かれ、ラピスにはドヤられた。
契約に付随する効果が原因だから育て方も何もないんだが、色んな意味で間違えたと言わざるを得ない。どうしてこうなった。
その後、ラピスはエイジャ同様アタシに同行すると主張した。リド達はちょっと寂しそうでもあり羨ましそうでもありな表情を浮かべるも、最終的には祝福していた。やはり聖人か。
ついでに作りたてホヤホヤの通信用
『へぇー。戦闘中でも邪魔にならないのはいいな』
『本当ニ。これなら手足が器用デない子も使いやすい』
「映像は送れねぇから人質取られて言わされたりってのには気をつけてくれよ」
『そのための合図なんだろ? まぁ、気をつけるけどよ』
こんな感じに用件は終了。休憩所とカリカリの説明も一応したが、カリカリを食べたリドから持ち帰る用の袋か何かはないかと要求されたのは微妙に笑った。
とりあえずいつか誰かに使わせようとネタで用意しておいたサンタのコスプレセットをくれてやった。後でトナカイ……
「ここならモンスターとして普通にいそうだよな、クリスマス・デス・カリブー」
『何の話っすか?』
――
『え? え?』
「まァ、戯れ言だ。流してくれ」
『???』
――大袈裟なんだよ、みんな
ソシャゲのイベントで出てきそうなんだよな、名前の響き的には。なんかルビコニアンデスワームって脳内に浮かんできたけど、どっから受信した電波だこれ。
『
「……護衛の
少し離れた建物の屋根の上から見回すと、少し離れた建物と建物の間に身を潜めながら酒場の様子を伺う不審な
こっちは姿隠しと神酒の香水、加えて隠形の効果も重なっているので、一方的な観察が可能となっている形だ。
――そいつもワケアリっすか?
――らしいな。要はシスコン拗らせて危険な相手から遠ざけたいあまり、役立たず扱いして危険な職場から追い払った馬鹿兄だ。ついでに街娘の姿に擬態して働いてる女神を見守ってる……苦々しく思いながら、な。
――ほへー、なんだかよくわかんないっすけど、面倒なやつっすねー
――勝手な期待か。遠いな……
――ラピスがやけに賢く見えるっす
気のせいだと思うよ。
さて、さすがに近づくとバレるだろうから、地上に下りて装備を解除してから徒歩で酒場へ入った。殺気とかは特に向けられなかったから今のところはセーフかな?
「いらっしゃ……いま、せ」
「一人だ。相席なしでどっかあるか?」
「えっと……はい、大丈夫です。カウンター席へどうぞ」
「ドーモ」
迎えた
とりあえず困り顔の店員が
半脱退状態の【フレイア・ファミリア】元団長が経営するこの酒場は、その店員もまた『訳あり』しかいない……可能性が非常に高い。
確かに足音を立てなかったり重心が少し傾いてたりと、暴力の世界に生きる者の特徴が見て取れる。まぁオラリオだし別に珍しいもんとかじゃないんだが。
なんて感じに探りながらメニュー表を眺めてたら、目の前にパスタが置かれた。先制攻撃とはやるじゃないか。食物アレルギーあったらどうするつもりなんだ。
「……まだ頼んでねェはずなンだが?」
「いいから食いな」
うーん、当たり前に暴君。下手に逆らって追い出されるのも馬鹿馬鹿しいし、ここは大人しく頂くとしよう。それじゃ頂きます。
そういやこれ極東の礼儀って事になるんだろうか。両手組んで祈る方がいいのかね。祈る先インドだったわ。全然わからん。お経でも唱えればいいのか? 外食ではできんな。
……うん、味は良い。少し濃い目だけど冒険者向けならこんくらいでいいんだろう。その上で量もある……これは
「女将の酌とか恐れ多いんだが」
「いいから飲みな」
「……うっす」
この物語に登場する人物はみんな18歳以上です。はい予防線バッチリー! なお原作。それじゃ恐る恐る一口。あらおいしい。けど
「度数
「子供に飲ませるんだ、薄めるに決まってるだろうが」
あんた原作で
「そんなもんか? 上級冒険者なら耐異常くれェもってンだろ」
「酔わなくなるわけじゃないからね、あれは」
「そういやそうか」
前世と合わせて人生初の飲酒だが、果たして含有量はいかほどなんだろうか。ほのかに香るエタノールが消毒液を思い出させて急に化学実験みがしてきたんだ。あと耐酔持ってるから酔えねーし……血中濃度は別問題だろうか。びみょい。
元の
塩と油と香辛料を塗りたくられた口の中をさっぱりさせるので、また新鮮な気持ちで料理を味わえる。胃袋の容量にさえ問題なければ永久機関も夢じゃなかった事だろう。
つーか、子供とか上級冒険者云々とかを普通に流す辺り、こっちの身バレはしてると考えるべきか。あるいはノーサイドの精神で全部戯言扱いとかか?
「……果実酒の種類を増やす気は?」
「へぇ?」
「果実を漬け込むタイプな。果実はそっちのがツテを多く持ってると思うが、酒にはちょっとしたアテがあってなァ」
本来なら時間を取れるか聞いて、後で腰を据えて交渉しようと思ったんだが、酔った勢いって事にした方が楽かもなーと思った次第。フレイヤの命令で口を軽くさせて情報収集を~みたいな目的あるかもしんないし。ここの売りは果実酒ってのは
「そりゃあんたの派閥に関係する事かい?」
「いンや。個人の商売用。ついでに自作。製造許可って意味じゃ派閥の力もあるか」
「なんだい、てっきり
「欲しいのか? 店で出すンでなく自分で飲むってーなら交渉できると思うが……いや、どうだろ」
「ハンッ!
「サラッと殺人宣言するのは止めてくれ」
「フンッ!」
「グワーッ拳骨!!」
ミ
ア
\O 良い子の諸君!
○\ 口は禍の門とか元とか色々あるが意味は一緒だ。
< \ みんなも不用意な発言をしないようにな! アクアビットマンとの約束だ!