そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「お前は……その問題とどう向き合っているのだ?」
予想外の一撃でグロッキーになってるんだろう。リヴェリアが救いを求めるような、答えを言って欲しくないような微妙な塩梅で問いかけてくる。まぁ話題を振った側としては考えなかったわけがない。アタシは自分の考えを――返答をくれてやる。
「邪魔するなら蹴散らす。しねーなら見逃す。その上で役立つなら仲良くすっし媚びも売る。単純な損得勘定さ。要求を飲ませてェなら対価を寄越せってだけの話でな、見合った価値を示せるンならお宅らだろうと
――むせるっす
――認めよう、君の力を。今この瞬間から君はみ、味方です!
――お前ら……ラピスに至っては合わせ技まで使い始めちゃったかー
自分で言っててこれ傭兵だなとは思ったが、これが一番しっくり来る在り方なんだわ。どうせモンスターもダンジョンも一段落して平和になったら人間同士で争うんだから、今は無視してダンジョンに集中してーのよ。
つーかダンジョンの攻略するのに
アタシもリリに打ち明けておかねぇとダメだな。どっか致命的なタイミングでガバりそうだし。でもアタシがいなかったらベルとの劇的な出会いがあったのにって責められたらどうしよう。死ねるぞマジで。いや流石にサポーターとして搾取され続ける日々よりは現状のが……
とはいえ先延ばしし続けて後戻りできなくても困るから、誕生日プレゼントに前世知識塗れな寓話集でも渡すか。主従契約は魂の繋がりとかいう厄ネタの影響を確認してからじゃないと怖いし。現時点で『
仮に家族単位で仲良くてもご近所付き合い含めたらいきなり険悪なんよな。特に
そもそも連携できても戦士か魔法使いかの二択しかないせいで戦い方の幅が狭い。FC版のファイアーなエムブレムと考えればいいんだろうか。でも敵はスパロボ仕様でMAP兵器撃って来るんだわ。うーん、無理ゲー!
そうなるとこっちも
【ランクアップ】の条件に偉業とか掲げちゃいるが、食い詰め者の流れ着く先みたいな側面もある冒険者の現状――Lv.の分布を見れば効果はお察しだ。おかげで強敵相手だとか窮地に陥った時点で容易く折れるくらい精神的な脆さを抱えたまま。そんな連中で黒竜に勝てるかってーの。ダンジョンの攻略だってできるわけないわな。何ならモンスター以前に環境だけで逃げ出すっしょ。
まー運よく一丸になれたところで規模が大きくなれば端の方――あるいは中心から腐り落ちていくのは歴史が証明してるからな。質を伴う数の暴力は無理そう。
オラリオの街だってダンジョンからモンスターが出てこなくなって千年か?
いっそ年に一度ウラノスの祈祷止めてダンジョンからモンスター湧かせて前世の牛追い祭りみたいに各地へ誘導して、世界中のボンクラ共にその脅威を知ってもらう方が良いんじゃなかろうか。オラリオに迎合できないせいで
そういやギリシャ――地中海地方って地震多発地帯なんだってな。はないき先生が下敷きになったらしい後ろからグサッ火山も噴火するし。その意味じゃオラリオはあんまり地震とか起きてる感じないけど。ダンジョンのせいでプレートがズレちゃってるんだろうな、多分。
「……ならば、私が依頼する事もできるのだな?」
「あン? まァ、中身と報酬次第だな」
なんか考え事してたら雲行きが怪しくなって来たぞ。ここで死ねとか言い出さんよな?
「内容はこのアイズの教育だ」
「パスで」
「何故だ!?」
「むしろこっちが何故だなんだわ。育児放棄するにしても相手は選べや」
いやマジでなんでそうなるんだ。どこに要素があるんだよ。幼少期からダンジョン潜ってる事か? 【ランクアップ】が比較的早い事か? ソロで
「一番の理由はアイズを助けた事だな。他派閥の上層で活動する駆け出しに
そりゃ、材料誤魔化して大量生産してるから実際に惜しくねぇし。
「それに突き放すような言葉遣いだが節々に気遣いが感じられたからな。任せても悪い事にはならないと判断した」
「ガバガバじゃねェか理由」
死んだら
でもってなんだかんだ不在だと【ロキ・ファミリア】の弱体化がヤバい。外伝一巻の時点で芋虫やら『
かといって鍛えすぎても遠征帰りのミノタウロス全滅させそうだし、そうなったら物語の始まりになるベルの出会いがっががががが。運命の修正力は仕事してくれるんだろーか。
「それに【ソーマ・ファミリア】で女性の
「買い被りがひでェ」
――この耳長女わかってるっすね!
――さすがに当てる、か……興味あり、だな
無駄に身内からのリヴェリアの評価が高まってやがる。会わせる事はまずねぇが。
つーか噂話を知ってるなら普通は任せたくないと思うぞ。いいのか
つーかアタシだって短期間に何度も
他の噂だって基本は爆発物だしな。Lv.5になった今でもドロップアイテムを考えてなきゃ最高効率は爆弾だぞ。アイズが爆弾魔になったらどうするんだよエアリアル(爆風)とかなっても責任は取らねーぞ。
「……ダメ?」
いつの間にか解放されてたアイズがしっかり話を聞いてたらしく、裾を引っ張って注意を引いてから首を傾げながら尋ねてくる……あざとさは感じるが計算された感がない。これが天然か。
「アタシのは死なねェための戦い方だ。敵を倒すための方法じゃねーぞ」
「それでも、いい。あいつを殺すまでは……死ねない」
「裾を強く握ンなや、しわになンだろうが!」
「ぷぎゅ!?」
まさかの拳骨三回目である。今更感あるけど漫画みてーなたんこぶできねぇかな。なんならゆっくりアイズ三段重ねみたいになってくれてもいいんだが。おっと【
結局このあと嫌になるくらい食い下がられたので、月二間隔で面倒を見る事になった。
初回はガレスの監視付き。まぁ妥当ではあるんだが、幹部三人と面識ができちまったぞ。いやまぁガレスはゴブニュから話を聞いていたらしく好感度がアホみたいに高かったが。
ついでにアタシとアイズの共通点として豊穣の女主人で起きた醜態が話題に上がったりもした。女将の拳骨という共通点でアイズからの好感度まで上がったが……ここで『
その辺の体験も小出しにして徐々に慣らしてやったらどうかと提案してみたが、返ってきたのはまだ子供だという過保護な言葉だった。そしてむくれるアイズ。
あと実はフィンも来る予定だったとか、ロキがホームに呼べとかあったらしいが、リヴェリアが説き伏せたりアイズの嫌いになる発言で封殺したりがあったらしい。これロキからヘイトもらってんなぁ。ダンジョン内の待ち合わせにして良かったわ。
てな事を面会中のリリに話したらとても機嫌が悪くなってしまいました。嫉妬ですよ奥さん! リリが! 嫉妬! しっとの心は父心じゃなかったのか。つまりこれはリリに父性が!?
まぁ実際は慌てる程じゃない可愛らしいもんなんだが、慌てずにいられないのもまた
UA20k超えとお気に入り150超えしてました。日頃のご愛顧ありがとうございます。