そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「そっちのオッサンが言ってんのも、そっちの姉サンが言ってンのも心当たりはある。が、正式な回答するにゃ情報が足りねェな」
とりあえず壮年の男が言ってるのはリリとメカーバンクル含めた各種
「ふむ、やはり見えるか」
「なら、これは……ほぅ!」
勝手に納得したと思ったら、今度はジャブ辺りが飛んできたっぽい。男の腕が軽く
これ対策してなかったら当たり前に良くて重傷で最悪死亡だったんじゃねぇの。アタシの耐久は平均くらいでスキルとかの補正はねぇんだぞ。雰囲気的に軽く一当てか寸止めだったかもしれんが。
つーか見えなかったのはLv.が二つも離れりゃこんなもんか? 少なくとも音速は余裕で超えてるな。
しかも見えちゃダメだったのかよ。そうだよな表向きLv.3なんだからきっと見えちゃダメな速度だったんだよなまんまと引っかかったわバーカ!
「ご挨拶だなァ、オイ」
だがしかし、ここまで来たなら虚勢は張らねばなるまい。ライフで受ける場面になったら普通に死ねるが、そのときはエイジャに助けを求めるわ。リリの装飾云々って事はメカーバンクル見てるわけだし誤魔化せるっしょ。
――ヤバそうならそんときは頼むぞ、エイジャ
――了解っす。ネキには傷一つ付けさせないっすからね
――お前の邪魔はしたくない。すまんが、離脱する
――あァ、各々全力で生き残るぞ
うーむ、頼もしい連中よ。
つーかよく考えりゃこいつら生き証人なんだよな。しかし敗北者。つまりこいつらにエイジャの魔力壁を破られるようなら黒竜相手はまだ早いって事になるよなぁ。少なくとも変異前強化種の秘晶を加工したやつじゃ役に立たんのはさっきの一撃でわかったし。
今後は上手いこと変異させてから狩って、加工時は一つじゃなく複数組み込む必用があるな。もしくは更に深い階層で障壁張れるタイプのモンスターいるだろうか。拾いに行ったり倒したりの手間を考えたら
実際問題、ゼウスとヘラって黒竜とはどこまでやりあえたんだろ。負けたのは確かだし、聞いたらトラウマ刺激する事になるかね。
「その狡猾さは
「こちとら冒険者登録はしちゃいるが妹と平和に暮らすのが目的なんだよ。黒竜とかいう
「ほぅ……抜かしたな?」
アタシの詐称に関して思うところがあるらしいオッサン。長らくオラリオの
そして若い女性は剣呑な空気――おそらく本人的には軽い殺気を放ち始める。やべーよオッサンよりこっちのが気性難っぽいわ。ゴルシ……には見えねぇよな。ステゴ? いや、意外とこういうキャラほど閑話やイベントじゃはっちゃけ
「【
「うおっ!? なんでこっちにまで撃った!?」
女の勘すごいですね。姉御って呼んでも? つーかこっちは辛うじて耐えたけどヒビだらけなんだが魔力壁。
今の魔法だと思うけど、魔力込めてたか? つーか詠唱は? ファイアボルトの親戚か? 文字数や到達速度にこっちのが勝ってるけど。
見えなかったって事は不可視のエネルギーをぶつけられたんだろうが……魔力壁でせき止められてこっちにとどかねぇところを見ると分類的には
「……アタシの予想じゃ10年もたねーぞ、人間様が天下なんぞ気取ってられンのはよ。
これはホント正直な気持ち。原作時間軸まで猶予はある前提で動いちゃいるし、その場のノリで結構な寄り道してるから甘えがないとは言わねぇが、見えてる地雷に備える風がないのは意味がわからない。いやまぁ冒険者連中のほとんどは主神の寵愛だの名誉だのヴァリスだの、目の前の地面に転がるもんにご執心だからお空の向こうを飛んでる黒竜なんざ見えてねぇんだろうがよ。
でも
つーか
「だがよ……今の
「「…………」」
だんまり、か。もしかして自分たちの失敗について責任を感じてたりするんだろうか。まぁ千年見守ってきた神々でさえ敗北の可能性を考えてなかったっぽいからな。
「お前のように現実を見て、焦りを抱いている者がどれほどいるか」
「我々の失望、あるいは貴様になら……」
「あァ?」
失望? あれか、負けて帰ってきたらクーデター起こされて追放だもんな。それだけでグレて
しかもそこに後釜の足踏みだろ。競う相手がいなくてダンジョンにも潜れなくてガチ停滞の
つーかギルドは冒険者記録を参考にした【ランクアップ】までのチャート組んで二大派閥に渡してんだろうな? いやまぁ中立の立場とかあるから贔屓はできないって建前は分かるし、ばら撒いたらスパイを通じて
それにこいつら、こうしているのが不思議なくらい体が限界なんだよな。残り時間が少ないんだから何をするにも必死になるか。なんだよ体が腐り落ちる猛毒に蝕まれてるとか、先天性かつ致死性の不治の病持ちとか、【
とはいえ、
「踏み台になる気か、テメーら」
「……ッハ!」
「
「……そーかい」
なら、なんでそんな嬉しそうに笑うんだよ。後継者を見つけましたみてぇな顔を止めろ、肩の荷が下りたとでも言いたげなホッとした表情もだ。こちとら肩や背中は予約済なんだよ、オメーらの席ねぇから!
頼むから自分らを追い出した二大派閥の因縁持ちにでもぶん投げといてほしい。アタシは