そっちがリリカルならこっちはラジカルだ!(錯乱) 作:夜月工房
「見 つ け た ぞ」
「【
「それはもうやった」
「あ、マジで? ネタ被りしちゃったか~うっわ恥ずかし~」
「それで? アタシに黙って祭を始めたみてぇだが言い訳はあるか?」
「いやだって、事前に知らせたらギルドとかに垂れ込むでしょ?」
「まァ、否定はしねェな。裏取り間に合わせれっかは微妙だが」
「でしょ? そんなわけでぇ、少なくとも始まるまでは大人しくしててもらおうって全会一致で決まったから黙ってたわけ」
ぐぅ正。だが正論ほど腹が立つものもそう多くはないわけで。
「遺言はそれでいいンだな?」
「待って」
「護衛さんの面倒は見てやるから安心して光になれ」
「
「どうでもいい事をぐだぐだと……」
服の袖に仕込んでた
「それでさぁ、覚えてるでしょ? 【
「はァ? ンで唐突にお通じ報告してくンだよキメェな」
「便出たじゃないよ! ヴェ! 下唇噛んでるからね!?」
唐突すぎるオリヴァスの話題。親の仇かつ作業場を駄目にした犯人がどうしたってんだ。未だに補償の一つもされてねぇのに蒸し返すとか、もしや自殺志願者か何かでいらっしゃる?
「いちいちやかましい。それで?」
「えーとね、その一応は幹部だった子が欠けて、空の座を巡ってちょっとした争いが起きたもんだから……そこそこ実力ある子が減っちゃって」
「ウケる」
内部分裂してんじゃん。そりゃ、寄合所帯じゃありがちな話だけどさ。つーかそこは神にしろ幹部にしろ偉いやついるんだから鶴の一声で任命すりゃいいのに……それを不服に思って闇討ちしたとかかね? 単に面倒だから自分らで決めろって丸投げされた可能性のが高いか。
「そこで話し合った結果さ、いっそ【
「却下だ、却下。それよりもアタシの愛しいリリが行方不明とかきいたんだが?」
「ミ゜ッ!!」
つーか原作より知能低くなってない? アタシの存在がバタフライエフェクト起こしたにしてもちょっとばかしひでぇぞ。ちなみに確認するけど【
「その反応は肯定って事でいいンだな?」
「いや、あの、その」
「い い ん だ な?」
「も、目下捜索中でありまぁす!」
あ、逃げた。一般人並の身体能力だからすげーじれったい。そして丁寧に頭を下げてから後を追う護衛さん。一切出しゃばらなかったその姿勢、拙者感服仕った。すげぇよな『仕』の一文字で『つかまつ』ってめっちゃ省エネじゃん。現代人は見習うべき。でも読みが長い一文字漢字シリーズは無理矢理すぎってか逆に頭悪く見えるから好きになれない。振り仮名をひらがなで長々書くと一部で言う
さて、本来ならもう少し脅してから今回のドンパチについて計画を聞き出すつもりだったんだが当てが外れたな。逃げた邪神を追いかけてもいいけど、あれが正式な
つーか、
そう考えるとリリがまともに教育されてたのも協力者でしかない邪神手前連中だったからか? その場合はこっちで得られる情報の質がお察しで、ある意味じゃアタシに対する遅延工作って可能性もあるか……いやねぇわ。小人族一人に払う注意なんぞ持ち合わせちゃねぇだろ、計画考えるようなお偉いさん共にゃ。
そうなると向かうべきは地下水路か……参ったな、一度行ったきりだから道覚えてねぇわ。あん時も案内したのはあの邪神だし、やっぱ取っ捕まえて案内させるか。道中インタビューできるし。
「つーわけだ。よろしく」
「捕虜の扱いはナントカ条約に則ってちょうだいよ」
「ねェよ、ンな
「い、嫌だー死にたくなーい! 誰かー助けてー!」
そんな見苦しい態度を隠さない邪神を先行させる形で案内させた地下水路には、確かに
なんかアタシを案内する形で中枢まで行くと、もれなく他の中心的な邪神によりこの邪神が送還されるっぽいので、ここで放してやった。別に崖の上で尋問したわけじゃないんで死ぬ事はあんまりないんでねーかな。まぁここまで来たら他人事だ。
「あー、迷った」
その結果がこれだよ! やっちまったな。目的地どころか現在地も出口もさっぱりだ。そこらの構成員に案内させるか? いうてアタシがここにいる時点での咎められる可能性も高いからなぁ。もう少しぶらつくか。
「いいですか、しっかり押さえておくのですよ!」
で、遠くから聞こえてくるシャンシャンやかましい金属の擦れる音を頼りに辿り着いた広間では、なんか宗教関連っぽい格好のデカイ図体した獣人が指示を出し、猿轡を噛ませた男たちを複数の男たちが押さえつける変態チックな光景が繰り広げられていた。閲覧に年齢確認される系やぞこれ。爆破してもいいだろうか。
「おや、そちらは……お待ちなさい。その手にした
喋り方まで司祭っぽいな。つーか制止を呼びかけつつもシャンシャンうるせぇから微妙に聞き取りにくい。
とはいえさすがに先手を取れなかった以上は現行犯扱いされても文句は言えないので、爆弾をそっと袖の下にしまいこむ。
「思い止まって頂き感謝します。して、こちらは行き止まりですが我々にご用ですかな?」
「いンや。
思ったより物腰は柔らかなんだが、ガタイのいい神職ってどこぞの児童誌のじゃないベルセルクを思い出すんだよなぁ。どこで地雷踏むかわかんなくて緊張するわ。とりあえずここは隠れ家の中心的なところからは遠そうだな。シャンシャンうるせぇし。ヴァレッタとかディース姉妹なら普通にキレるだろ。姉御なんて怒髪天まであるぞきっと。
「ふむ、生憎とここの道は複雑でしてな。言葉では説明しにくいのですが……」
「あー、いいよ。音から離れるように進めば良さそうだし、また別のとこ出たらそこいるやつに聞くわ。お勤めゴクローサン」
「えぇ、そちらもお気をつけて」
そんな感じで穏便に接触が済んだんで、さっさと引き返し別の道を探索。
気になったんで押さえつけられてる連中を【
まぁ、数人がかりで制動する時点で貴重な戦力なんだろうな。Lv.6になったアタシに上位の【
しかし精霊な、下位精霊は
上位の精霊は英雄譚に出てくる名前持ちだろ。アリアとかダンジョン奥地の本体とか。あー、劇場版のアルテミスも近い状態か? 下位精霊並なのを無理矢理出力上げて自我持たせた分だけ寿命短いみたいな。知らんけど。
つーか、神の分身なのにユニークだけじゃなく自我の薄いコモンもいるのは、アレ同一神物から遣わされたんだろうか。あるいは系列の近い神に向けた規格品? ラテン語やギリシャ語から取られた名前だから、担当した神は主にギリシャ系なんかね。
その意味じゃインド系の場合だと上位精霊は化身とか神獣とかの名前や格好なのかね。アルゴノゥトはジュピターだから同一視もワンチャンか。つまり、ソーマはハオマやチャンドラ、そこからもう一捻りしてシームルグまで飛躍してもいい。まぁやらんかっただろうけど、仮にやってたら精霊も人間への助力そっちのけで酒造ってそうだよな。
なんて風に考え事しながら呑気に歩いて辿り着いた先には、見知った顔。
「オッサン?」
「……お前か」
なんかすげー疲れてるし落ち込んでるな。どしたん? 話聞こうか? とりあえず飯でも食わせるか。ユニコーンの角を粉末にしたやつを隠し味もしくは調味料って形で振りかけてさ。確かほんのりメンタルにも効くからなあれ。ミートソースに対する粉チーズ並にかけてやるか。