個性:フェンリルに転生した   作:入魂ロフス

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9話

ロウside

モニタールームーー…

 

「つってもMVPは葉隠少女だけどね!」

「「「ええ!?」」」

「なんで〜!?」

「今回はどんな理由かしら」

 

 幸い今回は耐性がついていたみたいで出血量が少なく、5分ぐらいで目が覚めたので講評を聞くことができた。

 

「はい、オールマイト先生」

「ハイ、八百万少女」

「今回のMVPが葉隠さんである理由は葉隠さんが一番自身の役目を遂行していたからですわ。

 岳山さんの巨大化による撹乱も十分な効果を発揮してはいましたが、完全に意識外からの一撃であった初撃で障子さんを気絶させられなかったこと、そして轟さんと障子さんの反撃を許した事は減点対象だと思われますわ。

 轟さんの初撃と障子さんの攻勢も評価に値しますが岳山さんとの戦闘に夢中になって葉隠さんを忘れていたのは減点対象だと思われます。

 対して葉隠さんは岳山さんの作った隙を一つも逃す事なく止めを決めていました、最も間違いを犯さなかった故に葉隠さんがMVPですわ」

「ハイ、以上解説でした」

(((言うことなくなったんだね)))

 

 ムムム…確かに初撃は最大のチャンスだったのに無駄にしてしまっていたな…反省せねば…。

 

「やったぜ!」

「…不覚」

「盲目的になってしまっていたんだな」

「こんなところで…!」

 

 一通り感想を言い終わった俺たちにオールマイトが声をかける。

 

「皆今回は特に伝えたいことがあったんだけど…気づいた人は居たかな?」

「なに?」「轟の氷結ヤバかったよな」「もふもふしてた」「葉隠エロくね?」「気持ち悪いわ峰田ちゃん」「岳山…鼻血が凄かったが無事なのか?」「無事無事、あれくらいならすぐ治る」「このマントヤバいよね☆」「あ、うん」

「んんん〜〜聖徳太子ィィ〜〜!!」

 

 …ん?どうしたマロウ、なんかソワソワしてるぞ?

《なんでもない》

 そうか?なんか気づいたことがあったら言ってくれよ?

《…もちろん》

 マロウよ…絶対なんか隠してるだろ…

 

「ハイ皆静かに!今回伝えたかったのは…「デカいは強い」!」

「「「!!!」」」

「今回戦った轟少年と障子少年は身に染みてわかったと思うけど巨大な敵を相手にするのはとても難しい!

 私やエンデヴァーような火力のある個性以外はよっぽど相性が良くないとまともに相手できないことが多い!二次被害も大きくなりがちだしね!

 反面、Mt.レディや海外のヒーロー…ゴジロのように味方としては一線級!同じく二次被害も出がちだが凶悪敵を瞬殺できることだってある!

 敵としても味方としても巨大化の個性を持った者は重要になりがちなんだ!

 ま、巨大化個性にバカ強い個性もそれなりにいるからそこは周りがなんとかしなきゃならんけどね!」

「「「おお……!!」」」

 

 すごい…普通にタメになる話だ…!そんでオールマイトに褒められた…!俺の巨大さは大きな武器になるんだな…精進せねば…!

《デカさを追求するのもアリだな》

 そうだな…小さい頃と比べたらだいぶ巨大化倍率も増えたが…これ以上身長伸びるかな…伸びるといいな…。

《………》

 なんか言えよ我が魔狼。

《ロウにはまだ早い》

 ムムム…そういう事ならしょうがない…

 

 

 

 

 

 

マロウside

 

  ムムム…やはり氷のみの轟は特に相性が悪いな…。

 他の相手だったら戦闘を通じてなんかしらエネルギーを吸って優位に立てるが轟相手だとエネルギーの消費を強制させられる…。高難易度の癖に報酬が渋いクエストやってる気分になるな…。

 ……ま、今回ぐらいの戦闘なら備蓄が尽きることなんてそうそうないけどね!

 

 

 ロウ達の訓練が終わった後、建造物の大破壊により場所を移して訓練が再開された。

 皆の訓練終了後、オールマイトによる締めの挨拶が始まった。

 

「ハイ、お疲れさん!!

 緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!!

 初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…何か拍子抜けというか…」

「真っ当な授業もまた私たちの自由さ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!!」

「?急いでるなオールマイト…かっけえ」

 

 芦戸ちゃんの呟きに答えたオールマイトが爆速で去っていった。

 ありゃ活動限界だな…それにしても隠すの下手すぎない?峰田も疑問に思ってるぞ。

 

 …………………………………はあぁぁぁぁぁーーー………(クソでかため息)。

 ……どうしよううちの子思った以上に感が鋭い…。

 既に緑谷とオールマイトが同じ個性なこと見抜いてるしなあ…もうちょっと後で明かすつもりだったんだけどなあ……マジでどうしよう。

 

 

 

ロウside

 

 締めの挨拶を終えたオールマイトは爆速でその場から去っていった。

 

「っ!?」

「どうした岳山」

「いや…なんでもない」

 

 感知範囲ギリギリのところでオールマイトの"体温"の形が変わった、痩せこけた骨と皮のような容姿………なんだこれは……!?

 …………力が衰えているのか?なら緑谷はなんなんだ……?…オールマイトのクローン…は無いな、隠し子か…?

 今のヒーロー社会が維持されているのはオールマイトの威光の影響…オールマイトに成り代わるNo.1ヒーローの育成か…さしずめ後継者計画…これ良いな………。

 ムムム…マロウよ、いつになったら教えてくれるのだ?

《………ちょっと待ってて》

 む…その感じだと本当にちょっと待てば良いんだな…?

 

 

 

 制服に着替えて教室に戻り、帰りのホームルームを終えた後、皆で戦闘訓練の反省会をする事になった。

 

「障子のラッシュがヤバくてよ〜!めっちゃ盛り上がったんだぜ!?

 ていうかオールマイトにあれほどデカいは強いって言われるのを考えると岳山ってズルいよな〜!将来大物ヒーロー確定じゃん?」

「大物通り越して歴史に残るヒーローになってやるぜ」

「つよい」

「それにしても岳山の個性ってデカくなったり狼になったり炎出したりパンチ無効化したり…どんだけ個性持ってんの?」

 

 耳郎さんが俺の個性について聞いてきた。なにやら勘違いをしているようだな…教えてやろう!我が個性!

 

「俺の個性は一つ、「フェンリル」だ」

「「「カッコ良!?」」」

「何それチートじゃん!?」

「なんだその厨二心くすぐる個性は!?」

「何それ」

「フッ…神話の魔狼…封印の獣…」

 

 常闇が補足の説明を入れてくれたが俺の個性はそれだけじゃ無い…!

 

「炎纏いし獣…雷神を屠りし大罪の獣…あらゆるフェンリルに関する伝承を元にした複数の能力を持つ……」

「わあ!」

「何この香ばしい空気は」

「二人であらかた説明しちゃったね」

 

スイーー…

 

「おお緑谷来た!!!おつかれ!!」

「む」

「いや何喋ってっかわかんなかったけどアツかったぜおめー!!」

「へっ!?」

「よく避けたよーーー!!」

「一戦目であんなのやられたら俺らも力入っちまったぜ!」

 

 俺の個性についての話が盛り上がっていたところで問題のクラスメイト、緑谷出久が教室に保健室から戻ってきた。

 皆が緑谷に話しかけるが俺の話はここでは人が多くて話せないな…。

 

「俺ぁ切島鋭児郎!今皆で訓練の反省会してたんだ!」

「私芦戸三奈!よく避けたよーーー!」

「蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで」

「俺!砂藤!」

「わわ…」

「騒々しい…」

「こういう騒々しさも良いものじゃ…?」

「……?どうした岳山」

「いや…用事を思い出した」

「帰るのか?」

「ああ、皆に帰ったと言っておいてくれ」

 

 切島達の怒涛の自己紹介にたじたじになる緑谷を眺めながら常闇と話していたその時…。

《ロウ、時が来た。教室から出よう》

(了解だ、マロウ)

 運命が動き出したか…ククク…!

 マロウの呼びかけに応えて足早に教室を去る。

 

「麗日今度飯行かね?何好きなん?」

「おもち…」

「机は腰かけじゃないぞ!今すぐやめよう!!」

「ブレないな飯田くん!」

「あれ…岳山どこ行った?」

「奴なら帰ったぞ」

「ええ!?爆豪といい岳山といい強え奴らってなんかそういうのあるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 マロウの指示に従い光を吸収して髪色を黒に、体温を下げて気配を少なくして正面玄関付近の生垣の裏に潜む。

(マロウ、こんなところに隠れ潜んで何が始まるのだ?)

《見ていればわかるぞ、ロウの疑問は正しかったということがな》

 ……まさか後継者計画は本当なのか!…オールマイトも"こちら側"ということか…仲良くなれそうだ…!

《違う…名前の問題じゃない》

 

 とかなんとかマロウと話していると玄関から爆豪が出てきた。ムムム…集中して感知しないと分からないが奴め…何やら落ち込んでいるな…。

 

「かっちゃん!!!」

(!?)

「ああ?」

 

 うおっ!?爆豪に集中していて気づかなかった!

 ムムム…?緑谷の奴も何やら悩んでいるな…こいつらやっぱりなんかあるのか…?

 

「これだけは君には言わなきゃいけないと思って…!」

 

 ……あれ?これ俺聞いてちゃダメな感じか?

 

「人から授かった"個性"なんだ」

 

 

 

 

 …………………What?

 

「誰からかは絶対言えない!言わない…でも、コミックみたいな話だけど本当で…!」

「……!?」

「おまけにまだろくに扱えもしなくて………全然モノに出来てない状態の"借り物"で……!

 だから…使わず君に勝とうとした!けど結局勝てなくてソレに頼った!

 僕はまだまだで…!!だから………いつかちゃんと自分のモノにして"僕の力"で君を超えるよ」

 

 ………あーー……どうしよう、そういうこと?

《そういうことだ》

 ……マジデスカ。

 

「何だそりゃ…?借りモノ…?わけわかんねえ事言って…これ以上コケにしてどうするつもりだ……なあ!?

 だからなんだ!?今日…俺はてめェに負けた!!!そんだけだろが!そんだけ……

 氷の奴見てっ!敵わねえんじゃって思っちまった…!!クソ!!!

 それに勝った狼の奴に!勝てる気がしなかった…!クソが!!!

 ポニーテールの奴の言うことに納得しちまった…クソっ!!!クッソ!!!

 なあ!!てめェもだ…!デク!!こっからだ!!俺は…!!こっから…!!いいか!?俺はここで一番に"なってやる"!!!

 俺に勝つなんて二度とねえからな!!クソが!!がああああああああ!!!!!」

 

 爆豪は気の済むまで叫んだ後、緑谷に背を向けて歩き出した。

 ……いやー…個性の譲渡……誰にも言えないな…。

《俺がいるぞ》

 それとこれとは別だと思うぞ我が魔狼よ。

《これを知っている者にはある程「いたー!爆!豪!少年!!」

 ……オールマイトがすっ飛んできた。

 

「〜〜〜〜!!」

「言っとくけど…!自尊心ってのは大事なもんだ!!君は間違いなくプロになれる能力を持っている!!君はまだまだこれから…「放してくれよオールマイト…歩けねえ。

 言われなくても!!俺はあんたをも超えるヒーローになる!」

「あ…うん…………教師って…難しい…!」

 

 ……こんな時になんだけどオールマイト戸惑っててウケる。

 

「今回は大目に見るが…つぎはナシで頼むぞ。

 この力を持つという責任をしっかり自覚してくれ!

 知れ渡れば力を奪わんとする輩が溢れかえる事は自明の理!

 この秘密は社会の混乱を防ぐ為でもあり、君のためでもあるんだ、いいね?」

「はい!!!」

 

 

 

 改めて思うが…本当にヤバい事実を知ってしまったんだな…。

《この力の代償だ、お前も時期に奴の運命に巻き込まれるぞ》

 承知した…!……それにしてもマロウはどうしてそんなに色々知ってるんだ?

《……フェンリルの勘だ》

 なるほどフェンリルの勘なのか。

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