その日は夏の遠足だった。
俺の個性は異形系で狼の尻尾と耳が生えてた。
友達の提案で一緒に四つん這いで追いかけっこをしていた時、公園の端にいたおじいちゃんの連れていた犬が遠吠えをした。
突然、凄まじい衝動が俺を襲った。
遠吠えがしたい!叫びたい!
その衝動に俺は素直に従った。
「わおぉぉぉぉぉん!!」
「わっ!ろーくんどしたの!?」
心配した友達が近寄って来たその時。
おへそから出てきたもやもやが僕を包み込んだ。
その瞬間、体がすごいムズムズしだした。何かヤバい。そう思った俺は叫んだ。
「にげて!!」
「え?」
ズン!!!
「「わぁぁぁぁ!!」」「「キャァァァァ!!」」「「うぇえぇぇえぇぇぇぇん!!」」
気がつくと俺は滑り台よりももっと大きな狼になっていた。
周りの皆が泣き喚くなか、心配して近づいてきた友達だけが見当たらなかった。
踏み潰してしまったと思った俺はゾッとした。
急いで立ち上がりその場から離れると……
「モフモフぅ………あれ?」
…友達は俺のお腹の毛をモフっていたようだった。
騒ぎを聞きつけたヒーローが何人もやってきて俺もつられて泣いてしまったが、幸い誰も怪我などはしなかったようだ。
長めのトイレから帰ってきた先生はびっくりして腰を抜かしていた。
急いで病院に連れていかれて個性検査をさせられた。
俺は家族やお医者さんがすごいすごいと騒いでいるのに全然気づかなかった。
というか個性が発現してからずっと頭の中に話しかけてくるなにかの「声」に集中していて全く周りが見えていなかった。
その「声」は俺にいろんなことを教えてくれた。
この力はとても強い力で悪い人が使うと大変なことになること。
俺がヒーローになればたくさんの人を救う力になること。
俺が16さいになるころ、世界をめちゃくちゃにするとっても悪いやつが現れること。
俺の力があれば悪いやつから世界を守れること。
俺以外にも悪いやつから世界を守る使命?を持った人がいること。
使命?のことは俺と「声」…マロウしか知らないこと。
他にもたくさんのことを教えてくれた。
俺に話しかけるマロウはとっても頼もしかった。
「だからおかーさん!ろーくんは私といっしょに姉弟ヒーローになるの!」
「優……狼はヒーローに会っても碌に反応しないくらい興味がないんだから無理矢理ヒーローになるよう言うのはダメよ?」
「ガルルルルルル……まあまあ母さん…子供の夢を奪うようなことは言うモンじゃないよ…?」
「むー………ろーくんだいじょうぶ?さっきからずっとぼーっとしてるけど…」
ずっとマロウの話を聞いていた俺に優姉ちゃんが話しかけてきた。俺はその時目覚めたのだ…。
「…ゆー姉ちゃん!おれヒーローになる!ヒーローになってわるいやつからせかいをまもる!」
「……!!やったあ!一緒にヒーローなろうね!!」
「「…………????」」
これまでヒーローに毛ほども興味を示さなかった俺が突然ヒーローになると言い出したことを姉ちゃんはすぐに受け入れて喜んだ。
そして両親は真理を知った猫みたいな顔になった。
〜〜マロウ視点〜〜
俺…マロウがロウの個性に転生した日から10年……ロウは…
「フハハハハハハ!おはよう二人とも!我らが運命の日は近い!互いに望む運命を辿れるよう精進しようぜ!むん!」
「岳山何言ってんの?翻訳頼む」
「受験の日はもうすぐだね!互いに希望する進路に行けるよう頑張ろう!で気合を入れる音ってかんじ」
「すげえなお前」
やっちまった……転生した時のテンションで変なこと言わなきゃよかった…
あれからロウの姉の優は雄英高校を卒業して原作通りヒーロー…Mt.レディになった。
そこまではよかったんだ…中学2年のある日!突然ロウが変な喋り方を始めたんだ!
そう…ロウは厨二病に罹患していた!
厨二病に理解のある友達ができたのは不幸中の幸いだが…このままだと常闇とキャラ被りする……か?
…テンション真逆だし意外とキャラ被らないかもしれん。
「フハハハハ!!魔狼!共に運命に打ち勝とうぜ!」
「アイヨ!ガンバロウゼ!ロウ!」
ロウの呼びかけに応えて金色の狼の幽霊的なものが現れる。
これが俺がロウ以外と意思疎通する唯一の手段だ。
……ダメだ!ロウはいいが俺が完全にダークシャドウとキャラダダ被りだ!
くそう!この技を習得した時嬉しくてダークシャドウの物マネしたのは間違いだった!
あの時のせいで今更キャラ変はできない!
…まあいいか、致命的なモンでもないし常闇と仲良くなるきっかけになれば幸いだ。
俺が喋りづらいこと以外は問題ないな。
数日後、雄英高校受験当日ーー…
「デッカイナ!ロウ!」
「フハハ!そうだな魔狼!封印されしフェンリルの力で共に試練に打ち勝とうぜ!」
もう通常会話に厨二用語が混じってやがる……これは重症だあ…
岳山狼の表記どうする?
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ロウ
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狼