やってみたかった、後悔はしていない。
ロウside
数分後ーー…
『ヒーローチームW I ーーN!!!』
オールマイトの合図で緑谷チーム対爆豪チームの訓練が終了した。
「負けた方がほぼ無傷で…勝った方が倒れてら…」
「勝負に負けて試合に勝ったというところか」
「訓練だけど」
しかし緑谷が爆豪と因縁の仲なのはわかったが…この勝利がどんな影響を齎すのか…爆豪は要警戒だな…。
いやでもマロウは特にそういうことは言ってなかったからな…むーん…分からん…。
緑谷がハンソーロボの方々に搬送されて爆豪達がモニタールームに戻ってきた。
「まあつっても…今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」
「なな!!?」
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
「何故だろうな〜〜〜〜〜?わかる人!!?」
「ハイ、オールマイト先生。
それは飯田さんがーー…」
空気が破裂するようなエグい音の挙手と共に問うて来たオールマイトに八百万さんが手を挙げて話し始める。
あの挙手耐えられるのこのクラスにいないな。俺の物理的衝撃の吸収可能出力を遥かに超えてやがる。オールマイトエグすぎ、でも緑谷と個性のエネルギー一緒なんだよな…。どうなってんだマジで。
《それに関してはまた今度話す。今は自分の訓練のことを考えろ。》
了解したぞ我が魔狼よ。
《ロウって急にスイッチ切り替わるよな》
照れるぞ。
(褒めたつもりじゃないんだが…)
「ま…まあ飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが…まあ…正解だよ…くう…!」
お、八百万の説明終わったな、補足しとくか。
「ハイ、補足があります」
「まだあるの岳山少年!?」
「今回の演習が核を扱うという設定な事を考えると爆豪の個性は核に誘発する可能性がある。故に爆豪の私怨丸出しの独断専行も核を気にせず暴れる為だと見れば結構良いとこ行ってたんじゃないですか?
あとヒーローに見つかった拠点は普通捨てると思うので敵側は証拠隠滅の為にもバンバン拠点壊して良いと思うぜ?」
「最後の自分の為だろ!?」
バレたか上鳴。拠点壊して良いよってなったら俺やりたい放題だから当然だろ。
「たしかにそうだね!爆豪少年、理由はともあれ行動自体は間違っていなかった、忘れないでおくれ!麗日少女を通したのは確実に減点だけどね!
あと怪我人出し過ぎるとまずいから破壊は程々にね」
「ッス……」
「了解!程々に壊すぜ!」
「話聞いてた?」
…………もちろん聞いてるぞ!
場所を移して第二戦ーー…
ヒーローチームは轟と障子の二人、こちらは葉隠さんと俺。葉隠さんのステルスが肝だな。
「くっ…血が疼く…!」
「わあ!岳山くん私ちょっと本気出すわ手袋もブーツも脱ぐわ」
ゑ?ちょっと待っ…!
「戒めっ!」ゴッ
「わ」
邪な妄想をしかけた自分を殴り一旦落ち着く。
「それはそうと葉隠さん、ブーツはここぞという時まで脱がない方がいい。
相手の轟の個性はおそらく氷結系、体力測定で凄まじい速さで氷結を出していた、足元を氷で覆われれば皮が剥がれかねない。
あと障子は多分パワー系だ、体力測定で手を複数出していた。
以上、マロウ調べだ。」
「オレシラベデス、タブンマチガッテナイヨ」
「イマシめると冷静になるね!わかったブーツは履いとく、作戦どうする?」
「それなら…」
障子side
今回の相手は岳山と葉隠、岳山に暴れられると葉隠を見失いかねない。索敵も念入りにしておこう…。
「五階、屋上に一人。もう一人は四階の道路側…素足だな…透明の奴が伏兵として捕える係か。岳山の巨大化が不安要素だな」
俺の報告に轟はすこし考えた後建物内に向かって歩き出した。
「おい、どうした…」
「外出てろ、危ねえから。向こうがどんな作戦立てていようが…俺には関係ない」
轟がそう言った瞬間、一瞬で建物が氷に包まれた。
「なっ!?」
凄まじい個性の練度…にしてもチートだな…!
「行ってくる」
「っ!待ってく…」
ドォン!
「「っ!」」
一人で先に進もうとした轟を止めようとしたところで凄まじい揺れに襲われる。何が起こった、地震?
「何だ…おい障子後ろ!」
「オラァ!」
轟の言葉に振り向いた俺の視界には毛に覆われた巨大な拳が広がっていた。
オールマイトside
轟少年の氷結は凄まじいな!ぜひエンデヴァーに指導のコツ的なものを教わりたい。
「はぁ!?何アレチートかよ!?」
「氷結の個性かしら」
だが岳山少年は"吸収・放出"の能力で溜め込んだ熱を放出、脱出してしまったな。
しかし彼の個性のやれる事の多さに一時期オールフォーワンの関与を疑ったが…数多ある能力が全てフェンリルの伝承に関係した能力、個性名の詐称はまず無い。
おそらく唯の突然変異個性、それにあれほど高い知性を持つ個性がオールフォーワンに奪われて強制的に与えられた宿主を受け入れる筈がない。
彼は間違いなく一人のヒーローの卵だ。
ドォン!
屋上から飛び降りた岳山少年が空中で15mの人狼形態に変化する。その大きさは着地の衝撃がモニタールームに伝わるほど。
バゴォォォン!!
「ギャァァァァァ!!!アレ死んでないよな!?オールマイト大丈夫なの!?」
「大丈夫!手加減はしているさ」
着地後即障子少年に向かって拳を叩き込んだ。しかし鮮やかな攻撃!通路に沿って殴った事で建造物への被害を最小限にしている。
轟少年もさすが推薦入学者、脆い氷で吹き飛ばされた障子少年を受け止めた。
『動けるか障子!次が来るぞ!…っ!』
『ぐっ…!』
『オラァ!』
咄嗟に出した轟少年の氷結を殴り飛ばす岳山少年。あ、氷の破片が障子少年の足に当たった、今回は怪我人が増えそうだな…。
『すまない障子!…クソっここじゃ埒があかない…!上に行って岳山を倒すぞ!』
『っ!……おう!』
氷結を使った高速移動で階段を登っていく轟少年の肩に掴まる障子少年。
しかし岳山少年もそう易々と核には近寄らせないぞ。
『オラオラオラオラァ!!』
ドンドンドンドン!!
轟少年の位置をなんらかの感知能力で把握して貫手で建物を貫きまくる岳山少年。結局建造物壊しまくるのね。
『クソっ…チートかよ…!』
『お前が言うなよなぁぁぁぁああ!?』
『行けぇ!障子!』
『ああ!』
必死に岳山少年の攻撃を避けながらある程度の高さまで来た轟少年が突きだした岳山少年の腕に沿って障子少年を氷結で押し出す。
岳山少年の顔の横まですっ飛んできた障子少年が全ての複製腕を拳に変えてラッシュを放つ!
「いっけぇぇぇ!!!」
「うおぉぉぉぉ障子やっちまえぇ!!!」
『オクトブロー!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァ!!!』
「「「おおおおおおお!!!!」」」
熱い展開にモニタールームが盛り上がる。
砕けた氷結の霧でうまく見えないがどうなった…っ!?
『『はあっ!?』』
『弱連打は効かねえよ…!』
そこにいたのは無傷の岳山少年!マジで物理的エネルギーも吸収できるのね!
『フンッ!』
『ぐっ!』
ガシャァン!
岳山少年が肩に乗った障子少年を掴んで建物に投げ飛ばす……ってあの方向は!
『ぐっ…『確保!』…何!?』
『障子!クソっやられた!』
立ちあがろうとした障子少年の腕に確保テープが巻かれる。
感知していた葉隠少女の方向に投げ飛ばしたのか!この瞬間のために葉隠少女も息を潜めていたんだね!
『核はたぶん屋上…!核さえ取れば…!』
『させるかっ!』
『ぐあっ!?』
轟少年が氷結での高速移動で建造物の外側から屋上にある核に向かうが空中では遮るものが何もない、即座に岳山少年に叩き落とされる。
ふりだしに戻された轟少年はその後もあの手この手で核に迫ろうとする。
しかし悉く岳山少年に妨害され、疲弊したところで隙を突いた葉隠少女に確保テープを巻き付けられてしまった。
『えい!』
『ハァ…ハァ…っ!?クソっ…!』
「ヴィランチームW IーーN!!!」
「大きい」故のシンプルな強さが皆わかった事だろう。
ロウside
『ヴィランチームW IーーN!!!』
葉隠さんが轟を仕留めてくれたらしい。建物に手を掛け人形態に戻る。
屋上に降り立った俺の元に葉隠さんが駆け寄って来る。
…止まらないぞ?あ、ちょっ待……。
「やったね岳山くん!すごかったよ!ドンドンドンって私に当たらないように攻撃してたよね!本当に私のこと見えるん………………あ」
「」
手袋とブーツだけの葉隠さんが抱きついてきた。
女性特有の柔らかい体が押しつけられる感覚。
俺は一瞬、自分の果たすべき使命を完全に忘れてしまった。
俺は鼻血を出しながら気絶した。
今回から視点の表示を〇〇sideに変更しました。