職場のデスクの上にウマ娘用のパンティーが   作:ジャミゴンズ

9 / 13
第九話:*^▽^* 【モブパンティー】 *^▽^*

         第九話:*^▽^* 【モブパンティー】 *^▽^*

 

 

 

 

 『怪物』グラスワンダー、アイビーSを5バ身差勝利!

 最後は緩めて楽々のゴール! 前評判通り、怪物染みた強さ!

 マルゼンスキーの再来か! 怪物2世! デビュー7バ身差、アイビーSでも5バ身差!

 凄まじい末脚を見せつけグラスワンダー、他バを楽々と千切って快勝!! GⅠ挑戦も近いか!

 

ネット記事、新聞での速報。 記事の大きさの大小は問わず、グラスワンダーの勝利を報せると共に、その着差に注目が寄せられていた。

 

ノーパンで走ったグラスワンダーが勝ってくれたことは喜ばしいことだ。

 

ああ、勘違いしないように言っておくが、ノーパンというのはパンティーを履かないで走ることではない。

普通のノーマルパンティーで挑むということだ。 俺が到着するなりグラスワンダーが約束通りノーパンで来ました、等と調整ルーム前で言ってしまうもんだから少しばかり騒ぎになってしまったが……ちゃんと誤解も解いたし大丈夫だろう。

 

 このノーパンで勝つ。 というのは、これは俺とグラスワンダーにとって大事な事だった。

 

パンティーの力……つまりパンティー因子は想像以上に凄くて、これまでの俺のトレーナーとして歩んだ観念を変えかねない劇薬でもある。

距離適性がパンティーを変えるだけで伸びるんだぞ? 逃げウマが差しウマ適正を得たりできるんだ。 

 

ありえないだろ、多寡が他のウマ娘が履いていたパンティーがワープしてきて、それに着替えて履いて走っただけだぞ? 

 

 

……字面がおかしすぎて俺が狂っているとしか思えなくなりそうだ。 ワープって何だよ。

 

 

何にせよ、グラスワンダーはアイビーSを楽々と勝利し、ウイニングライブをセンターで踊ってくれた。

 

担当バがウイニングライブのセンターを飾るのはとても良い。

トレーナーにとって至福の時間とも言える。まだすこし優雅に踊ろうとしてキレを出すべきところで動きが甘いが、どちらかと言うと欠点ではなくそれが彼女の踊りの持ち味だ。

楽曲の選択を誤らない事の方が大事なのだろう。

ウイニングライブが終わって俺と合流した時に、アドバイスを送ろうとした時に、グラスワンダーは高揚しているのか『勝利の舞』とやらを披露してくれた。

長い栗色の髪を靡かせて、決めポーズを決める。

なんとも様になっていた。隠れて練習でもしていたんだろうか。微笑ましいものである。

 

 

「プラス10点ってところだな」

「ふふ、10点ですか?」

「ああ、レースは100点。 ウイニングライブは57点+10点だ。 まぁ失敗も愛嬌。 俺個人だけで言えば100点でもいいな」

「むぅ……低い……確かにライブは失敗したところが2か所、自分でも理解できています。 今度は、100点を目指します」

「修正点は結構あったぞ。 まぁ練習の曲を絞っとくか。 お前さんはセンターに立つことが多いだろうからな」

「そうありたい物です、慢心せずに精進しなくては。 物事、小事より大事は発するものなり、 油断すべからず……ですね、トレーナーさん」

「ああ、そうだな。 分かってるなら俺から言う事は何もないさ」

 

 アイビーSを制したグラスワンダーに続き、ストレートバレットがダート路線へと舵を切っての最初のレース『東京盃』で3着を獲れた。 

地方交流重賞だが、初のダート重賞挑戦において上々の成績だろう。

久しぶりのウイニングライブのメインを踊るとあって、ストレートバレットは気合が入っていたがサビですっ転んで歌もやや止まってしまった。 

本人はガチ凹みしていたが転がったおかげで動画切り抜きが爆伸びした。 投票数が余ったのか、ファン数も4000人以上一気に増えて次走のファン数を気にしなくて良くなったのは結果的に嬉しいところだ。 

 

 今後、俺の愛バのブリュスクマンとジップライナーはG1へ挑戦する。 リュスが有馬記念。 ライナーはジャパンカップだ。

正直パンティーを使っても難しいと思う、と言うのを話したが、シニア期である彼女たちは最後にG1競争を走りたいんだと懇願された。 

俺は頷くしか無かった。出走する以上は本気で支える。勝負服もしっかり作らないとな。

クラシック期のアイボリーシュシュの次走はステイヤーズSに一本。スタミナに関してアイボリーシュシュはウマ娘の中でも突出しているから、これは良いレース選択だと思う。

ボク子のクラースナヤは夏に4走も走ったばかり。動画や生放送で人気の獲得が難しいので、出れるレースに出しまくって人気を稼いできたおかげで疲労が蓄積してしまったし、間隔が詰まっていたせいか足下にも不安が出たので、思い切って来年まで休養させることにした。

 

 ぐうっ、と一つ伸びをして、首を回す。 肩を中心にゴリゴリと音が鳴る。

 

「さて、未来に思いを馳せるのも大事だが、まずはお前の祝勝会だ。 レンタカーを回すから、ここで待っていてくれ」

「はい、お待ちしております」

 

 

 

 

 

 祝勝会も終わって翌日のトレーナールーム。 そこで俺はブリュスクマンに抱き着かれていた。

彼女はシニア期。 そう、だいたいこんな感じになる。 

秋頃になると、シニア期のウマ娘はこういう形で俺に構ってくれとアピールするのだ。証拠に尻尾が俺の身体を頻繁に捕まえてくる。

こうなってくると、俺は気合が入ってくる。

秋の競バは忙しく、冬まで駆け抜けるには気合を入れなくちゃ難しいからだ。 それを教えてくれたブリュスクマンには礼を言いたい。

残念だが、彼女にだけ付きっ切りという訳にはいかないが。

 

 そんな時、同じくシニア期のジップライナーが入って来た。

物凄い勢いでリュスを捕まえて、愛バ専用ソファーの方まで引きずっていく。 抜け駆けだのズルいだのと騒がしかった。

まぁ俺も掴まれてて作業がしにくかったので、ジップライナーには感謝だな。

 

「ふんふん、ふんふふん」

「なんかリズム違うくない、リュス」

「うーん、どうもこの辺が難しくて。ふんふんふ、ふんふん」

「私のリズムが崩れそうだから、鼻歌やめーい!」

 

 俺はパンティー因子についての所見を纏めていた。

今日はグラスワンダーとストレートバレットはお休み。 レース直後だから当然だ。だから、それ以外の面子しか今日は来ていない。

彼女たちの予定もウイニングライブの練習。ライブ練習場の予約の待ち時間なせいで、トレーナールームに屯することになってしまった。

俺は13枚のパンティー、それぞれに付箋を付けて畳む。購入した大型の収納タンスにパンティーを、それぞれ名前のついた場所へと丁寧にしまっていく。

三段目のアイボリーシュシュ、2段目右のグラスワンダーの付箋が剥がれ掛けていたので、養生テープでも勝ってそこにマジックで名前を書く事を検討。

作業がおおむね終わったので、コーヒーでも飲んでリラックスすることにしよう。

 

 そうして振り向いた視線の先では、何時の間にかアイボリーシュシュもクラースナヤも揃っていて。 

そんな愛バたちがソファーに一列に並んで、ウイニングライブの練習をしていた。  ……端っこの。

なんとも後ろ向きなダンス練習である。無粋かもしれないが俺は突っ込むことにした。

 

「腕の位置が低いぞ、シュシュ。 スナヤはそもそも、腕が出てないから照れずにもっと自信もって伸ばせ。 それとお前ら、センターでの踊りの方も練習しなさい」

「う~、とれ~な~、重賞だ~って思うとどうにも自信がなくってぇ……」

「ぬー! 私たちってさー、パンティーの力が無いと何も出来ないよねぇ! それってやっぱ何か悔しいよー!」

 

 シュシュとライナーが愚痴を零す。心の奥底では、きっとあっただろう不満。パンティーが無ければ、という疑念。 

仕方が無い物だ。 だって、履かせてる俺もそうなのだから。

 

「ノーパンでグラスは勝ったぞ。 お前らだってノーパンでも大丈夫さ」

「そりゃグラスちゃん強いし……」

「才能あるよねぇ、羨ましいよー」

「でもトレーナー。 正直言うと夏に三勝もできたのは、ボクはパンティーに勝たせて貰った、と思ってしまうよ……」

「ねぇトレーナー。 そのパンティー……やっぱりズルいんじゃ……」

 

 まずい。 恐れていたし、予想していた疑念が溢れてしまって居る。

秋競バが本格的に始まった今、彼女たちも今までのオープンクラスから重賞クラスに出走する事が増えてくるのに、この感情を放置してしまうと大変な事になってしまうだろう。 

机に乗っかっているフルバックパンティーを弄って、ズルだと不安がっているリュスの手を掴んで、俺は言った。

 

「パンティーの何がズルいんだっ!」

「わ! びっくりするよ、トレーナー」

「良いか、お前たち。 俺はパンティーを履くことがズルだとは全く思っていない。 そもそも、パンティーを履くことは普通の事じゃないか」

 

 全員の顔を見回して。 俺は諭すように言葉を紡いでいく。

確かにこのパンティーは普通じゃない。なんせワープする。最初は誰かの嫌がらせだと思っていたが、そうじゃなかったオカルトパンティーだ。

いずれトレセン学園七不思議の中心に俺が立つことになるかも知れん。

普通パンティーはただの物質だ。 ワープなんて出来ない。 

そんな普通じゃないパンティーを俺だって……俺だって、パンティーを彼女たちに強要することには随分と悩んだし、今だって正しいのかどうかは分からない。

何かの間違えでした、という感じで急にパンティーが消えても今なら俺はちゃんと、受け入れることが出来るだろう。 

だけど、現実としてパンティーを履くことで得られる力があるなら、それを放っておく事も勝負ごとの世界に身を置くトレーナーとして判断は難しい。

 

だって、競バなんだ。

 

勝負ごとに勝つために、手札を捨てて戦う事なんてできない。むしろ自分の持っているカードを使わない事は本気でぶつかってくる子に、失礼でさえある。

巷では三女神像に祈ると、力が湧いてきてウマ娘を強くする、等と言う噂話があるが。ではこれを置き換えてパンティーを履くことで力が湧いてきてウマ娘を強くする、という話となればどうだ。

要は納得性の問題じゃないか。

三女神から力を得て居れば、なんか納得できるだろう。 だってウマ娘の女神だし、いかにもウマ娘に力を分け与えそうな感じがヒシヒシとする。

 

それが差し変わってパンティーになってしまうと、人工物の布ジャン……みたいな気持ちが沸いてきて納得できなくなるよねって事だ。

実際にウマ娘が三女神像に祈り、力を手に入れているかどうかなんて、俺達トレーナーには分からない。 少なくとも、俺は自分の愛バ達からもそんな話は聞いた事が無い。

だが、俺の手元へとワープしてくる他バのパンティーだけは、実証を得ている。

 

 

これは俺の武器だ。パンティーに苦しんでいた時期を乗り越え、受け入れた事で発見した武器なんだ。

 

 

俺がトレーナーとして持っている、武器になってしまったんだ。

だが、ここで俺が不本意な顔をしてしまえば彼女たちの疑念が大きく膨らむばかりである。

何でも無いような顔をして、真っ当な事を口にする。

 

「使うべきだ、トゥインクルシリーズを、アオハル杯を勝ちたいなら、使わない手なんて無い」

 

俺だって、ウマ娘用のパンティーだから認めるのに時間が掛かったが、パンティ因子の力は客観的に見れば俺がトレーナーとして得てウマ娘たちに提供できる大きなアドバンテージである。

 

 トレセン学園では履いてるパンティーが突然消えてノーパンになって過ごす事になる現象が受け入れられつつある。

なんせパンティートレーナーである俺の悪名が完全に広がり切ってしまったからだ。ある時からパンティーを受け入れたので事実になってしまった。

パンティースティーラー。それが俺の二つ名だ。樫本理事からその事で8度も面談を受けた。 

ワープパンティーの証拠が出るはずも無いので不問となったが……まぁ、俺も気を付けているしな。

 

で、今やトレセン学園で暮らしていく上で、予備のパンティーを持ち歩かない方が悪い、とウマ娘たちの認識がそう変わりつつある。

 

履いてるのに、ワープしてノーパンになる。 そのパンティーを俺が手に入れて、他のウマ娘に履かせる。 

そして俺のチームが強くなる。 スティーラー……その異名は間違いではないだろう。

 

「私……間違ってたよ。 トレーナーの言う通り、パンティーを履く!」

「そうですね~……パンティーは、トレーナーさんの『力』ですもの~……私も、覚悟を決めるわ~」

「トレーナー、晴れ舞台に似合うパンティーを、選んで欲しい」

「よしー! 絶対、ジャパンカップに勝つっ! パンティーの力を信じるよトレーナー!」

 

「……俺が必ず、お前たちに最高のパンティーを贈る。 それに、パンティーが無かったとしても、オープンクラスまで駆け上がったお前たちの力は本物なんだ。 なぜ、オープンクラスに上がれば重賞に挑戦できるのか、知っているか? G1だろうとG3だろうと、オープンクラスなら挑める。 そこに上がった時点で、勝負の資格を得たからだ。 その事実こそが実力で勝ち負けできる、という場所に上がっている証拠なんだよ」

 

 一つそこで区切り、俺は大きく息を吸ってから口を開けた。

 

「お前たちは、強い! パンティーで更に強くなる! 俺を信じろ! 《パンツァー》の皆を信じろ!」

「お~!」

「うおーーー!」

「いくぞー、チーム《パンツァー》っ!!」

 

 俺は満足気に盛り上がった彼女たちに、履かせるパンティーを一枚ずつ手渡ししてやった。

ノリと熱量で適当に選んで渡した物だったので、特に他意はない。 どうせこの後はウイニングライブのダンス練習だしな。

 

 

―――って思ってたんだが、全員が気合入ってしまったせいなのだろうか。

 

パンティーをわざわざ俺が渡した物に履き替えて、ウイニングライブのセンター練習。 

あれだけヘロヘロなダンスだったクラースナヤの踊りが激変。 お前は何処のトップダンサーやねんって位に動きがキレた。

ブリュスクマンにはただのダンスに謎の色気とオーラが漂い立ち、アイボリーシュシュはシニア期まで教えないはずの踊った事のない振付を完全に踊り切ってしまった。

気合でこんなん流石にならない。 

 

 

なんてこった、パンティーはウイニングライブのダンスにも影響を及ぼすのか……

 

 愕然としていると、それを見ていた合同練習中のトレーナー達から、俺はなぜか頭を下げられていた。

 

「先輩、うちの子のダンス練習、ぜひ指導を手伝ってもらえませんか?! あんな完璧なダンスを仕込むなんて、感動しましたよっ!」

「……良いけど、あのレベルに到達するのは、難しいぞ」

 

 だって俺の力じゃないから。 いや、パンティーは俺の力だ。 くそっ、どう説明すりゃいいんだよ、こんな物。

仕方ない、説明するのも複雑で面倒だし、とりあえずパンティーを取り出して……

 

「……お前のウマ娘に、俺が用意したパンティーを履かせるなら、良いが」

「うわ……」

「なんだ、お前、うわって。 おい、違う、そういう意味じゃないぞ」

「いえ、あ、いえ、その、大丈夫です。 先輩、ありがとうございました」

「……まぁ、良いなら良いけど」

 

 

 ままならない物である。

 

しかし。

確かにこれは相反する感情が板挟みになってしまう。 

俺がそう思ってしまうのだから、ウマ娘たちはもっとずっと、そう思うだろう。

だが詭弁でも何でも、勝負に勝ちたいのならばパンティーは飲みこむべきなんだという結果になる。

 

 

 

 俺はどうしてもパンティーで悩む時はグラスワンダーの事を思い出してしまう。

 

彼女は選抜レースの頃から怪物と呼ばれており、実際に担当することになってその噂が真実だと目の当たりにすることになった。

少なくとも、俺のトレーナー人生の中で、全うにトゥインクルシリーズを走らせれば一番成績が良くなるだろうと、確信するほどには、だ。

グラスワンダーは本物だ。 どんなトレーナーが彼女を担当しても、重賞バ……いや、GⅠバに至れる可能性しかないウマ娘だ。

パンティーを使って能力を更に伸ばしていけば、誰よりも速く強いウマ娘に至れるかもしれない。

 

それこそ我が学園が掲げている、唯一抜きんでて、並ぶ者なし、だ。

 

だがもし、パンティーに頼り切ってグラスワンダーと過ごし、愛バたちと過ごし……いつか大事な時にパンティーが無くなってしまったら……と考えずにはいられない。

 

そもそもこの思考が、パンティーを受けれ入れている。 俺はパンティーと戦っているんじゃなかったのか、と。

 

デビュー仕立ての頃に、俺はグラスワンダーの精神面の安定のために、パンティーの能力を利用してしまっている。

パンティーに依存してしまえば、依存するほどに、パンティーに縋りつくようになってしまう。

グラスワンダーだけじゃない。

それは俺もだ。

怪我、レースでの敗北、トゥインクルシリーズの三年間、アオハル杯。

いつか何処かで何かあった時に、パンティーが無い、という理由で悔し涙を流す時が訪れる。

 

 

だからこそグラスワンダーのアイビーS勝利は、尊い価値が高いものだった。

グラスワンダーがノーパンで走ってくれたからこそである。

後続を2馬身突き放して、最後がゴール前で速度を落とし、余裕の勝利を飾った。 ノーパンでも力を示せる事を証明してくれた。 

 

これは、パンティー因子を発見した時が、俺のトレーナーとしての分岐点となっていたのだ。

 

頼るのは己か。 そしてパンティーか。

 

歩んだ10年以上の歳月。 そこで学んだトレーナーとしての地力と方針。

パンティー因子の発見と確信によって、揺らいだもの。

 

 

俺は、もう何度もパンティーによって岐路に立たされていた。

 

この悩みも、その一つになっていくのだろう。

 

 

「~~騙していたって言わない!」

「これが私の全力! これが私の全速力!」

「さぁ掴み取って(ねぇ)キラキラ光る私が見えるでしょ?」

「栄光のゴールへっ」

 

 サビを歌いきって、ブリュスクマン、ジップライナー、アイボリーシュシュ、クラースナヤ。 4人全員が俺を指さして決めポーズ。

俺は新人トレーナーに見せていたパンティーを懐に仕舞い、愛バたちへと両手で手をゆっくり叩いて彼女たちを称賛した。

 

 喜ぶ彼女たちを見て笑顔が戻る。

 やっぱ、愛バが笑い合ってきゃあきゃあしているのを見るのが、一番の薬だな。

 

 考え事に没頭してて最後しかちゃんと見てなかったとは言えなかったけど。

 

 

 

 

 

 

◎パンティー因子についてのトレーナーの手記

 

 スタミナやパワーなど、ウマ娘の根本的な能力を底上げするパンティーが存在する。

また、距離適性が伸びる。 脚質が増える。 芝ウマがダートを走れるようになる、など適性すら変化するパンティーが存在する。

パンティーは一度レース・トレーニング等に履き、脱いだ時に効果が失われる。 

距離適性でいえば履いていた時は2400m走れたが、脱いだ時に元の距離適性に戻る。

新しいパンティーに履き替えると、そのパンティーの効果に上書きされる。

 

ただし、脱ぎ終わった後はウマ娘の能力は少しだけ、履いていたパンティーの影響が残っている。 

分かりやすい様にこれも距離適性で例えると、元々2100mしか走れなかったが、パンティーで300m伸びた。 脱いだ直後は2200mまで走れた。

能力の残滓が履いたウマ娘に残るのだ。

 

 この残滓を、因子と名付けた。

 

因子が残っている状態で、新しいパンティーを履くと、勿論その新しく履いたパンティーの効果に上書きされる。

しかし、同じように距離適性に幅を持つパンティー効果の物を履かせると、ノーパン状態の時でもしっかり距離適性が伸びきったのだ。

その数字は微々たるもの。 3mも伸びる時もあるし、ほとんど変化がない事もある。

 

 パンティーを因子に見立て、パンティーとパンティーを繋ぎ合わせる事で、その効力を増大させていく。

 

 大事なのは、パンティー一枚一枚の持っている効果だ。 

リンクしていないパンティーを履かせれば、せっかくウマ娘に残ったパンティー因子は消えてしまう。 

その為に必要なのが普段からパンティーに触れて、解析と調査、そして精査。

 

 その因子の見分け方とリンクの繋ぎ方は、誰かにこれを見られる可能性を鑑み、書き記すのは控えようと思う。混乱のもとになりかねない。

 

 

 パンティーの力を継承していく手順。 

 

 

 その最適解を探っているのが、パンティー研究というものである。

 

 

※ウマ娘には逐次、パンティーについて聞き取りを行う。 

才気溢れているグラスワンダーのパンティーについては重要なので、特にしつこいくらい聴く事を心掛ける。 耳を伏せ始めたら聞き取りは終えるようにする(2敗)

 

※効果のリンク作用が出来るモノ、出来ないモノを分別してトレーナールームに保管する。 絶対にサボらない事。

 

※ストレートバレット・ブリュスクマン・ジップライナー・クラースナヤ・アイボリーシュシュ・グラスワンダー、それぞれに使用するパンティーを別けておく。 混ざらない様に慎重に。

 

 

 

 








  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。