エース、ハジメ、優花はメルドたちとオルクス大迷宮の第百階層まで降りていた。
そして更に下へと続く階段の前へと来た。
「じゃあメルドこの先は俺たちだけでいく。色々世話になったな」
「ああ。絶対に死ぬなよ」
エースとメルドは別れの言葉を交わした。
「それと俺たちがいない間子供たちの世話を頼む。光輝を含め
色んな子たちの暴走に気を付けてくれ」
「言われなくてもそのつもりだ。どうか安心して行ってくれ。
お前たちも気を付けるんだぞ!ハジメ、優花」
「はい。お世話になりました!」
「私たちは絶対生きて帰るのでその時また会いましょう!」
二人はメルドに頭を下げエースの所へと向かう。そして三人は階段の方向へと向いた。
「さあ二人とも。覚悟はいいか?」
「「はい!!」」
「じゃあ行くぞ!」
エースはYESのボタンを押す。そして三人は迷宮の中へと転送された。
エースたちの転送が終わり、三人は周りを見渡す。
そこは周りは薄暗いが緑光石の発光のおかげで何も見えないほどではない。
視線の先には幅五メートル程の川があった。
「なんか今までの場所と比べると暗いですね。それに明らかに雰囲気もおかしい」
「ああ。気を引き締めないとな」
とりあえず三人は警戒しながら足を進めた。すると目の前の岩場から物音が聞こえる。
「え!?な、なに?」
優花が声を上げて少しするとその岩場から数体の狼が現れたのだ。
「ガルルルル........!」
「わ!結構いるじゃない!?」
「二人ともジャマトじゃないとしても油断は禁物だ。変身して戦おう」
エースの言葉に二人はデザイアドライバーを取り出し腰に当てた。そして
それぞれバックルを取り出す!
『G I G A N T SWORD』
「よし!行くぞ!!」
バンプ(ハジメ)はギガントソードを装備して魔物たちの方へと突っ込んで行った!
ニード(優花)とギーツもハジメに続いて魔物たちに走っていく!
「ハア!!」
バンプはソードを振り回して魔物たちを一掃していく!ニードもビートアックスで
魔物たちを蹴散らしていいた!
(よし!全然大したことはない!これなら余裕で全滅だ!)
ハジメはそう考えていた。しかしその考えが甘いことをしばらくして
思い知らされることになる。
10分後
「ハアハア........魔物多すぎでしょ!!」
「ハアハア........ハジメ君........疲れたよ........」
バンプとニードの周りに何体もの魔物が構えている。
そうこの大迷宮は魔物が無尽蔵に沸いて出てくる。バンプとニードは全ての魔物を全滅させる気で
戦っていたがその心意気はこの迷宮では不必要なものだった。
「どうやら魔物の発生率も以前の階層とは全く違うようだな。
とりあえず、さっさとこの場を切り抜けよう」
ギーツの反撃が始まろうとしていた。
ギーツのマグナムのアーマーが下半身へと移される。
そして彼は青色の小型バックルを取り出しドライバーにセットした。
ギーツはマグナムウォーターフォームへと変身した!
「さあ。洗浄の時間だ!!」
ギーツの装備したレイズウォーターから水をくみ上げるパンプが川に伸びていく!
そして川にポンプがつながると水をくみ上げ始めた!
「二人とも伏せろ!!ハア!!」
ギーツの声に二人は頭を急いで頭を下げる!するとギーツのレイズウォーターから大量の
水が圧縮され高出力で放たれる!その水は魔物たちの体に命中し、ギーツは水鉄砲の向きを少しづつ変えながら
周辺にいた魔物たちを遠くへと吹き飛ばした!
周りに敵がいないことを確認したギーツは二人の方へと歩く。
そしてへばってそこに座り込んだ二人にかがんで目線を合わせた。
「二人とも大丈夫か?ここは魔物の数が異常だ。例えライダーの姿のままでも
多勢に無勢。戦闘はできるだけ避けていこう。いいな」
「「は、はい........」」
三人はその方針を胸に下へと向かっていった。
奈落の底 7階層目
「ふう。結構降りてきたな。よしここで休憩しよう」
「「はーい」」
「バンプ。お前の錬成でここら辺の壁に穴を穴を開けられるか?」
「わかりました」
ハジメは変身解除し、壁に触れ「錬成!」と叫ぶ。すると壁に
体を屈ませれば入れる程度の穴を開けた。
「ちょっと待っててください」
ハジメは一旦中へと入り錬成で穴の広さを調整する。そして三人程度で過ごせる空間を
作り出すと二人を中へと招き入れた。
「できましたよ!どうですか?」
「うん。ここならしばらく安全を確保できるだろ」
エースはそう言いながらランプを取り出し明かりを付ける。
三人はここでしばらく休息することとなった。
「じゃあ始めようかな!」
優花はスパイダーフォンを取り出し画面に存在する持ち物ボックスをタップする。
するとアイテム一覧が表示されいくつかタップした。すると優花の周りに
焚き木をするための薪や小さい鍋、水の入った革袋、まな板、包丁、調味料、そしていくつかの野菜が出現した。
そして優花は手慣れたようにまな板の上に野菜を乗せ包丁で細かく切り刻んでいく。
そしてエースは薪に一本の木を立て両手で回し火をおこさせる。
そしてその火に鍋をかけ
優花はその中に水と先ほど切った野菜たちを入れかき混ぜた。
そして煮立ったタイミングで
調味料少しずつかけて味を整えていく。それからしばらくして........。
「うんいい感じ!二人ともできたよ!」
優花はスパイダーフォンをのアイテムボックスからお椀を三つ取り出し
スープをよそっていった。
「どうぞハジメ君」
「ありがとう」
「はいエースさん」
「ああ。いい香りだ」
「よーしそれじゃあ!」
「「「いただきます」」」
三人は野菜スープを口へと運んだ。
「ん!すごくおいしいよ優花ちゃん」
「そんな。ただの簡単なスープなんだし大袈裟だよ」
「そんなことないよ。ね!エースさん?」
「ああ。心がとても温まる。うまいぞ」
「へへへ........二人ともありがとう」
優花は照れくさくなりながらもお礼の言葉を二人に伝えた。
「誰からか教わったのか?」
「あ、はい........レストランをやっていた両親に...........
それにしてもこのアイテムボックスっていうアプリすごく便利ですね。
これさえあればどこでも料理ができて嬉しいです!」
「ああ。これならいつでもアイテムを収納できるから本当に助かるよ」
「そうですよね。やっぱ舞台が異世界だからこそこういうサポートはとても
ありがたいですね」
そう。三人は大迷宮に入る前に食料や日常品などを買い込みアイテムボックスに収納していたのだ。
食事が済んだあと........。
「さてお腹一杯になったし........どうします?次へと向かいますか?」
ハジメはそういって立ちあがるがエースはそれを止める。
「いや。纏まった休息をとっておいた方がいい。少しの間ここで睡眠を取ろう」
「え?いやでもここ一応迷宮ですよ?ここでとは言え流石に
眠るのは危険じゃ........」
「大丈夫だ。俺がここで見張っておいてやる。だからお前らは寝ろ」
「え?でも........」
ハジメが口を開こうとしたがエースが人差し指をハジメの口に優しく当て黙らせる。
「いいから。おまえら子供は大人の俺に黙って甘えておけ。な?」
「わ、分かりました。じゃあお言葉に甘えて」
ハジメと優花ははアイテムボックスから毛布を取り出し横になって体に被せる。
「えっと。じゃあおやすみなさい」
「おやすみなさい」
「ああ。おやすみ」
二人は目を閉じ今まで張らせていた気を抜いた。
それからしばらくして二人の寝息がこの穴中に静かに響き渡る。
それはそうだろう。二人は慣れない長期戦をしかもこんな日の光が届かない
場所で繰り広げたのだから。故に二人の精神はすぐに夢の世界へと沈んでいった。
エースはランプの光で照らされている二人をじっと見つめる。そして彼の心に何とも言えない暖かさが生まれていた。
「フ、無防備な寝顔。まだまだ二人も子供だな」
エースはそう呟きながら適当な場所に座り込む。そしてポケットから一枚の金貨を
取り出し、感慨深そうにじっと眺めた。
(あなたもこんな気持ちだったのかな?母さん)
心の中でそう呟きながらエースは金貨は両手で優しく握りしめた。
子供に優しいエース様を書いてみたいと思って書いてみました。
さて次回はユエの話かな?