「あ。ハジメ君!」
囚われているのか分からないが少女の助けを求めるような姿を見て、
ハジメは一人少女の元へ走り出していた。
ハジメはすぐさま少女の前に立ち話しかける。
「君は?なんでこんなところにいるの?」
「あなたは...........?お願い助けて...........」
少女のはかすれた声ながらも必死さの伝わる声で助けを求める。
その声をきいたハジメはすぐさま少女を囚われている台座に触れようとした。
「まってて!俺が今助け...........」
「ちょっと待て」
しかしエースがハジメの腕を掴んで止めさせた。
「え?エースさん」
「むやみにあれこれいじるのは危険だ。とんでもないトラップが仕掛けられてる可能性もある」
「け、けど...........」
「それにそいつの言うことだって本当のことかわからない。
こいつはわざわざこんな地下奥深くに閉じ込められていたんだ。わざわざあんな大層な
ガーディアンまで配備してな。もしかしたら彼女は...........危険な存在かもしれない」
「で、でも...........」
「わかってる。俺も別にすぐここから出ようとは言ってない。ちょっと俺に任せろ」
そういってエースはハジメの肩をやさしく叩き、後ろに下がらせる。
そして少女の目の前にでた。
「なあ。いくつか質問させてほしい。君は何者だ?なぜこんなところに封印されている?」
「わ、私は…...........!ゴホ...........ゴホ...........」
「そんなに焦らなくていい。ゆっくりでいいから落ち着いて事情を話してくれ」
そう言うと囚われている少女は掠れながらも話しだす。
「……私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前はもう必要ないって……おじ様……これからは自分が王だって……私……それでもよかった……でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……」
「君はどっかの国の王族だったのか?」
エースの質問に彼女はコクコクと頷く。
「殺せないっていうのは?」
「……勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。首落とされてもその内に治る」
「……そいつは凄まじいな。……すごい力ってそれか?」
「これもだけど……魔力、直接操れる……陣もいらない」
(なるほど...........封印される理由としては十分か...........いやだが...........。
でも嘘をついてるようにも見えないな...........)
エースが考え込んでいると少女は俺が助けないと思ったのか必死に助けを述べる。
「…お願い!……助けて……なんでもする……だから…」
「ん........」
エースとしても見捨てるということをする気はなかった。
しかしエースは様々の最悪のシチュエーションを考え、助けるという決断をなかなか
下すことができなかった。そんな中ハジメがエースに叫ぶ。
「エースさん!やっぱり助けましょうよ!理不尽にこんな場所に閉じ込められたなんて
可愛そうです!」
「だが........」
「わかってます!確かにこの子の話は本当じゃないかもしれない.......
けどそんなこと助けないとわからないじゃないですか?」
そして優花も叫ぶ。
「エースさん。私からもお願いします!この子を見捨てるなんて私もしたくありません」
「お前ら........」
エースが心は二人の言葉を聞いて揺れ動く。確かに見捨てるなんて選択肢は
そもそも自分にはなかったはずだ。だからエースは多少のリスクを覚悟の上で決断する。
「わかった。お前の錬成で何とかしてみろ」
「分かりました」
「その代わり危険だと感じたらすぐに錬成を中止しろ。
トラップで何か魔物がでる可能性もある。俺たちは変身して危険に備えてるからな」
エースと優花は再びライダーに変身し、距離を取り武器を構える。
そしてハジメは台座に触れ錬成を開始した。その時魔力が赤くイナズマの様にほとばしる。
「ぐっ、抵抗が強い!」
ハジメの顔が一気にゆがむ。しかしハジメは腕に力を込め続けた。
しかし一向に解除できる気配はない。
「まだまだぁ!」
ハジメは諦めず錬成を続けが状況は変わらない。そこでハジメは切り札を
使うことにした!
「こうなったら!!」
彼は片手でベルトにバックルをセットする。
「変身!!」
「うわーーーー!!!!!」
ハジメは仮面ライダーバンプに変身し錬成を続けた。すると台座はバリバリと音を立てて
崩れ始めた!そして直後、少女の周りの立方体がドロッと融解したように流れ落ちていき、
少しずつ彼女の枷を解いていく。
(あ。やった........)
ハジメは一気に気が抜け変身を解除しその場にへこたれる。その時少女が
ハジメの近くに寄り手を握った。
「どうしたの?」
ハジメが問うと少女は震える声で小さく答える
「ありがとう」
「アハハ。どういたしまして........あ........」
少女と目を合わせたその時。ハジメは気が付く。その少女が何も身にまとっていない全裸の姿であることを。
ハジメはその事実に顔を真っ赤にしてその場に固まってしまう。
「あーー!!コラ!!女の子の裸見ちゃダメ!!」
優花はすぐさま変身解除し少女の近くに駆け寄る。
「ホラハジメ君後ろ向いて!エースさんも!」
「ご、ごめん!」
「ゴホン、失礼したな」
ハジメとエースの男二人は急いで後ろ向く。すると優花はプレーヤーコスチュームの
上着を脱いで少女に着させた。
「どう?」
「ん。ブカブカ」
「ごめんなさい。今はそれで我慢してね。」
「わかったありがとう................あなたたち名前は?」
「俺は南雲ハジメ。よろしくね」
「浮世エースだ」
「園部優花です!あなたの名前は?」
少女は「ハジメ、優花、エース」と、さも大事なものを内に刻み込むように繰り返し呟いた。
そして、問われた名前を答えようとして、思い直したように三人にお願いをした。
「……名前、付けて」
「え?もしかしてお名前わすれちゃったの?」
長い間幽閉されていたのならあり得ると聞いてみる優花だったが、女の子はふるふると首を振る。
「もう、前の名前はいらない。……新しい名前がほしい」
ギーツ(エース)仮面の下ではニヤリと笑いながらが軽くハジメの肩をたたく。
「おい。お前がつけてやったらどうだ?」
「え~?そ、そうは言ってもなぁ。ん~」
少女は期待するような目でハジメを見ている。ハジメはカリカリと頬を掻くと、少し考える素振りを見せて、
仕方ないというように彼女の新しい名前を告げた。
「〝ユエ〟なんてどうかな? ネーミングセンスないから気に入らないなら別のを考えるけど……」
「ユエ? ……ユエ……ユエ……」
「ああ、ユエって言うのはね、俺の故郷で〝月〟を表すんだよ。最初、この部屋に入ったとき、君のその
金色の髪とか紅い眼が夜に浮かぶ月みたいに見えただ……どうだ?」
「……んっ。今日からユエ。ありがとう!」
「え!?ちょ、ちょっと!?
そういって少女笑顔ではハジメに抱き着いた。女性に抱き着かれた経験のないハジメは
顔を赤くしてしまう。その光景を見たギーツ(エース)と優花はクスクスと笑った。
(特にトラップとかはなかったな...........ん?)
その時ギーツ(エース)の第六感が警鐘をならす。すぐさま上を向くとそこには
「全員その場から離れろ!!早く!!」
ギーツの怒鳴り声にハジメはすぐさまユエを抱えて優花ともに走る!
その時天井から巨大ななにかが降ってきて地面に砂埃を立てながら
着地した。
振ってきたのは巨大な魔物。その魔物は体長五メートル程、四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、
八本の足をわしゃわしゃと動かしている。そして二本の尻尾の先端には鋭い針がついていた。
しかもそれだけではなく体は緑色に変色しており頭と尻尾の部分は紫色で
奇妙な植物が長い触手のように生えていた。
変身すれば錬成を強化できます。(さっき考えた設定)