「我々は数千年にわたるこの呪縛を打ち倒し必ず栄光を手に入れる
──差別を受け残虐な扱いを受けてきた我々は今それを終わらせる力を手に入れたのだ
──今こそ我らの手による制裁を!!バルアニア民族に栄光あれ!!」
(混乱の再来、フリードリヒ-フォン-エミスのネイス党大会での国民に向けた演説)
●
一人の魔女が箒に座って空を飛んでいました。
一流の職人が作り上げた世の中で最も美しいガラス細工のような女性、それはいったい誰でしょうか。
そう、私です。
…もちろん冗談ですよ?しかしこの冗談は久しぶりだったかもしれません。
冗談はさておき私は未だに旅を続けていました。お母s……ニケよりも長いのではないでしょうか。
ニケの冒険談によるとこの先は霧に森が深く危険で迂回して海岸に向かったと書いてありました。
そして海岸に着き、機械仕掛けの大きな船に乗り二週間かけて対岸に渡った、らしいです。
この森、そんなに危険なのでしょうか。私は気になるのでどんなに霧が深くても、木々が茂っていてもその中に行くことに決めていましました。
「本当に深いですね…」
私は少し怖くなりました。森の奥の空を見上げると分厚い雲がゴロゴロと音を立ててうごめいていて、密度の濃い霧と森がうっそうと続いています。
危険な香りがとてもします。でも私の先ほどまでの決意は固かったはずですので、森に入ることにしました。
濃い霧と森を進んで一時間ほどたったころ。
「……動物の鳴き声どころか気配すら感じられませんね」
怖いわけでは決してありませんが、戻ろうか考えて、ここまで進んで戻るのはもったいないので進むことにしました。
森が唐突に終わり少ししか草が生えていない荒野にでました。
すると急に魔力が入れづらくなってきました。こんな事初めてです。疲れているのでしょうか。
おや、あれは…人工物ですね。なんでしょう?車?
私が車のようなものの近くに降りた途端、それの扉が開いて3人降りてきました。
なんでしょうか、恰好がかなりゴツゴツしています。私がゆっくりと近づくいていくと、ガチャリ…と銃?それもかなり複雑になっているような物を向けてきました。
「"動くな!!"」
この言語は何語でしたかね。とりあえずこちらは共通語で返事をします。
「私は旅の者です。私は何かいけないことをしましたか?」
すると全員驚いた表情をして
「"外部共通語!?するとこの霧の中を魔女が…"」
「"そんな馬鹿な"」
3人のなかで最も位が高そうな男性が
「これは大変失礼しました。旅の魔女様。失礼ですがどちらの国より御出でになったか教えていただけないでしょうか」
「平和国ロベッタという国です。少し遠いですが」
「長旅…それもとんでもなく長い」
「そうです。旅は私の好きなものです。それと趣味、人生です」
この中で位の高そうな男性は苦笑いを浮かべると
「長旅お疲れさまです。この先3km進むと国境になります。
しかしここからは魔法が使えません、というより使いづらくなります。
あっ、申し遅れました、私はアルノルト曹長になります。」
「灰の魔女、イレイナと言います。よろしくお願いします」
「魔法が使えないのでここからは車を使って移動してもらいます。間もなく迎えが到着するはずです。迎えの場所まではすぐですので徒歩で向かいましょう」
なかなか紳士じゃないですか。身に着けている物は物騒ですが…
私とアルノルト曹長は少し談笑しながら歩きました。本当に近くでしたね、迎えの車が止まっていました。
先ほどの車に比べると流線形で少し光が反射していました。なんとなく高そうですね。
その高そうな車の近くにスーツ姿の女性が立っていました。
「初めまして、私はこの国、アムステック連邦共和国の人口は1億8000万人ほどの先進国外務省外局国境管理局、二等局員になります。ここからあなたの身柄を保護します。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします…」
長いですね。上手く覚えられませんでした。ところでアムステック連邦共和国と言いましたかね、そんな国はニケの冒険談には載っていませんでした。
つまり私は未知の国に入国できるわけですか。これはまさかの感動ものですね。少し興奮してきました。
私はスーツ姿の局員にエスコートされて高そうな車の中に乗り込みました。…中も高そうですね。座りごごち中々良いのではないでしょうか。こう体にフィットするというか、そんな感じです。それとちょうど良い温度です。
あれ動いていたんですか。これは快適ですね。静かですし揺れも少ない。
ここら辺は魔法が使いづらいと言っていました。そうなるとこの車は基本的に科学の力で作られているようです。もしかしてかなり今回は近代的な国家なのではないでしょうか。
「イレイナ様、この後国境管理局の建物で入国審査を行います。多少時間がかかるかもしれませんがよろしいですか」
「大丈夫です。ところでこの国、アムステックは科学立国ですか?」
「ええ、科学が国民の生活のほぼ全てを支えています。きっと入国したら驚かれますよ」
ほぼ全てですか。魔法使いの国とは正反対ですね。もしかして空気が汚かったりしますかね…
「…大丈夫ですよ。我が国の環境状態は常にキレイの分類に入ることを保証します」
この局員さんは心が読めるのでしょうか。
「よくそんな表情をする方がいますので心が読めるわけではありませんよ?」
…この人、絶対に嘘をついていますよね。
「さあどうでしょうかねえ、よく言われるので」
やっぱり心が読めるようです。というか人の思考を勝手に覗き見ないで欲しいと思いました。
その後高そうな車に揺られながら10分ほど揺れられていたら灰色の壁とその上には鉄条網がある国境が見えてきました。
「イレイナ様、到着しました。こちらです」
ふいに車が止まり勝手にドアが開くと紳士的に手で誘導してくれました。そういえば先ほどの兵隊さんが来賓とかなんとか言っていましたがそれは私でしょうか。
「そうですよ、イレイナ様。この国に入国する魔女様は基本的に国賓の扱いになります」
「やはり、そうなんですか。ところで心を読むのをっ…」
「ささ、お早く」
今のはかなり食い気味でした。もう諦めましょう。
局員さんについていくときれいな建物に案内され、中の取調室とまではいきませんがそのようなイメージの部屋に案内されました。
「では、私は一旦ここまでです。以後お気をつけて」
心が読めるエスパー局員さんはにこりと笑顔を浮かべて別の部屋に去っていきました。
不思議な人でした。もしかして魔法使いだったのでは、と考えていると何やら警察機関のような制服を着た方々が部屋に入ってきました。
「入国審査を始めます。どうぞお座りください。
わたくし外接地域を担当している国境管理局の者になります。
なるべく手短に済ませますのでご安心を。ではまずお名前と年齢をうかがっても?それから…」
名前、年齢、出身、それから師匠のことなど15個ほどの質問の後、書類に名前を書いて渡しました。
さらに指紋を取り別室に案内、証明写真を撮影しました。臨時パスポート?というものを作る必要があるそうでそれにはどうしても時間がかかるので申し訳ないと局員さんは謝っていました。
一時間ほどかかるのでおもてなしをしないと失礼だとかなんとか言って局員さんたちが紅茶と茶菓子を用意してくれました。さっぱりとした紅茶で味わうよりも匂いをよく嗅いでしまいました。
それから少し時間があるということで簡単にこの国の法律について話してくれました。
そろそろかなと思い始めたころちょうど連絡がきてほかの局員さんが入ってきて、朱色の手帳のようなものをわたされました。
「こちらが臨時パスポートになります。我が国内で旅行や身分証明が必要になる際には、必須の物品ですのでくれぐれもなくさないようにお願いします」
「わかりました。気を付けますね」
ガチャリと扉が開いて
「終わりましたか?先ほどの心が読めるエスパー女性局員になります。
あっ、名前が気になっている?わたくしアリア-バーヴォンと言います。
今日、10月15日から17日のお昼ごろまではこの国をご案内できますのでなんなりとお申し付けください」
「心を読まないでください、アリアさん。2日間よろしくお願いします。それとここの局員の皆さん色々とありがとうございました」
制服姿の局員さんたちは少し笑みを浮かべてから
「当然のことをしたまでですよ。では旅をお楽しみください」
〇
私とアリアさんは2人で先ほどとは少し形が違うこれまた高そうな車に乗りました。
「国内の道路をこのような車で走る時に前側の席に座るなら右肩の上にあるベルト、シートベルトをこのようにかけなければなりません。
少し手間ですが魔法が使いずらいとこうして身を守るしかないんです。
これがどうして身を守ることにつながるか?それはこれから街中を走った時にわかると思いますよ」
「もう当たり前のように心を読みますね……アリアさんは魔法使いなんですか?」
「…さあ、出発しましょう」
シカトされました。よほど言いたくない理由があるのでしょうか。…それとも場所でしょうか、こんなにも密室なのに?
「…
「そうしましょうか。ところでこれはどこに向かっているのですか」
私は話を変えました。少し不気味な感覚がありましたから。
「ここから20分ほどのところに酪農が盛んな町があります。今日はそこに宿をとっているのでディナーを楽しんだら休みましょう」
「なんだか疲れましたね。ディナーは楽しみですよ?」
物凄いスピードで車が走っている気がします。アリアさんは楽しそうですが、これは確かに急に止まったり、何かにぶつかったりしたりしたときに勢いよく前に飛んで行ってしまいますね。
おや、道の横に大きな看板があります。どうやらもうすぐのようですね。
アリアさんは運転を楽しみながらも少し暗い表情が混じっていたような気がしました。
看板の通りすぐに町に着きました。…人が多いです。観光客が多いので観光都市といったところでしょうか。
「この町は農業が基本的な資本源ですが最近は観光業も力を入れているようですね。だから観光客が増えたのでしょう。…間もなくホテルに着きます」
着きましたとアリアさんが言いました。これはなかなか大きな建物ですね…
私たち二人は少し高そうな車から降りホテルマンに預け、ホテルのエントランスに入りました。
煌びやかですがどこか落ち着きのあるエントランスに入り、アリアさんはチェックインをするので一旦別れました。
私は高級そうな椅子に腰かけて待つことにしました。
「少し眠くなってきましたね…」
私が眠そうにアリアさんの後ろ姿を見ていると初老の男性が声をかけてきました。
「お嬢さん、あなたは魔女ですかな?」
「……あ、そうです。旅の途中でして…」
私、一瞬寝ていましたかね。反応が遅くなりました
「お疲れのようですね。国外から来たならそれも当然でしょう。何せどこを見ても人がいますからね」
「ええ、これほど人が多い場所は久しぶりで疲れてしまいました。人酔いですかね」
「疲れているのなら、話しかけるのは失礼でしたね。今日はお休みになって、また明日から我が国をお楽しみください」
初老の男性はおそらく世間話でも、と思って話しかけてくれたのでしょう。でも、今の私にはそのような余力はありませんでした。
「イレイナさんお待たせしました。わざと手続きを長引かせてなんていませんから大丈夫ですよ?イレイナさんが眠そうにしている顔が可愛らしいとか思ってないですからご安心を」
「…絶対わざとですよね?」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。イレイナさん可愛らしいなとか、年の割に幼いのでは?とか一切考えておりませ、ん、ので…」
どうせ私は出るところが出ないで一生を終えてしまいそうな魔女ですよ。けれどそれがどうしたんですか。というか速く部屋に案内してほしいですね。
「…わかりましたよ。エレベーターに乗りますからついてきてください」
私、気づいたのですがアリアさん心が読めるから私はしゃべらなくて良いのでは。
「それでは、私が変人になってしまいますね。困ります」
「当たり前のように心を読むんですね」
「何のことでしょう」
エレベーターに乗り込みアリアさんが階数を押しました。18階ですか。この建物は20階建てですからなかなか良い部屋なのでしょうか。
「ええ、良い部屋ですよ。私と同室ですが。部屋にある程度の荷物を置いて、ゆったりできる私服に着替えたら、少し早いですが今日は夕食をとりましょう」
「お風呂はありますか?できれば入りたいのですが…」
「部屋についていますが食事の後にしましょう。今日は点検らしいのでお湯が出るのが20時以降らしいので」
私たち二人は部屋に入り着替えます。やっぱりアリアさん魔法使いじゃないですか。
「…あとで話しますから」
「約束ですよ?」
「さあ夕食を食べに行きましょう…2階になりますので、またエレベーターに乗ります」
またエレベーターに乗って下に降りました。着いたらすぐにレストランの受付なんですね。おしゃれですね。
「イレイナさんはお疲れのようですから、単品を頼みますかね。私に一任でも良いですか?」
「ええ、お願いします」
二人で個室のようなところへ案内されました。
席に着いてすぐアリアさんは注文をしました。
…サラダとスープとパンと魚料理ですね。デザートはアイスクリームらしいです。久しぶりですね。やはり高級料理のレストランですからテーブルマナーとか守ったほうが良いのでしょうか。
「ある程度のマナーで構いませんよ。お疲れのようですし」
おいしいですね。食べやすい柔らかさでした。
さて、久しぶりのアイスクリームも美味でしたし、満足です。
●
食事を終えて部屋に戻るとアリアさんがクスクス笑い始めました。
なんでも私がとても可愛かったらしいです。
私そんなに顔がとろけてましたかね…確かにアイスクリームは美味しかったですが。
「お風呂入れますよ?どうしますか」
「入ります。覗かないでくださいね?」
「了解しました」
なんでそんなニコニコなんですかね。
「ふぅー…」
しかし今日は疲れました。人混みにここまで耐性がないとは。
ガラガラッ
「イレイナさん、ご一緒しますね」
「……」
あのさっきの話聞いてたんですかね?
「聞いてましたよ?覗かないでって言ってましたものね。私はちゃんと約束は守ってますよ。覗くなんて中途半端なことはしません!」
「そうではなくてですね。はあ、もういいですよ」
シャワーのお湯をだし始めてすぐにアリアさんが話を始めました。
「それと、なんで私が魔法使いということを隠してるかも話に来たんですよ?」
「へえ、なんでお風呂場なんですかね」
「それは想像にお任せするとして…」
シャー、という音が続く中アリアさんは話を始めました。
「…実は私は魔女なんです」
「知っていますよ?心が的確に読めるなんて、それが専門なんですか?」
「はい、私は読心魔法が研究対象でした。
しかし8年前を境に国の魔法使いのいる状況に変化が訪れました。
政権与党が変わったんです」
「政治を執行するが変わるだけで、なにか大きな影響が出るのですか?」
「ええ。
まあ、それはそれとして
今から私があなたにお話しする物語はですね魔法使いと魔法が使えない人々のものです。」
アリアさんはゆっくりと、そして悲しそうに語り始めました。
アリアさんは大昔のことからお話をしてくださいました。
この世界で分かっている限りの歴史をとても簡単に話してくれました。
約7000年前に魔法が使える人間しかいない国家が形成されます。
魔法が誰よりも使えた当時の王様は主神からの啓示を民に伝え国が発展していったそうです。
そしてその中に魔法が使えない人々を服従させるような指示をしたということが最新の研究で分かってきたそうで…
当然魔法を使えない人々は抗うすべもなく自分たちの国を征服され、故郷は荒らされ家族はバラバラにされ、男は労働力、女は欲のはけ口にされていました。
その後も世界各地に国家が建設されますが魔法が使える民族が隣接していると例外はありますがそのほとんどが征服されてきたそうです。
力をもった人間は信仰する宗教がなんであろうと残虐なことをしてきたと…
しかし転機が訪れます。約3500年前、当時奴隷として扱われ苦労の日々を送っていた男「アルフィゴ」がヤウと名乗る神に啓示を受けます。
曰く、魔法が使えない人々を引きいて10日後にこの牢から出ろ
曰く、道中は自らが信じることを全て行え
曰く、自らの力に限界を感じたとき丘に登れ…等々
アルフィゴは自らを神の使いとして同じ境遇にいる人々に話しかけます。彼は初め信じられると思っていなかったようですが不思議と多くの同族に信用されます。そして約束の10日後に街を脱出します。総勢3000人を率いて街を出ますが兵には攻撃されなかったと言います。
彼の率いた人々のほとんどはその子孫がそれぞれ国家を作っていきます。
さらにアルフィゴの息子は神ヤーエを名乗ります。そして断罪されそうになりますが、魔法とは違う強力な力によって神ということを人々に証明します。
ちなみに彼が生まれた時を中央歴0年として暦を制定しているそうです。
魔法が使えない人々のほとんどはかの一族から名前をとって「アルフィゴ・ヤウ教」を信仰しているらしいです。それとは別に「ヤウ教」があるそうですが私はそれを旅の途中で何回か聞いたことがあります。
ここから現在に至るまで多くの国家が建設され滅亡、多くの戦争が起きたらしいです。
そして直近だと1000年前に魔法が使える民族と使えない民族の国家がそれぞれ諸同盟を結び、世界中で緊張が高まりついに戦争が始まりました。始まった場所は明確ですが双方の国どちらが仕掛けたかは未だ明白ではないらしいです。
その知らせを聞いた各国が攻撃を始めます。
ちなみに多くの資料から開戦地から戦場が同心円状に広がっていく様子がわかるようで当時の戦場や要塞をめぐると面白いらしいです。
この大戦争は中央歴1075年1月から1105年12月まで続いたそうで30年戦争と呼ばれています。この三十年間で魔法が使えない人々は多くの道具を開発したらしくのちの戦争でも改良を重ねて登場します。
魔法陣営と非魔法陣営の両陣営は形成された戦線が国境であるとし国境数十キロを立ち入り禁止にしました。またこの時点で非魔法族は魔法族の国家が多くある地域の国家を解体。別の地域に再建しました。
これは両陣営の締結した条約によるもので以降陣営同士の鎖国状態が確立されます。
鎖国になった決定的なものが開発されたのもあるらしくどうやら「対魔道粒子」というものです。これは魔素の容量が大きく魔法を使う技術が天才的でない限り魔法を使えなくするものらしいです。
つまり私は天才なんですね。あれそうしたらアリアさんも天才になるのですか…?なんだか悔しいですね。
…それはそれとして中央暦1330年から1430年まで第一次NM(無魔法)大戦がありました。犠牲になった人数は300万人。百年という歳月で様々なことを争ったわけですからこれほどの犠牲が出るのも仕方ないのでしょうか。人々は改心しこれ以上争うのは無意味であると判断し国民が各国の首長に対し終戦を促し始めます。当時すでにどの国も疲弊していたため比較的国力の強い国家に合併・吸収されることになっていきます。現存する国家の大元が出来上がっていきます。
1500年代に大規模な戦争を防ぐために諸国家の連合機関、国際連盟が成立。それ以降世界を巻き込んだ戦争は起きていないらしいです。
また魔法統括協会の前身機関もこの年代にできました。現在では国際連盟と魔法統括協会は友好関係を保っているそうで有事の際に情報の共有等が行えるそうです。
今私がいるアムステック連邦共和国はバルマニア民族で構成されているらしくほぼ100%の人が魔法を使えないらしいですが、どうやらアリアさんは母親が魔法統括協会の魔女だったようで魔法が使えるとのこと。
まあ、歴史というものはやはりすごいものですね。でもこれ帰っても言ってはいけないらしく、なんだか少し残念です…。
ところで興味本位でアリアさんに母親の名前であるヴィクトリカお母さんのことを伝えたら
「え”……えと、ダレダロウ、ワタシシラナイ」
とか言っていたのでお母さんはなにか知っているのかもしれません。
お風呂に入ってから出てこの国にある娯楽を楽しみつつ聞いていましたが、内容が濃かったです。この地域にいる学生はこれを詳しくやらないといけないらしく……嫌いだと大変ですね。決してやりたくないとか覚えられないとかは思ってませんよ?
そんな感じで私疲れたので寝ますね。おやすみなさい。
●
「おはようございます」
翌朝アリアさんの少し眠そうな声で私は起きました。
「なぜ、私と、同じベッドにいるんでしょうか?
昨日あれほど、入ってこないでくださいとお願いしたはずですが??」
「お願いはされましたが承諾はしてませんが?」
首を傾げて当然のように隣に寝るアリアさん。なかなかに図太いですね。
でも、この国ではそのくらいないとやっていけないのかもしれません。私も長らく旅をしているのでわかりますかますが図太いことは大事です。今回は許してあげましょう。朝からやり合いたくありませんし。
「イレイナさんの寝顔可愛かったので写真に撮っちゃいました、はぁ、何回見てもカワイイですね、これ」
この言葉が無ければ、今回は許していました。
アリアさんを魔法でけちょんけちょんにはっ倒した後、顔を洗い、歯を磨き、朝食を摂るため部屋を出ます。
「ちょ、イレイナさん、早い、待ってくださいー!」
何か後ろで雑音が聞こえますが無視します。
「魔女の旅々」良い作品だと思いますよね?イレイナかわいいですよね?アムネシアかわいいですよね??さらに推しはMonicaもいたんですけどね…