真・恋姫†無双~転生記~   作:ふかやん

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 …どうも、ふかやんです。こんな私の小説をお気に入り登録してくださっている方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

 正直他の恋姫を題材にした二次小説と比べると稚拙な作品としか私自身も想ってるにも拘らず感想を書いてくださったりお気に入り登録をしてくださった方々には感謝してもしきれません…!

 とりあえず第三話と言う感じで製作してみました…。つまらないかもしれませんが読んでみてくだされば幸いです。

4/19 読者さんのご指摘もあり一部修正をしました。

6/24 読者さんのご指摘もあり一部修正をしました。


関雲長

 村長を務めると同時に子供達に武術を教える師範としても知られている老師が住む邸宅。その庭先では数人の子供達が木剣や棍などを手にし、それぞれで木剣を振ったり木棍を構えて突きや払いと言った動作を繰り返していた 

 

 

 ーブンッ、ブンッ、ブンッ!!ビュッ、ビュッ、ビュッ!!ー

 

 

 そうして暫く子供達は木剣や木棍を振るっていたが、やがてそれらを監督していた白髭を生やした老人…老師が子供達に声をかけた。

 

 

「待てっ!!…良いか、初心忘れるべからず。技の基本を絶えず鍛錬する事が己が力量を磨くという事だ!」

 

 

『はいっ!!』

 

 

「戦うという事は()()()()()()()()()()()技を出せるかが大事だ。刹那の間にどこを狙い、どのような攻撃を出すか…その見極めを欠かしてはならぬ!」

 

 

『はいっ!!』

 

 

「戦場では手段を選ぶような事をするな!戦いと言うのは勝つ事が何よりも大事だ。正々堂々に拘っていてはそれこそ勝てる戦も勝てぬし、何より己の命すら守る事も出来ぬ。時には卑怯と言える様な事もまた戦いの常道よ。相手の足を狙ったり、馬に攻撃を加える事も戦場の作法。分かったな?」

 

 

『はいっ!!』

 

 

「そして…一度戦いの場に出たのであれば覚悟を決めよ!戦いをする、相手を殺すという事は…同時に相手に殺されるという事にほかならぬのだから。その事、しかと胸に焼き付けよ」

 

 

『…っ、はいっ!』

 

 

「よしっ!ではこれより組稽古を行う。愛紗、壮也!前へ!」

 

 

「おうっ!」

 

 

「はいっ!」

 

 

 老師に呼ばれると、壮也と愛紗はそれぞれ庭の中央あたりに行き、それぞれ見合って棍を構えた。

 

 

「ふふっ…手加減などするなよ?」

 

 

「しないよ、それにそんな事をすれば相手にとって失礼になる。初めから全力で行かせてもらうぞ、愛紗」

 

 

「ああ、それでこそ壮也だ。…いざっ!!」

 

 

 愛紗が掛け声と共に棍棒を構えるのを見て、壮也も同じく自らの棍棒を構えて向かい合う…。

 

 

「兄上頑張れー…」

 

 

「…初めっ!!」

 

 

 そうして老師の掛け声が響き渡ったのと同時に…壮也と愛紗は同時に前へ飛び出し、棍を振るった!!

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 それから2刻(当時の中国において15分ほどを1刻と数えた)程立ったが、壮也と愛紗の稽古はまだ続いていた。

 

 

「はああああっ!!」

 

 

ーブオンっ!ガッ!!

 

 

「……っぅ!」

 

 

ーズザザッ!!

 

 

「…またも浅いか」

 

 

 愛紗は自らの棍による横薙ぎが壮也が防御で構えた棍に命中し、さらにそのまま壮也を吹き飛ばしたにも拘らずその貌には喜色は浮かんでいなかった。

 

 

「全く…また当たる瞬間に後ろに跳んで衝撃を抑えたな?大した身のこなしだ」

 

 

「そう言う愛紗こそ大した膂力だよ。迂闊に力を込めて防御をしたのなら棍を持つ手が痺れて使い物にならなかっただろうな」

 

 

「そうか、ならばこれはどうだ!!」

 

 

ーシュシュシュッ!!

 

 

「せいっ!!」

 

 

ービュンッ!!

 

 

「今度はこっちからだ、行くぞ!!」

 

 

ービュンビュンビュンビュンビュン、ドンっ!!!

 

 

「甘いっ!」

 

 

ーばっ!ダンッ!!

 

 そう言うや否や、愛紗は連続の刺突を繰り出す。これに対し壮也も自らの棍を横薙ぎに振って棍を払うと、そのまま愛紗に向かって跳躍しながら、まるで独楽の様に回転しながらの連続攻撃と、止めとばかりの振り下ろしと言う連携技を繰り出した!!だが愛紗もこの攻撃を即座に壮也の横に跳ぶようにして回避。その直後に愛紗がいた場所に棍が振り下ろされ、砂埃が舞う。

 

 

「貰った!!」

 

 

ービュッ!

 

 

「何のっ!!(ガシッ!)せいやっ!(ブンッ!!)」

 

 

 そうして砂埃が巻き上げられて視界が悪くなり、根を振り下ろした状態になった壮也に愛紗は棍を突き出したが…壮也は顔目掛けて突き出された棍に対し顔を僅かに退く様な事で棍を避け、その直後に棍を掴むとそのまま棍を掴む愛紗ごと投げ飛ばした!

 

 

「くっ!?」

 

 

ークルッ、スタッ!

 

 

 愛紗も投げ飛ばされた事に驚きながらもなんとか空中で態勢を立て直して着地するも…その時には既に愛紗の喉元に壮也の棍が突き付けられていた…!!

 

 

「…ここまで、だな」

 

 

「ああ…私の負けだ、壮也」

 

 

「そこまで!勝負ありっ!!」

 

 

 壮也が根を突き付けたままで愛紗に声をかけ、愛紗も喉元に根を突き付けられた状態で負けを認める声を零した瞬間、師範の声が鍛錬場に響き渡った…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ーパシャッ

 

 

 老師の邸宅にある井戸…そこで愛紗は井戸から水を組み上げると、持ってきた手拭いを濡らし、それで顔を拭っていた。その傍では壮也も同じように濡らした手拭いで顔を拭っている。

 

 

「ふう……今日は私の負けか。これで50戦中25勝25敗だな」

 

 

「ははは…また並べたな、愛紗に」

 

 

「…ふん、今回は油断しただけだ。次は私が勝ってみせるさ」

 

 

「なら今度も全力を出し切るつもりで戦わないとな」

 

 

 壮也が不敵な感じに返答すると…愛紗は笑みをこぼした。

 

 

「…ぷっ、あはは!!本当にお前との鍛錬は心地よい、いつまでも続けていたい気分になる」

 

 

「嬉しい事を言ってくれるな。まあ俺も同じなんだけどさ…」

 

 

「そう言えば…香風(シャンフー)も腕を上げて来たな」

 

 

「ああ。普段はのんびりしてるけど、ああ見えて相手の機微や相手の仕掛ける時とかを見抜いて動けるからな。我が妹ながら大したものだよ(流石は魏の五将軍の一人、と言うべきかな…?)」

 

 

 壮也はそう言っていつもはのんびりとして猫と一緒になって日向ぼっこをしている香風が、組稽古の時には打って変わって冷静沈着と言う感じで相手の攻撃などを見抜いて行動し、そのまま相手を倒すのを思い起こしていた。やはり女性と言えど三国志の英傑、その実力は相当の物だという事だろう。

 

 

「むっ、何か言ったか?」

 

 

「ああ、何でもない。こっちの話さ「兄上ー…」っと、香風。如何した、終わったのか?」

 

 

「うん、終わったよ…私の勝ち!」

 

 

「ハハッ、そうか!腕を上げたな。(ナデナデ)」

 

 

「…え、えへへ。もっと撫でて、兄上…/////」

 

 

 そう言うのでまた撫でてあげると、香風はとても気持ちよさそうに顔を緩めていた。本当に可愛い妹だ…。

 

 

「ふふ…本当に仲がいいな、お前達は」

 

 

「愛紗だって兄上…関定殿と仲がいいじゃないか?」

 

 

「そ、それはどうだが…あ、兄上はどうにも私に過保護に接し過ぎる所があるんだ。それに、その…私も妹が欲しいと思ってたからな////」

 

 

「………」

 

 

 そう言いながらもじもじとし始めた愛紗を見ていると、なんだか妹の香風と同じ様な気持ちに駆られた。そして気が付くと…愛紗の頭に手を置いて撫で始めていた。

 

 

ーぽんっ、ナデナデ。

 

 

「っ!?な、何をするっ!!///」

 

 

「いや…可愛いなって思ってさ」

 

 

「っ!ば、馬鹿っ!!////」

 

 

ータッタッタッ!

 

 

 そう言うと愛紗は顔を真っ赤にして行ってしまった…。どうやらやり過ぎてしまったらしい…。そう思って頬を指で掻いていたのだが、やがて自分をじっと見ていた春風がこんな言葉を漏らした。

 

 

「…兄上、女誑し?」

 

 

「香風…流石にそれはないから。って誰からそんな言葉を聞いたんだよ!?」

 

 

「…母上から」

 

 

「は、母上…何でそんな言葉を香風に…?」

 

 

 香風の口から出た衝撃の事実に、壮也は思わずOrzの体勢にならざるを得なかった…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「…やっぱり綺麗だな、ここから見る故郷は」

 

 

「そうだな…」

 

 

「(-_-)zzz」

 

 

 やがて夕方になって鍛錬が終わった帰り道。壮也と愛紗、香風の三人は陽県の街を一望できる丘で一休みしていた。夕日に染まる陽県の街並みを見るのが壮也にとっての気分転換にもなっていたからである。壮也は腰を下ろして眼下に広がる街並みを見つめ、愛紗もその隣に座って眺めている。因みに香風は近くの草原に丸まって寝息を立てていた…。

 

 

「……壮也、聞いたか?近頃野盗の類が出没しているのを」

 

 

「ああ、聞いているよ。都に近い司隷でも出て来てるんだ、多分冀州とか青洲とか地方に行けばもっと暴れてるだろう。朝廷は…多分動いてくれないだろうな」

 

 

「…私はあいつらが嫌いだ。自分達の我欲で他者を傷つけて殺し、農民達が田畑を耕して得た糧を奪うあいつらが。あいつらなど…この世から一匹残らず滅びてしまえばいいのに」

 

 

 愛紗はそう言って苦々しく…否、それ以上に憎悪を滾らせ、顔に怒りを宿して言葉を紡いだ。その姿に、壮也は同情を禁じ得なかった。何故なら……彼女の身の上を知っているから。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 さてここで説明させてもらうがこの愛紗と言う少女…彼女は三国志において最も著名と言える英雄である。姓は関、名は羽、字は雲長、真名は愛紗。そう…生前は人間として生を全うしながらも、その人並み外れた武勇と義兄である劉備に対して無二の忠誠を貫き、『乱世の奸雄・曹操』を初めとした英雄達からも称賛された忠義を持ち合わせていた事から、後世において『関帝聖君』として神格化された大英雄である。

 

 

 その活躍ぶりは明代の作家である『羅漢中』が著した中国四大奇書の一つ、『三国志演義』においても大きく記されており、恐らく三国志と言う物語を知らなくても関羽と言う人物を知らないという人間はまずいないと言えるだろうほどの知名度を誇る。

 

 

 そしてこの世界の関羽も壮也の妹である徐晃(香風)同様、愛紗(あいしゃ)と言う真名を持つ女性だった。しかし愛紗はこの河東郡陽県の生まれではない。

 

 

 彼女の出生地は同じ河東郡ではあるが解県…徐来壮也の故郷である陽県とは直線距離で三百六十里(現在の数字では150キロメートル)も離れた土地である。しかし広大な中華の大地では紛れもなく同郷の生まれである。儒教では教えの一つに『それが家族ならば羊を盗んだ物でも庇い通せ』とあり、中国では血縁や主従の契り以上に同郷の誼を重んじていた。

 

 

 話が逸れてしまったが…ではなぜその彼女が陽県に来ているのか。答えは簡単…『故郷を離れ移り住んだ為』である。彼女は解県で生を受け、両親とすでに自立していた兄・関定と言う家族と共に暮らしていた。しかし自身が住んでいた解県の町は当時の中国において最も塩の生産地として名高い『解池(かいち)』があった。

 

 

 この為にそこで官吏と組んだ専売商人が貯め込んでいる莫大な財貨を狙って複数の野盗達が徒党を組んで襲撃を懸けてきた。これに対し商人たちは雇っていた傭兵達を差し向けてこれを撃退する事には成功したが、愛紗の両親はその戦いに巻き込まれて命を落としてしまう。兄である関定に引き取られた物の『両親が死んだこの土地に居続けるのは酷ではないか…?』と愛紗の心中を慮った関定は悩んだ末に愛紗と相談して故郷を離れ、この陽県を訪れたのである。

 

 

 そして陽県を訪れて最初に尋ねたのが…自身の両親と親交を結んでいた壮也の父・徐岳だったのである。徐岳は関定から事情を聴くと村長である老師と相談した末、彼らを陽県に住む一員として快く迎えたのである。しかし陽県を訪れたばかりの頃の愛紗は両親の死を受けてか…誰かが言葉をかけても反応もせず、自分からは何をする事もない人形の様な有様となっていたのである。やがて徐来と徐晃の兄妹が彼女に対して構う様になって行く事で少しずつ表情が戻る様になり、親しくなったことで互いに真名を交換し、気心の知れた親友となったのである。そうしてそれからは互いに武術の腕を磨き合い、兵法を学ぶ日々を送る様になった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 だが…それでも野盗達の事を聞くと感情的になり、彼らの命など平然と切り捨ててよいと口にする事が多い。無理もない…自分達の我欲で他者を傷つける連中に両親を殺されたのだ。その様な言葉を吐くのも道理だろう。だがそれでも…そう思った壮也は愛紗の言葉を聞くと逆に愛紗を叱責していた。

 

 

「愛紗、それは違う。あいつらの様な賊だって初めからあんな事をしていた訳じゃない、あいつらも……元は俺達と同じ民だ」

 

 

「……っ」

 

 

 壮也の言葉に愛紗はその貌を悲しげに歪めたが、壮也は続けざまに口にする。

 

 

「責めるべきはあいつらじゃない……責めるべきなのはあいつらが賊として生きる道を選ばざるを得なかった、そうさせるように追いつめた()()あると、俺は思っている」

 

 

「なっ…壮也、それは本気で言ってるのか…?」

 

 

「ああ、本気で言ってる。俺は前から思ってた…今の都は十常侍が皇帝を意のままに操って好き放題に政を動かしてる。あの宦官達に国を良くしていこうって言う考えはない、どうすれば自分達が甘い蜜を吸えるか…そんな事しか頭にない奴らさ」

 

 

「そんな奴らが国を動かしていれば当然地方を治める刺史や役人達も彼らに媚び諂っていい想いをする為に民に重税を課す。例え日照りや旱魃と言った天変地異が起ったとしても、民草が困窮していたとしても…連中は知った事かと言って平然と税を納める様に命令するだろうよ」

 

 

「精一杯に働いてもそんな風に酷使され続けていたら…生活が出来ないからと言って賊に身を落とすのも分かるだろう?賊を倒すとしたら、まずはこの国をどうにかしなきゃならない。そうして民の声に耳を傾けて政をするようになれば…賊だって姿を消していくだろうな」

 

 

「…っ。『けど、愛紗の言う事だって間違っちゃいないよ』え…?」

 

 

 壮也が自分も擁護する言葉を聞いた愛紗が思わず呆けた声を出す中で、壮也は再び言葉をかけていた。

 

 

「どんな理由があったとしても…賊に身を落として他人の糧を奪い、他人の命を傷つけ殺めていい理由にはならない。例え辛くても、苦しくても…耐え忍ばなきゃならないときだってある」

 

 

 壮也はそう言うと傍にいた愛紗の肩を掴むと、そのまま自身に引き寄せる。

 

 

「だから俺達は護ろう…。そんな連中から俺達が護りたいと思う人たちを、俺達の力で。」

 

 

「っ!…ああ、そうだな。……ありがとう、壮也」

 

 

 そう言うと愛紗は安心したかのように目を瞑り、顔を肩に預けた……。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 それから1刻後、壮也達は家路についた。我が家に向かう中、香風は壮也に声をかけた。

 

「………兄上」

 

 

「?なんだ香風?」

 

 

「………私も、兄上たちを護るよ。私も、護りたいから…大切な、家族を」

 

 

「…そうか」

 

 

 そうして二人は家に戻り、一日は終わったのである。因みに香風の『女誑し』と言う言葉を知っていた事が切欠で徐家では一悶着あったのだが、それは割愛させて頂こう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 時は移ろう物。史実で語られた五将軍の一人は成長し、自らの力を振るうに足る主を求めて旅に出る。そしてそこで『天の御遣い』と呼ばれる青年と出会うのだが……続きは次回のお楽しみ。




 …如何だったでしょうか?関羽と徐晃が同郷の出である事を設定に取り入れてみましたが、やはり小説製作は難しい事この上ないです。

 何度もしつこいかもしれませんが、こんなネガティブ思考な考えしか出来ない作者ですが応援してくださると助かります。次回は時間を飛ばして一刀君を登場させようかと考えています。

 では…。
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