真・恋姫†無双~転生記~   作:ふかやん

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 どうも…皆様お待たせして申し訳ありませんでした。


 最新幕、投稿させていただきます…!また後書きに、今回登場したオリジナル武将の説明などを入れておきます。


報恩贈与

 その後、しばらくの間壮也は孫呉の下で逗留し続け、その間に多くの孫呉の将士らと交友を深めた。例を挙げると…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「貴方が蓮華様が仰っていた徐寧殿でしょうか?(わたくし)は朱然、字は義封と申しますわ」

 

 

 何時もの様に領内に住む農民が使う農具などの修理を終え、一息ついていた壮也の下に現れたのは、金髪碧眼という美貌に、縦ロールの髪形をした女性だった。その身に纏っているのが純白を基調に、差し色に深紅を使った、動きやすさを重視した軽鎧である事から、恐らく孫呉に仕えている将士の一人だと壮也は推察する。

 

 

「蓮華の真名を…。という事は、彼女とは知り合いなのか?」

 

 

「ええ、蓮華様と私は学友でして…ゆくゆくは彼女の下で将軍として仕えるつもりですの。今日あなたのもとを訪れたのは、いくつか用があってのことでして」

 

 

「用とは…?」

 

 

 壮也が問いかけると…彼女は頭を下げた。

 

 

「椿さんの事です。彼女と思春様との軋轢の解消に、あなたが助力してくれた事を…私からも感謝の意を示したいと思っていたのです。徐寧殿、感謝申し上げます。私にとって椿さんは蓮華様を共に支える同輩。出来うるならばその軋轢をどうにかしたいと思っていましたので…」

 

 

 彼女はそう言いながら深々と頭を下げていたが、これに宗也も笑顔を見せながら答えた。

 

 

「頭を上げてくれ、朱然殿。別に礼を言われる様な事はしていないよ。あれは俺が二人の仲をどうにかしたいと思ったからしただけだからさ」

 

 

 宗也がそう言うと、朱然は驚いたように顔を上げて宗也を見つめていたが、やがて嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「うふふ…蓮華様から聞いてはいましたが、男性でありながら恩着せがましくもなく、誠実なお方のようですわね。(わたくし)、真名を蒼蓮(ソウレン)と申しますの。どうか私の真名を受け取っては頂けませんか?」

 

 

「真名を授けてくださるのであれば、俺もまた真名を返さねばならないだろうな。俺の真名は壮也。どうか宜しく頼む、蒼蓮殿…さて、挨拶だけが来た目的ではないと思うのだが。要件を聞かせてくれ」

 

 

 宗也がそう問いかけると、待ってましたとばかりに蒼蓮は問いかけた。

 

 

「呼び捨てで構いませんわ、壮也さん。それと話が早くて助かりますわ。…椿さんから聞いたのですが、彼女の愛刀を貴方が手入れして以来、ますます切れが良くなったとか…さらに聞かせてもらったのですが、どうやらもう一振りあなたが手ずから鍛えた孤刀を贈与されたとのこと。ぜひとも私にも作ってもらいたいのですが…?」

 

 

 そう頼み込んできた蒼蓮は意味深な笑みを浮かべながら、こちらを見据えてきた為、壮也も苦笑しながらこれに答えた。

 

 

「そうか、椿から聞いてきたのか。確かにその通りだ、俺は彼女が使っている暁以外にももう一振り、『(ショウ)』と銘打った孤刀を献上したよ。では聞かせてほしいのだが、蒼蓮は如何なる武具を作ってほしいんだ?」

 

 

「私の得物は祭殿と同じく弓を使っていますの。ですが私のは…」

 

 

 そう言いながら蒼蓮が見せてきたのは、弓の握付近に小さい火口が付いている、弓の形状や、握る部分が中央からずれているなどの特徴を持った和弓を思わせる代物だった。

 

 

「これは…(火焔弓があるとは驚きだな…となると)珍しい造りだな。もしかして蒼蓮は祭殿と同じで、気功を使うのか?」

 

 

 前世において無双などのゲームを孫などがやっており、自分もやった事があることから覚えていた武具を再び目に出来た事に内心感心しながらも、表に出すことなく問いかけると蒼蓮も頷いて答える。

 

 

「ええそうですわ。気功を込める事で火口から炎を鏃に灯し、そうして生み出した火矢を射出する…朱治の叔父様からは『火焔弓』と呼ばれる武具であると聞かされましたの。今使っているこの『赤涙』は叔父様から授けられたものを使っているのですが、長く使い続けているせいかガタが来てしまって…」

 

 

「成程な…それで俺に新しく作り直してほしいと」

 

 

「その通りですの。…やはり難しいでしょうか?今までに他の鍛冶師の方を訪れて頼んでみたのですが、どの方も匙を投げてしまって…」

 

 

 蒼蓮はそう言いながら、表情を暗くしていたが…壮也は安心させるように微笑みながら言葉を投げかける。

 

 

「任せてくれ、俺も修練を重ねてきた身。君がこの先も戦い続けられるように、しっかりと作り直すとしよう」

 

 

「…っ、ありがとうございますわ。宗也さん…!」

 

 

 宗也の強い意志の宿った言葉に、蒼蓮は頬を赤く染めながら、嬉しそうに呟いたのであった。それから少し経ち、壮也が作り上げたのは深紅の色合いをし、鳳凰が羽を広げた様な意匠を施した『鳳焔裂鋼弓』と銘打たれた火焔弓であり、送られた蒼蓮は喜色満面といった感じで喜んだのは言うまでもない。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 次は蒼蓮に武具を作ってあげた翌日の事。その日は昼餉を済ませ、午後の仕事に取り組むかと背伸びをしていたのだが…。

 

 

「だから犬の方が可愛いって言ってるでしょうが!!」

 

 

「いいえ!お猫様こそ至上です!」

 

 

 …唐突に響いてきた口論に、思わず目をぱちくりさせた。

 

 

「…喧嘩か?にしても犬と猫の優劣をめぐっての口論とはな…」

 

 

 そう思いながら店の前に出てみると…店に近づきながら歩いてくる4人の少女の中の二人が舌戦を繰り広げており、それを残り二人のうち、一人は止めようとするのに対し、もう一人はどうでもいいという感じで傍観していた。

 

 

「そもそも猫なんて気まぐれな生き物じゃない!こっちが撫でようと近づくとすぐ逃げるし、酷い時は掌引っ搔いてくんのよ!?それに比べれば犬の方が可愛がれば可愛がった分飼い主に尽くしてくれる!はっきり言って犬の方が最高ってものじゃない!!」

 

 

「何言ってんですか!お猫様はそもそも気まぐれである事こそ可愛さの源なのです!!普段はそっけない風に振舞っていても、ふと気が付くと自分から近づいてくるんです!その時ときたらもう…それに比べれば犬なんてお猫様を追い回すような、敵です!!」

 

 

「あーっ!?言いやがったわね明命(ミンメイ)!?アンタの言葉は天下の犬好き全てを敵に回したわよ!?」

 

 

「そちらこそ、今の言動は天下の猫好きを侮辱したに等しいですよ紅龍(ホンロン)!!これはもう決闘待ったなしです!!」

 

 

「よーしよく言ったわ明命!その喧嘩買ってやるわ!!」

 

 

「それはこちらの台詞です!今日こそどちらが上か思い知らせて見せます!!」

 

 

 そう言って言い争っていた二人…紅龍と呼ばれた栗色のツインテールに、翡翠を思わせる緑色の瞳の少女は、背中に背負っていた長柄双刀ー長柄の両端に刃が取り付けてある武具ーを手に取って構えると、明命と呼ばれた黒の腰まで伸びている長髪に、紅色の瞳の少女は背中に背負っている大太刀を引き抜いて互いに互いをにらみつけた。

 

 

「み、明命落ち着いて…!?紫龍(ズーロン)も止めるの手伝ってよ…!」

 

 

 そんな二人に対し、異様に袖の長い服装に帽子をかぶり、モノクルをつけている琥珀色の瞳の少女が止めようと声をかける一方で、残りの少女に求めるように呼び掛けたのだが…。

 

 

「いやー…これは無理じゃないの?紅龍姉と明命はこうなったらもうあたしらじゃ止まんないって…亜莎(アーシェ)、退いた方がいいと思うけど?」

 

 

「そんなこと言わないでよぉ…!?」

 

 

 薄緑色のポニーテールに紅龍と同じ翡翠色の瞳をした紫龍と呼ばれた少女は、自分には止められないとあっさり諦めてしまい、亜莎と呼ばれた少女は涙目になってしまう…。

 

 

 やがて互いに互いを敵意を込めて睨みつけていた紅龍と明命だったが、やがてどちらともなく弾かれた様に飛び掛かった!

 

 

 だが…互いの武具がぶつかる直前、その真ん中に戦斧が差し込まれる事で武器がぶつかる音が響き渡る。驚いて動きを止めた二人の視線の先には…。

 

 

「喧嘩はそこまでにしておく方がいいぞ?喧嘩するほど仲がいいとは言うが、時と場合を考えることだ」

 

 

 その戦斧を片手で差し込んで二人の武具を受け止めたであろう青年…壮也が穏やかに二人を諭していたのである。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 その後二人を落ち着かせた宗也は、亜莎と呼ばれていた少女に感謝されつつ自身が拠を置いている鍛冶場に四人を招き入れた。

 

 

「さて、多分知っているだろうと思うけど…俺は徐寧、字は芳明だ。君達の名前を聞かせてくれるか?」

 

 

 宗也がそう問いかけると、まず亜莎と呼ばれた少女が長い袖を揺らしつつ拱手をして名乗った。

 

 

「は、はい!私は呂蒙、字は子明と申します!蓮華様から優れた鍛冶の腕を持つと聞いており、叶うならば私達にも武具を作ってほしいと思って馳せ参じた次第です!?」

 

 

「(っ!?この子があの呂蒙か…という事は、ゆくゆくは愛紗と干戈を交えるんだろうか?出来ればそうならない事を祈るだけだが)」

 

 

 少女…呂蒙が自身の名前を名乗ると、宗也は内心驚きを隠せなかった。

 

 

 何せ三国志を愛読していた壮也にとって、呂蒙は初め粗暴であったが主である孫権から学問の大切さを諭されて発奮。

 

 

 猛勉強の末に孫呉の都督にも任ぜられた魯粛が、その成長ぶりに『呉下の阿蒙に非ず!!』と絶賛し、一方の呂蒙もまた『士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし』と鮮やかに返した。そして後に都督となった彼は、当時関羽が防備していた荊州を周到な策謀を以てこれを奪還。軍神と称えられることになる関羽を死に追いやった人物と考えていたからである。

 

 

 しかしそれをお首に出す事なく軽く会釈をした壮也だったが、やがて次に薄緑色のポニーテールをした少女が拱手をしながら名乗った。

 

 

「あたしは潘璋、字は文珪って言うの。あんたが蓮華様が言ってた人?聞いた話じゃ思春にも武具を作って送ったんだよね?…ところで、金をとるとか考えてないわよね?悪いけどあんまり出費をしたくはないんだよね、あたし」

 

 

「ず、紫龍!??それはさすがに失礼だよ!?」

 

 

「えー…けど正直に言うと、あたし武具なんて戦場に転がった武具を使いつぶすような感じで戦った方が手軽でいいんだもん。そりゃあそんな戦い方を祭様にどやされたから来たけどさぁ…」

 

 

 そんな風に愚痴をこぼす潘璋に呂蒙が咎めたのだが、壮也は苦笑しながらも自分が歴史で知っている通りの感じだなと内心思っていた。

 

 

ー潘璋、字を文珪。三国志において孫呉に仕えた将軍の一人であり、演義の方では荊州争奪戦において呂蒙の指揮の元、軍神関羽を部下であった馬忠と共に捕らえるという大殊勲を上げ、その際関羽の得物である青龍偃月刀を褒美として授かるも、後に父の仇を討たんとする関興によって討たれた人物である。

 

 

 その性格は粗暴であり強欲で金銭に執着し、晩年には身分不相応な服装を好んだり、豊かな役人や兵士を殺害し財産を没収するなど不法行為を何度か起こし、それを監察の役人が罰するように上奏したのだが、勇猛でもあり彼が率いた軍は数千人規模でありながら、戦場では一万の軍勢ほどの活躍をして見せた彼を惜しんだ孫権が罰そうとしなかったという逸話があるほど。

 

 

 また関羽を捕らえた後に固陵という土地の太守に任じられた際、孫権から『固陵』と銘打たれた刀を授かったと『古今刀剣録』に記されている。

 

 

 …生前、書籍などを読み耽った事で知った知識を思い浮かべながら、壮也は問いかける。

 

 

「随分と守銭奴なんだな。しかしそれほど貯めていたとして、その財貨で何をしたいんだ?俺は金は貯めるだけでは蔵の肥やしになるだけだと思っているし、使ってこそ価値があるものだと思うんだがな」

 

 

 壮也の指摘に、潘璋は苦虫を噛み潰したように顔をしかめ、やがて観念したかのように返答した。

 

 

「…結構辛辣な所があるのね、あんた。まああんたの言う通りでもあるけどね。…あたし、生家が貧しくってさ。生活が苦しいなんて当たり前だった。家族を養いたくて紅龍姉に誘われて山賊とか野盗のねぐらを襲撃して金稼ぎして、それが大殿…炎蓮様の目に留まって蓮華様の下につけられてからは生活は楽になったんだけど…それでも体に染みついちゃってんのよ。そういう金銭への執着ってのがさ」

 

 

「そうか…まあそれを責めるつもりはないさ。それで敵を作らないように心がけるのならばね。…ところで聞きたいんだが、後ろで睨み合っている二人も用があってきたんだと思うんだが?」

 

 

 壮也が困った様に問いかけ、潘璋と呂蒙が振り返ると、そこには先ほどと同じように終始険悪そうに互いに互いを睨みつけている二人の少女ーおそらく真名であろうが、腰まで伸びた長髪の少女が明命であり、ツインテールの少女が紅龍と呼ばれていたーの姿があった。

 

 

「み、明命!徐寧さんの前では喧嘩はやめてよぉ!?」

 

 

「紅龍姉、そろそろ落ち着いてってば。徐寧さん困ってるよ?」

 

 

 その光景に呂蒙と潘璋が互いに宥めると、唐突に二人は弾かれたかのように壮也に詰め寄ると…。

 

 

「「あなた(アンタ)はお猫様(犬)のどっちが好きですか(なのよ)!??」」

 

 

 開口一番、壮也にそう問いかけた。

 

 

「………うーむ、いきなり質問をされるとは思わなかったな」

 

 

「やっぱり犬の方がいいわよねぇ?愛情を注げば注いだ分、飼い主が窮地に陥った時には水火を辞さず助けに来てくれる!これで犬が可愛くないなんて言う奴は目玉がないんでしょうねぇ!?」

 

 

「何を言いますか!お猫様こそ至上の存在です!普段はそっけない態度をとっていても、ふと気が付くと自分の傍まで近づいて撫でてほしいとねだってくる!これこそがお猫様が可愛いという無二の証明です!!それでどうなんですか徐寧さん!!お猫様の方が可愛いですよね!?」

 

 

 二人の少女に猛然と問い詰められた宗也はしばし瞑目して考え込んでいたが、やがて自身が思った事をそのまま口にした。

 

 

「俺はどちらも好きなんだけどな」

 

 

 そう答えた壮也に対し、呂蒙と潘璋は驚き感心した様な顔色になったのだが…問いかけてきた二人の少女は。

 

 

『(;´Д`)』

 

 

 まるで『違うそうじゃない』というような感じで顔をしかめていた…。それを見て壮也も二人を諭すような感じで言葉を投げかけた。

 

 

「そもそも俺はどちらが可愛いから素晴らしい…っていう考えはあまり好きじゃないな。どちらも可愛く、どちらも素晴らしい。そんな風に考えることが大切だと俺は思う。互いの良い所を認め合う…そうだろう?」

 

 

 壮也の指摘に、二人は面食らいながら渋々とではあるが、殊勝にも受け入れたようだった。そんな二人を見て、壮也は話を進めることにした。

 

 

「さて話を戻すが…二人の名前を聞かせてくれるか?」

 

 

「あっ、はい。私は周泰、字を幼平って言います!」

 

 

「アタシは蔣欽、字は公奕よ」

 

 

 二人が名乗ると、壮也も内心で感心しきっていた。先に名乗った呂蒙や潘璋と同じく孫呉における将軍であろうと目星はつけていたのだが、この二人もまた孫呉において名を遺した将軍だったからである。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

ー周泰、字を幼平。もとは水賊であった時に、江東の統一を目指していた孫策の下に馳せ参じ、孫呉に仕えるようになった武将である。慎み深い人物であり、戦場でも武功を上げていた時、その活躍に惚れ込んだ孫権が自らの配下につけてほしいと懇願した。

 

 

 異民族である山越との間に起こった『宜城の戦い』では、四方から敵が迫り味方が混乱する中で勇力を奮いおこし、身をもって孫権を守り、その身に十二の戦傷を負って昏倒するものの生還を果たし、その大胆さからますます孫権からの信頼が厚くなった。

 

 

 後に曹操との戦いにおいて朱然や徐盛といった武将が彼の指揮下に入る事になったのだが、賊上がりの彼に従う事に不平不満を覚えていた。それを知った孫権は盛大な酒宴を開くと、自らが酒の酌をしてまわり、周泰の前までくると、周泰に命じて上衣を脱がせ、孫権はその傷あとを指しながら、そのようにしてその傷を受けたのかと尋ね、周泰は、ひとつひとつ昔の戦いを思いおこしつつ、答えた。

 

 

 翌日には使者を遣わして周泰に御蓋(主君が用いる儀仗用の日傘)を授けた。このことがあってから、徐盛たちは周泰の指揮に従うようになった。

 

 

ー蒋欽、字を公奕。前述にある周泰と同じく水賊であった時に、孫策の下に馳せ参じ、以降孫呉の将軍として活躍した人物である。

 

 

 聡明であったが教養に乏しかったらしく、呂蒙と同じく孫権から勉学に励むように諭された事で発奮。猛勉強の末に孫権から『その行いは人々の模範となり、国士である』と称された。

 

 

 またある出来事がきっかけで徐盛が蒋欽にわだかまりを抱いていたが、蒋欽は徐盛の優れた所を称賛し推挙までしようとしていた。これを聞いた孫権が訝しみ、蒋欽を呼び出すと『徐盛はかつてそなたの事を挙げつらった上言をしたというのに、なぜそなたは徐盛を推挙するのだ?』と問いかけた。

 

 

 これに対し蒋欽は『臣は、公の推挙には私怨をまじえぬものと聞いております。徐盛は真心をもって勤めに励んでおり、大胆で見通しがきき、実務能力も備えていて、一万の兵を指揮するにふさわしい人物です。いま中国統一という大事もまだ未完成であって、臣には国家のために才能ある人物を捜し求める義務がございます。どうして私怨にひかれて有能な人材をかくれたままにしておいたりいたしましょう?』と答えた。

 

 

 これを聞いた孫権は大いに喜び、また徐盛も蒋欽の徳に心服したとされている…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「成程…君達も蓮華の下に預けられた麾下の将軍達、と思っていいのか?そしてここに来た目的も、呂蒙から聞かされたとおりであると」

 

 

 自己紹介を終えた後、壮也が改めて確かめるように問いかけると、4人はそれぞれに頷いて答えた。

 

 

「いいだろう。今の俺は炎蓮殿の好意で逗留している身、君達の願いも快く引き受けるつもりだよ。…さて、では聞かせてほしいんだが、君たちの使っている武具を教えてほしいんだが、構わないだろうか?」

 

 

 壮也がそう問いかけると、4人はそれを了承し、各々得意とする武器を紹介し始めた。

 

 

「わ、分かりました!私は…徐寧さんには馴染みが薄いかもしれませんが、いわゆる暗器の類を得意としています…!」

 

 

「あたしは刀ね。扱いやすいし、敵に弾き飛ばされても戦場じゃあっちこっちに転がってるから即座に拾って戦えるのが理由ね」

 

 

「私はこの長刀です!銘は『魂切』といいます!』

 

 

「アタシはこの長柄双刀が得物よ。要求があるとするなら頑丈なものが作ってほしいわね」

 

 

 それぞれが愛用している得物を取り出して見せて来たので、それらを受け取って暫く観察していた壮也だったが、やがて頷いて答えた。

 

 

「…うん。構想が浮かんだよ。数日したらまた来てくれ、皆にとって満足できる代物を作ってみせるよ」

 

 

 その言葉に呂蒙達は安心したのか、ひとまずその場は解散となり宿舎に戻っていった。そして壮也は気を引き締めると、武具の製作の準備に取り掛かった…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 数日後、壮也からの呼び出しを受けた呂蒙達が、壮也が寝泊まりしている鍛冶場に足を運ぶと、その隣にある訓練場で待っていた。

 

 

「ああ、来てくれたようだな。早速だが、それぞれに使いやすいと思える武具を見繕ってみたので見てくれ」

 

 

 そう言って壮也は近くにある机に、制作した武具を並べていく。机にはそれぞれの名前が書かれた木札が置かれており、その木札の近くに武具を置いてあるようだと、呂蒙達には感じられた。

 

 

 まず呂蒙の視線の先に置かれていたのは、手の甲の部分が緋色で、指の部分が鋭い鉤爪の様になっている手甲を思わせる武具だった。

 

 

「…?徐寧さん、これはいったい…?」

 

 

「これは鉄糸を放つ手甲だ。どのような武具なのかは…まあ、百聞一見という奴で確かめてくれ」

 

 

 そう言って宗也が勧めてきたので、呂蒙がその手甲を装着し、人間を模した藁束の前に立ち、試しにその藁束に向かって手を振った途端…少し離れていたにも関わらず、指先の部分から何かが光を放ったかと思った瞬間、その藁束が爪か何かで引き裂いたかのように斜めに切り裂かれたのである。

 

 

「えっ…えええっ!??す、すごいですよ徐寧さん!?これなら剣や槍を使うよりも離れた場所から攻撃ができます!」

 

 

「使い勝手もいいと思うんだが、どうだ?ちなみに武具の名前だが、金剛弦(コンゴウゲン)と名付けた。愛用してくれると、俺も嬉しい」

 

 

「えっ!?た、確かに…初めて使ったのに驚くほど使いやすいですね。ありがとうございます徐寧さん!」

 

 

 呂蒙の喜びようを見て満足そうに頷いた宗也は、次に潘璋の方に目を向ける。潘璋の木札が置かれている場所に置かれていたのは、幅広で肉厚な造りが施され、峰の部分も首などを切り落としやすいように湾曲している刀身をした刀だった。

 

 

「うーん…なんというか、随分と刀身の長さが短くないこれ?無骨そうな感じもするし…けど、見かけとは裏腹に軽くて使いやすいのね?」

 

 

「ああ。潘璋の刀についてなんだが、盾としても使える様な刀という構想で作ってみたんだ。この刀なら相手の槍や矛による攻撃も防げるし、防ぎながら受け流す事も容易になる」

 

 

「…確かに、あんたの言う事も最もかもしれないわね。それによくよく考えると…確かにこれはこれで使いやすいかも」

 

 

「それに頑丈さも追及しているから刃毀れの心配も少ないはずだぞ?それじゃあ試しに…潘璋。その刀を刀身を横に向けて地面に刺してくれ。…うん、それでいい。少し離れていてくれ」

 

 

 壮也がそう指示し、潘璋が疑問に思いながらも言うとおりにして離れると、壮也が用意したのは弩であり、矢を番えてその刀に向ける。そうして狙いを定めて少しした後に引き金を引いた途端、放たれた矢は猛然と刀に向かって飛んでいき…甲高い音を立てたかと思った直後、矢は空中でキリキリと回転しながら地面に落ちる。

 

 

 そして壮也が落ちた矢を拾い上げ、さらに潘璋が地面に刺した刀を抜いて潘璋の下に歩み寄る。そうして壮也が差し出した刀を受け取った潘璋が刀の矢が当たったであろう部分を見るも、刀には傷一つついておらず、逆に壮也が放ったであろう弩の矢は、鏃の部分が潰れて使い物にならなくなっていたのである。

 

 

「………さ、最高じゃない!!弩を受けてこれなら、普通の弓矢でも余裕で防げるって事よね!?これは大切に使わないといけないわね…」

 

 

「喜んでくれて何よりだよ。ちなみに銘は、大蛇刀(だいじゃとう)とつけてみたんだが…気が乗らないのなら、自分で名前を考えてくれても構わないぞ?」

 

 

「大蛇刀?…中々に面白い銘をつけるじゃない。いいわ、気に入った!これから愛用させてもらうわよ!!」

 

 

 そう言って自分の愛刀を高々と掲げ、喜びをあらわにする潘璋を見た壮也も満足そうに頷き、次に周泰の方に目を向けた。

 

 

 周泰の木札が置かれた場所にあったのは、自身が使っている『魂切』と同じく刀身が長い、日本でいう野太刀と呼ばれる太刀だった。周泰が試しに鞘から引き抜くと、刀身の峰の部分には、紫色の文様が浮かび上がった造りとなっているようだった。

 

 

「…見事な出来栄え、としか言いようがないです。腕前のほどは蓮華様から聞かされていましたが、ここまでとは思いもしませんでした!」

 

 

「気に入ってもらえて、俺も嬉しいよ。ちなみに銘なんだが…覇王友成(ハオウトモナリ)とつけてみた」

 

 

「覇王友成、ですか…?と、とても仰々しいのですが、同時に不思議としっくりくる名前です。ありがとうございます、徐寧さん!これからはこの覇王友成と魂切、二振りの刃を以て蓮華様の為に戦って見せます!」

 

 

 周泰の言葉に、壮也も頷いて答える。そうして最後の相手である蒋欽の方に顔を向けた。

 

 

 蒋欽が、自身の名前が書かれた木札が置かれている場所に目をやると、そこに鎮座していたのは翡翠色の刀身が目を引く刃が長柄の両端に取り付けられた長柄双刀だった。

 

 

 初め蒋欽はその武具を手に取ってしげしげと眺めていたのだが…やがてその武具を手にしたまま訓練場の中央に向かい、そこで立ち止まったかと思った瞬間武具を振り回し始める。

 

 

 長柄双刀という得物は、長柄の両端に大刀の刃が取り付けられているという特異な形状をした武具である。その為普通の長柄武具よりもリーチが短いという短所があるだけでなく、武具を扱う自分自身を軸として回転しながら切りつけるという独特な攻撃手段をとれる事から、扱いの難しい武具でもあった。

 

 

 だが蒋欽は、その得物を巧みに使いこなして見せるほどの力量を持っており、暫く長柄双刀を振るっていたが…やがて動きを止め、戻ってくると満面の笑みを見せながらまくし立てた。

 

 

「…あんた、最高ね。今まで使ってたのが鈍らになったんじゃないかってぐらい使いやすいじゃない。この武具!改めて礼を言わせてもらうわ、ありがとね!」

 

 

「ははっ…!喜んでくれて何よりだよ。銘は双翅滅閃(ソウシメッセン)、大切に使ってくれるのなら、これに越した事はないさ。さて、これで全員分の武具を作ったと思うんだが…満足してくれたか?」

 

 

 宗也がそう問いかけると、4人はそれぞれに嬉しそうに頷いた。

 

 

「こんな素敵な武具を作って頂き、心から感謝します壮也さん!返礼と言う訳ではありませんが、私の真名…亜莎を貴方に預けます!」

 

 

「亜莎が名乗ったんなら、あたしも真名を預けとこうかな?あたしは紫龍よ!」

 

 

「私は明命と申します!壮也さん。この先どのような事があっても、私達はあなたからの恩義、決して忘れはしません!」

 

 

「アタシは紅龍よ。先に行っとくけど、この先敵味方に分かれたとしても手を抜くつもりはないから。それが武人として当然の礼儀なんだからね?」

 

 

「ああ、それで構わないさ。互いに信じる物の為に持てる力の全てを尽くしてこそ、武人としてあるべき姿なんだから。皆の真名、確かに受け取った。その返礼として、俺も真名を返そう。俺は壮也だ」

 

 

 こうして壮也は、また新たな孫呉の将士らと友誼を結ぶこととなったのである…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 それから数日後の事。百姓達から依頼されていた農具の手入れを終わらせ、ひと段落ついていた時…。

 

 

「頼もう!」

 

 

 威勢のいい掛け声が響き渡り、驚いた壮也が声のした方に振り替えると、そこには妹である香風と同じくらいの背丈をした、銀の長髪に朱色の瞳をした、左目を眼帯で覆っている少女が立っていた。だが、それ以上に壮也の目を引いたのは、彼女が背中に背負っているであろう武具だった。

 

 

「…っ!(断月刃を背負っている…あの背丈で大したものだな。それに彼女の雰囲気…香風を思い起こしてしまったな)」

 

 

 それは断月刃という、巨大な環状の刃という形状をした武具で、非常に扱いの難しい武具でもある。だが目の前に立っている少女は、そんな武具を背中に背負っているという事はその扱いに熟知しているということに他ならなかった。

 

 

 そう考え感心する一方で、妹である香風を思い出し感慨にふけってしまった壮也に、少女は少し腑に落ちないという感じに首を傾げた。

 

 

「…何だ?その様に微笑ましい感じで私を見てきて?」

 

 

「ああ済まない。妹のことを思い返してしまってな」

 

 

「ほお、妹がいたのか?しかし私を見て妹の事を思い起こすとは、よほど私に似ているようだな?」

 

 

「いや…香風はどちらかというとぼんやり屋な所があったかな?それにしても…断月刃を得物に選んでいるとは、かなりの技量を持っているようだな?」

 

 

 壮也がそう称賛すると、少女は得意げに鼻を鳴らす。

 

 

「まあ当然だな。孫呉においてこの咬牙断(コウガダン)を振るえる者などこの私、丁承淵をおいて他にはいないだろう!」

 

 

 少女が高らかに名乗ったのを聞いて、壮也は内心感心してしまった。

 

 

「(なんと…!この少女があの丁奉か…!)」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 三国志末期。諸葛亮などが世を去り、姜維や司馬昭といった将星が乱世の終焉に向かう中で輝きを放ちつつあった頃。孫呉にもまた最後の輝きを放つ将星がいた。それが丁奉、字を承淵である。

 

 

 若くして勇猛であった彼は、甘寧や陸遜といった将軍の下で経験を積み、やがて孫呉において『遼来来』と恐れられた張遼を射殺すという活躍を成し遂げ、三国志末期の戦場を駆け抜けた。

 

 

 民間伝承においては礫の名手であったとされ、赤壁の戦いにおいて祈祷によって盗難の風を起こした諸葛亮が、後難を恐れて逃れようとした時に追撃をしたものの、到着した時には既に船に乗った後だった。

 

 

 これを見た丁奉は鉄の礫を取り出すと船の帆柱に照準を合わせて投げつけた。礫は空気を引き裂く音を発しながら飛んでいき、帆を引っ張る滑車に命中し、諸葛亮の船の帆が落ちて諸葛亮の部屋の上に覆いかぶさった。

 

 

 これを同行していた趙雲が慌てて帆をどけて諸葛亮を救い出し、船を捨てて岸にあがると東南の方向に逃げていった…と語り継がれており、現在でも廟に祭られた丁奉の像には二つの鉄の礫が握られている。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 そうして感心していた壮也だったが、やがて丁奉が話を切り出した。

 

 

「貴様の事は教官から聞かされている。優れた鍛冶師としての腕を持っているとな!」

 

 

「教官?」

 

 

「むっ?教官の命を救ってくれたから知っていると思うのだが…?」

 

 

 唐突に聞きなれない言葉を聞かされた事で首を傾げる壮也に、丁奉も疑問を抱いたが…やがて彼女の後ろから声が発せられた。

 

 

 壮也が声の方に顔を向けると、丁奉よりも背丈はあり、ブロンドの長髪を後ろで束ねた髪形をし、紫色の瞳を持った少女がやれやれといった表情で立っていたのである。

 

 

「もう黒兎…いきなりそんな風に言われたって分からないと思うよ?祖茂様って言わないと」

 

 

「むっ!そうだったか…」

 

 

 少女の指摘に丁奉が説明不足だったことに気づいたのを見た壮也は、ようやく合点がいった。

 

 

「祖茂殿…千冬殿の事だったのか。教官という事は、丁奉は千冬殿の下で将軍としての鍛錬を積んでいるのか?」

 

 

「その通りだ。だが私だけではないぞ?椿や蒼蓮、紅龍や紫龍。明命や亜莎達…他にもいるが、彼女らも教官の元で研鑽を積んでいるのだ」

 

 

「ゆくゆくは雪蓮様か蓮華様の下で働く事になるかな?…あっと、自己紹介がまだだったかな?僕は徐盛、字を文嚮っていうんだ。宜しくね?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 徐盛、字を文嚮。孫呉に仕えた武将の一人で、演義においては孫呉の主となった孫権が人材を求めた時に馳せ参じたとされる。

 

 

 武勇に秀でた猛将というイメージがある一方で、劉備と孫権が激突した夷陵の戦いの後に勃発した曹魏との戦いにおいて、建業からずっと防護のための壁を作り、それにすだれを架けわたし、壁の上に仮作りのやぐらを作りつけ、長江上には船を浮かべるという『偽城の計』によって曹丕が率いた大軍を退けるという活躍を成した。

 

 

 その活躍ぶりを後世、正史三国志を著した陳寿から『江南の勇猛の臣の一人であり、孫氏が手厚く遇した者である』と称え、加えて『東南の地を確保して割拠することができたのも、しかるべき理由があったといえよう』として孫呉を支えた人物の一人に挙げている。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 壮也は現れた二人の少女…自身の知る歴史においては後の孫呉において重きを成すであろう将軍の登場に内心歓喜を覚えていたが、それをお首に出す事もなく、やがて女性の背中に背負っている得物に目を向けた。

 

 

 それは大楯と、叉突矛という刺又を思わせる形状をした穂先の矛であり、恐らく攻防を兼ね備える戦いを得意としているのだと推測した。

 

 

「大楯と矛か…盾で防ぎつつ、矛で貫くという戦いを得意としている。違うか?」

 

 

「っ!?説明してもいないのに、一目見ただけで…御見それしました。千冬様から聞かされてはいましたが、ここまで見抜いているなんて」

 

 

「なに、様々な武具の扱いを経験したからこそ分かっただけさ」

 

 

 壮也がそう答えると、丁奉は感心した様につぶやいた。

 

 

「ほお…驕れる事もなく粛々と接する。教官も一目置いていたが、改めてこの男の器のほどを思い知らされたな」

 

 

「うん、そうだね…では徐寧殿、僕達にも武具を作っては頂けないでしょうか?無論相応の謝礼はお支払するので」

 

 

「気にする事はないよ。俺は炎蓮殿の好意で孫呉に招かれ、その返礼として武具を献上したいと思っているだけだからな。安心してくれ、君たちにとって満足できる武具を作ってみせるよ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 その後、壮也は丁奉に対しては、刀身に鬼の牙を思わせる模様を彫りこんだ『百鬼潰断』という銘の断月刃を。徐盛に対しては水色の房飾りが取り付けられ、刺又の部分も波打っているように作られた穂先をした矛と、六角形を思わせる形状に楯の中心に翡翠色の水晶をはめ込んだ大楯の一組にした『煌天』という銘の叉突矛を製作し、二人に贈与した。

 

 

 当然二人は今まで使っていた得物よりも遥かに使い勝手が良くなった武具に大変満足していた。

 

 

「うむ…腕前が優れていた事は知ってはいたが、実際に手にしてみて改めて驚いたぞ。ここまでの業物を作ってもらっては、貴様に足を向けて寝られんな」

 

 

「もう黒兎!そう言う事を言っちゃ駄目だよ?…すいません、徐寧さん。黒兎は悪気があって言ってる訳じゃないんです…」

 

 

「気にしてないさ。二人にとって命を預けるに足る業物を作ってみたつもりだ。大切にしてくれ」

 

 

「……貴様にはあらためて感謝する。私の真名は黒兎(コクト)、これほどの業物を作ってくれた貴様に対する返礼として受け取ってくれ」

 

 

「僕は白百合(シラユリ)って言います。徐寧さん、重ねてお礼申し上げます。あなたが作ってくれた武具に恥じぬよう、研鑽に努めようと思います!」

 

 

 二人の感謝の言葉を受け、壮也も微笑みながらうなずいた…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 孫呉に逗留し、武具などを作る日々を送る壮也。賊退治などにも同行し、将士らと交友を深めていたが、やがて彼の下に天下を揺るがす大乱の知らせが飛び込もうとしていた…。続きは次回の講釈で。




 今回登場したオリジナル武将


朱然・義封(外見などは『インフィニット・ストラトス』の『セシリア・オルコット』を参考にしました)


 孫呉に仕えている宿将の一人である朱治の姪であり、養女となった少女。蓮華とは学問を共に学ぶ同輩として交友が深く、炎蓮によって将軍見習いとして見いだされ、千冬の下で文武の研鑽に励んでいる。


 三国志においては呂蒙の荊州争奪戦などにも参戦し、その後に起こった夷陵の戦いにおいても活躍。蜀魏を相手に荊州を巡って争い、これを守った名将として描かれている。


 しかし演義では夷陵の戦いにおいて趙雲に討たれたとある一方で、正史の方ではその後も活躍したとされている。


蒋欽・公奕(外見は『インフィニット・ストラトス』の『鳳鈴音』を参考にしました)


 炎蓮によって見いだされた将軍見習いの一人。元々は悪徳商人などを標的にする水賊の一人として行動していたが、その噂を聞いて出向いてきた炎蓮に叩きのめされ、その根性を買われて孫呉に加わった。


 明命とは一時期行動を共にしていたのだが、猫好きの彼女とは正反対の犬好きであった事から喧嘩が絶えなかった(ただ戦闘においては息がぴったり合っていた)。


 三国志では、演義において水賊として活動していたが孫策の挙兵を聞いて周泰と共に馳せ参じた事になっている。


 呂蒙と共に、孫権から学問に励むように諭された事でも知られており、魏の張遼や蜀の関羽相手に活躍を成した。


潘璋・文珪(外見は現在はサービスを終了している『インフィニット・ストラトス アーキタイプ・ブレイカー』というスマホゲームに登場していた『鳳乱音』を参考にしました)


 炎蓮によって将軍見習いとして見いだされた一人。


 生活が貧しかった事もあってハングリー精神が人一倍強く、家族を養う為に姉と慕っていた蒋欽と共に水賊をやっていたが、噂を聞きつけて出向いてきた炎蓮にぶちのめされ、その後将軍見習いとして引き取られた。

 
 将軍見習いとなってからも時折町に出向いては、何でも屋みたいな事をして路銀を稼ぐなどしており、炎蓮も目をつむっている。


 三国志において、演義では荊州争奪戦で呂蒙の指揮下で活躍し関羽を捕らえた功績を上げ、彼が所有していた青龍偃月刀を褒美として与えられたと描かれることが多い。


 性格は粗暴であり、強欲で金銭への執着が強く、豊かな役人や兵士を殺害し財産を没収するなどの不法行為をたびたび起こすも、彼が率いる兵は数千人でありながら一万の軍勢のような働きを示し、活躍をした事から孫権もその活躍を惜しんで罪に問わなかったとされている。


徐盛・文嚮(外見は『インフィニット・ストラトス』の『シャルロット・デュノア』を参考にしました)


 炎蓮によって見いだされた将軍見習いの一人。徐州は琅邪郡の出身であったが、世が乱れて来た事で故郷を捨て、呉郡に移り住んだ。


 そうして孫呉の軍に加わって研鑽を積んでいた所を炎蓮の目に留まり、孫呉の次代を育てようと将軍見習いの一人として引き上げた。性格は温厚であり、ほかの将軍見習い達のストッパーも務めている。


 三国志において、様々な戦いを経験した歴戦の武人であり、特に魏との間に勃発した戦いでは『偽城の計』を駆使してこれを撃退したことで知られている。


丁奉・承淵(外見は『インフィニット・ストラトス』の『ラウラ・ボーデヴィッヒ』を参考にしました)


 炎蓮によって見いだされた将軍見習いの一人。世が乱れた事により両親を失い、妹と共に生きてきた。


 やがて妹を養う為に孫呉の軍に加わった際に炎蓮の目に留まり、将軍見習いの一人として千冬の元で研鑽に励んでいる。将軍見習いの中では一番千冬の事を尊敬しており『教官』と呼んで慕っている。


 三国志においては、三国志の後期において活躍を成した武将として描かれており、民間伝承では礫の達人として描かれている。


 だが晩年においては功績を上げたからか奢り高ぶるようになってしまい、それを非難するような者が現れるようになった事から彼の死後、呉の皇帝となっていた孫晧によって先の軍事行動の失敗の責任を取らされる形で家族は臨川に移住させられた。
 
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