土竜族のニヒル
「だからこの目で見たのが証拠だって言ってるだろ!」
怒鳴るが相手のギルドナイトは特に怯んだ様子もなく返してくる。
「そんなものは証拠にはならない。人の目などあてにはならない」
「お前は人じゃないのかよ」
「もちろん人だ。だが目に頼りすぎるのはいけない。体全体で感じとり敵の動きを読んで狩るのだ」
「それに今は別の案件で忙しいんだ。どこかへいってくれないか?」
「いや、見とめてもらうまではテコでも動かないぞ」
「ならばこちらも……」
「やめなさい」
人混みの奥から威厳のある声が響いた。
「落ち着きなさい、二人とも。怒りに身を委ねるのはよくありません」
静かだがどこか威圧のある声。
「無礼を申し訳ない。しかし、今は本当に忙しいのだ。どうか引き取ってもらえるとありがたい」
なぜか反論をすることができない。まるで返答を許さないかの雰囲気を出している。
「はい、わかりました。迷惑をおかけしました」
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「ただいまー」
「おうよく帰ったな。何でもギルドナイトとやりあったそうじゃねぇかニヒル」
話しかけてきたのは僕の父。土竜族なので背が低くがっしりとし体をしている。
でもなぜか僕はそうならず普通の人と変わらない体型。なんでそうなったかはわからないけどそうなっちゃった。
力も土竜族と変わらず強く。ハンターになるときはほぼトレーニングせずによかったから、ちょうどよかった。
火にも強かったため、火球ブレスのダメージがあまりなかった。
もちろん手も器用だ。正直いっていいことだらけだった。
しかし、目標が見当たらなかった。
ハンターにはなったもの目標を見つけることはできなかった。
そんなことをしているうちに上位ハンターとなり、今にいたっている。
ここはバルバレ。土竜族中でも代々バルバレにいるらしい。表では父さんが加工屋をやっている。
それを継ごうとは考えたんだが、どうも性に会わない気がしたのだ。
父さんに苦笑をしながら2階にある自室へと向かう。
本棚に囲まれたその部屋は、今まで読んできた本が全ておかれていた。
本の背表紙を眺めながら窓際の机に座る。
全く相手にされなかった。
俺が見た鋼鉄のリオレウス、あれは絶対に見間違いじゃない。
こうなったら徹底的に調べ尽くしてやる。
ニヒルは机の奥にしまってあった白紙の本を取り出す。
一度小説を書こうと思った時に買った本だ。
表紙に機械龍と書き、目次を作り機械龍リオレウスと書く。
そういえばあいつはどうやって繁殖していたんだ?卵と思っていたものは卵ではなかった。まるで侵入者を知らせるための装置のようだったな……
その時気配もなく後ろから
「なぁなにしてんだ?」
「うわあぁぁぁ!」
「うおぉぉぉ!!」
「なんだよ父さんか」
ビックリした、誰かと思った。
「いや、俺はちゃんとノックをしたんだがな……」
そんな音聞こえたっけな?
あっこれに熱中してたからか。
「俺にも夢ができたんだ……」
「ん?何ていった?」
「機械龍の秘密を暴くことそれが俺の夢だ!」
「おお!ついに俺の息子に夢ができたのか。このへぐなちゃごが!!!」
号泣しながら部屋を出ていった。
絶対に調べ尽くしてやる全てを。待っていろよ!機械龍!!
わからない人がいるかもしれないので、書いておきますが、ニヒルは第3話で出てきた片手剣を使っていたハンターです。一応ここで紹介しときます。