前世の記憶とか知識が本当にマジで役に立った。
ある意味すごい幸運と言うか。奇跡とでもいえばいいのかな。
ゲートの先・・・地球ですよ。
ゲートの向こう側の鉄の遺跡かと思った場所はエルドリッジ号と言う駆逐艦の中だったのです。そして、この軍艦の所有者はアメリカ合衆国だったのです。
とりあえず、お互いに敵意が無く。友好的な関係を築きたいという意思を確認したので、お互い武器を収めて話し合いが行われることに・・・とは言え女王様である私と軍の佐官程度が対等に話し合うのはいかがなものかと言う意見が出たので、外交官の妖精に任せてわたしは一足先に自分たちの世界へ戻って話し合いの結果を待つとしましょうか。
わたしが王宮に戻ってから1ヶ月、交渉の類が終了した。
「ふ~ん、なるほどね。」
元地球の転生者としては地球と行き来可能になることは悪いことではなかった。
だが、繋がった先は1943年10月の地球。今は1か月経過して1943年11月の地球だ。
「とりあえず、仲良くしましょうってところなのねー。今は戦争中だし、それが普通よね。」
異世界にいてアメリカ様と好を通じられるなんてすばらしいじゃないか!
「まあとりあえず。良さそうなものを貢物として渡しときましょう。向こうも何かくれるみたいだし。」
手始めに魔法のアイテムを送ったり、返礼に地球のアイテムをもらったりして細々と交流を続けた。
第二次世界大戦、米ソ冷戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、テロとの戦いと言った地球の著名な出来事が過ぎ去って早70年程度。
この世界と地球を繋いだゲートはこちら側に砦で囲い込み、地球側においては1945年にこちらの魔法使いたちを秘密地に派遣し護衛駆逐艦エルドリッジの艦内からアメリカ空軍ネリス試験訓練場へと運び込まれた。この運び込まれた区画こそ、かの有名なエリア51であった。
エリア51では様々な実験が繰り返されているようだ。
結果内容は私の耳に入ることになった。
しかし、双方ともに一般には公開することはなく細々としか交流が続くだけだった。
こちら側も相も変わらず魔王軍と聖教会を中心とした諸国群がだらだらと戦争を続けていただけであった。こちら側の世界にも少しばかり変化が訪れる。
細々と交流していたアメリカ合衆国交渉担当官との提示内容であった。
「これは本当ですか?」
「はい。」
70年前から要請し続け却下されていた内容。
『軍事顧問団及び実働部隊の駐留。』
今までずっと拒否され続けていただけに何か裏があるのではと勘ぐってしまう。
間違いなく裏があるだろうが…。
「アメリカはこの世界に本格的に進出されるのですか?」
「いえ、そのように悪くお考えにならないでいただきたい。女王陛下、ゲートのサイズ的にそれは現実的ではありません。ですが、物資のやり取りに関しては拡大しても問題ないでしょう。我が国は貴国のいえ、この世界の鉱物資源に興味があります。貴国には我が国の様に覇権国家を夢見ていただければと思いまして。」
「迂遠な言い方ですね。」
アメリカの外交官は肩をすくめて答える。
「はっきり言ってしまえば、魔王領に少しばかり進行していただければと・・・。そちらの宗教組織とは距離を置いたうえでね。」
数週間後
「女王陛下。こちらが軍事顧問団長兼駐留軍司令官のビル・ギルゴス少将です。」
「女王陛下、よろしくお願いいたします。」
「えぇ、こちらこそよろしくお願いします。」
「では、こちらにサインを。」
外交官に促されて書面にサインをした。
鷲のマークが描かれた書面に・・・。
この世界にとっては悪魔の書であろう書面に・・・。
「ほう、これが。」
「航空宇宙局が人工で生成しようとしていた素材の理想値を天然で遥かに上回る恐るべき鉱石です。さらにこの鉱石はそれ以外の希少成分も多く含んでいます。」
2017年に当選したばかりのこの大統領は報告書と鉱石の実物を手にしながら軍高官たちの話を聞く。
「で、レアメタルとレアアースの塊のような鉱石の出所はエリア51の向こう側ということか。」
「はい。」
「これさえあれば、半導体関係やEV関係で中国やロシアを出し抜けるではないか?なぜ今までの大統領はこれに手を出さなかったんだ?」
「歴代の大統領は、かの世界に争いの火種を持ち込むことを嫌がり介入を避けてきました。」
「全く馬鹿な奴らだ。国民の為にも偉大なるアメリカを復活させねばならんのに、こんな都合のいいものを使わんとはな。長官、それと交換で、かの世界の友人が望むままに軍事力をかしてやれ。これは我が国の物にしたい。早急に手を打て。」
妖精の国であるユグドラシル王国は聖連合非加盟のまま魔王軍と開戦する。