【✨書籍化✨】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました【悪役✕結婚】 作:メソポ・たみあ
《レティシア・
「〝
既に事切れ、動かなくなった〝
エルザ第三王女への忠誠心を超えた感情。
それは文字通り、命を賭したモノだった。
……私とアルバンは、ずっとこの男に策謀に苦しめられてきた。
私たち夫婦を幾度となく引き裂こうとした、怨敵にして仇敵。
いつか必ず報いを受けさせてあげましょう――そう思っていたのに。
でもまさか、その怨めしい相手の最期がこんな形だなんて……。
私は自分の気持ちを整理し切れず、ただ彼の亡骸を見つめることしかできなかった。
そんな私とは対照的に、パウラ先生はスタスタと〝
そして指先で彼の首筋に触れ、
「……脈拍なし、死亡確認。ま、こういう手合いの死に方としては上等な方でしょうか。面倒な手間を省かせてくれたことには、感謝しなくちゃいけませんね」
慣れた様子で生死の確認を取ると、あっけらかんとした様子で言った。
そんな彼女の言い草に、私はなんだかモヤッとした感情を覚える。
「パ、パウラ先生、死者に対してそんな言い方は……!」
「事実ですよ。それにこの子はここで死ななければ、もっと酷い最期が待っていたんですから」
「え……?」
「今回の事件の失敗により、エルザ第三王女の失脚はもはや確定事項となりました。となれば、実行犯であるこの子は政治犯かつテロリストとして扱われ、惨い尋問を受けたことでしょう。最期は獄中で気が触れて死ぬか、それとも断頭台にでも送られるか……」
淡々とパウラ先生は語る。
まるで、実際にそういう人々を見てきたかのように。
「いずれにせよ、碌な末路を迎えられなかったのは間違いありません。誇り高い自死を選んだのは、正しい判断なんです」
「……」
それが
……こうして人の死を間近で見たのは、ライモンドの時から二度目。
何度見ても……慣れないわね。
「……レティシア嬢、大丈夫か?」
そんな私を気遣ってか、ローエンが背後から声をかけてくれる。
「……ええ。あなたこそ平気?」
「俺は〝職業騎士〟だからな。生い立ち柄、人の死には比較的慣れている」
ローエンはそう言って〝
「コイツと我らとは因縁浅からぬ仲だが……死者まで愚弄することはあるまい。せめて安らかな眠りを祈ろう」
黙祷するように目を瞑る。
そして、しばしの後に目を開けると――。
「……それにしても、解せんな」
「え?」
「コイツがレオニールの格好をしていたのは、本当にただ俺たちを驚かせるためだったのか……? そもそも、当のレオニールは何処に――」
そうローエンが言いかけた――その時。
「――――み、皆ぁ! 大変だッ!!!」
遠くから、学園の男性教師らしき人物が一人走ってくる。
たぶん
額から汗を流し、なんだか焦り切った表情をしている。
パウラ先生もその弾性教師に気付き、
「おや? どうされました?」
「ああパウラ先生! 今すぐ生徒たちを連れて避難を!! 今、城下町の方で――ッ!」
男性教師が言いかけた、その矢先――。
ズンッ……! と、突然
地震……?
いや違う、そういう感じじゃない。
まるで――遠くで
男性教師は顔を真っ青にし、
「は……
そんなことを、私たちに告げた。
▲ ▲ ▲
――ドーン!
――――ズズーン!
――わああああああああ!
――――きゃああああああああああ!!!
「…………ふぁ~あ、うるせぇなぁ……」
――
どこからか爆発音が鳴り響き、それに混じって薄っすらと聞こえてくる人の悲鳴。
俺がいる牢屋は窓などが一切ないため、外界の音はかなりくぐもった感じにしか聞こえてこない。
逆を言えば、それでも聞こえてくるということは監獄の外で――城下町の方で、なにか
「あ~あ、面倒くせぇ……。面倒くせぇけど――そろそろレティシアが迎えに来てくれるかもだし、