【✨書籍化✨】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました【悪役✕結婚】   作:メソポ・たみあ

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第194話 アイドル VS 〇〇〇

 

「それではこれより、BクラスとCクラスそれぞれを代表して〝(キング)〟同士による決闘を行う」

 

 大勢の観客が見守る中、『決闘場』の中心で立会人の教員が述べる。

『決闘場』の中は既にかなりの熱気に包まれており、観衆の誰もがこれから始まる戦いに熱視線を向けているようだ。

 

 そんな視線の先には教員と――二人の女子生徒の姿が。

 

「まず――Cクラス〝(キング)〟コルシカ・ポリフォニー、前へ」

 

 立会人の教員がスッと右手を掲げる。

 と同時に、片方の女子が一歩前へ出て――

 

『イッエーイッ! 今日はコルシカ・ポリフォニーのライブに来てくれて、皆ありがとうございまーすッ!!!』

 

「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!」」」

 

「遂に始まった『決闘場』ライブ、盛り上がってますかーッ!?」

 

「「「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!」」」

 

『声が小さぁーいッ!!!』

 

「「「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッツ!!!」」」

 

『うむうむ! 元気なお返事ありがとうございますッ! ファンの皆様の力強い声援、このコルシカの胸にしかと届きましたッ!』

 

 ……魔法音響器(マイク)を片手に、観客席に向かって大声と笑顔を振りまくコルシカという女。

 そんな彼女に対し、熱烈な歓声で答える一部のむさ苦しい観客共。

 その頭には〝コルたん♡LOVE〟とデカデカと書かれたハチマキが巻かれ、両手には色鮮やかに光り輝く魔力発光棒(サイリウム)を携えている。

 

「ウオオオッ! コルたん、世界一かわいいおッ!」

「流石俺たちCクラスのアイドル!」

「皆! 息を合わせて応援するのよ! 私たち〝Cポリメイト〟の力を見せてやる!」

「よっしゃ! いくぞォッ!!!」

 

「「「言いたいことが、あるんだよ! やっぱりコルたん、可愛いよ! 好き好き大好き、やっぱ好き! やっと見つけた、お姫様! 俺が生まれて、きた理由! それはお前に、出会うため! 俺と一緒に、人生歩もう! 世界で一番、愛してる! ア、イ、シ、テ、ルッッッ!」」」

 

「「「タイガー! ファイヤー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー!」」」

 

 …………謎の掛け声と共に、謎のダンスを踊り始める生徒たち。

 軽やかに舞う魔力発光棒(サイリウム)の蛍光色が、ウザいくらいに眩しい。

 

 おそらくコルシカと同じ一年Cクラスの連中なのだろうが……明らかに周囲から浮いている。

 っていうか周囲が引いてる。

 ぶっちゃけ俺も引いてる。

 

「……アレ、なに?」

 

「コルシカちゃん大人気じゃーん♪ ねえねえアルくん、あのコルシカって子〝職業騎士〟で、ローちゃんの後輩なんだよん♣」

 

 少しだけ開いた口が塞がらなくなる俺を見て、「ニシシ★」と笑うラキ。

 俺はクルリと頭をローエンの方に回し、

 

「…………おいローエン、〝職業騎士〟はいつから人気商売を始めるようになったんだ?」

 

「……聞かんでくれ」

 

 スッとローエンは目を背ける。

 

 ……なんだろう、なんか俺が思ってたのとは違うベクトルで凄い後輩が入学してきちまった気もするな。

 

 っていうか、世界一可愛いだぁ?

 世界一可愛いのはレティシアに決まってんだろうが、舐めんな。

 うーむ、なんか対抗心が生まれてきたな。

 

「負けてられん……世界一可愛いのはレティシアの方だと、アイツらにわからせてやる」

 

「アルバン、おかしな真似したら怒りますからね」

 

 即座に釘を刺してくる我が妻。

 それを受け、しゅんとなって自分を抑える俺。

 そんな俺たちを見て「お二人はラブラブですね~」とほんわか笑うエレーナ。

 

 一方、『決闘場』の中央で今度は教員が左手を掲げる。

 

「続いて――Bクラス〝(キング)〟フラン・ドール、前へ」

 

『――肯定』

 

 教員の言葉を受け、前へと歩み出る――白のエプロンと黒のドレスに身を包んだ、一名の女子。

 その格好はどこからどう見ても――使用人(メイド)の姿だ。

 

「……アレがBクラスの〝(キング)〟? その使用人の間違いじゃなくってか?」

 

 なんとも困惑させられる俺。

 

 Bクラスの〝(キング)〟として決闘の場に立っているのは、雪のように白い髪をショートヘアにした使用人(メイド)

 その立ち姿は如何にも瀟洒(しょうしゃ)で可愛らしく、〝デキる使用人(メイド)〟といった雰囲気。

 

 だが……青白い肌と、黒く濁ったような瞳、そして完璧なほど感情が読み取れない無表情な顔は、どこか人形のようで生気を感じさせない。

 

 コルシカはそんなフランとかいう使用人(メイド)をビシッと指差し、

 

「フランさん! 申し訳ありませんが、この勝負頂きますよ! 真のアイドルとなるのは、この私ですッ!」

 

『否定。フランは王立学園の〝(キング)〟となるよう、博士(マスター)から仰せつかっております』

 

 抑揚のない声で言うフランは、そう言ってコルシカを見据える。

 

『これは最上級の指令でございます。ですので……お前みたいな阿呆に譲ってやるわけねーだろーが、バーカバーカ、でございます』

 

「むう!? バカとはなんですか、バカとは!? バカって言う方がバカなんですよ!? ご存知ないのですか!?」

 

『検証。煽り作戦、成功。引き続き罵倒しながら煽り散らかして参ります。やーい、ザーコ、ザーコ』

 

「今度は雑魚(ザコ)って言いましたね! もう怒りましたよッ!!!」

 

 なんとも知能レベルの低い煽り合いを繰り広げたコルシカは、自身の身長よりも長い柄の斧槍(ハルバード)を構える。

 そしてその切っ先をフランへと向け――

 

「雑魚やおバカさんではアイドルが務まらないことを、教えて差し上げましょうッ!」

 

 意気揚々と啖呵を切る。

 と同時に教員がバッと腕を上げ、

 

「では――始め!」

 

 決闘の火蓋が、切って落とされる。

 ――直後、

 

『失礼ながら……さっさと失せやがれ、このアバズレ二流アイドルめ、でございます』

 

 フランが右腕を前方へと突き出す。

 すると――今まで裾で隠れて見えなかった球体関節(・・・・)がガシャッと動き、(てのひら)から砲口が突き出してくる。

 

「え――」

 

 それを見たコルシカは目を丸くするが――時すでに遅し。

 

 (てのひら)から魔砲が放たれ――コルシカへと直撃した。

 

 




球体関節……やはり球体関節はロマン……( ˘ω˘ )

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