【✨書籍化✨】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました【悪役✕結婚】 作:メソポ・たみあ
「逆らう奴は殺していいって言われてるから。――ああ、でも
そう言って、俺は祭壇の傍にいる赤いローブの奴を指差す。
おそらくこのイカレた信徒共をまとめ上げているであろう――教団の司祭とやらを。
「おかしな格好の司祭女。お前が〝薔薇教団〟を創った
「あら……私をご存じなのね」
「お前だけは生かして連れ帰れって言われてる。でも五体満足でとは言われてないから。逆らうなら容赦しない」
「クスクス、なんて罰当たりな。あなた
「お前の言う天罰なんざ、
お前がなにを信じてなにを恐れるのかなんて、知った事か。
俺は神も天罰も興味ない。
怖くも恐ろしくもない。
そんなモノより――レティシアを失うことの方が、俺には何千何万何億倍も恐ろしい。
ああそうさ。神だろうが天罰だろうが……レティシアを奪うなら、なにもかも全て
俺の返答を聞いた司祭は、パチパチと小さく拍手を送ってくる。
「まさに神をも恐れぬ英雄……いえ
「あぁ、そっちも俺を知ってんのか。なら話が早い、さっさと投降しろ」
「それはできないご相談ですわ」
司祭は祭壇の上に置かれていたドクロに軽く触れる。
するとゴゴゴッという轟音と共に祭壇それ自体が動き出し、地下へと続く隠し階段が露わとなる。
「信徒の皆様、今こそ信仰心が試される時です。あの不信心な男を〝外なる神々〟への贄として捧げし者には、福音がもたらされますわ」
「「「――ッ!」」」
司祭の言葉を聞いた信徒たちは一斉に目の色を変え、俺のことを睨んでくる。
そして全員ローブの中に隠し持っていた
「「「〝外なる神々〟のご加護があらんことをッ!!!」」」
「フフフ、ではこの場はお任せしましたわ」
信徒共を焚き付けた司祭は、我先にと隠し階段を下っていく。
部下を捨て駒にして自分一人だけ逃げおおせようってか。
やっぱりカルトの教祖なんて
「チッ、邪魔くせぇ」
「オードラン男爵、ここは我々にお任せを!」
俺と一緒に踏み込んだ騎士たちが信徒たちを迎え撃ち、聖堂の中はあっという間に混戦状態に。
別にぱっぱと皆殺しにしてから追いかけてもいいんだけど、コンマ一秒でも時間を取られるのは面倒ではあるしな。
お任せをって言うなら任せるか。
「じゃ、頼んだぞ」
この場を騎士たちに任せ、俺は司祭を追って隠し階段へと飛び込む。
隠し階段を降りると長い通路が続いており、その中を俺は全力疾走で走り抜けていく。
しっかしあの司祭女、結構逃げ足が速いな。
たぶん肉体強化の魔法でも使ってんだろうが、俺がすんなり追い付けない辺り中々の魔力の持ち主かもしれん、クッソウゼェ。
でも――逃げられるなんて思うなよ。
「やっと追い付いたぞ、食らえ」
剣を振り被る俺。
狙うは奴の足。片足一本吹っ飛ばせば、逃げたくても逃げられなくなるだろ。
そう思いながら斬撃を放つが――
「……〝星の風〟よ、憐れな私をお救いください」
司祭の足目掛けた斬撃が、
目に見えないなにかの力が、刃の軌道を逸らしたのだ。
「――ッ!」
この
アイツだ。あの
「〝
司祭がフードの下で呟く。
刹那――奴の足元から伸びる影が、奴自身を飲み込んだ。
同時に俺の目の前から司祭の姿が消え、文字通り
俺がずっと走ってきた長い地下通路が、胸糞が悪くなるほどの静寂に覆われる。
『――申し訳ありませんわね、アルバン・オードラン男爵』
俺以外誰もいないはずの通路の中に、司祭の声が響き渡る。
『〝外なる神々〟は私に慈悲をくださいましたわ。そして……あなた様への
「……」
『厄災が、あなた様から
――俺は奴の声を薙ぎ払うように、思い切り剣を振るう。
地下通路の壁も床も天井も、視界に映る全てをズタズタの滅多切りにする。
だが刃が人体に当たった感触はなく、斬撃から手に伝わってきたのは〝司祭を取り逃がした〟という空虚な実感だけだった。
「……上等だ、クソ神の奴隷風情が」
俺から大事なモノを奪う、だって……?
面白い冗談だ。
面白くて面白くて、
どうせ知ってるんだろう?
俺の大事なモノなんて、この世にたった一つしかないって。
それを奪うってんなら――お前も天罰も災いも、俺がこの手で滅ぼしてやる。
このアルバン・オードランから
邪教? アルバンとレティシアのイチャラブに勝てると思うなよ?(ꉺ౪ꉺ)
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