【ネタ】Fate/Eternity stories実況プレイ集   作:すも

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遅くなり申し訳ございません。初投稿です。


【オマケ】獅子劫先輩の聖杯大戦⑤

「令呪3画をもって命じる!」

 

大聖杯の前でランサーは溜息を吐きつつもマスターであるダーニックの足搔きを眺めていた。

 

(セイバー、アーチャーはヘラクレスに敗北。ライダーとバーサーカーはアキレウス相手に碌に抵抗もできず消滅、そしてキャスターは降伏しアサシンは行方知らず……もはや黒の陣営の敗北は避けられん。相手が強敵だとは理解していたがこうも早く決着がつくとは)

 

「ハッ、ここまで理不尽だと笑うしかないな」

 

ダーニックと違いランサーは自陣営の敗北をあっさりと受け入れていた。ギリシャの大英雄であるヘラクレスとアキレウスが同時に襲撃してきたらこうもなるだろうと。

 

(ライダーのマスターやキャスターを責めることはできぬ、敗色濃厚な状況で兵が逃げ出すのは当然のことだ。まぁキャスターはマスターの助命嘆願の為に降伏したようだが……上手くいくといいがな。余としても年端も行かぬ少年が死ぬのはいい気分ではない)

 

ランサーは逃げ出したセレニケや降伏したキャスターを責めることはなかった。味方が不甲斐ないのではなく敵が理不尽過ぎたのだと理解していた。

 

(だがこやつは諦めていないようだがな)

 

目の前にいるダーニックの瞳に宿る妄執と決意を見て、ランサーは覚悟を決めることにした。

 

「令呪を重ね余の宝具を使い、聖杯を不正に使ったとしても勝算は低いだろう。それでもやるのかダーニックよ」

 

「無論です。お許しください……私に次はないのですッ!」

 

(次か、そうだなダーニックよ。貴様にもはや退路はないのだ)

 

英霊である自分はここで敗退しても次の聖杯戦争で呼ばれるチャンスがあるが、ユグドミレニアのトップであるダーニックに次の機会はないのだと。足搔ける限り足掻こうとするダーニックの姿にランサーは理解を示した。

 

「よかろう、あの宝具を使うのは実に業腹だが……貴様の覚悟と執念に免じて特別に許そう」

 

運にとことん見放されたダーニックを憐れんだランサーはマスターの足搔きに最後まで付き合うことにしたのであった。

 

 

 

 

ユグドミレニア城の中枢にある大聖杯に駆け付けたヘラクレス達は大聖杯の傍にいる異様な存在に気付く。

 

「あれがランサーか?いやでもあれは」

 

「マスター、あれはヴラド三世ではなく吸血鬼ドラキュラを具現化した存在だろう。それに恐らく……ランサーのマスターの魂も混じっているな」

 

獅子劫の戸惑いにヘラクレスが答える。ヘラクレスの直感が今の黒のランサーが尋常な英霊ではないと把握していた。

 

「その通りだヘラクレスよ、これが余の宝具の一つである鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)だ。この姿になるのは非常に屈辱だがマスターに最後まで付き合うことにした」

 

「へぇ、俺達相手に臆せず最後まで足掻くか。黒の陣営のトップだけあって肝が据わってるな。なかなかの勇士だぜ!」

 

「まぁ余のマスターは本来策士であって勇士ではないのだが……奴にも譲れない願いがある。このような有様になっても諦められない願いがな。ならば余は奴のサーヴァントとして勝利を目指すとしよう!」

 

アキレウスの称賛にヴラド三世は苦笑する。そして臨戦態勢に入った黒のランサーが襲い掛かる。

 

「そうか、その決意については称賛しよう。そしてランサーよ、敬意をもって貴様らを打ち倒そう!」

 

「おうさ!俺とヘラクレスの雄姿……最後にその目に焼き付けな!」

 

ヘラクレスとアキレウスは即座に迎撃し戦いが始まった。

 

 

 

 

「どうやらユグドミレニアが奥の手を使ったようだな。あの直前になって感じた暴力的な魔力の高まり……聖杯を使ったのか。一筋縄ではいかなそうだな。如何するマスター?」

「ふむ」

 

戦場を観察している赤のアサシン……セミラミスから問われたシロウは戦場の様子を確認した。

 

「ただの悪足搔きですね。ヘラクレスとアキレウスに任せておけば問題ないでしょう」

 

そして何も問題はないと結論を出す。黒のランサーが如何に足掻こうと赤の陣営の勝利は揺るがないと。

 

「おやおや、いささか楽観的過ぎるのではないか?聖杯によって黒のランサーが異常に強化されているようだが」

 

「アサシン、貴方もわかってるでしょうに。大聖杯を不正に使用したようですが、それでやることがサーヴァントの強化とは愚策ですよ」

 

アサシンのからかいに対してシロウは苦笑しつつ答える。

 

「黒のランサーはヴラド三世、ここルーマニアの知名度補正もありますし強力な英霊ではありますがヘラクレスには決して届きません。例え聖杯を使って強化しても難しいでしょう。それにそんな無茶をすれば霊基が耐えられませんよ。過剰に注がれた魔力に器が壊れるでしょうね」

 

「それはそうだろうな。私から見ても黒のランサーは弱くはないが相手が悪すぎる」

 

「私なら聖杯を使ってヘラクレスとそのマスターを洗脳して味方にするか、あるいは生前の逸話のように理性を狂わし暴走させるでしょう。ヘラクレスを味方にできればこの状況からでも黒の陣営の勝機はありますし、最低でもヘラクレスを無力化出来るなら十分すぎますよ。そしてあのダーニック・ユグドミレニアがそれに気付かないわけがない」

 

「しかしユグドミレニアはそれをしなかった。いや、できなかったというわけか」

 

「そうですね、時間がなかったのか、あるいは聖杯大戦がまだ終結しておらず大聖杯の使用に制限がかかっていたのかはわかりませんが」

 

シロウはダーニックの行動が苦し紛れの足搔きだと看破していた。サーヴァントの強化よりも有用な使い方があったはずだと。

 

「ではヘラクレス達への加勢は必要ないのだな」

 

「ええ、心配いりません」

 

アサシンからの問いにシロウはにこやかな表情で答えた。

 

「ランサーが怪物になっても問題ありません。あそこには怪物退治のスペシャリストがいるのですから」

 

 

 

 

そして戦闘開始から1時間ほど経過し……

 

「やはり、届かぬか」

 

「ランサーよ、見事だった」

 

「ああ胸を張りな。お前は間違いなく大勇士だったぜ」

 

満身創痍で消滅寸前な黒のランサーが横たわっていた。対するヘラクレスとアキレウスは多少消耗した程度で、戦いが一方的だったのを物語っていた。

理由としては……「ヘラクレス鬼つええ!」で全て説明できるだろう。

 

「クククッ、持てる力を出し切っても届かぬとは。これが神代の大英雄達か……ヘラクレスよ、貴様からみて余は弱兵だったか?」

 

「謙遜するなランサー、私が生前戦った怪物達に劣らぬ強さだったぞ」

 

「それは褒め言葉なのか?余はこの姿を唾棄しているのだが。いや、かのヘラクレスにそう言わせたのは光栄だと思うべきか」

 

「おい素直に喜べよランサー、ヘラクレスにこう言わせるなんて間違いなく偉業だぞ?」

 

「ううむ、そうか……では称賛として受け取っておこう」

 

ヘラクレスの称賛に複雑な表情を浮かべつつも、アキレウスのフォローもあって黒のランサーは最後は笑いながら消滅していく。

 

「ここまでか、敗者は素直に去るとしよう……ではさらばだ」

 

「ああさらばだランサー」

 

黒のランサーはダーニックと共に消滅し、黒のキャスターとアサシンが残ったものの聖杯大戦は事実上赤の陣営の勝利で終わったのであった。

 

 

 

 

「よくやったぜセイバー、最後はちょっと焦ったが無事に勝利できたな」

 

「当然だマスター。黒のランサーは確かに強敵だったが、あれなら12の難行とさして変わらん」

 

「いやそれ普通なら無理ゲーだと思うんだが……まぁヘラクレスだしなぁ」

 

戦いも終わりアタランテ達と合流した獅子劫達は大聖杯の前で雑談をしていた。

 

「それでどうするのだヘラクレスのマスター、大聖杯も確保したことだし先に貴様の願いを叶えたらどうだ?私とアキレウスは止めはしないぞ」

 

「俺は別にいいと思うぜ。戦場に出て戦った勇士として優先して願いを叶える権利があるだろ」

 

「あー……」

 

アタランテ達から今後の予定について聞かれた獅子劫は考え込む素振りを見せた。

 

「まぁ俺もできればそうしたいが……スポンサー(時計塔)に報告してからだ。雇われの傭兵として義務を果たさないとな」

 

【はい、そうしてくれると助かります】

 

先程から合流してきた鳩……赤のアサシンの使い魔から教会の監督役を名乗る男の声が発せられる。

 

【大聖杯は時計塔が確保しましたが、黒のアサシンとキャスターが残っている以上聖杯大戦は続いていると我々聖堂教会は判断しています。聖杯を使うとしても残りの黒のサーヴァントを完全に排除してからでお願いします】

 

「僕としてはマスターの安全を保障してくれれば今すぐにでも自害するよ」

 

【ええ、その件も含めて時計塔と話し合う必要があります。ここは一度待機してもらえますでしょうか。私もそちらに向かいますので】

 

「いいぜ、俺もあの爺さんに連絡を取る必要があるしな」

 

【感謝します。それでは】

 

教会の監督役からの要請を獅子劫達は了承する。

 

「マスター、何か嫌な予感がする。警戒を怠るな」

 

「ええ?まだ何かあるのかよ……」

 

ヘラクレスからの警告を聞いて警戒しつつも獅子劫はロッコに連絡を取ることにした。

 

 

 

 

「というわけで大聖杯を確保したぜ」

 

【いや早過ぎんかのぉ?】

 

獅子劫からの報告にロッコは思わず困惑していた。日付も変わらぬうちに勝敗が決まるとは老練な魔術師にも流石に予想できなかったようだ。

 

「いや俺としても予想外だったんだが、ヘラクレスとアキレウスがやる気を出してな。そのままカチコミにいったら勝ったぞ」

 

【お、おおう、へラクレスとアキレウスのコンビかぁ……ユグドミレニアに少しだけ同情しそうになったわい】

 

しかしヘラクレスとアキレウスが暴れたと聞いてロッコは納得する。

 

【うむうむ、しかしよくやってくれたのぅ!これで時計塔の勝利は確定じゃ。後は赤の陣営同士の戦闘があるがお主らなら余裕で勝てるじゃろ】

 

「ああ、それは心配してないんだが……ヘラクレスが警戒しろと言ってるんだ」

 

【何?ヘラクレスが?】

 

上機嫌なロッコだったが獅子劫から聞かされた情報に瞬時に思考を切り替えて考え込む。

 

【ううむ、ヘラクレスの警告か。ただの杞憂と断じるわけにはいかんな。お前なら大丈夫だとは思うが気を付けるのじゃぞ獅子劫】

 

「ああ、もうすぐ悲願を叶えられるんだ。最後まで気を抜かず戦い抜くさ」

 

ロッコへの報告を終えた獅子劫は改めて気合を入れ直すのであった。




ジーク君「速攻で終わったので出番ないです。今後も出番はありません」
ジャンヌ「トゥリファスに到着したら大勢が決していました……いやこれ戦力差おかしくないですか?」



<次回予告>
シロウ「というわけで人類の救済の為に僕に協力してください」
獅子劫「いやちょっと待てよ」
ヘラクレス「それジョークか?面白いことを言うなぁこの阿呆は」



駄文で申し訳ありません。リアルが忙しいですが頑張って書こうと思います。
感想くれると嬉しいです。
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