あと、ドクターのセリフは一部私の心からの叫びが入っております。
ここはテラを駆ける方舟、『ロドスアイランド』
そこの組織のトップであるドクターは執務室で一枚の紙を穴が空くほどに見つめ、唸っていた。
「いやでもこれは...うーん...」
「ドクター?さっきから何をそんなに悩んでいるんですか?」
その様子を見かねたコータスの少女が声をかけた。
「あぁ...アーミヤ...ちょっとコレ見てよ...」
「履歴書ですか?一体どんな...こと...」
ドクターが渡した履歴書を見るやいなやアーミヤも固まってしまった。
「...えぇと...」
名前 ギョクソウ
希望オペレーター名 ギョクソウ
性別 女性
戦闘経験 1年
誕生日 9月10日
出身地 極東
種族 ヴァルポ
希望職業 補助
『まずその...つかぬ事をお伺いするのですが...』
『10歳前後のヴァルポの少女はいらっしゃいますか?』
「...ど、ドクター?」
「アーミヤ、正直に言ってくれ。...どう思う?」
「...不審者情報ですか?」
「うん...そう、だよね...」
『あぁ、申し訳ございません。これではまるで不審者ですよね。少々訂正をさせていただきます。』
『10歳前後の私をお姉ちゃんと呼び慕ってくれるヴァルポの少女はいますか?』
『具体的には人懐っこく夏に咲く向日葵のような笑顔に小さな体。だがその体には優しさ、勇気、善意その他もろもろを含んでいます。』
『もっと具体的にいくと、毎朝七時に起床しベッドを整え歯磨きをして詩集を十分間朗読し た後医療部へ向かい真剣にアーツの使い方を学ぶ。それと同時に積極的に歳の近い感染者たちのメンタルケアの手伝いもする。そして全ての医療オペレーターへの心を込めた挨拶も忘れず、昼は必ず一時間昼寝をし起きた後は決まってチーズクリームココアを一杯飲む。もしこっそりお菓子やプレゼントをくれようとするオペレーターがいても丁寧に断る一方で見知らぬ怪しげな者に出会うと近くの親しいオペレーターの後ろに身を隠し避けるように怖いて歩く。午後は会議または医療オペレーター講座を傍聴し、終わったら会場を隅々まで掃除してから電気を消す。夜は部屋に閉じこもって本を読む、読書に疲れたら後方支援部の手伝いをするが少し褒められると照れてしまい、そして就寝は夜十時前です。』
『いますか?』
「ひっ...!」
「アーミヤ?もう隠そうともしないね君ね。」
「ご、ごめんなさい、ドクター...ただあまりにもその...」
「うんそうだね。気持ち悪いね。」
「通報した方が...!もう今からでもチェンさんに来てもらいましょうよドクター!」
「いや...ここまでのことを書くというならそれ相応の何かがあるはず。アーミヤ。」
「...?」
「ヴァーミルとシャマレを呼んできてくれ。」
「...あっ!分かりました!」
「...ということで、二人を呼んだんだ。いきなり来てくれてありがとう。」
「ったく。そんなことで呼び出すなよな。」
「あはは...えーと、シャマレさん、ヴァーミルさん。この方のお名前になにか覚えはありますか?」
「いーや、全くないね。まずまず、オレに極東の知り合いはいねーよ。」
「そうか...シャマレは?」
「アタシもだね...全く無い。モルテも無いって言ってる。」
「そうですか...」
「うん。二人ともありがとうね。もう良いよ。」
「そうか。じゃあな。」
「バイバイ...ドクター。」
「...アーミヤ。」
「はい。」
「チェンに連絡を。」
「わかりました!...あれ?」
「どうしたんだ?」
「繋がらない...です。今は忙しいのかも。」
「...こうなったら、会ってみようか。」
「えっ!?」
「さっきから、この履歴書からなにか普通じゃないものを感じるんだよね!」
「確かに普通じゃないですけど!」
「しかもチェンと連絡がつかないときた、これはもう会ってみろとの神からの思し召し!」
「ドクターは宗教とか興味ないって言ってたじゃないですか!」
「アッハッハッハッハッ!」
「...ドクター。何日寝てないんですか?」
「もうわかんにゃい」
「そんなにふにゃふにゃになるまで働いてたんですか!?確かにお仕事は沢山あると言いましたが、それで体を壊していてはダメですよ!」
「もう仕事は終わったよ。」
「終わったのなら休憩してください!」
「でも、与えられた仕事だけじゃダメなんだよ。先のことも考えないと...」
「それってどういう...」
「石が!装置が!砥石が!コールが!それも大量に必要なんだ!あぁ、マンガンも集めないと...!」
「ごめんなさいドクター...低出力ソウルブーストッ!」
「ん゙ッ!?」
アーミヤが放ったアーツはドクターに直撃し、ドクターは意識を失った。
「...もう、頑張りすぎですよ。ドクター。」
気絶したドクターを執務室のソファーに寝転ばせ、上から毛布をかける。
「おやすみなさい、ドクター。」
アーミヤは眠るドクターに微笑みかけた。
一体なにランの事を言っているんだこの不審者...!?